2014年1月29日水曜日

「ザ・ビートルズ THE U.S. BOX」日本盤発売 仕様まとめ

2014年1月29日にビートルズのアメリカ独自編集盤LPを再現した13枚組CDボックス「THE U.S. BOX」(海外では"The U.S. Albums")の日本盤が発売されました。

僕自身は購入予定は無く、もともとアメリカ盤についての知識も乏しいのですが、インターネットで収集した情報をここにまとめます。誤りがありましたらご指摘ください。

今回の製品については以下で詳しく解説されています。

ビートルズ 「USオリジナル盤」がCDボックスで復刻
http://www.asahi.com/and_M/information/TKY201401280109.html

ザ・ビートルズ THE U.S. BOX!輸入盤・国内盤とも好評発売中!
http://www.hmv.co.jp/news/article/1312130016/

今回の日本盤は単に輸入盤に帯や日本語冊子を付属しただけではなく、CDの盤からして日本向けに生産されたもののようです。
一番の違いはジャケットで、日本盤のみ「A式表張り」を再現している点です(海外盤より再現度が高い)。

『THE U.S. BOX』ここがスゴイ!
http://www.universal-music.co.jp/the-beatles/news/2014/01/23_news

いわくつきの「YESTERDAY AND TODAY」のジャケットはいわゆる「ブッチャー・カバー」を基準に、別途「トランク・カバー」のステッカーが付属するという当時を再現した作りになっています。ただし、ジャケットの紙質は当時のざらついたものでは無く、光沢のあるものになっています。

ジャケットの体裁にはこだわった今作ですが、肝心の音は海外盤も日本盤も当時のアメリカ盤を再現しておらず、現代の基準で再構成されている点が批判の的になっています。

どうやら以下の方針で構成されているようです。

1.アメリカ側で勝手に音を加工したものは根絶
勝手ステレオ(モノラル音源を無理矢理ステレオ化。通称「疑似ステレオ」を含む)、勝手モノラル(ステレオ音源の左右をミックスして1つのモノラル音源を作成。通称「偽モノ/ニセモノ」)、リバーブ(エコー)付与(通称「ディープ・エコー」)、といったものは2009年にリマスターされた正統音源に差し替えられています。ステレオ音源が存在しないものはステレオ盤の再現にもいさぎよくモノラル音源を収録しています(Love Me Do、P.S. I Love You、She Loves You、I'll Get You)

2.イギリス盤「Help!」「Rubber Soul」 収録曲のステレオ音源は1987年リミックスに差し替え
2009年のリマスターで1987年リミックスバージョンが正統と認定されたのでそれを踏襲しています。

3.製品としての統一感を重視して音を調整
通して聴いて違和感が無いよう、音圧や音質を調整しているようです。モノラル音源は2009年にCDで発売されたものより音圧が上がっています(そうしないとステレオ音源との音量差が気になる)。ステレオ、モノラルとも2009年のCD音源より前の工程の高解像度音源を元にリマスターしているという情報があるので聞き比べると面白いかもしれません。

4.アメリカ盤独自ミックス音源はできるだけ尊重
この商品の大きな売りの一つがアメリカ独自ミックス(ミックス違い)音源の存在です。音素材からして、イギリス盤と違うということです。前述の方針と矛盾しない限りはそれら独自ミックス音源を収録しているようです。

この結果、今回収録されたアメリカ盤独自ミックスは以下のようです。
You Can't Do That (モノラル)
Long Tall Sally (モノラル)
I Call Your Name (モノラル)
I'll Cry Instead (モノラル)
Any Time At All (モノラル)
When I Get Home (モノラル)
And I Love Her (モノラル)
I'll Be Back (モノラル
She's A Woman (モノラル)
I Feel Fine (モノラル)
Michelle (モノラル)
The Word (ステレオ)
I'm Looking Through You (ステレオ)
I'm Only Sleeping (モノラル)
Doctor Robert (モノラル)
And Your Bird Can Sing (モノラル)
We Can Work It Out (ステレオ)
Day Tripper (ステレオ)

