2013年4月25日木曜日

フェードアウトの終わらせ方(2)「With The Beatles」編

本連載の第二弾はビートルズ2枚目のアルバム「With The Beatles」を取り上げます。主旨については第一弾の投稿をご覧ください。
「With The Beatles」では全14曲中以下の6曲がフェードアウトしています。前アルバムに引き続き全曲数に占める割合が多いです。

All I've Got To Do
Don't Bother Me
Little Child
Please Mr.Postman
I Wanna Be Your Man
Not a Second Time

以下に終わらせ方の例を紹介します。リンクをクリックするとエンディング直前から再生されます。
他に良い終わり方をご存じの方は是非教えてください。

All I've Got To Do

ビートルズ本人による解釈は見つからなかったので海外のプロのビートルズトリビュートバンドの例を紹介します。

The Cavern Beat
http://youtu.be/zyHj279DcsA?t=1m44s
Them beatles
http://youtu.be/ONvLs6gpXHw?t=1m52s
もっともシンプルな終わり方です。
この終わり方で最後を「All I've Got To Do」と歌うパターンもよく目にします。

Fab Foux
http://youtu.be/0CNhFL4yKsw?t=2m12s
こちらも基本的には同じですが、ブレイクを交えて少し引き伸ばしています。その一瞬の間がなかなか良いです。

All You Need Is Love
http://youtu.be/Z7_2ECeva3s?t=1m39s
1964 tribute
http://youtu.be/FQ1mECOuRIQ?t=2m3s
当時のビートルズのカバー曲で定番の終わり方を流用しています。

Don't Bother Me

こちらもビートルズ本人の解釈はみつかりませんでした。各国のトリビュートバンドも苦労しているようです。

The Cavern Beat
http://youtu.be/0JOepL8xi5g?t=2m16s
最後のコードはお洒落ですが唐突です。

American English
http://youtu.be/oKkJels7HAU?t=2m17s
再びギターソロに行ったのは良いアイデアだと思うのですが唐突です。

おそらく、最後の「Don't Bother Me~」と歌いあげるのにかぶせて再びイントロに戻って終わるのが最も妥当でしょう。

番外編として、ジョージ・マーティンがリリースした「Off The Beatle Track」(1964年)の例を紹介します。ビートルズの楽曲をインストゥルメンタルにアレンジしたアルバムです。
http://youtu.be/CN7ZasByRGs?t=2m39s

Little Child

引き続きビートルズ本人の例は見つかりませんでした。

The Fab 5
http://youtu.be/5_8sdnQfQ6g?t=1m36s
「Rock and Roll Music」風の終わり方です。この方法を支持するトリビュートバンドは多いようですが誰が最初に考えたのでしょうか。

ジョージ・マーティンの「Off The Beatle Track」の例です。
http://youtu.be/IV2vBWWedKs?t=1m39s

Please Mr.Postman

ようやくビートルズ本人の例です。BBCのラジオ番組で披露しています。
http://youtu.be/h69uIYAUDx4?t=1m49s
http://youtu.be/iGDHoCPRbEg?t=2m6s
何度も同じ終わり方で演奏しているのでこれが正解なのでしょう。
ジョンのOh Yeahに続いてポール(おそらく)が裏声でwooと歌って終わっています。

I Wanna Be Your Man

ライブでの定番曲なので完奏した音源が多く残されています。日本武道館での演奏も含めてどれもほとんど同じですが、1964年ワシントンDCでのライブ(以下の後者の方)は少し違います。
http://youtu.be/Iqw8m2shH54?t=2m
http://youtu.be/7HdLpjn7ux0?t=2m26s

「Rock Band」の例です。無理矢理編集されている感はありますが、最後の1音はレコーディング時の終わり方を想像させます。テレビ番組「Around The Beatles」用に録音した完奏音源(アルバムAnthology 1に収録)を流用したのかもしれません。
http://youtu.be/lJ6XrqkB43I?t=1m51s

ALL STARR BANDの2013年版の終わらせ方はこちらです。随分工夫しています。
http://youtu.be/MgA8_kbcNdw?t=2m55s
この終わらせ方は2006年には既に取り入れていたようですが、初期のALL STARR BANDでは他の終わらせ方でした。
http://youtu.be/fHAqlt5z5Ak?t=2m8s

Not a Second Time

やはりビートルズ本人の見解はわかりません。

Siempre Beatles
http://youtu.be/TS5RtY2l8gY?t=1m44s
特徴的なドラムのフィルインを活かした終わり方です。必然性が感じられる良いアイデアだと思います。

Beatles 4ever
http://youtu.be/JTojKFWK5JI?t=1m55s
シンプルな終わり方です。


前アルバムはフェードアウトさせた意図がわかりにくい曲が多いように思いましたが、今回は、フェードアウトが効果的と判断した曲、フェードアウトする他無かった(終わらせ方が思いつかなかった)曲があるような気がします。
前者はAll I've Got To Do、Please Mr.Postman、後者はDon't Bother Me、 Not a Second Timeが相当すると思います。

このアルバムは「She Loves You」「I Want To Hold Your Hand」という2つの大ヒットシングルに挟まれた時期に制作されたこともあり、前アルバムの出がらしのような印象があります(録音方法の進化はありましたが)。
ビートルズにとっても通過点でしか無かったようで、本アルバムに収録されているオリジナル曲は以降のキャリアの中ではあまり取り上げられることが無く、参考となる音源がほとんど残されていません。例外はポール初期の代表曲となったAll My Loving、貴重なリンゴ用オリジナル曲のI Wanna Be You Manくらいです。It Won't Be Longはもう少し脚光を浴びてもいい気がしますが、ジョン・レノンは既に次(A Hard Day's Night)に向けて突き進んでいたようです。

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