2013年4月29日月曜日

フェードアウトの終わらせ方(3)「A Hard Day's Night」編

本連載の第三弾はビートルズ3枚目のアルバム「A Hard Day's Night」を取り上げます。主旨については第一弾の投稿をご覧ください。
今回、フェードアウトする割合は13曲中4曲と前2アルバムに比べて減りました。

A Hard Day's Night
I Should Have Known Better
Things We Said Today
I'll Be Back

A Hard Day's Night

今後、こういった「余韻系」の終わり方をする曲が増えてきます。演奏自体は完了しているのでこれをフェードアウトというべきか考え物ですが、ライブではそうもいかずジャーンととってつけて終わらせています。
http://youtu.be/4SKAxtxP5pA?t=2m30s
日本のコピーバンドでは最後の12弦ギターのアルペジオを2回以上やってからジャーンと終わる例が多い気がします(ビートルズは1回でジャーン)。

I Should Have Known Better

ビートルズ本人の例は見つかりませんでした。ジョン・レノンの曲は最後が繰り返しになって終わりどころがなくなるものが多いです。
海外のトリビュートバンドの例を紹介します。

THE FAB FOUR
http://youtu.be/Zga6D3JeFZs?t=2m24s

この終わり方以外無いでしょう。ハーモニカは基本的にシンコペーションするのですが、最後だけは小節の頭で終わります。

Things We Said Today

ポール・マッカートニー作で初めてフェードアウトする曲です。これまでポールの出番が少なかったからフェードアウトする例が無かっただけかもしれませんが、ジョンとの作風の違いという気もします。

ビートルズのライブでの例です。シンプルです。
http://youtu.be/WXmHdPPUyns?t=2m16s

1990年のポール東京ドーム公演では工夫した終わり方になっています。
http://youtu.be/CMIYup-OFJE?t=3m5s

2000年代にはシンプルな終わり方に戻っています。
http://youtu.be/JOq8QrItx5M?t=2m56s

I'll Be Back

ビートルズ本人の例はありませんでした。いかにもライブで取り上げ無さそうな曲です。
海外のトリビュートバンドの例を紹介します。

The Fab Four
http://youtu.be/GTdDLJ-90ac?t=2m6s
誰もが思いつく終わり方でしょう。

MADE IN LIVERPOOL
http://youtu.be/JV37HBOkJ4g?t=1m55s
こちらはシンコペーションしていない例です。

両者とも最後のコードはAで終わっています(Amではなく)。これが妥当でしょう。

今回のアルバムでフェードアウトする曲の割合が減ったのはビートルズの自信の表れのような気がします。全曲レノン・マッカートニーのオリジナルですし、自由にやりたいようにやっているような印象があります。このアルバムは映画のサウンド・トラック盤でもあるので、テンポよく展開したかったという気持ちがあるかもしれません。

2013年4月25日木曜日

フェードアウトの終わらせ方(2)「With The Beatles」編

本連載の第二弾はビートルズ2枚目のアルバム「With The Beatles」を取り上げます。主旨については第一弾の投稿をご覧ください。
「With The Beatles」では全14曲中以下の6曲がフェードアウトしています。前アルバムに引き続き全曲数に占める割合が多いです。

All I've Got To Do
Don't Bother Me
Little Child
Please Mr.Postman
I Wanna Be Your Man
Not a Second Time

以下に終わらせ方の例を紹介します。リンクをクリックするとエンディング直前から再生されます。
他に良い終わり方をご存じの方は是非教えてください。

All I've Got To Do

ビートルズ本人による解釈は見つからなかったので海外のプロのビートルズトリビュートバンドの例を紹介します。

The Cavern Beat
http://youtu.be/zyHj279DcsA?t=1m44s
Them beatles
http://youtu.be/ONvLs6gpXHw?t=1m52s
もっともシンプルな終わり方です。
この終わり方で最後を「All I've Got To Do」と歌うパターンもよく目にします。

Fab Foux
http://youtu.be/0CNhFL4yKsw?t=2m12s
こちらも基本的には同じですが、ブレイクを交えて少し引き伸ばしています。その一瞬の間がなかなか良いです。

All You Need Is Love
http://youtu.be/Z7_2ECeva3s?t=1m39s
1964 tribute
http://youtu.be/FQ1mECOuRIQ?t=2m3s
当時のビートルズのカバー曲で定番の終わり方を流用しています。

Don't Bother Me

こちらもビートルズ本人の解釈はみつかりませんでした。各国のトリビュートバンドも苦労しているようです。

The Cavern Beat
http://youtu.be/0JOepL8xi5g?t=2m16s
最後のコードはお洒落ですが唐突です。

American English
http://youtu.be/oKkJels7HAU?t=2m17s
再びギターソロに行ったのは良いアイデアだと思うのですが唐突です。

おそらく、最後の「Don't Bother Me~」と歌いあげるのにかぶせて再びイントロに戻って終わるのが最も妥当でしょう。

番外編として、ジョージ・マーティンがリリースした「Off The Beatle Track」(1964年)の例を紹介します。ビートルズの楽曲をインストゥルメンタルにアレンジしたアルバムです。
http://youtu.be/CN7ZasByRGs?t=2m39s

Little Child

引き続きビートルズ本人の例は見つかりませんでした。

The Fab 5
http://youtu.be/5_8sdnQfQ6g?t=1m36s
「Rock and Roll Music」風の終わり方です。この方法を支持するトリビュートバンドは多いようですが誰が最初に考えたのでしょうか。

ジョージ・マーティンの「Off The Beatle Track」の例です。
http://youtu.be/IV2vBWWedKs?t=1m39s

Please Mr.Postman

ようやくビートルズ本人の例です。BBCのラジオ番組で披露しています。
http://youtu.be/h69uIYAUDx4?t=1m49s
http://youtu.be/iGDHoCPRbEg?t=2m6s
何度も同じ終わり方で演奏しているのでこれが正解なのでしょう。
ジョンのOh Yeahに続いてポール(おそらく)が裏声でwooと歌って終わっています。

I Wanna Be Your Man

ライブでの定番曲なので完奏した音源が多く残されています。日本武道館での演奏も含めてどれもほとんど同じですが、1964年ワシントンDCでのライブ(以下の後者の方)は少し違います。
http://youtu.be/Iqw8m2shH54?t=2m
http://youtu.be/7HdLpjn7ux0?t=2m26s

「Rock Band」の例です。無理矢理編集されている感はありますが、最後の1音はレコーディング時の終わり方を想像させます。テレビ番組「Around The Beatles」用に録音した完奏音源(アルバムAnthology 1に収録)を流用したのかもしれません。
http://youtu.be/lJ6XrqkB43I?t=1m51s

ALL STARR BANDの2013年版の終わらせ方はこちらです。随分工夫しています。
http://youtu.be/MgA8_kbcNdw?t=2m55s
この終わらせ方は2006年には既に取り入れていたようですが、初期のALL STARR BANDでは他の終わらせ方でした。
http://youtu.be/fHAqlt5z5Ak?t=2m8s

Not a Second Time

やはりビートルズ本人の見解はわかりません。

Siempre Beatles
http://youtu.be/TS5RtY2l8gY?t=1m44s
特徴的なドラムのフィルインを活かした終わり方です。必然性が感じられる良いアイデアだと思います。

Beatles 4ever
http://youtu.be/JTojKFWK5JI?t=1m55s
シンプルな終わり方です。


前アルバムはフェードアウトさせた意図がわかりにくい曲が多いように思いましたが、今回は、フェードアウトが効果的と判断した曲、フェードアウトする他無かった(終わらせ方が思いつかなかった)曲があるような気がします。
前者はAll I've Got To Do、Please Mr.Postman、後者はDon't Bother Me、 Not a Second Timeが相当すると思います。

