2012年12月31日月曜日

2012年ビートルズ十大ニュース

2012年も今日で終わりです。当ブログの独自視点による2012年のビートルズ関連十大ニュースをカウントダウン形式で振り返りたいと思います。過去に各ニュースに関連する記事を投稿しているのでそちらもご覧ください。

第10位 ビートルズデビュー50周年

2012年10月5日はビートルズがシングル「Love Me Do」でデビューしてからちょうど50年にあたります。50周年にかこつけた細かなイベントやリリースはありましたが、それほど大きな盛り上がりは無かったように思います。

第9位 ビートルズ関連オークションの賑わい

今年はオークションでの様々なビートルズ関連出品が話題になっていました。音源関連ではWhat Goes OnとLove You Toのデモや、デッカ・オーディションの自称マスターテープが目玉でした。
その他定番の装飾品やサインは多く出品されています。当ブログでは紹介しませんでしたが、マーク・チャップマンがジョン・レノン暗殺実行当日にジョンからサインをもらったアルバム「ダブル・ファンタジー」も売りに出されていました。

第8位 フジテレビ ロック特番集中的に放送

今年の後半はフジテレビで「Magical Mystery Tour」が放送されたことを皮切りに立て続けにビートルズなどのロックに焦点を当てた番組が複数放送されました。来年もこの勢いが続いてほしいものです。

第7位 アニメ映画「Yellow Submarine」リニューアル版発売

日本でのビートルズ作品初のBlu-ray化となりました。発売記念の試写会イベントも開かれました。

第6位 ビートルズ展開催

日本橋三越で開催されたビートルズ展は想像以上に充実した内容でした。来場者の多さや年齢層の幅広さに普遍的な注目度の高さを感じました。

第5位 ビートルズ解散の原因議論再燃

ポールがインタビュー番組で解散原因はオノ・ヨーコに無いと発言したことが世界中でニュースになっていました。その後ヨーコが感謝の言葉を述べるなど、しばらく友好的なムードが続いていましたが、過去にヨーコがビートルズ解散の原因がポールにあると取れる発言をしたことが先週あたりから取り上げられて再び議論が熱くなっています。このヨーコの発言については後日ご紹介します。

第4位 テレビ映画「Magical Mystery Tour」リニューアル版発売

ビートルズ本人が深く関与した作品として「Yellow Submarine」よりは盛り上がっていたように思います。テレビ放送や映画館での上映もありました。

第3位 2009年リマスター版アナログLP発売

ビートルズのオリジナルアルバム14作品が2009年リマスター版の音源を使用して再発売されました。その品質については賛否両論あるようです。

第2位 「レイン~ビートルズに捧ぐ~」日本公演開催

ビートルズのトリビュートショーが東京・名古屋・大阪で行われました。何よりのべ3万もの人が足を運んだということが驚きです。ビートルズの曲を生演奏するショーに需要があることを思い知らされたイベントでした。

第1位 ポール・マッカートニー ロンドン五輪開会式で「Hey Jude」を演奏

放送上のトラブルがあったことも手伝ってこの件についての当ブログの記事のアクセスは1万を越えました。オリンピックの影響力の甚大さを実感しました。これを機にビートルズの再評価熱が高まることを期待します。

2012年12月30日日曜日

雑誌「beatleg magazine」 2012年2月号 (vol.151)特集は「ビートルズ ライブ! 1962~1966」

洋楽音源研究を中心とした、コレクターズ向けの音楽総合誌beatleg magazineの2012年12月28日発売vol.151の特集は「ビートルズ ライブ! 1962~1966」です。

ビートルズが1962年~1966年に行ったライブのうち、音源や映像の存在が確認されているものを時代順に整理する記事です。それら音源や映像の詳しいレビューに加えて、最も品質が良いリソースの入手元(正規版とは限りません)を紹介しています。近年はインターネット経由で初めて人目に触れることも増えてきているようです。
デビューから50年経つ現代においてもビートルズのライブ活動の全貌はまだ明らかになっておらず、これ以上の発掘は期待できないのかもしれませんが、The Beatles Live! Project(以前の投稿参照)に期待を寄せて記事は終わっています。

ビートルズの1964年のインタビュー記事も含んだ全70ページ以上の読み応えのある特集です。2012年9月に発売された「ザ・ビートルズ 全パフォーマンス徹底解剖」(以前の投稿参照)とあわせて読むことでビートルズのライブ活動について現時点での情報は網羅できると思います。

なお、今号には「レイン~ビートルズに捧ぐ~」東京公演初日のライブレポートも掲載されています。

2012年12月26日水曜日

ビートサウンド ビートルズ [音盤] デビュー50周年記念本祝祭号 発売

AV鑑賞系出版社ステレオサウンドの季刊誌「BeatSound(ビートサウンド)」2012年12月24日発売号は「ビートルズ [音盤] デビュー50周年記念本祝祭号」と銘打ち、2012年11月14日に日本発売されたビートルズのアナログLPについて特集しています。
全アルバム2ページずつ誌面を割いて2009年リマスターのCD/USBを中心とした過去の音源と今回発売されたアナログLPの聴き比べ結果を記しています。アルバムごとにレビュアーが異なりますが、総じて今回のアナログLPは2009年リマスターならではの解像度が高さがありつつも音のきらびやかさが抑えられて中低域がふくよか、という印象のようでした。ネガティブな評価は無かったように思います。
レビュアー各人はしきりにアナログ盤特有の内周歪みの有無を気にしていましたがその点はよく対策されているというのが一致した見解のようでした。
同社の雑誌らしく、様々な機材でアナログLPやUSB版(24bit/44.1kHz)を鑑賞する記事も充実しています。やはりUSB版の音質が衝撃的に良いという評価のようです。

その他にも今年発売されたBlu-ray版「Yellow Submarine」と「Magical Mystery Tour」のレビューや今年オープンして話題のビートルズ資料館「THE FAB FOUR ARCHIVES」の紹介などのニュース性のある記事に加え、ジョージ・マーティンのインタビューなどの過去の記事の再掲載、高音質のアナログ盤として必ず引き合いに出されるモービルフィデリティ盤の時代背景の解説などバラエティに富んだ内容になっています。

「保存版」と謳っている今号ですが、2012年がビートルズ作品にとってどんな年だったかを振り返るために保存しておくのも良いと思います。

 

2012年12月24日月曜日

甲虫楽団機材紹介:キーボード編


今後、甲虫楽団のメンバーの使用機材を折りに触れご紹介していきます。今回注目するのはキーボード担当セイイチです。ライブではMIDI音源Roland SC-8850を持ち込んで会場のキーボードに接続していますが、他にも様々な機材を保有しています。以下、本人のコメント入りでご紹介します。

【Group A】
YAMAHA Acoustic Piano 88key
唯一自分のじゃありません。嫁入り道具です。

【Group B】
Roland RD-700GX (Digital Piano 88key)
メインで使用しているピアノ
Roland Sonic Cell (Synthe Module)
所有する中で最新の音源モジュール

【Group C】
Roland Fantom-X8 (Synthesizer 88key)
メインで使用しているシンセサイザー
Roland SC-55mkⅡ (Synthe Module)
Roland SC-8850 (Synthe Module)
音源モジュールの親亀と小亀です。親亀はいつもバンドに持参し愛用しています。

【Group D】
KORG SG-1 (Digital Piano 76key)
社員時代に社員割引で購入したピアノ
 Roland SK-88pro (Synthesizer 37key)
一番最初に所属したビートルズ・コピバン当時使用していたシンセ

【Group E】
上段から
 Roland SH-2 (Analog Synthesizer 37key)
大学時代、最初に買ったシンセ。この時から音楽人生がスタート!
 Roland PC-70 (MIDI Controller 49key)
脳足りんキーボード。音源を内蔵してません。
 Roland U-20 (Synthesizer 61key)
シンセ鍵盤タイプの中でメインで使用
 Roland A-33 (MIDI Controller 76key)
この子も脳足りん。ピアノ鍵盤ながらライトタイプで、グリッサンドの練習に最適

2012年12月21日金曜日

レビュー:ドキュメンタリーDVD「Beatles Stories」(邦題:「ビートルズと私」)

※本作品は「ビートルズと私」という邦題で2013年に映画館上映されます。詳しくはこちら

以前の投稿で紹介したドキュメンタリーDVD「Beatles Stories」をアマゾンで購入しました。北米版もNTSCフォーマットでリージョンALLなので日本の機器でも再生できます。音声は英語のみで字幕はありません。
DVDジャケット
DVDラベル
本作はシンガーソングライターのセス・スワースキーがカメラ片手にビートルズ関係者を訪問してビートルズとの思い出についてインタビューするという内容です。書籍等で名前を目にしていた人が実際に語る様子を見るのはなかなか刺激的です。2011年に完成した映画ですが既に故人となった方のインタビューも収録されています(ビクター・スピネッティ、ノーマン・スミスなど)。語る人は皆いくら時間があっても足りないといった風情ですが、そこをテンポ良く繋いで85分にまとめています。映像特典は本編から漏れたインタビューが30分超、ビートルズの初代エンジニアであるノーマン・スミスのインタビュー約25分、監督のオーディオコメンタリーです。