また、本来アメリカ盤独自ミックスのはずなのに収録されなかった曲は以下のようです。
Long Tall Sally (ステレオ)
I Call Your Name (ステレオ)
Komm Gib Mir Deine Hand(モノラル) ※独自ミックスのステレオからの勝手モノラル
Komm Gib Mir Deine Hand (ステレオ)
I'm Only Sleeping (ステレオ)
Doctor Robert (ステレオ)
And Your Bird Can Sing (ステレオ)

この残念なケースにステレオバージョンが多いのは、いくつかのLPの初版では勝手ステレオが収録されており、その後の再発売の段階で独自ミックスが採用されたためという説が有力です。今回は初版を尊重したというわけです。また、前述の法則3に抵触するため見送られたという説もあります。もちろん、単なるミスという可能性もあります。

当時のLPと今回のCDの
音源一致状況をまとめると以下のようになります。
文章量を減らすために表現を工夫しているのでご注意ください。

MEET THE BEATLES・モノラル
以下のみ一致(LPでは他は勝手モノラル)
I Want To Hold Your Hand
I Saw Her Standing There
This Boy

・ステレオ
以下(LPでは勝手ステレオ)以外一致
I Want To Hold Your Hand
This Boy

THE BEATLES SECOND ALBUM
・モノラル
以下(LPでは勝手モノラル)以外一致
Roll Over Beethoven
Thank You Girl
You Really Got A Hold On Me
Devil In Her Heart
Money
Please Mr Postman

・ステレオ
以下のみ一致 (LPでは他は勝手ステレオ)
Roll Over Beethoven
Thank You Girl
You Really Got A Hold On Me
Devil In Her Heart
Money
Please Mr Postman
※当時のLPはリバーブが追加されていたので一致ではないという意見も

A HARD DAY'S NIGHT
・モノラル
全て一致

・ステレオ
全て相違(LPでは全曲勝手ステレオ)
※今回I'll Cry Insteadはモノラルのアメリカ盤独自ミックスを収録

SOMETHING NEW
・モノラル
以下以外一致
Komm Gib Mir Deine Hand(LPではアメリカ独自ミックスのステレオ版からの勝手ミックス)

・ステレオ
以下以外一致
Komm Gib Mir Deine Hand(LPではアメリカ独自ミックス)

BEATLES '65
・モノラル
全て一致

・ステレオ
以下以外一致
She's A Woman(LPではアメリカ独自ミックス)
I Feel Fine(LPではアメリカ独自ミックス)

THE EARLY BEATLES
・モノラル
以下のみ一致
Love Me Do
PS I Love You
※勝手ステレオを元に勝手モノラルを作ったので一致ではないという意見も

・ステレオ
以下(モノラルに差し替え)以外一致
Love Me Do
PS I Love You

BEATLES VI
・モノラル
全て一致

・ステレオ
以下以外一致
You Like Me Too Much(1987年ミックスに差し替え)
Yes It Is(LPでは勝手ステレオ)
Dizzy Miss Lizzy(1987年ミックスに差し替え)
Tell Me What You See (1987年ミックスに差し替え)

HELP!
・モノラル
全て相違(LPでは全曲勝手モノラル)

・ステレオ
全て相違(1987年ミックスに差し替え)

RUBBER SOUL
・モノラル
全て一致

・ステレオ
以下のみ一致(他は1987年ミックスに差し替え)
The Word(アメリカ独自ミックス)
I'm Looking Through You(アメリカ独自ミックス)

YESTERDAY AND TODAY
・モノラル
以下(LPでは勝手モノラル)以外一致
Drive My Car
If I Needed Someone

・ステレオ
以下のみ一致(他は1987年ミックスに差し替え、いくつかアメリカ独自ミックス未収録)
We Can Work It Out(アメリカ独自ミックス)
Day Tripper(アメリカ独自ミックス)

REVOLVER
全て一致

HEY JUDE
全て一致

上記一覧も公式見解では無く、「もっと他に独自ミックスが収録されている」「独自ミックスとされるがそうではない(未収録で問題無い)」、など様々な意見が飛び交っており真相は不明です。さらに当時のアメリカ盤では、「ミックス違いでは無いが左右のチャンネルが逆」、「フェードアウトの長さが違う」といったケースもあるようでややこしいです。それらも今回は2009年音源に差し替わっています。
なお、Help!には当時のアメリカ盤同様、冒頭にいわゆるジェームス・ボンド風イントロが追加されていますが、曲の部分は2009年音源のようです。