このアルバムは「She Loves You」「I Want To Hold Your Hand」という2つの大ヒットシングルに挟まれた時期に制作されたこともあり、前アルバムの出がらしのような印象があります(録音方法の進化はありましたが)。
ビートルズにとっても通過点でしか無かったようで、本アルバムに収録されているオリジナル曲は以降のキャリアの中ではあまり取り上げられることが無く、参考となる音源がほとんど残されていません。例外はポール初期の代表曲となったAll My Loving、貴重なリンゴ用オリジナル曲のI Wanna Be You Manくらいです。It Won't Be Longはもう少し脚光を浴びてもいい気がしますが、ジョン・レノンは既に次(A Hard Day's Night)に向けて突き進んでいたようです。

2013年4月21日日曜日

フェードアウトの終わらせ方(1)「Please Please Me」編

ビートルズのコピーバンドにとって、原典がフェードアウトしている曲を演奏する際にどう終わらせるかは悩みの種だと思います。コピーという土俵において唯一独自性が許されている箇所ではあるのでここぞとばかりに思いっきり遊ぶという手もありますが、やり過ぎて観客に引かれてしまうのは考え物です。
そこでこの連載では妥当性が高い終わらせ方をまとめてみたいと思います。出典はYouTubeで検索できる範囲というお気楽なものです。

まず、妥当性の高さとして以下の優先順位を提案します。
  1. ビートルズ現役時代に公の場で披露したもの
    ライブ、テレビ、ラジオなどでビートルズが演奏した際の終わらせ方は、当時のビートルズの公式見解として最優先される。
  2. ビートルズ現役時代の録音が別バージョンとして後に公式発売されたもの
    アルバム「Anthology」やゲーム「Rock Band」等でフェードアウト処理する前の状態の音源が公式発売される場合がある。当時のビートルズの意図が垣間見える。
  3. ビートルズのメンバーがソロ活動の中で公の場で披露したもの
    レコード、CD、配信、ライブ、テレビ、ラジオ等でメンバー本人が独自のエンディングを披露する場合がある。多くの場合作曲者自身によるものなのでビートルズ現役時代もそのようにした(したかった)可能性がある。
  4. ビートルズ解散後に編集によって作り出されて公式発表されたもの
    アルバム「Love」やゲーム「Rock Band」の一部の楽曲が相当。メンバー本人の関与は限定的だが公式発表されたものは尊重すべき。
  5.  ビートルズ現役時代の録音が流出したもの
    いわゆる海賊盤が相当。ビートルズ側が意図して公開したものでは無いので重視すべきでは無いかもしれないが参考になる(これに相当するものは後に公式発売されることが多い)。
  6. 第三者のプロミュージシャンによるアレンジ
    プロのビートルズトリビュートバンドのみならずオリジナル曲で活躍しているプロミュージシャンがビートルズの曲をライブで演奏したり音源を流通させたりすることがある。プロとしての経験と技術に裏付けられた終わらせ方は納得感が高そうであるし、プロだけに結果は多くの人が体験することになるので既成事実としても無視できない。
本連載では基本的に上記1~4を取り上げますが、抜けているものや5、6について推薦いただけると嬉しいです。

第一回となる今回は先月発売50周年を迎えたデビューアルバム「Please Please Me」についてまとめます。同アルバムでフェードアウトするのは以下の7曲で、実に総曲数の半分を占めます。

Misery
Chains
Boys
Love Me Do
Baby It's You
Do You Want To Know a Secret
There's a Place

以降、参考音源を引用します。リンクをクリックするとエンディング直前から再生されます。

Misery

ラジオ番組の例です。いずれも同じタイミングで終わっていますがギターのフレーズが異なります。
http://youtu.be/4Rl3Wi2RUX0?t=1m40s
http://youtu.be/zxg7j6rQDLM?t=1m36s
アルバムではフェードアウトした直後に演奏が終了していたことが想像されます。

Chains

ラジオ番組の例です。コード進行も締め方もいかにも終わるぞという雰囲気です。アルバムではなぜわざわざフェードアウトしたのでしょうか。フェードアウトせずにあと5秒ぐらい待てば自然に終わったはずです。
http://youtu.be/3mKCM5jUask?t=2m6s

Boys

ハリウッド・ボウルでのライブの例です。他のライブもこうなので他の選択肢は無いと思います。
http://youtu.be/ll-mYwoT_G8?t=1m52s

テレビ出演時のあてぶりです。これもライブと同じです。
http://youtu.be/rN6ZZiKWZYA?t=1m55s

「Rock Band」の例です。編集で強引に終わらせています。結局レコーディング時のエンディングはわからずじまいです。
http://youtu.be/8Frr6nZLqYo?t=2m5s

2013年のALL STARR BANDのツアーでは定番の終わり方にもう少し追加しています。
http://youtu.be/IguJKzL0ndI?t=3m7s

Love Me Do

ラジオ番組の例です。斬新な(新奇な?)終わり方です。
http://youtu.be/Aew3A2akWv8?t=2m27s

リンゴ・スターのライブでの例です。 何故この曲をやったのでしょうか・・・。
http://youtu.be/RlmrrX7Uqog?t=3m13s

ポール・マッカートニーのライブでの例です。P.S. I Love Youと繋げて大胆にアレンジしています。
http://youtu.be/Ik3Kzv_d6Fk?t=1m49s

Baby It's You

ラジオ番組の例です。1995年にこの音源がシングルとして公式発売されたのでこれ以外に無いでしょう。
http://youtu.be/cVeoaz3-qC4?t=11m42s

Do You Want to Know a Secret

「Rock Band」の終わり方です。テイク7として流通している音源と同じ終わり方なのでこれは公式見解と考えてよいでしょう。
http://youtu.be/-aeiocyQsYU?t=1m42s

ラジオ番組の例です。同じ終わり方ですが歌い回しがアレンジされています。
http://youtu.be/8hQZ9SeNx7U?t=1m32s

There's a Place

ラジオ番組の例です。ごく自然な終わり方です。
http://youtu.be/1xe-VQs93r8?t=1m30s


こうしてまとめてみると、フェードアウトさせるまでも無かった(あと数秒待てば普通に終わった)曲が多いことに気付きます。そもそもアルバム「Please Please Me」はキャヴァン・クラブでのライブの熱気を再現するコンセプトだったと聞いていますのでフェードアウト処理が多いことに矛盾を感じてしまいます。フェードアウトが当時の流行だったのでしょうか。それとも自信を持ってレコードに記録できる終わり方が思いつかなかったのでしょうか。

2013年4月17日水曜日

書籍「ビギナーズ・ザ・ビートルズ 全8年のキセキ」発売

書籍「ビギナーズ・ザ・ビートルズ 全8年のキセキ」が2013年4月17日に発売されました。
その名の通りビートルズ初心者を意識しているようです。ビートルズ音楽作品のレコーディングとリリースについて基本的に1年ごとに時間軸に沿って整理しています。音楽作品以外もメンバーの生い立ちやビートルズの歴史の中での象徴的なエピソードは一通り網羅しており、その点でも初心者にとってわかりやすそうです。
イギリス本国のみならず日米でのリリース状況も平行して取り上げているのが特徴で、著者はリアルタイム世代ということもあり、ビートルズ日本公演や映画上映に実際に行った様子など当時の日本の状況を生々しく描いています。
ビートルズの音楽作品自体に注目していることは参考書籍の筆頭に「ザ・ビートルズ レコーディング・セッションズ」「ザ・ビートルズ・サウンド 最後の真実」を挙げていることからもわかります。なんとなく装丁も「ザ・ビートルズ レコーディング・セッションズ」に似ている気がします。音楽作品を網羅しようとする姿勢は徹底しており、海賊盤や解散後現在に至る様々な公式発表作品にも言及しているのが面白いです。