ビートルズの曲に関する新事実はあまり無いようでしたが(一度もビートルズの曲は流れません)写真はいくつか珍しいものがありました。何より語っている人全て、それを聞いているセス・スワースキーも皆楽しそうに懐かしそうにしているのが感動的でした。
アメリカ人の視点から制作されており、1964年の初訪米のエピソードを重視しているようでした。本編最後は初訪米時ビートルズを招いて開催されたパーティーに参加した少年(今はおじさん)のインタビューでした。

英語ですら字幕が無いのが残念ですが、その点を克服できるなら見る価値あると思います。

2012年12月18日火曜日

Hofner HCT500/1 キャヴァン・ベース日本限定発売

Hofner(カール・ヘフナー社)ブランドの中国製シリーズ「HCT」に、通称「キャバーンベース」と呼ばれているタイプの500/1ベースが登場しました。型番はHCT-500/1CVで、日本限定発売だそうです。

ポール・マッカートニーがデビュー前から1963年まで使用していた初代500/1ベースは当時根城にしていたライブハウス「CAVERN CLUB」にちなんで「キャヴァーン・タイプ」と、二代目500/1と区別して呼ばれています(カタカナ表記は様々あります)。
今回発売されたのはその初代に近付けた仕様で、リアピックアップがネック寄り(したがってピックガードの形状も異なる)、ピックアップにカバーがあり菱形のロゴがある(通称「ダイヤモンド・トップ」)、ヘッドのロゴが異なる(通称「バーチカル・ロゴ」)が特徴です。他にも初代と二代目には細かな仕様の違いがあるのですが、今回はそこまで追求しておらず、既存のHCT500/1Jから前述の仕様を変更しただけのようです。
HCT500/1Jも日本限定仕様で、世界標準仕様と異なりポール使用器を意識してネックのバインディングがありません(あって良いヘッドのバインディングも無くなってしまっていますが・・・)。こちらは元々ポールの二代目500/1を意識したモデルですが細かいところが多数違うので、それを元にした今回のHCT-500/1CVも特殊な仕様になっています。

現時点ではイケベ楽器で販売されていることを確認済みです。

紹介文には「特製専用ペグ」とありますが、写真を見る限りではポールが使用した通称「ラグビーボール・タイプ」のものとは違うようです。
販売価格は9万円程度で、HCT5001/Jと同じ相場です。これだったらHCT-500/1CVの方がお得感あります。

2012年12月16日日曜日

Get Back ベースTAB譜

「Get Back」風のベース譜面を共有します。

http://www.kouchu.info/Bass05.pdf

単調ですが開放弦の使いどころと時折あるオカズが楽しい曲です。要所のG→Dのコードチェンジにベースが参加するのは間奏の1箇所のみであるところもポイントだと思います。

2012年12月13日木曜日

ラヴィ・シャンカル死去 ビートルズに与えた影響

ミュージシャン、シタール奏者として世界的に有名でジョージ・ハリスンが「ワールドミュージック界のゴッドファーザー」と評したラヴィ・シャンカル(”ラビー・シャンカール”とも表記)が2012年12月11日アメリカで亡くなりました。92歳でした。公式サイトに家族の声明文が掲載されています。http://www.ravishankar.org/
ジョージとラヴィ・シャンカル
ビートルズ公式YouTubeチャンネルには追悼動画が掲載されました。
 

ビートルズ関係者も続々声明を発表しています。
リンゴ・スター「ラヴィの死は音楽的、精神的、物質的に大きな損失だ。」
ジョージ・マーティン(ビートルズのプロデューサー)「インド音楽の複雑なリズムや調性を理解するにあたって彼からとても多くのことを学んだ。友人であることを常に誇りに思っていた。」
その他ジョージ・マーティンの息子ジャイルズ・マーティンやジョン・レノンの息子ショーン・オノ・レノンもコメントを寄せています。
また、ラヴィ・シャンカルの娘であるグラミー賞歌手ノラ・ジョーンズは"My Dad's music touched millions of people. He will be greatly missed by me and music lovers everywhere."と発言しています。

1950年代から世界を股にかけて活躍していたラヴィ・シャンカルですが、なんと言ってもジョージ・ハリスンのシタール(インドの弦楽器)の師匠となったことが大ブレイクのきっかけだと思っています。本人もビートルズのジョージのグルとしてスーパースターのような扱いを受けたと語っていました。ジョージが2001年11月29日に死去した際、ラヴィ・シャンカルが寄稿した以下の文章に記載あります。二人の交友関係がよくわかる文章です。

George Harrison, World-Music Catalyst And Great-Souled Man; A Childlike Simplicity, Full of Love and Fun
http://www.nytimes.com/2001/12/09/arts/george-harrison-world-music-catalyst-great-souled-man-childlike-simplicity-full.html?smid=pl-share

今回改めてラヴィ・シャンカルとジョージの関係を調べてみるとビートルズの音楽に与えた直接的な影響は限定的であることに気付きました。ジョージがシタールに興味を持ったのは映画「ヘルプ!」にシタール演奏者が出演した際だというのが定説です。その後バーズ(The Byrds)のメンバーからラヴィ・シャンカルの音楽を紹介されましたが(詳細はこちら)、本人に会ったのは1966年の春が初めてであり、二人がインドの地で師弟としてひざを突き合わせてシタールを追求したのは1996年の夏から秋にかけての短い期間でした。その時のニュース映像が以下です。
この後ジョージがシタールをビートルズのレコーディングで弾いたのは「Within You Without you」の間奏だけだったようです。同じくインドの弦楽器タンブーラをジョージが弾くことはその後もありましたが、タンブーラは開放弦を鳴らし続けるものらしいのでラヴィ・シャンカルの手ほどきが影響するものでも無いように思います。シタールはじめ、大抵のインド楽器はインド人ミュージシャンを招聘して録音していましたが、ラヴィ・シャンカルが参加することはありませんでした。
ジョージは1968年までにシタールを弾くことを止めてしまったようで、ビートルズ全員でインドに行った後のアルバム「The Beatles」ではインド楽器を使用していません。しかしその後もジョージとラヴィ・シャンカルは親交を深めていきました。サウンドよりも精神面でビートルズに影響を与えた人だったのかもしれません。

ビートルズの曲でシタールが使用されたものを列挙します。
Norwegian Wood (This Bird Has Flown)
Love You To
Within You Without you
The Inner Light
上記以外で聴こえるインド風の音はタンブーラかソードマンデル(琴のような楽器)のようです。


最後に本物のシタールでビートルズの曲をコピーしている人たちの映像を以下に共有します。



日本での報道

世界文化賞受賞のラヴィ・シャンカール氏死去 インド民族楽器「シタール」第一人者

ラビ・シャンカール氏が死去 インドの弦楽器シタール奏者

ビートルズに影響…ラヴィ・シャンカール氏死去

ラビ・シャンカールさん死去 民族楽器シタールの演奏家

シタールのシャンカール氏死去
ラヴィ・シャンカール、死去

世界的なシタール奏者、ラヴィ・シャンカールが92歳で死去

グラミー授賞式を待たず 伝説のシタール奏者ラビ・シャンカールさん逝く
http://eiga.com/news/20121212/13/

歌手ノラ・ジョーンズの父で、ビートルズにも影響を与えた伝説のシタール奏者のラヴィ・シャンカールさんが死去
http://www.cinematoday.jp/page/N0048656

シタール奏者シャンカール氏死去 ジョージ・ハリスンが師事
http://www.47news.jp/CN/201212/CN2012121201001338.html

G・ハリスンも師事したシタール奏者ラヴィ・シャンカール、享年92歳で他界
http://news.mynavi.jp/news/2012/12/13/149/index.html

【ビートルズにも大きな影響】ノラ・ジョーンズの父、シタールの第一人者、ラヴィ・シャンカルが死亡
http://listen.jp/store/musicnews_42325_all.htm

シタール奏者のラヴィ・シャンカールが他界
http://ro69.jp/news/detail/76035

ノラ・ジョーンズの父親、世界的シタール奏者ラヴィ・シャンカールが死去
http://www.mtvjapan.com/news/music/21971

シタール奏者シャンカル氏、グラミー功労賞を受賞へ

インドの伝統楽器シタール奏者のラビ・シャンカル氏死去

N・ジョーンズの父親、シタール奏者R・シャンカールが死去

ラビ・シャンカール氏死去、92歳 シタールの世界的奏者

シタールの世界的奏者、シャンカール氏死去

2012年12月10日月曜日

ポール・マッカートニー オリンピック口パク騒動の真相を語る

2012年夏に開催されたロンドンオリンピックの開会式でポール・マッカートニーが「Hey Jude」を演奏した際、ポールの声が重なって(ダブって)聴こえるトラブルがありました。その原因について「口パク失敗」「音響トラブル」など様々な憶測を呼んでいましたが、今回ポール自身が真相を語りました。