2014年1月28日火曜日

ポール・マッカートニーとリンゴ・スター ビートルズ訪米50周年イベントで「With a Little Help from My Friends」「Hey Jude」共演

グラミー賞授賞式でのポール・マッカートニーとリンゴ・スターの共演から一夜開けた2014年1月27日、ビートルズ訪米50周年トリビュートコンサート"The Night That Changed America: A GRAMMY Salute To The Beatles"が開催されました。

ポールとリンゴ含め、全ての出演者がビートルズナンバーを演奏しました。大トリではポールとリンゴが共演し、 「With a Little Help from My Friends」と「Hey Jude」を演奏しました。以下がセットリスト(演奏曲目/曲順)です。

ビートルズのエド・サリヴァン・ショー初出演時の1曲目「All My Loving」の映像に続いて(以降、随時ビートルズの映像が上映される)
All My Loving / Maroon 5
Ticket to Ride / Maroon 5
Don't Let Me Down / John Mayer & Keith Urban
In My Life / Ed Sheeran
Let It Be / Alicia Keys & John Legend
Revolution / Imagine Dragons
Yesterday / Katy Perry
Fool on the Hill / Eurythmics
Here Comes the Sun / Pharrell Williams & Brad Paisley
Hey Bulldog / David Grohl & Jeff Lynne
Something / Jeff Lynne, Joe Walsh & Dhani Harrison
While My Guitar Gently Weeps / Gary Clark Jr., Joe Walsh & David Grohl
We Can Work It Out / Stevie Wonder

Matchbox / Ringo Starr
Boys / Ringo Starr
Yellow Submarine / Ringo Starr

Magical Mystery Tour / Paul McCartney
Birthday / Paul McCartney
Get Back / Paul McCartney
I Saw Her Standing There / Paul McCartney
Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band / Paul McCartney
With a Little Help From My Friends / Paul McCartney & Ringo Starr
Hey Jude / Paul McCartney & Ringo Starr その他大勢

どうせならAll My Lovingをポールとリンゴで演奏して欲しかったところですが、「Hey Jude」でリンゴがドラムを叩くというのは感動的です。これはビートルズ解散以降初めてのことです(With a Little Help From My Friendsの共演は2009年に実現済み)。

おそらくHey Jude 終盤で観客に歌わせるシーン
ビートルズ関係者が集結。奥にはトム・ハンクスの姿も
ポールは今回のイベントに参加することを当初は躊躇していたとステージ上で語りました。自分自身へのトリビュートが気持ち悪かったのでしょう。ところがアメリカ人に「あなたはビートルズのエド・サリバン・ショー出演がどれほどアメリカに影響を与えたかわかってない」と指摘され、その重大さに気づいて出演を決めたそうです。

一方、リンゴはイベントの最後に以下のように語りました。

"We were in a band. It's called The Beatles,""And if we play, John and George are always with us. It's always John, Paul, George and Ringo."

すかさずポールは以下のように言ったようです。

''Tonight we are remembering our beautiful friends John and George.''

この時の様子を読売新聞が報じています→いつも一緒だ…亡きメンバー偲ぶヘイ・ジュード

このイベントの模様はビートルズのエド・サリヴァンショー初出演からちょうど50年後の2014年2月9日にアメリカで放送され、日本ではWOWOWで2014年2月11日に放送されます。この番組のために別途二人はエド・サリヴァン・シアターでインタビューを受けたようです。その模様も放送されるでしょう。

ポール・マッカートニーとリンゴ・スターが、ザ・ビートルズ解散以降初の「ヘイ・ジュード」で共演!豪華グラミーアーティストがザ・ビートルズの名曲を演奏!その模様をWOWOWで2月11日独占放送!
ビートルズの英米盤それぞれのアルバムジャケットをあしらったステージ
以下に当日の写真が多数掲載されています。
http://www.dailymail.co.uk/tvshowbiz/article-2547201/Paul-McCartney-Ringo-Starr-joined-Alicia-Keys-John-Mayer-Stevie-Wonder-star-studded-Beatles-tribute-concert.html

http://www.telegraph.co.uk/culture/music/the-beatles/10601394/Sir-Paul-McCartney-and-Ringo-Starr-perform-together-at-Grammy-tribute-concert.html

http://news.radio.com/photo-galleries/2014/01/28/the-night-that-changed-america-a-grammy-salute-to-the-beatles/