初心者のみならず、ビートルズの作品にだけ興味がある人にとって改めて全体を俯瞰しより深い研究へのきっかけにできる書籍だと思いました。

2013年4月13日土曜日

Rhythm & Drums magazine 2013年 05月号はリンゴ・スター特集

リットーミュージックの月刊誌「リズム&ドラム・マガジン」2013年4月13日発売の5月号は「Ringo Starr's Solo Works」と題し、リンゴ・スターのソロ時代に焦点を当てた16ページの特集記事を掲載しています。
http://www.rittor-music.co.jp/magazine/dm/
 
全体は以下の7部構成になっています。
  1. 2013年2月26日リンゴ日本公演のレポート
  2. 2005年同誌によるリンゴへのインタビュー記事の再掲載
  3. ALL STARR BANDを中心にリンゴのソロ時代を支えたドラマーの紹介
  4. リンゴのソロ時代のドラム機材やそのサウンドの変遷
  5. リンゴのソロ時代のバイオグラフィー
  6. 日本のリンゴ好きプロドラマーによるリンゴがソロ時代にドラム演奏した楽曲を取り上げての解説
  7. 譜面を交えてリンゴのソロ時代の演奏を分析
リズム&ドラム・マガジンならではの視点で読み応えあります。とくにインタビュー記事はリンゴもドラム専門誌に載るつもりで話しているので技術的な話が多いです。

2013年4月11日木曜日

「From Me To You」発売50周年記念ベースTAB譜&世界各国コピーバンド競演

2013年4月11日はビートルズの3枚目のシングル「From Me To You」発売50周年です。同曲風のベースタブ譜を共有します。
http://www.kouchu.info/Bass10.pdf
この曲は間奏にハーモニカと同じフレーズを弾いたベースを追加しているようですが、この譜面では追加する前の状態を参考にしています。

From Me To Youの位置づけ

単調に思える「Love Me Do」とは対照的な「Please Please Me」で突然変異したビートルズのシングル曲ですが「From Me To You」では元に戻ってしまったようにも感じます。「Please Please Me」はセッションドラマーのアンディ・ホワイトがアレンジで貢献したせいもあると思いますが、「From Me To You」作曲当時のビートルズはツアー中で時間が無く練り込みが足りなったという面があるかもしれません。実際、この曲はツアーの移動中のバスの中でジョン・レノンとポール・マッカートニーがそれこそ膝を突き合わせて共作したものです。

曲調はマージービートの典型という印象があります。僕自身はマージービートについて良く知らないので、ビートルズのやっつけ仕事だっただけに他のバンドが真似しやすくてその後マージービートになったのか、既にマージービートが成立していてそれをビートルズがやっつけ仕事として取り入れたのか興味があります。どちらにしてもやっつけ仕事だったと想像しています。B面として発売されたThank You Girlの方が当初はA面候補だったそうです。そんな曲がA面になれたのはジョージ・マーティンの提案で入れたというハーモニカのおかげもあったと思います。

そんな急場しのぎに見える楽曲でも次に向けた布石は打ってあったようで、ポールは事あるごとに同曲中間部"I got arms that long to hold you..."のGmコードの使用が作曲家としての転機だったと語っています。同様の展開が後の大ヒット曲「I Want To Hold Your Hand」でも登場しています。他にポール作の「The Night Before」でも使われているので、これらはすべてポールのアイデアだったかもしれません。
その他、ベースライン、裏声の「フー」、エンディングのシンコペーションは次のシングル「She Loves You」に結実しています。
ここまでのシングル曲A面すべてで活躍していたジョンのハーモニカもシングルA面ではこれが最後となりました。様々な意味で転機となる曲だったと言えそうです。

ベースライン分析

ベースラインのポイントとしては、Amコードで2弦7フレットにスライドするところで音が歪む、3拍目の音の長さが場所によって変わる、が挙げられます。3拍目の音の長さは"If there's anything I can do"の直後は短く切ってそれ以降は長いというのが定番ですが、終盤はすべて短く切って躍動感を出しているようです。

それ以外は全体的に非常にシンプルで終始2弦と3弦しか使用しません。さらに最初の中間部までは1小節につき2つの音しか無いというありさまです。実際に弾くとなるとこういったものの方がかえって難しいかもしれません。

思うにこの時点でまだベースラインは未完成だったのでしょう。それほど忙しかったのだと思います。レコーディング約1年後のワシントンD.C.公演時はダイナミックなベースラインに生まれ変わっています。ここまでスタジオ版とライブ版のベースラインが異なるのは珍しいと思います。


50周年記念各国コピーバンド競演

ビートルズの様々な50周年を記念するキャンペーン"Liverpool Celebrates 50 Years Of The Beatles."の一環でリバプールの博物館"The Beatles Story"とライブハウス"The Cavern Club"が旗振り役となって「From Me To You」を演奏した映像が世界中から集められました。日本からも3バンドがエントリーしています。成果は以下の1本の動画にまとめられました。

The Beatles Story celebrate the 50th anniversary of 'From Me to You'
http://www.beatlesstory.com/news/2013/04/11/beatles-story-celebrate-50th-anniversary-me-you

リバプールの地元紙による報道です。
New video marks 50 years since The Beatles released From Me To You
http://www.liverpoolecho.co.uk/liverpool-entertainment/echo-entertainment/2013/04/11/new-video-marks-50-years-since-the-beatles-released-from-me-to-you-100252-33153367/

各バンドの完全版は以下から試聴できます。
http://www.youtube.com/playlist?list=PLOmi2fJvBkGtjB7g5VgyaskEwq-RDcZ23

これから全シングルの50周年で同じようなことをやったら面白いですね。そのうち甲虫楽団が対象とする時代(1966年~)になったら是非参加したいです。

2013年4月10日水曜日

「Let It Be...Naked」iTunes Store配信開始記念ビデオクリップ解禁

先日iTunes Storeで配信開始した「Let It Be...Naked」のプロモーションの一環でニュース系Webサイト3つとコラボレーションしたビデオクリップの解禁キャンペーンが実施されました。
ビデオクリップ解禁前の特設サイト
RollingStoneMashableBuzzFeedの3サイトに設置されたボタンをクリックすると特設サイトに掲載されたビデオクリップが1つずつ解禁され、3つすべて解禁されるともう1本のビデオクリップと、それら4つすべてを繋げた完全版のビデオクリップが試聴できるというものです。
コラボレーション先のサイトの集客が目的の一つだと思いますが3サイトとも英語のサイトですし、まどろっこしいので完全版のビデオクリップを以下に共有します。


映像は映画「Let It Be」撮影時のもののようです。映画「Let It Be」の再リリースへの期待がいやがうえにも高まります。

2013年4月9日火曜日

レビュー:DVD「リンゴ・アット・ザ・ライマン 2012」

RINGO STARR WITH HIS ALL STARR BANDのライブDVD「リンゴ・アット・ザ・ライマン 2012」の日本盤は2013年5月29日発売ですが、北米盤は3月26日に発売済みです。
DVDレーベル
例によって日本盤は北米盤の2倍近い値段なのでアマゾンで北米盤を購入しました。
現物が手元に届くまでは日本製の機材で再生できるか不確かだったのですが、実際はNTSCフォーマットでリージョンALLだったため問題なく再生できました。