Paul McCartney explains Olympics embarrassment 
http://www.express.co.uk/news/showbiz/363762/Paul-McCartney-explains-Olympics-embarrassment

本番当時の様子は以前の投稿をご参照ください。
演奏直後のポール。失敗を悔いているのか。隣はドラマーのエイブラハム・ラボリエルJr
まず、ポール出演前に音響トラブルが発生していたことにより、このような時のために事前録音しておいた音源を流すことになったようです。でもポールはライブで演奏することを主張しました。折衷案として事前録音音源と生演奏を同期させることにしたのかもしれません。
この日演奏した「The End」と「Hey Jude」の間にステージ後方の大きな鐘が鳴りましたが、この演出をポールは事前に知らされておらず、その爆音に「Hey Jude」の出だしの音を見失ってしまいました。本来スタッフの指示を待ってから演奏を始めるはずでしたが、この出来事に慌てたポールは鐘が鳴り止んだ沈黙に耐えきれず先走って演奏を始めてしまいました。その事態にさらに慌てたスタッフが遅れて事前録音の音源を流し始めてしまったというのが真相のようです。
事の重大さに気付いても時既に遅し、バンドは演奏を継続するしかありませんでした。ドラマー(エイブラハム・ラボリエルJr)はヒステリックになってポールに一瞥もくれなかったそうです。

ポールが実はステージ上で緊張しやすいことは様々なエピソードで伝わってきています。本来ギターのテクニックがビートルズ随一であるにも関わらずジョージ・ハリスンにリード・ギターの座を明け渡していたのは、ポールが緊張のあげくステージでギターを失敗した事件が原因の一つとして語られています。その後、閉鎖的なレコーディングという場で機材の進歩により個別パートのやり直しが利くようになると喜々としてリードギターを弾きだしたのは周知の通りです。
この性分を経験と観客の暖かさによって克服してきたと語っていたポールですが(以前の投稿参照)、さすがにオリンピックの開会式という大舞台での想定外での出来事につい癖が出てしまったというところでしょうか。

2012年12月9日日曜日

書籍「ビートルズの作曲法」発売

当ブログでも紹介してきたセミナー「ビートルズの作曲法」が書籍として2012年11月16日に発売されました。セミナーの報告は以下をご覧ください。

セミナー「ビートルズの作曲法」第1回『ヘイ・ジュード』開催
http://blog.kouchu.info/2012/08/Hey-Jude-Seminar.html

セミナー「ビートルズの作曲法」第2回『ストロベリー・フィールズ・フォーエバー』開催
http://blog.kouchu.info/2012/09/Strawberry-Seminar.html.html

セミナー「ビートルズの作曲法」第3回『イエスタデイ』開催
http://blog.kouchu.info/2012/10/Yesterday-Seminar.html

セミナー「ビートルズの作曲法」第4回『ヘルプ』開催
http://blog.kouchu.info/2012/11/Help-Seminar.html

書籍ではセミナーで取り上げた上記4曲に加え、セミナー未登場のジョージ作「ヒア・カムズ・ザ・サン」も題材にしています。メロディ/コード進行/アレンジ/構成の切り口で分析しており、基本的にはセミナーの内容を踏襲していますが、書籍用に新たに書き起こしているようです。
ビートルズの曲を楽典を駆使して分析する書籍は過去にもいくつかありますが、この書籍は以下のような特色があると思いました。
  • 対象曲の楽譜が載っている:権利の関係かこれまで楽譜が開催されている例はあまり無かった
  • ロックやブルースにも造詣が深い:これまでの書籍はクラシックの楽典のみのアプローチが多かった
  • ギター、ベース、ドラムも対象にしている:これまでの書籍はメロディとコード進行のみが多かった
  • 当時の世相、ビートルズの活動状況、メンバーの身の上を踏まえている:これまではビートルズファンとは思えない著者の書籍が多かった
  • 歌詞の音や内容とメロディやコードの関連性に注目している:これまでほとんど無かった視点
これらの特色により非常に興味深い内容になっています。2100円という少々高価な書籍ですが、一読の価値があると思います。




2012年12月6日木曜日

レビュー:フジテレビ放送「ザ・ビートルズ・イン・ザ・スタジオ」

フジテレビ「メディア工房」枠の「FUJITV THE ROCK MOVIES」という特番で「ザ・ビートルズ・イン・ザ・スタジオ」(The Beatles in the Studio)が2012年12月5日26時15分から放送されました。
※2013年以降フジテレビNEXTで何度か再放送されています。

番組の構成

ビートルズのメンバーとプロデューサー(ジョージ・マーティン)の語りでビートルズのレコーディングについて全時代を網羅したドキュメンタリーです。
今回は本編の前後に10月の「Magical Mystery Tour」放送時(レビューはこちら)と同様LOVE PSYCHEDELICOが語っています。2012年11月に発売されたアナログLP盤や「Love Me Do」のシングルレコード復刻版の現物を手に持って紹介していました。
本編部分はイギリスのBBCが「THE BEATLES ON RECORD」という題名で放送した作品で、NHKが2009年9月に「よみがえるビートルズ 完全版~THE BEATLES Reborn~」として放送した際の本編と同じです。3本の番組を見比べましたが編集はまったく同じでした。日本放送時の字幕はそれぞれ独自に作成しており、NHK版の方が文章量が増えることを厭わず一言一句丁寧に訳していたようですが誤訳もありました。ジョージ・マーティンのみですます調で訳してあるのが面白いです。スタジオ内の何気ない会話についてはフジテレビ版の方が熱心に訳していました。歌詞を訳していたのもフジテレビ版だけです。なお、NHK版は本編の前にビートルズの歴史や2009年のリマスターについて紹介する10分弱の独自映像が追加されています。

内容・感想

スタジオ内での会話音声・写真・映像をふんだんに使用しているところが見所です。それ以外もテレビや映画の演奏シーンなどで臨場感が出ています。写真は前景と背景を切り離して立体的に見えるように動かしたり、映像はズームやコラージュを多用するなどしてダイナミックな作りになっています。「Blackbird」をスタジオで弾き語るポール・マッカートニーの映像が最も驚きました。他にスタジオ内の映像と音が同期しているのは「Hey Bulldog」や映画「Let It Be」からの映像くらいでした。
レコーディングに重点を置いているため、それ以外の話題はビートルマニア旋風、コンサートツアーの停止、インド旅行くらいで、たっぷりレコーディングに浸ることができます。ビートルズの曲作りに興味がある方にとっては欠かせない番組だと思います。
なお、2009年リマスターCDステレオボックスに付属しているDVD「THE MINI DOCUMENTARIES」と素材を一部共有していますが、編集が異なりますし、それぞれ独自の素材も使用しているので両方見ることをお勧めします。

登場曲

「THE BEATLES IN THE STUDIO」と「THE MINI DOCUMENTARIES」収録曲を登場順に列挙します。基本的には後者の方が曲数が多いのですが、後者がアルバムごとのドキュメンタリーということもあり、シングル曲を中心に前者のみに登場する曲もあります。また、一部両者で順番が異なるところもあります。両者とも1時間弱の作品で、前者は全体的な流れを重視し当時のインタビュー映像なども交えていることから、1時間にまとめるために曲を削ったのかもしれません。なお、エンドクレジットにかぶせたスタジオ内の会話は前者にのみ存在します。