2014年1月27日月曜日

ポール・マッカートニーとリンゴ・スター グラミー賞授賞式で「Queenie Eye」共演

2014年1月26日にアメリカはロサンゼルスで開催された第56回グラミー賞授賞式で、ポール・マッカートニーとリンゴ・スターの共演が実現しました。ポールが2013年に発売したアルバム「NEW」収録曲で同年の日本公演でも演奏した「Queenie Eye」です。


翌1月27日に開催されるビートルズ訪米50周年イベントでの二人の共演情報はリークされていましたが、それもこの日の共演を隠すためだったのかもしれません。
曲紹介を行ったジュリア・ロバーツは翌日のイベントが2月9日に放送されることを宣伝しつつ、「Yesterday and today...」とエド・サリヴァンのセリフを彷彿とさせる口上に続いて「with a little help from his friend Ringo Starr.」とビートルズの曲名にかけて二人に引き継ぎました。
バックバンドはいつものポールのバンドで、リンゴはエイブラハム・ラボリエル・ジュニアのドラムに軽く合わせただけだったのが残念でしたが、終始上機嫌でした。ポールの方は緊張していたように見えます。客席ではオノ・ヨーコをはじめとするビートルズの妻たちが体を揺すって楽しんでいました。
演奏が終わった後はリンゴの方からポールの手を取り観客にアピールしたあと熱い抱擁を交わしていました。
リンゴはロサンゼルスに来てから精力的に活動しており、1月20日はデヴィッド・リンチ財団のイベントに出席し、グラミー賞受賞式の前日にはビートルズのLifetime Achievement Award授賞式にオノ・ヨーコやオリヴィア・ハリスンとともに出席していました。ポールは出席しませんでした。

 さらにリンゴはグラミー賞授賞式直前のレッド・カーペットで日本のWOWOWのインタビューに応えました。リンゴは「ワウワウ」と叫んでいましたがとくに日本に対する言及はありませんでした。
グラミー賞受賞式ではポールに先立ち、自身のヒット曲「Photograph」を披露しました。背景には2013年に発売した写真集「Photograph」に収録されていると思われる写真がちりばめられていました。ジョージ・ハリスンの写真が多かったように思います。

Ringo Starr performing 'Photograph' at The Grammy's 2014 from Lucy Zanetti on Vimeo.
WOWOWの現地スタジオにはトッド・ラングレンが出演し、ポールやリンゴについて熱心に解説していました。リンゴと同じステージに立てないことに嫉妬している様子でした。

ビートルズ訪米50周年イベント「The Night That Changed America: A Grammys Salute to The Beatles」はちょうどエド・サリヴァンショー初出演から50年後の2014年2月9日にアメリカで放送され、日本ではWOWOWで2014年2月11日に放送されます。※このイベントについての当ブログの記事はこちら

日本での報道は下記です。

第56回グラミー賞:ポール&リンゴが共演 ヨーコがステージ見つめる中
http://mantan-web.jp/gallery/2014/01/27/20140127dog00m200007000c/004.html

ポール・マッカートニーとリンゴ・スターがグラミー賞で共演
http://www.cdjournal.com/main/news/the-beatles/56811

ポール&リンゴが「グラミー賞」で共演 オノ・ヨーコ歓喜
http://www.oricon.co.jp/news/2033408/

ビートルズ復活!グラミー賞で夢の共演が実現
http://mdpr.jp/music/1322401

ポールとリンゴが共演、オノ・ヨーコさんも再会 米グラミー賞
http://www.afpbb.com/articles/-/3007336

【2014年グラミー特集】ポール・マッカートニーとリンゴ・スター、ステージ上でハグ
http://www.barks.jp/news/?id=1000099258

【第56回グラミー賞】ポールとリンゴの共演もビートルズ・ナンバーは無し!
http://www.billboard-japan.com/d_news/detail/17728

ポールとリンゴ共演  グラミー賞の発表・授賞式
http://photo.sankei.jp.msn.com/kodawari/data/2014/01/28paul/