ジャケット
ジャケット裏
まず観て気付いたのは使用カメラ数が多いということです。クレーンを用いた大掛かりなものから、客席内で撮ったと思われる低画質なものまで、おそらく10以上使用していると思います。
それらを速いテンポで切り替えながら見たいところを飽きること無く見せてくれます。演奏している際の手元は積極的に捉えているのですが、リンゴ・スターの曲以外はリンゴのドラムの手元をあまり映してくれないのが残念です。
リンゴあっての本作品でしょうから、「推しカメラ」としてリンゴだけを追い続けたアングルの映像があれば良かったと思います。

収録当日の2012年7月7日はリンゴ・スター72歳の誕生日だったため特別な趣向が盛り込まれていますが、それ以外は1曲(「Honey Don't」)を除いて2013年の日本公演と同じメンバー、同じセットリスト(曲目・曲順)です。
MCの流れも日本公演と同じでしたが、日本公演は言葉の壁を考慮してか内容が簡略化されていたことがわかります。日本語版ではMCに日本語字幕がつくでしょうからMCを楽しみたい方は日本盤、安く早く手に入れたい方は北米盤という判断基準になると思います。北米盤には英語も含め字幕は収録されていません。
セッティング変更などのちょっとした隙間はカットしていますがそれ以外はMCも曲も全編収録しているようです。2時間たっぷり楽しめます。

日本公演の半年以上前のステージですが既に演奏は完成されており、リラックスしていながらも精密な演奏です。途中リンゴが中座した間に演奏する「Black Magic Woman」では嬉々として超絶技巧を応酬しているのが面白いです。やはり普段はリンゴに気を使っているのでしょうか・・・。
観客席は2階構造ですが奥行きは狭く一体感があります。観客は皆思い思いにライブを楽しんでいる様子です。スマートフォンやデジタルカメラで動画を撮影している人が多く、その様子を積極的に本作品に収めているので会場での撮影は禁止されていなかったようです。日本公演の際は撮影可否について混乱がありました。

日本公演に行かれた方にとっては自分の思い出と重ねあわせて楽しめる一品です。
日本公演で演奏しなかった「I'm the Greatest」(ジョン・レノン作)と「Rocky Mountain Way」(ゲストのジョー・ウォルシュ作)が聴けるのがお得です。

2013年4月5日金曜日

「The Fab Four」と「RAIN」の比較-ビートルズ来日50周年記念日本武道館イベントに向けて

※2016年ビートルズ来日50周年イベント/商品まとめは→こちら

2012年「RAIN」(レイン~ビートルズに捧ぐ~)、2013年「The Fab Four」(WANNA BE 祭)と、海外のビートルズトリビュートバンドの来日が相次いでいます。この二つのバンドと公演内容を比較して、2016年ビートルズ来日50周年武道館イベントに向けた提言をまとめたいと思います。
 両公演についての当ブログの記事は以下からまとめて見られます。
RAIN:http://blog.kouchu.info/search/label/RAIN
The Fab Four:http://blog.kouchu.info/search/label/Wannabe

まずは以下の比較表をご覧ください。以降は「RAIN」(レイン)=R、「The Fab Four」(ザ・ファブ・フォー)=Fと略号で表記します。

RAIN The Fab Four
主催 フジテレビジョン / アミューズ / 読売新聞社 / サンライズプロモーション東京 ※東京公演 ぴあ、東京音協
後援 J-WAVE / ニッポン放送 なし(おそらく)
公演日程 2012/11/16~11/28 2013/03/30
会場 大阪:オリックス劇場、名古屋:名古屋市公会堂、東京:東急シアターオーブ、 千葉:舞浜アンフィシアター
公演回数 14回 2回
チケット料金 5500円~9500円(3席種、平日と土日祝で料金が異なる) 6800円
グッズ販売 CD、Tシャツなど CD、Tシャツなど
ロビー展示 なし ビートルズ日本公演写真パネル展示
他バンド出演 なし アマチュア2~3バンド、プロ1バンド
公演時間 約1時間45分 ※幕間休憩時間除く 約1時間45分 ※The Fab Four演奏分のみ
セットリスト 1種類 2種類
演奏曲数 31曲 27/29曲
(2公演合わせて重複を除けば36曲)
演奏者 5名(ポール役はダブルキャストなので総勢6名) 4名
衣装 5パターン(シェイ・スタジアム等) 4パターン(ビートルズ日本公演等)
司会者 なし なりきりエド・サリヴァン ※オープニングアクト用には別の日本人司会者
MC 3~4曲ごとに1回 1~2曲ごとに1回。客いじり多い
舞台装置 背景など なし
演奏中映像投影 当時の観客の様子や曲ごとのイメージ映像 当時の観客の様子や曲ごとのイメージ映像
演奏外映像投影 冒頭など2回 衣装替えのタイミングなどに最大3回
開場中の演出 ビートルズトリビアクイズの投影 なし
テレビ報道 フジテレビで計6回確認 ※東京公演 なし(おそらく)
テレビCM あり なし(おそらく)
ラジオ報道 不明 あり(FM放送で計2回確認)
スポーツ紙報道 あり なし(おそらく)
SNS活用 なし あり
スポークスマン サンプラザ中野くん、加賀美セイラ ぴあプロデューサー
独自演奏曲 I'm Happy Just To Dance With You
Eleanor Rigby
Lucy In The Sky With Diamond
When I'm Sixty Four
All You Need Is Love
Magical Mystery Tour
Blackbird
Two Of Us
In My Life
While My Guitar Gently Weeps
Come Together
The End
Give Peace A Chance
Let It Be
All My Loving
I Should Have Known Better
Eight Days a Week
Can't Buy Me Love
Rock 'n' Roll Music
She's a Woman
If I Needed Someone
I Saw Her Standing There
Penny Lane
Got to Get You Into My Life
Imagine
Something
Baby's In Black
I Feel Fine
I Wanna Be Your Man
Nowhere Man
Paperback Writer
I'm Down
Hello, Goodbye
※独自演奏曲=他方(Rainから見たThe Fab Four。逆もしかり)の公演では演奏しなかったその公演独自の演奏曲。公演の特色を示唆すると考えられる

公演概要

Rは東名阪3か所で14公演を行いましたが、Fは1日に2公演を行っただけです。Rは皆2000人規模の会場でしたが、Fの会場「舞浜アンフィシアター」で今回使用した座席プランではキャパシティはせいぜい7~800、多く見積もっても1000程度ですからRはFより10~20倍動員したことになります。
チケットの平均単価はFの方が安いです。さらに正味の出演時間は両者で変わらず(1時間45分程度)Fは本編の前に1時間ほど他バンドの演奏がありますのでFの方がお得感があります。バンドとしての評価はFの方がRより高いのですからなおさらです。

公演内容

両者とも衣装を変えながら基本的に年代順に演奏していく構成です。Rの方が舞台装置や演出が派手で進行もパッケージ感(予定調和感)が強く、Fはシンプルな機材や演出で観客との一体感を重視しハプニングを楽しむような傾向があります。Rはポール役がダブルキャストであることも影響していると思います(ショーの完成度を個人に依存できない)。Rは4人以外にキーボードやパーカッション担当がいるので演奏に制約が少ないのですが、四人組にこだわる観客にとっては反則と映るかもしれません。Fは4人だけで演奏し、メンバーもほとんど固定のようなのでバンドとしての結束はFの方が固いように思います。そういった事情も相まって観客も巻き込んだライブ感はFの方が上です。

