「レイン~ビートルズに捧ぐ~」日本公演総括

2012年11月16日に大阪で始まった「レイン~ビートルズに捧ぐ~」(Rain - A Tribute to the Beatles)日本公演は今日11月28日東京公演最終日(渋谷ヒカリエ・東急シアターオーブ)をもって閉幕しました。これまで追跡してきた結果を踏まえて当ブログとして総括したいと思います。
東京公演最終日開演前の様子。女性の姿が多かった。

宣伝失敗?

今回はマスメディアへの露出が少なく、結局東京のテレビ番組で紹介されたのは東京公演の主催者でもあるフジテレビの以下だけだったと思います。

プレミアの巣窟 2012年8月21日、2012年9月18日、2012年11月13日、2012年11月20日
めざましテレビ 2012年11月16日
めざましどようび 2012年11月24日

ライブ期間中、「レインサポーター」のサンプラザ中野くんや加賀美セイラが囲み取材を実施しましたが、報道されたのはスポーツ新聞2紙とインターネットニュースサイトだけだったようです。
インターネットのチケット販売サイトでも販売締め切りまでチケットが売れ残っていたので本番ガラ空きになることを危惧していましたが、蓋をあけてみれば大盛況でした。それでも空席はありましたし(とくに名古屋公演)、存在を知らず見過ごした人や当日券販売に並んだ人も多いようなのでもう少し宣伝すればよかったと思います。どういったマーケティングで今回の日程を決めたのか興味があります。
興行としては一応成功だったと思うので是非これに味を占めて次はThe Fab Four (http://www.thefabfour.com/)を呼んで欲しいものです。もちろん一軍で・・・。

集客力の根源

宣伝不足の感が否めないながらも、外国人がビートルズの曲を演奏するだけでこれほどまでに観客が来るものかと驚きました。日本に数多いるビートルズのコピーバンドと何が違うのだろうかと考えてしまいました。今回の東京公演の来場者のうち1%でも甲虫楽団のライブに来てくれたらすごいことなのですが。
実際にレインを見た方の評判・評価を見るとみなさん見た目をかなり重視していることがわかりました。メイク・衣装・しぐさなどが心に響いていたようです。
内容ももちろん伴っている必要があります。歌の力強さは日本人コピーバンドには見られないもので、母国語の発声や体格の時点で日本人にはハンデがあると思います。

レインを見た人の感想

日本公演期間中ツイッターやブログを巡回しまして、レインを見た人の感想は9割がた拝見したと思います。複数あった意見を以下にまとめます。表現は意訳してあります。

ポジティブな意見

最高
泣いた
想像より良かった
MC、衣装、しぐさ、楽器、セットも完璧だった
映像の演出が凝っていた
青春がよみがえった
ビートルズの偉大さを実感した
ビートルズ愛につつまれた会場に居れて幸せだった
1960年代にタイムスリップした
当時の様子を追体験できた(後追い世代に多い感想)
ビートルズがライブを止めた時期の演奏が見れて良かった
ビートルズがライブを止めた時期の演奏が良く再現できていた
ポール役がイケメン※ダブルキャストの一人、Ianのこと
ポール役の歌が似ている
中後期のジョン役の歌が似ている
ジョージ役のギターが上手い
リンゴ役のドラムがよくリンゴの特徴を捉えていた
曲によってドラムのタムに毛布をかけていたのには感心した
また来日してほしい

ネガティブな意見

ただの外国人コピーバンド
ただの物まねショー
ただのそっくりさん
かえって本物の凄さが思い知らされて白ける
ビートルズが歪曲されて伝わることを危惧
ミュージカルでなくライブとして捉えると不満足
音量が小さい
歌よりMCの方が似ていた
ジョン役の歌に存在感が無い(とくに初期)
ジョン役が鼻声過ぎ
ジョージ役が老け過ぎ
ポール役が音痴※ダブルキャストの一人、Ianのこと
ポール役が右利きで違和感がある※ダブルキャストの一人、Ianのこと
曲を端折り過ぎ※2番をカットして短くするなど
「The End」のギターソロは3人でやってほしかった
ジョージのレスポール「Lucy」を再現してほしかった
チラシと違うメンバーが来て騙された気分
観客のノリが悪い

