フェードアウトの終わらせ方(7)「Revolver」編

本連載の第七弾はビートルズのアルバム「Revolver」を取り上げます。主旨については第一弾の投稿をご覧ください。
14曲中10曲フェードアウトと、ビートルズのアルバムの中でもっともフェードアウト率が高いアルバムです。サイケデリックやインド音楽に傾倒していたころなので、予定調和的なエンディングを否定する意図があったのでしょうか。対象曲は以下です。

Taxman
I'm Only Sleeping
Love You To
Yellow Submarine
She Said She Said
Good Day Sunshine
Doctor Robert
I Want To Tell You
Got To Get You Into My Life
Tomorrow Never Knows

 

Taxman

「The Beatles Anthology 2」に完奏しているテイク11が収録されているのですが、2回目のギターソロの前で終わっているので工夫が必要そうです。

1991年、東京でのジョージ・ハリスンのライブバージョンです。
http://youtu.be/y8OgkjcW0g4?t=3m41s

2002年のジョージ追悼コンサート「Concert for George」でのバージョンです。
https://youtu.be/s5sTwVLGj8c?t=187

トリビュートバンドは最後のギターソロの後に演奏を追加してTaxman~で終わることが多いです。
追加部分が短いタイプ
https://youtu.be/H49zvHzSPYM?t=148

追加部分が長いタイプ
https://youtu.be/wjfqApsUjeY?t=150


I'm Only Sleeping

演奏自体は終わっている「余韻系」のフェードアウトです。こういったものはこのままが妥当なのかもしれません。The Fab Fourもなんとなく終わらせています。

The Fab Four
http://youtu.be/gRbim4Qmmw4?t=2m48s

Love You To

インド音楽そのもののといった感じで、終わらせどころがありません。
実際にシタールを使用してカバーしている例を挙げておきます。

http://youtu.be/20aQT0djKVA?t=2m36s
http://youtu.be/8eKrFyrsGVE?t=2m25s
このような終わり方しか無いと思います。

Yellow Submarine

リンゴ・スターがライブで取り上げています。最初のオールスターバンドから一貫して間奏のコード進行、手拍子を要求して終わるというスタイルです。

2019年(東京)
https://youtu.be/xi1NJjSUB68?t=170

2003年
http://youtu.be/H7ZYUyvwsg8?t=2m48s

1997年
http://youtu.be/jhvrB11RvQg?t=2m38s

1989年
http://youtu.be/XDJRdrHU66E?t=3m3s

「Rock Band」ではシンプルに終わっています。
https://youtu.be/bzrV3Z7rcaw?t=159


She Said She Said

日本のビートルズコピーバンドは取り上げることが多い曲ですが、海外の場合はそうでも無いようです。いずれにせよこんな感じでAメロ終わりのフレーズを使って終わるのでしょう。

From Us To You
http://youtu.be/9BY47Pjf0HA?t=2m27s
日本のビートルズコピーバンドの場合はこの半分で終わることが多いと思います。

Good Day Sunshine

こちらも余韻系なので終わらせ方が難しいです。ポール・マッカートニーがライブで取り上げています。

1990年(東京)
http://youtu.be/N7jhTOnR-ac?t=2m8s

2006年
http://youtu.be/pplS_QX7jwc?t=4m36s

Doctor Robert

これはよく聴くとしっかり終わっているのですが、何故か無理やりフェードアウトしています。あまりに普通の終わり方なので恥ずかしかったのかもしれません。

I Want To Tell You

ジョージ・ハリスンが日本公演や人生最後のライブとなった1992年4月6日のロイヤル・アルバート・ホール公演で披露しています。
https://youtu.be/eZVNLAA0Hz4?t=209
リフを引き延ばしてソロを弾いて終わっています。

「Concert For George」ではビートルズ版のイメージを踏襲した終わり方です。これを採用するコピーバンドが多いと思います。
https://youtu.be/E5dHLR3s3lY?t=153

Got To Get You Into My Life

ポールが何度もライブで取り上げています。

1979年 スリリングなエンディングを追加しています。
https://youtu.be/cbkgciF3KiY?t=135

1990年(東京)派手さは収まっています。
http://youtu.be/-LUXkNwmRXA?t=2m50s

2018年 シンプルに終わっています。
https://youtu.be/BwT1zhfOpsA?t=166

Tomorrow Never Knows

これも余韻系なので海外のトリビュートバンドも苦労しているようです。

The Fab Faux
http://youtu.be/PtnIXFWoXvM?t=4m17s

Revolver
http://youtu.be/Zo0BEmC329U?t=2m42s

American English
http://youtu.be/oqLdJbfnkvI?t=4m14s

Them Beatles
http://youtu.be/j59p9tC7ku8?t=2m25s

The Fab 5
http://youtu.be/HqAtdVvh14Y?t=2m48s

どれも効果音は本物の音源を使用しているようですがどうやって抜き出したのでしょうか。
ラジオボイスを得るために拡声器を使って歌っているバンドが多いです。

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