演奏曲

両者とも、傾向は同じです。エド・サリヴァンショーから始まって初期はTwist and Shoutで終わり、中期はアルバム「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」の冒頭2曲と最後2曲を押さえつつStrawberry Fields Foreverを目玉にし、後期はジョン・レノンのソロ曲を特例として取り上げながらジョージ・ハリスンの名曲をクライマックスに据え、Get BackとRevolutionで盛り上げておいて最後はHey Judeで締めています。Rにはアコースティックコーナーがある、Fはビートルズ日本公演を再現するという点に独自性があります。公演時間は両者でほとんど変わらないのですが、Rは何曲かで構成を省略して曲数をかせいでいます。RはLet It BeとHey Judeが両方聴けるのがお得です。Let It Beは日本で特に人気なので日本側のリクエストかもしれません。

広報活動

最も両者で差が表れたのが広報活動です。Rは主催/後援にテレビ、ラジオ、新聞社が名を連ねており、マスメディアでの宣伝を行っていました(そんなに多くはありませんでしたが)。一方Fはおそらくマスメディアでの宣伝活動をほとんど行っていません。今のところ確認できているのはFM放送ラジオ番組(=地域は限定的)でぴあのプロデューサーが告知したことだけです。
Rは「サポーター」として芸能人を動員し、記者会見や囲み取材を実施することでニュースとして取り上げられるよう画策していました。Fは本番前々日にお台場でフリーライブを行いました。Rではやらなかった試みなので格好のニュースネタだったと思うのですが、結局ぴあのWebメディア以外では報道されなかったようです。
一方、FはRとは異なりTwitterやFacebookを使用した広報を行いましたが、SNSらしい試みは日本の「なりきりバンド」の募集と人気投票程度だったと思います。
これらの結果が両者の動員の差となって表れたように見えますがFは1日間2公演のみだったので広告宣伝費のコストパフォーマンスを考慮しただけなのかもしれません。とはいえもう少しやりようはあった気がします。

2016年ビートルズ来日50周年日本武道館イベントに向けて

ビートルズ来日50周年となる2016年6月30日~7月2日に武道館を貸し切ってトリビュートイベントを開催するというのは多くの方が思い描いている夢だと思います。その芯となるのはやはり海外のビートルズトリビュートバンドでしょう。定期的な来日公演はThe Fab Four自身も今回出演した「WANNA BE 祭」の主催者も前向きなようなので、今もっともこの夢の実現に近いのは「WANNA BE 祭」であることに疑いありません。The Fab Fourのクオリティには何も問題が無いので、あとはどうやって武道館を満員にするような流れを作っていけるかだと思います。

その布石として今回のフォーマットを元に来年以降も「WANNA BE 祭」を継続するなら以下のようにバージョンアップした方がいいと思います。業界の事情を知らずに勝手な想像で恐縮ですが是非成功してもらいたいのです。

会場・チケット

今回の舞浜アンフィシアターは観客にとって非常に良い会場なのでそのまま使用するのが良いと思いますが、いくら音楽ライブにおける座席使用プランの定番であるとはいえ空席を作らない方が熱狂を醸成できてバンドのパフォーマンスにも好影響を与えると思います。主催者の意図通りだったのかもしれませんが、今回はガラ空きだったという印象を持たれてもしかたないと思います。
ステージの横過ぎて見えにくい席はそれこそワケあり席として1000円で売り出して、「それなら行ってみようかな」と思わせる手はあります。体験すれば高評価になるのは目に見えているのでその後の口コミ効果を期待するならできるだけ多くの人に来てもらうべきです。
逆に最前列の席はファブ・フォーとの楽屋裏での対面権利付きで1万円で売り出しても良いと思います。それだけ気合いが入っている人は最前列で盛り上がるでしょうから他の観客をよく扇動してくれると思います。実際そのようなプレミアチケットの販売はアメリカのThe Fab Four公演では行われているようです。
昼夜二公演実施する場合は、両公演見る場合の割引(通し券)や、昼公演の半券を持っていると夜公演の当日券が割引になる制度を設けてはどうでしょうか。今回も昼公演でそのクオリティにびっくりして夜公演も行けばよかったと思った人が多かったようですので。

オープニングアクト/スペシャルゲスト

オープニングアクトに、お祭りとして花を添えるだけでなく観客動員を期待するのであればその旨宣言した方がいいかもしれません。乱暴ですが観客を50人集めたら出演できる、など。アマチュアで動員力があるというのは必ず何らかのストーリーがそこにはあるでしょうから(例、実力がある、コミュニティの中心的存在、活動期間が長い、・・・)広報活動に活用できるかもしれませんし、当日のトークが盛り上がることが予想されます。
スペシャルゲストには明らかに観客動員を期待していると思いますが、イベントの主旨としてビートルズ以外の曲を演奏することは避けた方がいいかもしれません。オープニングアクトが無ければ良いのですが、オープニングアクトはビートルズを演奏するので流れが悪いように思います。 たとえばスペシャルゲストとして同年の「Dear BEATLES」(毎年一度プロミュージシャンが集まってビートルズのコピーをするイベント)の面々を呼んでダイジェストを演奏してもらえば両イベントの相乗効果が望めそうです。


進行

オープニングアクトの転換中のトークはプロの司会者を雇うのも良いのですが、イベントのスタッフが司会を務める方が良い結果を生むような気がします。 今回もイベントのプロデューサーが前面に立って広報活動をしていましたし、お台場でのフリーライブでも司会をしていましたから、とことん出続けるとブランド力が増すと思います。ビートルズファン同士の会話の方が盛り上がるでしょう。
今回はオープニングアクト→スペシャルゲスト→休憩→The Fab Fourという流れでした。The Fab Four登場までに会場を温めておくという意図があるなら、スペシャルゲストからそのままThe Fab Fourになだれ込んで、The Fab Fourの初期パートが終わった時点で休憩を設け、ドラムセットを中後期仕様に変えて終盤戦が始まるという流れの方が良いと思います。

開催地

東京圏以外での開催を望む声が多いので検討した方が良いと思います。となればオープニングアクトも各地で募集することになり、よりドラマ性や観客動員へ効果が増すと思います。大阪と、あとは福岡はいかがでしょう。

広報

ビートルズファンは裾野が広いので、イベントの存在さえ知ってもらえばフラッと立ち寄ってくれることもありそうです。潜在顧客が皆、日々ビートルズ情報を収集しているわけではないので、偶然目にしてもらうチャンスを増やすしかありません。今回もイベントが終わってから存在に気付いて後悔している人が出てきているようです。
となればマスメディアへの露出を目指すことになりますが、お金をかけてのプロモーションには限界があるでしょう。そのせいでチケット代金が上がってしまっては本末転倒です。
ここはマスメディアの方から取り上げたくなるニュース性を作り出す必要があると思います。ビートルズ好きの著名人に売り込んで勝手に取り上げてもらうことを期待するとか、オノ・ヨーコからコメントをもらうとか、オープニングアクト募集を大規模に行うとか、The Fab Fourのゲリラライブを複数しかけるとか、アイデアは尽きません。いずれにせよ「目指せ日本武道館」というスローガンを大々的に掲げるのがわかりやすくて良いと思います。
一方、もはやマスメディアから離れている人もいますのでSNSを今回以上に活用することも大事だと思います。毎週必ず新情報を流して口コミの拡散を期待したり、「いいね!」した人から抽選でThe Fab Fourに会えるキャンペーンを行ったり、SNSならではの仕掛けは様々考えられます。

まとめ

いろいろ書きましたが、結局はThe Fab Fourにはまた日本に来てもらって、より多くの日本の人に体験してもらい、日本でのビートルズ人気が盛り上がって欲しいと思っているだけです。引き続きThe Fab Fourの動向には注目したいと思います。