僕個人のポジティブな意見は他の方と同じです。「I Want To Hold Your Hand」の手拍子を会場全体あうんの呼吸で再現している様子はみなさんがビートルズを好きだということが伝わって来て泣きそうになりました。
ネガティブな意見をくわえさせたいただくと以下のようなものです。マニアックですみません。

ジョン役の歌い回しが違う:「Strawberry Fields Forever」の「ever」や「Come Together」全般
ポール役(Ian)の発音が違う:「Yesterday」の「ter」など。チリ出身だから?
ポール役(Ian)のベースコピー度が甘い:フレーズを簡略化していた。ハンマリングやスライドが少ない。ピッキングが弱い。
ポール役(Ian)の楽器再現度がいまいち:Hofnerは2連ペグにしてほしい。後期はBassmanステッカーを貼ってほしい。Rickenbacker はせめてドットポジションマークにしてほしい。
ドラムのフィルインの再現性があと一歩:こだわってやっているようだったが「A Day in the Life」や「Here Comes The Sun」で気になった

公演内容のまとめ

来日メンバー

Steve Landes:ジョン
Ian Bertsch (Ian B. Garcia):ポール ※右利き
Robert Ruffing (Mac Ruffing):ポール ※ベースは左利き、ギターは右利き
James Pou (Jimmy Pou):ジョージ
Chris Mcburney:リンゴ
Mark Beyer:キーボードなど

ポール役のダブルキャストのメインはIanのようです。パンフレットでメンバーの先頭に名前が掲載されていました。名古屋公演は2日間ともIanでしたし、大阪も全部Ianかもしれません。東京公演は11/23にIanが出演した以降、Robertと1公演ずつ交互に出演して最後はRobertで終わったようです。

セットリスト

全公演同じだったようです。

第一部 Ed Sullivan Show
She Loves You(3番カット)
Please Please Me
(MC)
I Want To Hold Your Hand
(セットチェンジ)
A Hard Day's Night
(日本語MC)
I'm Happy Just To Dance With You
(MC)
Yesterday

第二部 Shea Stadium
Help!
Day Tripper (2番カット)
Twist & Shout(ライブバージョンを意識)

第三部 Sgt. Pepper's
Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band
With A Little Help From My Friends(2回目のサビカット)
Eleanor Rigby
Lucy In The Sky With Diamond
(MC)
When I'm Sixty Four
Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band (Reprise)
A Day In The Life(オーケストラ上昇フレーズは6小節短い)

(第一部~第三部で上演時間50分。ここで20分休憩)

第四部 Flower Power
All You Need Is Love(3番カット)
Magical Mystery Tour(間奏から次の曲へ繋げる)
Strawberry fields Forever
(Mother Nature's Sonをアレンジしたピアノソロ)
Blackbird(ここから椅子に座ってアコースティックセットになる)
Two Of Us
(MC)
In My Life
(MC)
Here Comes The Sun
While My Guitar Gently Weeps(「Love」のストリングス入りバージョンで始まり途中から通常バージョンに)

第五部 Abbey Road
Come Together(2番カット)
Get Back
Revolution(2番カット)
The End (ドラムソロから。ギターソロは3人分を一人で弾く)

アンコール
Give Peace A Chance(短縮バージョン) ※ジョン・レノンのソロ曲
Let It Be(3番カット)
Hey Jude (2番カット。リフレインは女性→男性などアカペラで歌わせる)


(第四部~アンコールで上演時間55分)


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1 コメント

  1. はじめまして。私もレイン観ました。
    純粋に、楽しめました。
    50代・60代の男性がミュージカル劇場にこんなに多く足を運ばれることがあるんだ、というのを、休憩中のお手洗いの行列を見てビックリしました。笑

    今回の公演、東京はかなりお客様が入っていたようですね!当日券の行列もみましたし。。
    宣伝、というのも、きっと主催にフジテレビさんがしっかり入っていたので、その他のメディアに出すというのは難しいのでしょうね。

    楽しめた方が多かったのなら、興行としては成功なのでは?と思います。

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