青字は登場順が両者で異なる曲
THE BEATLES IN THE STUDIO THE MINI DOCUMENTARIES
I Saw Her Standing There I Saw Her Standing There
Love Me Do Please Please Me
Please Please Me Love Me Do
  Baby It's You
  Boys
Do You Want to Know a Secret Do You Want to Know a Secret
Twist and Shout Twist and Shout
From Me to You  
  It Won't Be Long
All My Loving All My Loving
  Don't Bother Me
  Till There Was You
I Wanna Be Your Man I Wanna Be Your Man
Roll Over Beethoven  
Please Mr. Postman Please Mr. Postman
  Money (That's What I Want)
She Loves You  
I Want to Hold Your Hand  
A Hard Day's Night A Hard Day's Night
And I Love Her And I Love Her
Can't Buy Me Love Can't Buy Me Love
If I Fell If I Fell
I'm Happy Just to Dance with You I'm Happy Just to Dance with You
  You Can't Do That
  I'll Be Back
I Feel Fine  
No Reply No Reply
I'll Follow the Sun I'll Follow the Sun
  Everybody's Trying to Be My Baby
  Honey Don't
  Baby's in Black
  Eight Days a Week
  Kansas City/Hey, Hey, Hey, Hey
Help! Help!
Ticket to Ride Ticket to Ride
  The Night Before
You're Going to Lose That Girl You're Going to Lose That Girl
Yesterday Yesterday
  Act Naturally
I Need You I Need You
Drive My Car Drive My Car
Girl Girl
If I Needed Someone If I Needed Someone
  Michelle
Norwegian Wood (This Bird Has Flown) Norwegian Wood (This Bird Has Flown)
  In My Life
  I'm Looking Through You
And Your Bird Can Sing And Your Bird Can Sing
Good Day Sunshine Good Day Sunshine
Eleanor Rigby Eleanor Rigby
I'm Only Sleeping I'm Only Sleeping
Taxman Taxman
Tomorrow Never Knows Tomorrow Never Knows
  Got to Get You into My Life
Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band
Lucy in the Sky with Diamonds  
With a Little Help from My Friends With a Little Help from My Friends
Within You Without You Within You Without You
  When I'm Sixty-Four
  Lucy in the Sky with Diamonds
  Getting Better
A Day in the Life A Day in the Life
Magical Mystery Tour Magical Mystery Tour
  Flying
I Am the Walrus I Am the Walrus
Strawberry Fields Forever Strawberry Fields Forever
Penny Lane  
Blue Jay Way Blue Jay Way
  The Fool on the Hill
Hello, Goodbye Hello, Goodbye
  Back in the U.S.S.R.
  Yer Blues
Julia Julia
  I Will
  Dear Prudence
While My Guitar Gently Weeps While My Guitar Gently Weeps
Blackbird Blackbird
Helter Skelter Helter Skelter
I'm So Tired I'm So Tired
  Why Don't We Do It in the Road?
  Sexy Sadie
Good Night Good Night
Pepperland※ジョージ・マーティン作 Pepperland※ジョージ・マーティン作
Yellow Submarine Yellow Submarine
All You Need Is Love All You Need Is Love
  All Together Now
Only a Northern Song Only a Northern Song
Hey Bulldog Hey Bulldog
Let It Be Let It Be
I Me Mine I Me Mine
I've Got a Feeling I've Got a Feeling
For You Blue For You Blue
One After 909 One After 909
  Maggie May
Get Back Get Back
The Long and Winding Road The Long and Winding Road
Because Because
Come Together Come Together
Something Something
Octopus's Garden Octopus's Garden
Mean Mr. Mustard Mean Mr. Mustard
Polythene Pam Polythene Pam
Carry That Weight Carry That Weight
The End The End



2012年12月5日水曜日

デッカ・オーディションのテープ EMIの妨害を免れ日本人が450万円超で落札

ビートルズが不合格となったデッカ・レコードのオーディションでの演奏を収録したテープが2012年11月27日に開催されたロンドンのオークションに出品されたことは日本でも話題になっていました。結局日本人が35,000英ポンドで落札したようです。
Rejected Beatles audition tape fetches £35,000 at auction after last-minute legal wrangle

直前になってEMIが販売差し止め請求をしたようですが、結局取り下げて無事販売されたそうです。

日本円にして450万円超で落札されたこのテープ、オークション主催者は「safety master」と主張していますが、正確にはアメリカのBackstage Recordsが1980年代前半に発売したレコードのマスターテープなのではないかと思っています。
Silver Beatles - Like Dreamers Do

デッカ・オーディションの音源は15曲残っているというのが通説ですが、今回のテープには10曲のみが収録されています。このレコードも同じく10曲収録で曲順まで同じです。また、今回出品物に含まれるネガフィルムはこのレコードのレーベルと同じです。写真を加工してロゴのようにデザインしてあるので、オーディション用に作ったとは考えにくい(=後年このレコード用に作られた)と思います。
さらに、今回のテープのパッケージ内面には「BSR-1111」と記載がありますが、これはまさしく上記レコードの型番です。
以上のことから、このテープより前の世代の音源が他に存在する可能性が高いです。となれば今回のテープの希少価値は限定的です。

真相は不明ですが、落札者はこの辺の事情を織り込み済みなのでしょうか…。
落札者は日本人とのことなので日本在住ならそろそろこのテープが日本に到着したころでしょうか。詳しくお話を聞きたいところです。

2012年12月4日火曜日

月刊『Player』2013年1月号は「THE BEATLES1967-1968 ACTIVITY & NAKED GEAR STORY」後編


プレイヤー・コーポレーションが発行する日本のギター雑誌「Player」の2013年1月号(2012年12月2日発売)は前号に続きビートルズの特集記事が掲載されています(前号についてはこちらをご覧ください)。
「THE BEATLES1967-1968 ACTIVITY & NAKED GEAR STORY」と題された本記事では1967年~1968年の間に起きた6つの出来事について関係者の証言を交えて紹介し、その当時の象徴的なギターを写真入りで解説しています。後編となる今回は残った最後の出来事、映画「Yellow Submarine」をアル・ブロダックスの証言を中心に掘り下げています。

前回はジョン・レノンとジョージ・ハリスンのギターを紹介していましたが、今回はポール・マッカートニーのベース(Hofner 500/1とRickenbacker 4001S)、リンゴ・スターのドラム(Ludwig Hollywood)ついて写真入りで紹介しています。この特集のテーマ「サイケデリックからネイキッドへの移行」に沿って、ポールもリンゴも塗装がナチュラルな楽器を使用するようになったと解説していました。

今号は全部で6ページの小さな記事です。どうせなら先月に全部まとめて掲載していたらまとまりが良かったと思います。


2012年12月3日月曜日

アビーロードスタジオ見学イベントチケット一般販売中

ロンドンにあるアビーロード・スタジオでイベント「Inside Abbey Road: the Best Studio in the World」が2013年3月に計12回開催されます。現在インターネットで入場チケットを販売中です。チケット代金は80ポンド(約1万円)です。

Inside Abbey Road: the Best Studio in the World
http://www.abbeyroad.com/News/Article/266/Inside-Abbey-Road-the-Best-Studio-in-the-World
Abbey Road Studios Tickets and Dates
http://www.seetickets.com/tour/abbey-road-studios/

2012年3月にアビーロード・スタジオ設立80周年を記念して一般公開された際にも同種のイベントが開催されました。今回もビートルズが使用した第2スタジオに入ることができます。前回同様、「Recording The Beatles」( http://www.recordingthebeatles.com/ )の著者ブライアン・ケヒューとケビン・ライアンを招いて1時間半のトーク・ショーが行われます。
書籍「RECORDING THE BEATLES」

前回のイベントに参加した方による日本語の素晴らしいレポートは以下をご覧ください。

アビーロードスタジオ
http://1966.seesaa.net/article/262218814.html
※前回と今回でイベント内容が異なる可能性があることにご留意ください

今回は2週にわたり金土日(3/8~10、3/15~17)に開催されます。
各日2回開催され、金曜は午後3時と午後8時、土曜・日曜は午前11時と午後4時です。
イベント開始1時間前から敷地内に入ることができます。

今回はそうでは無いでしょうが、「ビートルズと同じ機材を使ってビートルズの楽曲を演奏して録音したら同じ音になるのか」を試せるイベントがあればいいなと思います。

報道


アビー・ロード・スタジオ、一般公開へ
http://nmn.nifty.com/cs/catalog/nmn_topics/catalog_121114086166_1.htm

アビー・ロード・スタジオの一般公開が2013年3月に再び行われることに
http://amass.jp/13645

2013年9月20日追記
CNETのサイトに現在のアビーロードスタジオ内部の写真が22枚掲載されました。

Take a tour of Abbey Road Studios
http://reviews.cnet.com/8301-33199_7-57603025-221/take-a-tour-of-abbey-road-studios/

2012年11月30日金曜日

ビートルズ未流出音源2曲分オークション出品

1962年1月1日に行われた通称「デッカ・オーディション」(ビートルズがデビュー前にデッカ・レコードのオーディションを受けた)の演奏録音テープがオークションに出品されるというニュースが日本で話題になっています。しかしながら、この音源自体は何曲かアルバム「アンソロジー」でも公式リリースされていますし、それ以外も全曲海賊版やハーフオフィシャル版(現在は廃盤)で聞くことができます。今回オークションに出されるテープがどの程度世代が若いのか(=どの程度価値があるか)は要注意です。デッカ・オーディションのオークションについてはこちらに詳しく記しました。


今回、別のオークションでこれまで未公開・未発表・未流出のビートルズの録音音源が2曲分出品されることがわかりました。

1963年録音「What Goes On」(後に1965年「Rubber Soul」でリリースされた曲)と1966年録音「Granny Smith」(後に1966年「Revolver」で「Love You To」としてリリースされた曲)をそれぞれ収めたシングルレコード(片面のみ記録)が1枚ずつです。いずれもジョージ・ハリスンが自宅で聴くために作ったもののようです。

An acetate demo recording of 'What Goes On' by the Beatles,
http://www.bonhams.com/auctions/19801/lot/301/
1963年3月5日に録音されたギターとボーカルだけの音源のようです。
「My Bonnie」のシングルがおまけでついてきます。※その後約85万円で落札されました。



An acetate recording of 'Granny Smith' by the Beatles,
http://www.bonhams.com/auctions/19801/lot/307/
1966年5月2日に録音された音源のようです。※その後約85万円で落札されました。


いずれの音源の存在もこれまで知られておらず、流出したことがありません。つまり聴いたことがある人は世界で数名のレベルだと思います。

今回のオークションは12年12月12日12時(グリニッジ標準時)にロンドンで開催される「Entertainment Memorabilia」 というもので、ジョージ・ハリスンの家族が所蔵していた品物が目玉です。その他ビートルズ関連はオークション全404品中106品を占めます。
以下で全出品物が確認できます。
http://issuu.com/bonhams/docs/19801-en

目立つ出品物は以下です。
  • ハンブルグ時代にジョージが着用した革ジャン※その後約1500万円で落札
  • ジョージが着用したステージ衣装としてのブーツ(通称「Beatle boots」)※その後約800万円で落札
  • ポール・マッカートニーがQuarry Men(ビートルズの前身のグループ)時代に使用したギター※ポール本人のサイン入り証明書付き。その後約600万円で落札
  • 1000点以上の写真※著作権付き

日本での報道

ビートルズ初期のG・ハリスンの革ジャン、12月に競売
http://jp.reuters.com/article/idJPTYE88400720120905

2012年11月28日水曜日

「レイン~ビートルズに捧ぐ~」日本公演総括

2012年11月16日に大阪で始まった「レイン~ビートルズに捧ぐ~」(Rain - A Tribute to the Beatles)日本公演は今日11月28日東京公演最終日(渋谷ヒカリエ・東急シアターオーブ)をもって閉幕しました。これまで追跡してきた結果を踏まえて当ブログとして総括したいと思います。
東京公演最終日開演前の様子。女性の姿が多かった。

宣伝失敗?