2013年4月3日水曜日

「Let It Be...Naked」iTunes Storeで配信開始 関連素材も続々公開

ビートルズのアルバム「Let It Be…Naked」が2013年4月2日よりiTunes Storeで配信開始されました。
https://itunes.apple.com/us/album/let-it-be...-naked/id619258964



ブックレットやボーナストラックも含めて2003年にCDで(今は亡きCCCDでも)リリースされた同アルバムを再現してあるようです。ブックレットはiTunes LP特有のインタラクティブなコンテンツになっており、ボーナストラックはこの中でしか聴けないそうです(iPodに入れたりCDに焼いたりできない)。
「Let It Be... Naked」のために制作された「Don't Let Me Down」と「Get Back」のプロモーションビデオもiTunesストアで無料配信されており、ダウンロード購入もできます。

以下の特設サイトでは本のページをめくるような感覚で様々な写真、インタビュー音声、レコーディング当時の音声、今回のアルバム収録曲の抜粋、などが視聴できます。いくつか初公式発表の素材が混じっているようです。
the Let It Be... Naked flickbook
http://www.thebeatles.com/libn/

ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スターのインタビュー音声は「Let It Be... Naked Podcast」として全5回に編集されています。以下のサイトで順次聴けます。
https://soundcloud.com/thebeatles

1969年1月の通称ゲット・バック・セッションは1年後にアルバム「Let It Be」として結実しましたが、当初の主旨とは異なり絢爛豪華に着飾った内容になってしまいました。それを原点に立ち返えって(=Get Backして)素のままの音にしようと再編集したのが本アルバムです。その意図が「Naked」という名前に込められています。
確かに登場している音数はビートルズの4人+ビリー・プレストンのシンプルなものですが、編集段階でデジタル技術を駆使してリズムのズレを調整したり、複数のテイクを組み合わせてあたかも通して演奏しているかのように再構築したりしているので、それが本当に「Naked」と言えるのか?と2003年の発売当時は賛否両論ありました。

本アルバムは2009年のオリジナルアルバムリマスターでも対象外になり、2010年にiTunesストアでビートルズの曲が配信開始になったときもラインナップに加わっていませんでした。2012年にiTunesストア限定で発売されたコンピレーションアルバム「Tomorrow Never Knows」に本アルバムバージョンの「I've got a Feeling」が収録されていたのが話題になっていたところでした。

今回のリリースがゲット・バック・セッションの映像作品のリリースに繋がると良いのですが。それこそ「Let It Be」ではなく「Let It Be... Naked 」という名前でも良いので。

2013年4月2日火曜日

レポート:「WANNA BE祭 -なりきりビートルズ!ヤァ!ヤァ!ヤァ!」その2 感想編

昨日に続き「WANNA BE 祭」のレポートです。今日は感想や気付いたことを記します。ファブフォーのセットリストはこちらの投稿をご覧ください。

オープニングアクト/スペシャルゲスト

甲虫楽団は夜公演のオープニングアクトを務めさせていただきました。最高の会場、最高の機材、最高のスタッフ、最高のお客様に恵まれて充実した時間を過ごすことができました。ありがとうございました。
リハーサルの様子。右端に見えるのはThe Fab Fourのドラムセット
主催者を通じてThe Fab Four(ザ・ファブ・フォー)から以下のようなメッセージをいただきました。
皆さんの演奏、最高でした。
同じステージで演奏出来た事、とても嬉しく思っています。
またお会い出来る日を楽しみにしています。
オープニングアクトの次に出演したBOXはプロならではの迫力と安定感に圧倒されました。基本的にオープニングアクトと同じ機材を使っているわけですからなおさら違いが身にしみます。
終演後BOXの楽屋にお邪魔した際、甲虫楽団の演奏について「CDが流れているかと思った」「楽屋内に引かれた音声を聴いても上手いというのは凄い」というお言葉をいただきました。
The Fab FourもBOXも、みなさん優しい方ばかりです。ビートルズ好きに悪い人はいないということでしょう。

The Fab Fourのステージング

彼らは観客と一体になって楽しむことに積極的だと感じました。質問したり、拍手を要求したり、手拍子を先導したり、歌わせたり、叫ばせたり、ピックを投げたり(おそらく1公演で10枚以上投げている)、Tシャツを投げたり(こちらは1公演1枚)。
とはいえ、ビートルズっぽいMCもショーの一部という都合上、果敢に英語でしゃべっていたので観客と意思の疎通が取れていないところも多かったように思います。ビートルズ本家の早口で訛りが強いMCを真似をしているからなおさら聴き取りにくく、日本人の英語力にがっかりしていないかハラハラして見ていました。
言っていることを理解していないと気付いたときには手早く拍手を要求する身振りを見せるので会場が白けることなく上手に盛り上げていました。昼公演より夜公演の方が「スバラシイ」「イチバン」「ナマ」などの日本語を使う頻度が多かったような気がします。昼公演の様子を踏まえて軌道修正したのでしょうか。

基本的にポール役のアーディ・サーラフが客をあおる役でした。そのためにはベースを弾くべきところで弾かずに手を振ったり観客を指さしたりすることも多かったです。I Saw Her Standing Thereは曲全体をコミュニケーションの道具に使っており、イントロを引き伸ばしてその上で語ったり、途中の裏声のwooのところは演奏を止めて客席に歌わせたりしていました。こういった演出をやり過ぎだと感じる人はいるかもしれません。

昼夜公演共通の定番MC

  • 1曲目終了後、矢継ぎ早に次の曲に行こうとするポールをジョンが遮りエド・サリヴァンを紹介することを要求。このときのジョンのしゃべりはとくにジョンに似せていた。これでつかみはOK。
  • ポール「この会場にビートルズファンはいるか?」(当然大勢挙手)、ジョン「次の曲はたまたまビートルズの曲だったから良かった」
  • エド・サリヴァン「世界中の国を回っているが日本ほど親切にもてなしてくれた国はいなかった。アリガトウニッポン。」
  • エド「ステージ上での演奏はすべて4人による生演奏。カーテンの裏に他の演奏者はいない。これってすごくない?」
  • エド、背中に違和感を感じるとハンガーが入りっぱなしだった!それを捨てても背中の丸まりは変わらない・・・。
  • The Fab Four Tシャツを誰にあげるか意見を聞かれたリンゴ「I got blisters on my fingers!」
  • ジョン「ビートルズに会っていなければ自分はただの猿に過ぎなかった。ビートルズ万歳。」※英語のヒヤリングに自信無し
  • 本編終了後にエド「もう一曲聴きたいか?よしわかった」とDrive My Carを歌い出す。「およびでない?」と改めてThe Fab Fourを呼ぶ
  • TwitterやFacebookを知らないエド・サリヴァン(本人存命中はもちろん存在しなかったから)

昼公演でのキーボードのトラブル

昼公演ではジョン側のキーボードの音が出ないことがありました。ブチッと音がしていたので単なる接触不良かと思ったら夜公演の前にスタッフ総出でキーボードとは別の機械の基板を引っ張り出していたようなので、音源に不具合が起きていたのかもしれません。もしかしたらそのまま復旧せずに夜公演ではシンプルな音色の曲に変更したのかもしれないとも想像しました。

トラブルはStrawberry Fields Foreverの途中でも発生し、まったく音が出なくなってしまいました。ジョージ側のキーボードの音は出ていたのでまだ良かったですが、時々アカペラになることがありました。
 この曲の後半はベースが暇なのでキーボードがコントラバスのフレーズを弾くときにポールがバイオリンベースを弓で弾くあてぶりをする演出があるのですが、肝心の音が出ていないので気まずい雰囲気になりそうでした。ポールはアレ?っという感じでバイオリンベースを二度見するジェスチャーでその場を切り抜け、すぐさまドラムのところに行ってフロアタムを叩き出しました。ポールがフロアタムを叩く演出はここ1年以内に追加したもののようです。以前はやっていませんでした。

