1969年ジョンとヨーコの未編集インタビューテープが26万円で落札される

ビートルズのラストアルバム「LET IT BE」発売直前の1969年末カナダのトロントでハワード・スミスがジョン・レノンとオノ・ヨーコに対して行なった合計1時間以上に及ぶインタビュー。今 回その収録テープがオークションで2200米ドル(約22万円)にて落札されました。

オークションのページにインタビュー内容の抜粋が掲載され、一部はYouTubeで聴けます。

John Lennon and Yoko Ono
http://www.rrauction.com/past_auction_item.cfm?ID=3299695


抜粋された内容からわかるジョンの発言を要約すると以下のようなものです。
  • 来月発売されるアルバム「Get Back」(のちに「Let It Be」と改題)は本来「Abbey Road」より先に発売されるはずだった。ビートルズの生みの苦しみを描いたドキュメンタリー映画と連動している。
  • ビートルズが何かを作り出すときはいつも拷問みたいなものだ。ビートルズは魔法使いじゃない。メンバー同士闘っている。ビートルズと仕事をするのは大変だと想像つくだろう。
  • 今度のアルバムは奇妙だ。作り終えていないし、作り終える気が無かった。ポール・マッカートニーが他のメンバーをけしかけていた「スーツを脱いだビートルズ」みたいな作品だ。
  • かつてはジョージ・ハリスンは寡作だったので自分とポールがほとんどの曲を書いていた。オリジナル曲だけでアルバムを作りたかったのでもっと曲を 作るようジョージを勇気づけてきた。今となっては3人でアルバムの収録曲を奪い合っている。毎回2枚組アルバムを作るわけにもいかないので、プラスティッ ク・オノ・バンドを作った。
  • 今後ビートルズがツアーを行うことは無い。4年間のツアーの間面白いこともあったが、朝から晩まで心休まる時は無かった。ステージ上では自分たち の音が聴こえず成長できなかった。30分間マイクの前であて振りするだけ。それはもはや音楽では無い。ローリング・ストーンズがどうやってツアーをやって いるか不思議だ。
  •  人前での演奏が嫌いなわけでは無いがビートルズ神話が身の丈を超えて大きくなりすぎてしまった。奇跡を起こさなければならないというプレッ シャーがある。築き上げた神話を台無しにしたくない。ビートルズにオノ・ヨーコ、ビリー・プレストン、ボブ・ディラン、エリック・クラプトン、エルヴィ ス・プレスリーが加入すればちょうどいいかもしれない。
  • ビートルズの神通力が無くなったかどうかはメンバー一人でツアーに出ればわかるだろう。最初は歓迎されるかもしれないが。いずれにせよ広告と広報を駆使すればまた神話は起こせる。
  • 2~3か月前にジョージに一緒にツアーに出ないかと誘ったがジョージは乗り気ではなかったので今こうしてヨーコと活動している。
  • リンゴ・スターはビートルズとしての活動が当面無いと知っているため俳優で稼いでいる。彼は生まれながらのコメディアンだ。
  • リンゴやジョージは一度ビートルズを去ったが、メンバーの誰かがとくにビートルズを解散させようとしていることは無い。解散を決定したことは無い。我々は日々変わるそれぞれの価値観を持った4人組に過ぎない。
ビートルズ解散直前のこの時期、すっかりビートルズに興味を失っているかと思いきやそうでも無い様子が伝わってきます。ビートルズの一員として(リーダーとして?)ビートルズ像を客観かつ自負と畏怖を持って語っています。

このインタビュー自体はファンの間では知られていたそうで、既に海賊盤で音源が流通していたようです。
John Lennon and Yoko Ono are interviewed by WABC-AM radio
http://www.beatlesbible.com/1969/12/17/john-lennon-yoko-ono-interview-wabc-am-radio/

この記述によるとインタビューは1969年12月17日に86分間収録されたそうです。

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