今回はマスメディアへの露出が少なく、結局東京のテレビ番組で紹介されたのは東京公演の主催者でもあるフジテレビの以下だけだったと思います。

プレミアの巣窟 2012年8月21日、2012年9月18日、2012年11月13日、2012年11月20日
めざましテレビ 2012年11月16日
めざましどようび 2012年11月24日

ライブ期間中、「レインサポーター」のサンプラザ中野くんや加賀美セイラが囲み取材を実施しましたが、報道されたのはスポーツ新聞2紙とインターネットニュースサイトだけだったようです。
インターネットのチケット販売サイトでも販売締め切りまでチケットが売れ残っていたので本番ガラ空きになることを危惧していましたが、蓋をあけてみれば大盛況でした。それでも空席はありましたし(とくに名古屋公演)、存在を知らず見過ごした人や当日券販売に並んだ人も多いようなのでもう少し宣伝すればよかったと思います。どういったマーケティングで今回の日程を決めたのか興味があります。
興行としては一応成功だったと思うので是非これに味を占めて次はThe Fab Four (http://www.thefabfour.com/)を呼んで欲しいものです。もちろん一軍で・・・。

集客力の根源

宣伝不足の感が否めないながらも、外国人がビートルズの曲を演奏するだけでこれほどまでに観客が来るものかと驚きました。日本に数多いるビートルズのコピーバンドと何が違うのだろうかと考えてしまいました。今回の東京公演の来場者のうち1%でも甲虫楽団のライブに来てくれたらすごいことなのですが。
実際にレインを見た方の評判・評価を見るとみなさん見た目をかなり重視していることがわかりました。メイク・衣装・しぐさなどが心に響いていたようです。
内容ももちろん伴っている必要があります。歌の力強さは日本人コピーバンドには見られないもので、母国語の発声や体格の時点で日本人にはハンデがあると思います。

レインを見た人の感想

日本公演期間中ツイッターやブログを巡回しまして、レインを見た人の感想は9割がた拝見したと思います。複数あった意見を以下にまとめます。表現は意訳してあります。

ポジティブな意見

最高
泣いた
想像より良かった
MC、衣装、しぐさ、楽器、セットも完璧だった
映像の演出が凝っていた
青春がよみがえった
ビートルズの偉大さを実感した
ビートルズ愛につつまれた会場に居れて幸せだった
1960年代にタイムスリップした
当時の様子を追体験できた(後追い世代に多い感想)
ビートルズがライブを止めた時期の演奏が見れて良かった
ビートルズがライブを止めた時期の演奏が良く再現できていた
ポール役がイケメン※ダブルキャストの一人、Ianのこと
ポール役の歌が似ている
中後期のジョン役の歌が似ている
ジョージ役のギターが上手い
リンゴ役のドラムがよくリンゴの特徴を捉えていた
曲によってドラムのタムに毛布をかけていたのには感心した
また来日してほしい

ネガティブな意見

ただの外国人コピーバンド
ただの物まねショー
ただのそっくりさん
かえって本物の凄さが思い知らされて白ける
ビートルズが歪曲されて伝わることを危惧
ミュージカルでなくライブとして捉えると不満足
音量が小さい
歌よりMCの方が似ていた
ジョン役の歌に存在感が無い(とくに初期)
ジョン役が鼻声過ぎ
ジョージ役が老け過ぎ
ポール役が音痴※ダブルキャストの一人、Ianのこと
ポール役が右利きで違和感がある※ダブルキャストの一人、Ianのこと
曲を端折り過ぎ※2番をカットして短くするなど
「The End」のギターソロは3人でやってほしかった
ジョージのレスポール「Lucy」を再現してほしかった
チラシと違うメンバーが来て騙された気分
観客のノリが悪い

僕個人のポジティブな意見は他の方と同じです。「I Want To Hold Your Hand」の手拍子を会場全体あうんの呼吸で再現している様子はみなさんがビートルズを好きだということが伝わって来て泣きそうになりました。
ネガティブな意見をくわえさせたいただくと以下のようなものです。マニアックですみません。

ジョン役の歌い回しが違う:「Strawberry Fields Forever」の「ever」や「Come Together」全般
ポール役(Ian)の発音が違う:「Yesterday」の「ter」など。チリ出身だから?
ポール役(Ian)のベースコピー度が甘い:フレーズを簡略化していた。ハンマリングやスライドが少ない。ピッキングが弱い。
ポール役(Ian)の楽器再現度がいまいち:Hofnerは2連ペグにしてほしい。後期はBassmanステッカーを貼ってほしい。Rickenbacker はせめてドットポジションマークにしてほしい。
ドラムのフィルインの再現性があと一歩:こだわってやっているようだったが「A Day in the Life」や「Here Comes The Sun」で気になった

公演内容のまとめ

来日メンバー

Steve Landes:ジョン
Ian Bertsch (Ian B. Garcia):ポール ※右利き
Robert Ruffing (Mac Ruffing):ポール ※ベースは左利き、ギターは右利き
James Pou (Jimmy Pou):ジョージ
Chris Mcburney:リンゴ
Mark Beyer:キーボードなど

ポール役のダブルキャストのメインはIanのようです。パンフレットでメンバーの先頭に名前が掲載されていました。名古屋公演は2日間ともIanでしたし、大阪も全部Ianかもしれません。東京公演は11/23にIanが出演した以降、Robertと1公演ずつ交互に出演して最後はRobertで終わったようです。

セットリスト

全公演同じだったようです。

第一部 Ed Sullivan Show
She Loves You(3番カット)
Please Please Me
(MC)
I Want To Hold Your Hand
(セットチェンジ)
A Hard Day's Night
(日本語MC)
I'm Happy Just To Dance With You
(MC)
Yesterday

第二部 Shea Stadium
Help!
Day Tripper (2番カット)
Twist & Shout(ライブバージョンを意識)

第三部 Sgt. Pepper's
Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band
With A Little Help From My Friends(2回目のサビカット)
Eleanor Rigby
Lucy In The Sky With Diamond
(MC)
When I'm Sixty Four
Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band (Reprise)
A Day In The Life(オーケストラ上昇フレーズは6小節短い)

(第一部~第三部で上演時間50分。ここで20分休憩)

第四部 Flower Power
All You Need Is Love(3番カット)
Magical Mystery Tour(間奏から次の曲へ繋げる)
Strawberry fields Forever
(Mother Nature's Sonをアレンジしたピアノソロ)
Blackbird(ここから椅子に座ってアコースティックセットになる)
Two Of Us
(MC)
In My Life
(MC)
Here Comes The Sun
While My Guitar Gently Weeps(「Love」のストリングス入りバージョンで始まり途中から通常バージョンに)

第五部 Abbey Road
Come Together(2番カット)
Get Back
Revolution(2番カット)
The End (ドラムソロから。ギターソロは3人分を一人で弾く)

アンコール
Give Peace A Chance(短縮バージョン) ※ジョン・レノンのソロ曲
Let It Be(3番カット)
Hey Jude (2番カット。リフレインは女性→男性などアカペラで歌わせる)


(第四部~アンコールで上演時間55分)


2012年11月26日月曜日

レポート:「レイン~ビートルズに捧ぐ~」東京公演@渋谷・東急シアターオーブ

「レイン~ビートルズに捧ぐ~」東京公演は2012年11月23日~28日の日程で行われています。ちょうど半分を過ぎた今日、11月26日夜の公演に行ってきました。11月16日の大阪公演初日(日本公演初日でもある)以来2度目の鑑賞です。
場所は今年7月にオープンした渋谷ヒカリエ11階の東急シアターオーブです。ミュージカル専用劇場と謳っているだけあって前後が短く上下に長い構造でした。ケチってB席にしたので3階の一番後ろでしたが想像よりステージは近くに見えました。上から見下ろす形になるのでドラムやキーボードが良く見えました。