以下は今年の2月の同曲の映像です。音が出ていれば全体としてはこのような感じになるはずでした。


その後も不調は続き、最後のHey Judeでポールはピアノを弾くことをあきらめました。「技術的な些細な問題があったがなんとかなるさ」とジョージにギターで伴奏するよう要求し、Hey Judeを歌い出しました。途中からタンバリンを手に取りました。トラブルの結果ではありますが、貴重な光景だったのかもしれません。

断続的に発生するキーボードの不調に集中力を失いそうになったこともあったでしょうが、そんなことはおくびにも出さず笑顔で演奏し続けた彼らのプロ意識に感動しました。


印象的なシーン

ジョンの定番ジェスチャー。A Hard Day's Nightでポールにボーカル担当を振る、ポールが「Crap your hands..」と言う後ろで大げさに真似る。

Can't Buy Me Loveでジョンとジョージがマイクに入るか入らないかの音量でバックコーラスを歌う(「Anthology 1」に収録されているバージョンのように) 。

昼公演でYesterdayを弾き語った後にエド・サリヴァンが花束を渡すもポールが手に取ったのは茎の部分だけ、というシーンがありましたがこれはイギリスのテレビ番組「Blackpool Night Out」にビートルズが出演した回のパロディだったようです。そのとき花束を渡したのはジョンでした。

The Fab Fourの場合、演奏中にポール役のバストショットを白黒でスクリーンに映していましたが、その映像表現もこの番組をイメージしてのものだと思います。

ビートルズ武道館公演再現中のPaperback Writerで1番の歌詞を忘れて歌い出せなかったポール(結果的にイントロが長くなった)は「2週間前にできたばかりの新曲だったから歌詞を忘れた」と言い訳してました。確かに同曲はビートルズ来日当時の最新シングル曲でした。

Penny Lane演奏後にジョンが再び「自分たちは生演奏でやってる」と主張するとそれを証明するように他の三人がCreamのSunshine of Your Loveのイントロを弾き出し、それをジョンが「バンドが違う」と制していました。

A Day in the Life演奏後暗転し、照明がつくとSgt. Pepper's Lonely Hearts Club Bandのロゴをあしらったバスドラムの後ろに金管楽器を持って立つメンバー。同アルバムジャケットの再現です。再び暗転すればいいのにそのままそそくさと元の配置に戻っていきました。

ジョージ・ハリスンの後期の代表曲(昼公演:Here Comes the Sun、夜公演:Something)演奏後に人差し指を軽く突き上げて上を見るジョージ。天国にいる本家ジョージに捧ぐということでしょう。

アンコールのHeyJudeでかつらを頭に載せて、トッポ・ジージョのぬいぐるみを持って登場するエド・サリヴァン。知らなかったのですが、トッポ・ジージョはエド・サリヴァン・ショーに出演していたようです。これもアメリカ人にしかわからない演出ではないでしょうか・・・。かつらについては謎のままです。


まだまだ気付けていないネタがあると思います。ご存知の方は教えて欲しいです。


The Fab Fourのメンバーに対する感想

Ron McNeil(ジョン・レノン)

見た目や歌声は実はジョンにそれほど似ていないと思うのですが、歌そのものが素晴らしかったです。シャウトからバラードまでうわべだけの物まねに走ること無く、安心のクオリティでこなしていました。演奏の貢献度が高く、キーボードでは1曲の中で複数の音色を使い分けながらStrawberry Fields Foreverなどの難曲をものにしていました。曲芸的な演奏も多く、Get Backではギターソロとキーボードソロを両方弾き、Hey Judeでは左用のヘフナーベースを右に構えて弾いていました。ハーモニカも生演奏とは思えないくらい安定していました。
MCはジョンの特徴をよく捉えており、身振り手振りの引き出しも豊富でした。おそらくメンバーの中でもっともビートルズマニアなのではないでしょうか。
楽屋裏で会った彼は少しシャイで優しそうに見えました。

Ardy Sarraf(ポール・マッカートニー)

顔、動作、歌声、話し声、全てにおいてビートルズ時代のポール・マッカートニーを現時点で世界一体現していると思います。ベースのフレーズのコピー度はそれほど高くないのですが、ビートルズっぽさは最低限担保するバランスは維持していると思います。確かに、弾くべき音が抜けたりフレーズを忘れることは多かったですが下手というわけではなく、歌やパフォーマンスを優先してのことだと捉えています。Yesterdayのギターを一部弾き忘れていたのはさすがに問題だと思いますが。
世界中でちやほやされても尊大になることが無く、サービス精神が旺盛で常に場を盛り上げようとしている姿勢はすばらしいと思います。

Gavin Pring(ジョージ・ハリスン)

ビートルズと同じリバプール出身だからでしょうか。見た目があまりにも似ています。動きもよく研究していますが(1964年ごろの両足を交互に振るステップなど)ジョージより洗練されすぎている部分があるかもしれません。A Hard Day's Nightの2倍速ギターソロも難なく弾きこなすなどテクニック的には申し分ありませんが、ギターソロを弾き間違えるところが多かったように思います(とくに夜公演)。メンバーの中でもっとも日本びいきに見えました。

Erik Fidel(リンゴ・スター)

つけ鼻が大きすぎる気がしますが、ドラムを叩いている動きはリンゴ・スターそのものです。 テクニックやアイデアが多彩で、I Feel Fineもしっかりリムショットを使っていましたし、スティックとタンバリンを片手に持って振ったと思ったらハイハットをタンバリン置き場にしたりタンバリン自体でハイハットを叩いたり、マレットとマラカスを片手に持って振ったりマレットの柄の方で叩いたりと大忙しでした。ただ、フレーズ自体はあまりコピーしておらず、Hello, Goodbyeのフィルインは独自解釈が多過ぎると思いました。


今回はここまで。次回は番外編として昨年来日した「RAIN」と比較しつつ、今後のThe Fab Fourの来日公演について考えてみたいと思います。

2013年4月1日月曜日

レポート:「WANNA BE祭 -なりきりビートルズ!ヤァ!ヤァ!ヤァ!」その1 事実編

2013年3月30日に舞浜アンフィシアターで開催された「WANNA BE祭 -なりきりビートルズ!ヤァ!ヤァ!ヤァ!」のレポートです。まずは事実関係から整理します。セットリストは昨日の投稿をご覧ください。
舞浜アンフィシアター全景

当日のスケジュール

  1. 開場 1時間
  2. オープニングアクト(公募バンドによる演奏) 10分3曲まで×バンド数(昼公演=3、夜公演=2)
  3. スペシャルゲストBOX(ボックス)のステージ 約30分
  4. 休憩  15分
  5. The Fab Four(ザ・ファブ・フォー)のステージ 約1時間45分
甲虫楽団は夜公演のトップバッターとして出演しました。以下がそのときの様子です。

甲虫楽団のリハーサル時に側でキーボードの機材調整をしていたThe Fab Fourのジョン役、ロン・マクニールが演奏後にわざわざ声をかけてきて褒めてくれました。The Fab Fourの演奏面を支えている彼に評価してもらえて光栄でした。