2014年1月26日日曜日

バンド・スコア ビートルズ「ライヴ・アット・ザ・BBC Vol.1 & Vol.2」セレクション発売

2014年1月23日にバンドスコア「The Beatles Live at the BBC Vol.1 & Vol.2 Selection」がシンコー・ミュージックより発売されました。これは2013年11月のアルバム「オン・エア~ライヴ・アット・ザ・BBC Vol.2」発売を受けてのことです。
1990年代のVol.1発売時はバンドスコアが2冊発売され、ほぼ全ての収録曲が網羅されていましたが、今回はVol.1から12曲、Vol.2から6曲抜粋されるに留まっています。

曲目
【from the album“Live at the BBC”】
■フロム・アス・トゥ・ユー
■ベイビー・イッツ・ユー
■アイル・ビー・オン・マイ・ウェイ
■ロング・トール・サリー
■アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア
■ルシール
■ティル・ゼア・ウォズ・ユー
■アイ・ウォナ・ビー・ユア・マン
■アイ・フィール・ファイン
■ザ・ヒッピー・ヒッピー・シェイク
■メドレー:カンサス・シティ/ヘイ・ヘイ・ヘイ・ヘイ
■ハニー・ドント

【from the album“On Air - Live at the BBC Volume 2”】
■ワーズ・オブ・ラヴ
■アイム・トーキング・アバウト・ユー
■ビューティフル・ドリーマー
■シー・ラヴズ・ユー
■抱きしめたい
■アンド・アイ・ラヴ・ハー

せっかく抜粋するならLive at the BBCシリーズにのみ収録されている曲を選ぶべきだと思うのですが、そういった曲は6曲のみで、残りはシングルやオリジナルアルバムで発表された曲です。
とはいえ、全てLive at the BBCシリーズに収録されている音源を元に採譜しているようなのでシングルやオリジナルアルバムとの差を比較するのは面白いかもしれません。

Vol.1発売当時の2冊のバンドスコアもそうだったのですが、オリジナルアルバムのバンドスコアに比べて丁寧に採譜されています。細かな箇所も拾っていますし、繰り返しでの変化も極力再現しようとしています。これはオリジナルアルバムの採譜時(1980年代?)に比べて様々な技術革新があったからだと思います(音源の品質改善、パソコンの活用、採譜者の技能向上、・・・)。以前は存在しなかった音源や資料も世の中に出回っているので、ぜひオリジナルアルバムのバンドスコアも現代の技術で作り直して欲しいものです。
今回のバンドスコアで惜しいのは採譜の際、対象音源のみに頼っている点です(一部シングル版と比較しているものはありますが)。音質がもともと悪いので聴こえない箇所は他の映像・音源・知識を動員して補完してほしかったところです。
いつか採譜のプロとビートルズコピーのプロがタッグを組んで完璧なバンドスコアが発売されることを期待したいです。

2014年1月22日水曜日

リンゴ・スター 終身名誉ピース&ラブ就任 ポール・マッカートニーとの共演予定を語る

2014年1月20日、リンゴ・スターはデヴィッド・リンチ財団から Lifetime of Peace and Love award を授与されました。「終身名誉ピース&ラブ」といったところでしょうか。リンゴにしか務まらない称号です。
デヴィッド・リンチとリンゴ・スター



同日はライブイベントが開催され、スティーヴ・ルカサー、ジョー・ウォルシュ、ベン・フォールズなどが参加したそうです。
ジョージ・ハリスンの妻オリヴィアも来場し、ポール・マッカートニーやオノ・ヨーコからのビデオレターも上映されました。会場にはジム・キャリーの姿もありました。


左はジム・キャリー

今回ビートルズやその伴侶全員が関わっていることからもわかるように以前よりデヴィッド・リンチ財団との関係は深く、2009年の同財団主催イベントではリンゴとポールが共演しています。



今回のイベント当日、リンゴは2014年1月27日のビートルズ訪米50周年イベント「The Night That Changed America: A Grammys Salute to The Beatles」でポールと一緒に演奏することを明かしました。
Ringo Starr Confirms Special Performance With Paul McCartney; Will Take Place At Beatles Tribute Concert, Not Grammys

また、50年前のエド・サリヴァンショー出演時の様子も語っています。
Ringo Starr Remembers the Beatles' 'Incredible' Ed Sullivan Moment