セットリスト(演奏曲目・曲順)は大阪公演初日(レポートはこちら)と同じでした。どうやら全公演同じようです。
今回の来日公演はポール・マッカートニー役がダブルキャストなのですが、今日は大阪公演初日と同じく「IAN BERTSCH」(Ian B.Garcia)でした。どうせならもう一方の「ROBERT RUFFING」(Mac Ruffing)が見たかったです。Robertはベースを左で、ギターを右で弾くそうです。本来右利きで、ギターを右で覚えた後にポール役をやるためにベースを左で覚えたのだと思います。そういう人は日本のビートルズコピーバンドにもいます。その心意気には感服するばかりです。

高いチケット代や平日公演が多い点、さらにはセットリストに「When I'm Sixty Four」が含まれているのはリアルタイム世代を狙っているのでしょうがそれでも客層は大阪公演と同様20代と思しき人もいました。大阪より男性の比率が多かったように思います。

ほぼ満席でしたが、前の方にはいくつか空席があったようです。当日券販売開始30分前から数人並んでましたし、開場してからもチケット売り場には列が絶える事がありませんでした。残り2日3公演、当日券で入場できると思います。

東京公演の様子は初日の映像が2012年11月24日フジテレビ「めざましどようび」で放送されました。映像も音声も放送用に調整されており、演奏やコーラスの上手さがよく分かります。この映像、どこかで全編放送して欲しいです。
※実際はカラーで放送されました
今日の公演で気付いたことや感想を列挙します。大阪公演初日との比較やキーボードについてが主です。後半に行くにつれどんどんマニアックな内容になっていきます。
  • 大阪に比べてメンバーはリラックスしていたように見えた。MCも長めだったし、ジョン・レノン役はテンションが高く派手に動き回っていた。それにつられてジョージ・ハリスン役もアクションが大きくなったようである。
  • 大阪に比べて日本語を交えたMCが増えた。「どうもありがとうございます」「立って」「女性だけ」「男性だけ」
  • 立ち上がる観客は大阪の方が多いようだった。「I Want To Hold Your Hand」の手拍子は東京の観客の方が再限度が高かった。「Hey Jude」の女性観客の合唱は東京の方が盛大だった。大阪は「ラララ」と歌っている人が多かったように思う。
  • ところどころ観客に歌わせていたが「When I'm Sixty Four」の「bottle of wine」という歌詞を歌わせるのは酷だと思った。この曲のこの歌詞を覚えている人が日本にそれほど多くいるとは思えない。
  • 大阪公演初日では「Blackbird」の最後の歌い回しをアレンジしていたが今回はオリジナルに忠実だった。
  • 前半はベースの音量が大きかったがすぐ下げられた。バンド全体の音量は大阪より大きかったがそれでもまだ少し小さめだった。大阪よりリードギターの音量が小さめだった。
  • ジョン役は声の調子が良いようだった。大阪より伸びやかで聴き疲れしない音色だった。「Help」は良かった。
  • ポール役の歌の音程の悪さは大阪より改善されていた。シャウトも思いっきりやっていた。ベースはやはりミスが多く集中力を欠いているようだった。
  • ジョージ役の歌は大阪より抑えが効いていて没入しやすかった。ギターの演奏は変わらず安定している。
  • リンゴ・スター役は終始楽しそうだった。テクニックは申し分なく、「Help」の両手連打や「Strawberry Fields Forever」のフィルインなどは高揚感があった。
  • キーボード担当が弾いた「In My Life」のピアノソロは大阪公演の方が上手だった。「Get Back」や「Revolution」のピアノソロは安定していた。
  • キーボード担当はメインでYAMAHAのMOTIF ES7を使用していた。2段重ねで下にもう1台ピアノタッチのキーボードを設置しているようだったが角度的に見えなかった。音色切り替えに20インチ以上の大きなタッチパネルを脇に置いて使用しているようだった。
  • ポール役やジョン役が弾くキーボードはピアノ音のみ出していたが銘柄は不明。
  • 「When I'm Sixty Four」はピアノとベース以外の楽器全てをキーボードで弾いていて圧巻だった。
  • 「Here Comes the Sun」冒頭のシンセサイザーの下降フレーズはピッチベンダーを使用せずスイッチ1つで自動的に下降させていた。
  • 主演の4人以外の音はところどころ自動演奏が使用されているようだった。「Eleanor Rigby」はリズムキープしているフレーズは自動演奏して、低音部や高音部のメロディを手で弾いていた。「All You Need Is Love」のイントロ、サビのサックスによるオブリガート、終盤の雑多な音、「Strawberry Fields Forever」のソードマンデルの音によるインド風下降フレーズ、終盤の逆回転音などはきっかけだけ手で弾いてワンフレーズを自動演奏しているようだった。リズムをどうやって合わせていたかは不明。ドラム担当がイヤーフォンからガイドリズムを聴いていたかは確認できなかった。ワンフレーズだからリズムキープには影響しないと考えた?

2012年11月24日土曜日

「『レイン』~ビートルズに捧ぐ~」東京公演開幕

2012年11月23日に「『レイン』~ビートルズに捧ぐ~」(RAIN – A Tribute to The Beatles)東京公演(渋谷ヒカリエ・東急シアターオーブ)が開幕しました。
東京公演初日終演直後の様子
シアターオーブ入り口
公演に先立ち同日13時から「レインサポーター」のサンプラザ中野くんと加賀美セイラさんが囲み取材を受けました。

サンプラザ中野くん、ビートルズは「教典」(動画あり)
http://news24.jp/entertainment/news/1625625.html
空耳な中野くんLet It Be=LP
http://www.nikkansports.com/entertainment/news/f-et-tp0-20121123-1050848.html
サンプラザ中野くん感激「ビートルズはお経」
http://www.sanspo.com/geino/news/20121123/oth12112317560019-n1.html
ビートルズのエド・サリバン・ショー再現、「『レイン』~ビートルズに捧ぐ~」開幕
http://syuncan.com/2012/11/20121123_225230.shtml
中野くん、ビートルズはお経
http://www.tv-asahi.co.jp/ann/geinou/geinou_news/contents/hot_20121123_140.html

東京公演の主催者でもあるフジテレビによる当日のレポートはこちら。写真もあります。
「レイン」~ビートルズに捧ぐ~東京公演初日レポート
http://blog.fujitv.co.jp/evenderful/E20121126001.html

キャストやセットリストは大阪公演初日と同じようでした(サンプラザ中野くんも見た大阪公演初日のレポートはこちら)。
ポール・マッカートニー役がダブルキャストであることは日本公演プログラム(パンフレット)で明らかにされていますが、東京公演主催者に問い合わせたところ二人のどちらが出演するかは決まっておらず、事前告知はされないとのことでした。
名古屋公演は2公演とも「IAN BERTSCH」(Ian B.Garcia)だったようなので、今回の来日公演は彼がメインで、「ROBERT RUFFING」(Mac Ruffing)は控えなのかもしれません。
「ROBERT RUFFING」(Mac Ruffing)の出演に遭遇した方はこの記事へのコメントで教えていただければ幸いです。(2012年11月25日追記:少なくとも11/24の昼と11/25はRobertだったようです)

シアターオーブのWebサイトに詳細が表示されています。
【上演時間】
1幕 50分
休憩 20分
2幕 55分
合計 2時間5分
公演のロビー開場は開演の45分前、客席開場は開演の30分前の予定です。
開演一時間前から当日券の販売もあるそうです。

レインのキャストは前夜、六本木アビーロードに来訪しました。
http://abbeyroad.weblogs.jp/abbeyroads_weblog/2012/11/バンドrain来店.html
写真を見る限りではIan B. Garcia、Jimmy Pou、Chris Mcburney、Mark Beyerが来たようです。

2012年11月26日の東京公演を見に行く予定です。結果は当ブログに報告します。
デジタルサイネージ
フロアから見る渋谷



2012年11月21日水曜日

ドキュメンタリーBlu-ray/DVD『プロデューサー ジョージ・マーティン〜ビートルズを完成させた男』2013年1月23日発売

ビートルズのプロデューサーだったジョージマーティンのドキュメンタリー「Produced By George Martin」(2011年イギリスBBC制作)は当ブログで何度か取り上げました(レビューはこちら)。今回日本語字幕付きで『プロデューサー ジョージ・マーティン~ビートルズを完成させた男~』〔完全版〕として2013年1月23日にBlu-ray/DVDで発売されることになりました。2012年10月の映画公開時と邦題が同じなので字幕も映画と同じかもしれません。

ビートルズと共にポピュラー音楽に革命をもたらした名プロデューサー“ジョージ・マーティン”のキャリアに肉薄するドキュメンタリー! 50分を越える映画未公開シーンを追加収録した“完全版”でリリース決定!
http://wardrecords.com/SHOP/VQXD10049.html



ジョージ・マーティンについての話題はこちらにまとめてあります。
http://blog.kouchu.info/search/label/George Martin