会場の様子

  • スペシャルゲストのBOXまではステージ後方で演奏し、The Fab Fourは前方の円形ステージで演奏
  • 円形ステージを取り囲むように客席が配置されているが、両端のブロックは不使用(その席からでは演奏が見えにくいためと思われる)
  • ロビーの一画ではビートルズ専門店Get Backの手によるものと思われるビートルズ日本公演の写真パネル展示とビートルズグッズ販売を実施
  • TシャツなどのThe Fab Fourグッズ販売あり
  • 昼公演終演後はロビー(前述のパネル展示の前)でThe Fab Fourのサイン会と握手会があったらしい(グッズ購入者限定?)
  • ロビーではビール各種を中心としたアルコールが販売されており、客席に持ち込むことが可能

The Fab Fourによるビートルズ日本公演再現

今回の目玉はビートルズ日本公演の再現でした。昼公演では冒頭の4曲まで、夜公演では全曲を当時のセットリストどおりに演奏しました。両公演とも当時司会を行ったE.H.エリック、の甥である岡田眞善が呼び込みを行い、The Fab Fourが楽器を持って入場してくるという演出です。
再現元は1966年6月30日夜公演のようです。衣装も同日のダークスーツ上下を再現していました。
Yesterdayを当時と同じバンド編成で演奏、I'm Down でジョンはキーボードを弾かない、以外はレコードを元にした演奏でした。見ていて気付いたビートルズ日本公演の再現内容としては以下のようなものがありました。
  • 演奏前にチューニングを行う
  • ジョージが手を振る(She's a Woman、Paperback Writer)
  • ジョンが演奏中にマイクの位置を手で押して直す(Rock And Roll Music、If I Needed Someone)
  • ジョンがBaby's In Blackのギターをネックの上側から押さえて弾く
  • MCの役割分担
  • ポールがMCで「ドウモ」を連発
  • ジョンのMC内容(Day Tripperの前など。この国ではシングルとして発売されてたっけ?)
  • ポールのMC内容(I'm Downの前など。手拍子、足拍子)
  • リンゴが不機嫌
MCは一言一句まで同じというわけではありませんでした。
ビートルズ日本公演再現は日本側のリクエストで実現したのだと思いますが、今回の来日のために初めて準備したのはどこまでなのか興味があります。衣装は既に持っていたのでしょうか。日本公演の映像は海外でも有名だと思いますがThe Fab Fourのメンバーは以前から内容を把握していたのでしょうか。

The Fab Fourのショーの傾向

全体として、「アメリカから見たビートルズ」を重視して構成されていると感じました。なりきりエド・サリヴァンの登場頻度が高く、The Fab Fourの演奏が1964年前半の曲を得意としているように見えることから、1964年2月のビートルズ初訪米~エド・サリヴァンショーへの出演~映画「A Hard Day's Night」公開までのビートルズ旋風がアメリカの人々の記憶に強烈に残っていることが想像できます。
HELP!の演奏前にいわゆるジェームス・ボンド・イントロが流れましたが、これもアルバム「HELP!」のアメリカ編集盤でしか見られない特徴です。ジョン・レノンがアーミージャケットを着てImagineやRevolutionを歌うというのもアメリカ向けの演出のような気がします。
日本人の感覚からすればもう少し「Rubber Soul」や「Let It Be」といったアルバムが重視されるのではないでしょうか。
そんなThe Fab Fourに日本公演の再現を行わせたのは今回の主催者の快挙だと思います。

衣装は多くの種類用意があるようですが、今回の日本公演で使用されたのは以下の4パターンでした。
  • エド・サリヴァン・ショー出演時の黒スーツ
  • ビートルズ1966年6月30日 日本武道館夜公演時のダークスーツ
  • Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Bandのミリタリールック
  • ビートルズ1969年最後のフォトセッション風(ジョンはアーミージャケット)


The Fab Fourの機材

セットはシンプルで、一段高くなったドラムセットの周りにビートルズゆかりのギター/ベース(のレプリカ)がズラリと配置され(これ自体が演出になっている)、曲によって持ち替えるという状態でした。キーボードも左右に配置しっぱなしで、トラブル発生時以外はステージ中にスタッフが出てきて手伝うシーンは無かったように思います。他の公演も同じ様なのでこれが彼らのスタイルということなのだと思います。
ギターのブランド、遠目に見える色味やサイケデリックなペイントはビートルズ本人のものに忠実でしたが、細かい仕様まではこだわっていないようでした。この辺のこだわりは日本人の方が強いかもしれません。ポールの弾くテキサン(アコースティックギター)が右利き用なのは好印象でしたが、何故かジョージのカントリージェントルマンはシングルカッタウェイでした(本来はダブルカッタウェイ)。前々日のお台場フリーライブではダブルカッタウェイでしたが。ちなみにこのフリーライブでジョンは本番当日には使用しなかった金色のピックガードのRickenbacker 325(いわゆるワシントンDC仕様)を使用していました。
ドラムセットは終始初期仕様の小ぶりなもの(1タム)を使用していました。実際は後期仕様のものも保有しているようです。
不思議だったのは舞台上にモニタースピーカーらしきものが無かったことです。オープニングアクトでは足元にスピーカーが転がっていました。長髪のかつらに隠れて全貌は見えませんでしたが、イヤモニ(イヤフォンから演奏しやすくなるような音を聞く)をしていたようです。耳元を直すようなしぐさを見ました。これによりステージ上がすっきりしていました。前述のフリーライブでは足元にモニタースピーカーを置いていたので、本家ビートルズ同様ライブではモニターを使わないようこだわっているというわけでは無いようです。
The Fab Four Facebokページで公開された日本公演の写真


The Fab Four Facebokページで公開された日本公演の写真
ヘフナーベースにはLa Bella社のフラットワウンド弦を使用しているそうです。上掲の写真を見るとBASSMANステッカーが別包装で見えます。もしかしたら保持しているヘフナーベースは1本のみで、必要に応じて毎回ピックガードを外してステッカーを貼っているのかもしれません。昼の部の後半のヘフナーベースにはBASSMANステッカーがあったように記憶しています。

上映された映像

衣装替えの時間を稼ぐときなどに舞台後ろの大型スクリーンに映像が流れることがありました。

ビートルズ日本公演ドキュメンタリー映像

上記映像の中から首都高速を走る~ホテルや日本武道館の周辺の様子~ビートルズの日本武道館への到着、を抜粋してThe Fab Fourによる「Mr.Moonlight」(録音音声)をかぶせていました。映像が終わるとE.H.エリックならぬ岡田眞善が登場するという流れです。

Sprout Of A New Generation

昼公演の「Yesterday」演奏前に日本語字幕付で流れた映像です。随分とポールに熱を上げているようですが、「コネが無いと会えない」と冷静に分析しているのが面白いです。

The Beatles Medley

イギリスの一般人がビートルズの曲を口ずさんで、後からテンポとキーを合わせた伴奏を重ねてあります。最後の3人は歌が上手い人を選んでいるようです。ミリタリールックに着替える前にエド・サリヴァンがこの映像を紹介していましたが何故そのタイミングでこの映像を流したか不明です。

当日参加者による感想・レビュー

オープニングアクトの司会進行を務めた玉利かおるさんのブログ記事です。
なりきりビートルズ
http://ameblo.jp/kaorutamari/entry-11501927477.html

協力パートナー「昭和40年男」のブログ記事です。
ビートルズのライブを観た!?
http://www.s40otoko.com/archives/21028

スペシャルゲストBOXの松尾清憲さんのブログ記事です。
THE FAB FOUR !
http://cinema1-returns.blog.so-net.ne.jp/2013-04-02

ザ・ファブ・フォー | レビューぴあ
https://r.pia.jp/review/pia/list/artist/CC200020

第一弾はここまで。第二弾では感想や気付いたことなど、より細かいことを記します。