2012年11月20日火曜日

「レイン」~ビートルズに捧ぐ~ 今日から名古屋公演 ダブルキャストの詳細

2012年11月16日の日本公演初日(レポート&セットリストはこちら)から4度の大阪公演を終え、11月20日と21日は名古屋で公演を行います。当日券は開演(19時)の一時間前より会場で販売されます。

大阪でPR会見を開いた「レインサポーター」のサンプラザ中野くんは名古屋に移動してラジオ番組に出演するなど引き続きプロモーション活動を展開しているようです。
http://zip-fm.co.jp/program/breezy_saturday/PhotoDetail.asp?ProgramCode=breezy_saturday

もう一人のレインサポーター、加賀美セイラは先週のVTR出演に引き続き今朝(2012年11月19日深夜)のフジテレビ「プレミアの巣窟」にスタジオ出演してPRしました。

加賀美セイラさんがゲスト★『プレミアの巣窟』今晩のOA情報★
http://blog.fujitv.co.jp/evenderful/E20121119003.html

日本公演の直前に行われていたカナダ公演に参加し、終演後にキャストにインタビューする様子が放送されました。加賀美セイラは父親がカナダ人でトロント大学出身だそうです。「カナダ公演にて英語でインタビュー」というミッションから彼女が選ばれたのかもしれません。

レイン日本公演の会場で販売されているプログラム(パンフレット)により、今回の日本公演はポール・マッカートニー担当が「IAN BERTSCH」(Ian B.Garcia)と「ROBERT RUFFING」(Mac Ruffing)」のダブルキャストであることが明らかになりました(前者がプログラムの表記、後者が英語サイトの表記)。ポール役は喉を酷使するからでしょうか。
いずれも英語サイト(http://www.raintribute.com/the-band/) では二軍扱いなので、レインの象徴的な存在として常に前面に出ていたJoey Curatolo(ジョーイ・キュラトロ)が来日しなかったのは残念です。彼の歌には物まねにとどまらない本物感があります。日本公演の公式サイト、チラシ、CM、すべてポール役はJoey Curatoloなのですが実際に見に行った人は彼と違うことに気付いているのでしょうか。
なお、前述のカナダでのインタビューでは「ROBERT RUFFING」(Mac Ruffing)が応えていました。他のキャストは来日メンバーとは違うようでした。

名古屋公演の主催者に問い合わせたところ、名古屋公演では両日とも「IAN BERTSCH」(Ian B.Garcia)がポール役だそうです。

名古屋公演行かれた方、セットリストが大阪公演初日(レポート&セットリストはこちら)と同じかこの記事へのコメントで教えていただければ幸いです。

2012年11月17日土曜日

クラウド型映画制作プロジェクト「The Beatles Live!」始動

今回「The Beatles Live! Project」の発足が告知されました。カナダの制作会社One Voice One Worldの持ち込み企画をアップル・コアが公認したという構図です。
このプロジェクトはビートルズのライブについてドキュメンタリー映像作品にまとめようというもので、1963年10月16日から1966年8月29日までに世界116都市で行われた253回のライブが対象となっています。これらのライブにまつわる個人所蔵の映像、音声、写真、エピソードの提供を地球規模で呼びかける点が特徴となっています。一般人がビートルズの公式作品に関与できるというわけです。
http://thebeatlesliveproject.com/
公式サイトは内容盛りだくさんです。ビートルズが公演を行った場所をGoogleマップ上で示したり、インタビュー結果を掲載したりしています。ここから直接素材をアップロードすることもできます。


上記プロモーションビデオの段階で珍しい映像が複数使用されています。日本公演の映像(これ自体は珍しく無い)が多く使用されているのが印象的です。

ビートルズ解散後も断続的に個人所蔵の素材が公になることがあり、そういった素材をつぎはぎにして完全版を作ろうという動きはインターネットやメディアのデジタル化の進展に伴い増えてきているように思います。それらはあくまで個人ベースであり権利の所在も不明確でしたが、今回アップル・コアの御旗の下に一気に集約が加速することを期待しています。
最終的には冗長性を排した作品にまとめられると思いますが、集めた素材は全てリリースして欲しいです。ライブに限らずこれまでもさまざまな音源や映像が氾濫しているので、「これさえ入手すれば完璧」という作品を本家でそろえて欲しいと思っています。

以下は今年になって個人がYouTubeで公開した1965年6月27日ローマ公演の映像です。前述のプロモーションビデオにも使用されています。本来音が無い8mmフィルムの映像ですが、別途流出した音源と同期させています。これがYouTubeで共有されたのも今回のプロジェクトと無関係では無いかもしれません。

2012年11月16日金曜日

レポート:「レイン~ビートルズに捧ぐ~」日本公演初日@大阪・オリックス劇場

2012年11月16日、大阪のオリックス劇場で初日を迎えた「レイン~ビートルズに捧ぐ~」(RAIN – A Tribute to The Beatles)日本公演に行ってきました。

当日朝のフジテレビ系「めざましテレビ」で紹介されたようです。前日はサポーターに就任したサンプラザ中野くんが会見を行っています。

大阪初日を前に応援サポーターのサンプラザ中野くんがビートルズの思いを激白!?
http://kansai.pia.co.jp/news/music/2012-11/1211-s011.html





当日の様子がニュースサイトで報じられていました。
http://news.mynavi.jp/c_cobs/news/trendnews/2012/11/post-439.html

会場の様子

会場で当日券販売も行われているので完売とはいかなかったようですが、席は9割以上埋まっていたようです、男女比は6:4に見えました。20代と思われる人も多かったです。手拍子はもちろん、ところどころ立ち上がったり一緒に歌ったりと皆楽しんでいました。演奏者に促されたとはいえほとんどの人が立ち上がるのは少し意外でした。音量が小さめで歌が良く聞こえたので誰にとっても快適だったと思います。ベースはもう少し音量が大きいほうが良かったですが。

演奏内容

今回の公演メンバーは以下です。
  • Steve Landes(スティーヴ・ランデス):ジョン
  • Ian B. Garcia(イアン・ビー・ガルシア):ポール ※正式なカタカナ表記は不明
  • Jimmy Pou(ジミー・ポウ):ジョージ
  • Chris Mcburney(クリス・マクバーニー):リンゴ ※正式なカタカナ表記は不明
  • Mark Beyer(マーク・ベイヤー):キーボードなど
ポール役はこれまでメディアに先頭で登場していたJoey Curatolo(ジョーイ・キュラトロ)でも、Fab FourのArdy Sarraf(アーディ・サーラフ)でもありませんでした。英語の公式サイト(http://www.raintribute.com/the-band/)を見るとSteve Landes以外は2軍扱いにも見えます。(2012年11月18日追記:日本公演はポール役のみダブルキャストだそうです)
Steve Landes(ジョン)はそつが無い印象です。ボーカルにはもう少し太さが欲しいですが、特に他は欠点が見当たりません。ギターも流暢でした。Ian B. Garcia(ポール)は歌に力強さやセクシーさがあって良いのですが音程が怪しいところもありました。ベースのコピー度は想像より高かったですが、ミスも多いようでした。Jimmy Pou(ジョージ)は業界の大ベテランだけあっておいしいところは網羅していました。演奏者として最も評価したいのはChris Mcburney(リンゴ)です。他のメンバーがどうしても予定調和的な演奏になってしまいがちなところ、彼はリンゴっぽく叩くことを楽しんでいるようでした。タムに毛布をかけたり、ハイハットの逆再生音をギザギザのついたスティック(のように見えました)で再現しようとしたりこだわりが感じられました。

ベースギターはHofner 500/1(おそらくV63)×2(ピックガードあり/なし)、Rickenbacker 4003(サイケデリックペイント)でした。海外のプロのコピーバンドにしてはだいぶ再現できている方だと思います。ギターも有名なものは仕様も含め網羅されているようでした。Fender Bass VI(6弦ベース)を使用しているのには感心しました。

全体的な感想としては、映像や照明にも凝っており(映像にはビートルズ本人は出ず、レインのキャストが演じている)緩急つけたステージはショーとして充分成立していると思いました。
会場では物販もありました。プログラム(1000円)、CD(1800円)、Tシャツ2種×4サイズ(2500円)に加え、リンゴ・スターの大阪公演のチケットも販売していました。このチケットはまだ一般販売前ですので実はこれはすごいことかもしれません。

日本のビートルズコピーバンドとの比較

日本のビートルズコピーバンドとの違いはやはり歌だと思います。発音、声量、声の響きは日本人に不利だと思いました。ただ、レインの歌詞の発音には違和感を感じるところがありました。ネイティブなので英語の発音としては問題無いのでしょうが、ちょっとしたところがビートルズとは違っていました。MCはかなりリバプール訛りを意識していたようでしたが。
また、レインは5人めの存在も大きいです。キーボードやパーカッションを神出鬼没に補い、テンポの速いソロも難なく弾きこなしていました。キーボードとアレンジの両方の技術を持った人が専任でビートルズコピーバンドにいるということはほとんど無いので(たいていピアニストどまり)、実はこの裏方の存在こそがレインの強みかもしれません。
一方、楽器の再現性やコピー度がレインより高いバンドは日本に多くいると思います。

ネタバレ

以下、完全ネタバレのセットリスト(演奏曲目)です。曲はところどころカット(省略)していました。

2012年11月18日追記:11月18日昼の公演も同じセットリストだったようです。11/17の公演を見た方、セットリストが同じだったか、ポール役はIanとRobertのどちらだったか、この記事へのコメントで教えていただければ幸いです。

18:15 開場 ステージ両脇のモニターにビートルズのトリビアクイズ(日本語)が表示される
19:07暗転 ロックンロールの誕生からビートルズ訪米までをまとめた映像を放映(以降、各部の先頭は当時の時代を象徴した映像が流れる)

第一部 Ed Sullivan Show

She Loves You(3番カット)
Please Please Me
(MC)
I Want To Hold Your Hand
(映像投影&セットチェンジ)
A Hard Day's Night
(日本語MC)
I'm Happy Just To Dance With You
(MC)
Yesterday

第二部 Shea Stadium

Help!
Day Tripper (2番カット)
Twist & Shout

第三部 Sgt. Pepper's

Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band
With A Little Help From My Friends(2回目のサビ以降カット)
Eleanor Rigby
Lucy In The Sky With Diamond(ポール役がベースを間違えてメロメロになる)
(MC)
When I'm Sixty Four(イントロが長い)
Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band (Reprise)
A Day In The Life(オーケストラ上昇フレーズは6小節短い)

19:57 20分休憩 ステージ両脇のモニターにビートルズのトリビアクイズ(英語)が表示される

第四部 Flower Power

All You Need Is Love(3番カット)
Magical Mystery Tour(ポール役が出だしの掛け声で拍を見失う。間奏から次の曲へ繋げる)
Strawberry fields Forever
(Mother Nature's Sonをアレンジしたピアノソロ)
Blackbird(ここから椅子に座ってアコースティックセットになる)
Two Of Us
(MC)
In My Life(ポール役がベースの音を出すスイッチを踏み忘れる)
(MC)
Here Comes The Sun
While My Guitar Gently Weeps(「Love」のストリングス入りバージョンで始まり途中から通常バージョンに。ジョージ役がギターの音を出すスイッチを踏み忘れる)

第五部 Abbey Road

Come Together(2番カット)
Get Back
Revolution(2番カット)
The End (ドラムソロから。ギターソロは3人分を一人で弾く)

アンコール

Give Peace A Chance(短縮バージョン) ※ジョン・レノンのソロ曲
Let It Be(3番カット)
Hey Jude (2番カット。リフレインは女性→男性などアカペラで歌わせる)

21:12 終演

2012年11月15日木曜日

レビュー:ロック特番「THE ROCK STORIES」第一夜

フジテレビ三夜連続放送の第一夜はエルビス・プレスリーから始まって、ビートルズとローリング・ストーンズを中心に周辺アーティストを取り上げていました。本人映像を基本的に時系列に紹介しながら、日本のミュージシャンのトークを挿入するという構成でした。想像より本人映像が多く、竹中直人ナレーションによる独自編集映像も使用されているなど、凝った作りになっていました。
「ロック」という文脈の場合、もはや日本では慣例となっていますが、ビートルズよりはローリング・ストーンズ、ポール・マッカートニーよりはジョン・レノンという論調で、最後はジョンの「イマジン」で終わりました。
本人映像の中ではロックンロール・サーカスの「Yer Blues」(ジョン・レノン、キース・リチャーズ、エリック・クラプトン、ミッチ・ミッチェル)が比較的長時間使用されていたのが印象的でした。

今回のトークでビートルズやジョン・レノンについて語った日本のミュージシャンは以下です。

岸田 繁(くるり)
OKAMOTO'S
TAKUMA(10-FEET)
仲井戸"CHABO"麗市
Char
かまやつひろし
ミッキー・カーチス
高見沢俊彦
KJ(Dragon Ash)
チバユウスケ
ROY(THE BAWDIES)
Paul Weller ※おそらくこの番組のための撮り下ろし
内田裕也
小林武史
亀田誠治
奥田民生
吉井和哉
山崎まさよし
KUMI(LOVE PSYCHEDELICO)
曽我部恵一

初期のビートルズに触れた時の衝撃についてのコメントが中心でした。
山崎まさよしはポール本人の前でAll My Lovingを披露して出だしのコードの間違いを指摘されたエピソードを奥田民生に暴露されていました。当時の映像はこちら。

2012年11月14日水曜日

ビートルズリマスター版ステレオアナログLP全世界発売 まとめ

2012年11月14日までに全世界でリマスター版ステレオアナログLPレコードが発売されました。
公式Webサイトで試聴できます。デジタルで圧縮されているでしょうから音質的には試聴する意味が無いかもしれませんが・・・。
http://www.thebeatles.com/vinyl/

イベント

移動販売2階建てバスも登場しています。ニューヨーク、ロサンゼルスに引き続きイギリスにも出動予定です。
http://thebeatles.com/vinylbususa/


このバスの訪問地では試聴イベントが開催されるようです。11/19には全米各地で別途試聴イベントが開催されます。
11/21はイギリスのアビーロードスタジオに登場し、そのまま試聴会が開かれます。エンジニアのSean Mageeによる解説やパネル・ディスカッションもあるそうです。


ザ・ビートルズ、アナログ・レコード一番人気は『アビイ・ロード』 

http://www.barks.jp/news/?id=1000084722
11月14日東京・渋谷のスタジオで開催された「ザ・ビートルズの最新LPを聴こう!」と題されたイベントについて報じています。このイベントには800人の応募があったそうです。

2013.1.30追記
「イマジンスタジオで聴こうビートルズ!」
2013年2月9日(土)14:30開場 15:00開演
http://www.1242.com/info/beatles/

関係者の証言

エンジニアへのインタビュー
Interview: Beatles remastering engineer says vinyl set closer to original sound
http://www.examiner.com/article/interview-beatles-mastering-engineer-says-vinyl-set-closer-to-original-sound
Abbey Road Studio's Sean Magee Talks About Mastering The Beatles LP Box
http://www.analogplanet.com/content/abbey-road-studios-sean-magee-talks-about-mastering-beatles-lp-box
ABBEY ROAD STUDIOS' SEAN MAGEE BRINGS REMASTERS TO LPs
http://mixonline.com/mastering/beatles_vinyl_remasters/index.html
レコード・コレクターズ 2013年1月号「アビー・ロード・スタジオでの試聴会に日本人で唯一出席した筆者の緊急ルポ」
  • 様々な選択肢があったが、結局2009年リマスターCD制作時に編集したデータを使用した
  • CD用マスターを作成する前段階の24bitのデータを使用した
  • 2009年リマスターCDのようにリミッティングは行っていない
  • 内周歪みの克服のために外科手術的なEQ操作を行った
  • リマスターCDとリマスターLPどちらが良いかは判断できない
  • 今回のアナログ盤でオリジナルのマスターテープに近づけるだろう
  • ビートルズ本人から結果に対する反応は無い(制作中に聴かせていないということ?)
  • ブラインドテストを実施した結果DMM(ダイレクトメタルマスターカッティング)は採用しなかった
  • Sgt. Pepper's~インナーグルーブのカッティングは難しく15回失敗した
  • モノラル盤は2013年に発売する(すでにカッティングは終わっている)
結局、元素材は24bit/44.1kHzということのようです。仕様上は2009年リマスターUSBメモリ版と同じですがUSBメモリ版はリミッティングが行われています。

レビュー・感想・評価

詳細な写真
UK The Beatles Vinyl Rematers Box Set November 2012
http://www.flickr.com/photos/recordswithmoustaches/sets/72157631960694590/

新旧聴き比べ(映像あり)
 The ultimate Beatles sound test
http://www.chicagotribune.com/entertainment/music/ct-ent-1113-beatles-vinyl-20121112,0,3796486.column
"The Beatles Collection"(1979)、"The Beatles: The Collection"(1982)、"Beatles Stereo Vinyl Box Set"(2012)で同じ曲を比較しています。何故1960年代のレコードと比較しないのでしょうか・・・。1979年版が勝っていると評価している曲もあります。

その他購入した人の意見を様々みたところ、音はいかにも2009年リマスターをアナログ化した感じ(それ以前のものより明瞭度が増した)、体裁の再限度は限定的(2009年モノボックスより劣る)というものが多かったです。アナログ盤に存在する限界を克服しようと様々処理してかえって仇になってしまった部分もあるようです。アルバムや曲、外周と内周によって品質にばらつきがあるという意見をよく目にします。2009年リマスターUSBメモリ版を持っている場合、今回のLPはリミッティングされていない点や、物としての所有欲をどう評価するかということに尽きるかもしれません。
また、主にUS版で低品質のものが混じっているようです。盤面の歪みや傷、ボックスセット付属本の破損などが報告されています。

2013.1.30追記

日本の公式サイトには購入者の感想が掲載されています。
アナログLP盤レコードへのコメントをお寄せ頂きました。

世界各地の様子

オーストラリア

メキシコ


アメリカ



フィリピン