ビートルズがグラミー賞のLifetime Achievement Awardを受賞することもあり、2014年1月26日の受賞式でポールとリンゴが演奏することが発表されていますが、そちらは二人それぞれ演奏するということのようです。この授賞式にはオリヴィア・ハリスンやオノ・ヨーコも出席します。

両イベントとも、日本ではWOWOWが放送します。

「生中継!第56回グラミー賞授賞式」
2014年1月27日 9:00

同日リピート放送!「第56回グラミー賞授賞式」
2014年1月27日 22:00

「ザ・ビートルズ・トリビュートライブ~グラミー・スペシャル~」
2014年2月11日 21:00

2014年1月16日木曜日

レコード・コレクターズ 2014年2月号 「ザ・ビートルズ1964:日米デビュー元年の実像」

2014年1月15日発売のレコード・コレクターズ 2014年2月号の特集は「ザ・ビートルズ1964:日米デビュー元年の実像」です。
http://musicmagazine.jp/rc/rc201402.html

2014年1月に発売される「THE U.S. BOX」と連動したアメリカ独自編集盤の解説(レコードジャケット写真カラーページではついでに日本独自編集盤も掲載)と、1964年の日米のビートルズ旋風に注目した分析記事で構成されます。後者はここ最近の同誌のビートルズ特集と同じく、定説や伝説に頼らず新聞等の客観的事実を積み上げて当時の様子を克明に描き出す切り口です。日本でのビートルズデビュー曲が「抱きしめたい」では無いとする説が興味深かったです。
ポール・マッカートニー来日中に行われた湯川れい子さんのインタビュー記事も掲載されています。過去から現在のポールを総括した内容です。ポール公式Webサイト経由で販売された日本公演チケットの遅配騒動をキョードー東京側の視点で振り返っているのは、実際に巻き込まれた方にとって必見です。

2014年1月12日日曜日

エヴァリー・ブラザーズのフィル死去 ポール・マッカートニーが哀悼

ビートルズに影響を与えた兄弟デュオ エヴァリー・ブラザーズの弟の方フィル・エヴァリーが2014年1月3日に亡くなりました。
ポール・マッカートニーは2014年1月8日、哀悼のコメントを自身のWebサイトに掲載しました。
http://www.paulmccartney.com/news-blogs/news/27737-paul-remembers-musician-phil-everly
フィル・エヴァリーとポール・マッカートニー
 日本語の記事は以下がわかりやすいです。米Rolling Stone誌の記事の和訳のようです。
ポール・マッカートニー、ビートルズに最も影響与えた一人とフィル・エヴァリーを追悼(RO69)

この記事にも書かれていますが、ポールはエヴァリー・ブラザーズにOn The Wings Of A Nightingaleという曲を提供しました。

ポール自身のデモ音源も残っています。

ビートルズはオリジナルアルバムにはエヴァリー・ブラザーズのカバー曲を収録しておらず、Live at the BBCにSo How Comeが収録されている程度です。以下はオリジナルバージョンです。

カバーの少なさがかえって影響の大きさを表していると言えるでしょう。1969年のゲットバックセッションではエヴァリー・ブラザーズの楽曲を断片的に取り上げています。

ビートルズ解散後はメンバーがそれぞれ取り上げています。以下はジョン・レノンによるCathy's Clownのカバーです。

ジョージ・ハリスンはアルバムDark HorseにBye Bye Loveのカバーを収録しています。

2014年1月8日水曜日

ライブハウスにおける映像&音声収録術 その3

ライブハウスで自前撮影/録音する例を紹介した以前の投稿(1)(2)に続く第三弾です。2013年11月30日に行った甲虫楽団ワンマンライブの様子は以下で全曲視聴できます。
今回、以下のような機材配置で録音・撮影しました。詳しくは(第一弾の投稿をご参照ください。
全景を撮影しているのは前回のライブから導入したキヤノンのiVIS HF G20です。前回は三脚が貧弱で映像が振動してしまったので、今回はSLIKの三脚F740を導入しました(3,000円程度)。どうやら三脚の頑丈さは足の太さが基準になるようで、今回のものは25.4mmでした。中くらいというところでしょうか。軽量だけが売りの三脚とは違い細かいところにも配慮されていて使いやすかったです。安定した映像を撮影できました。
やはり今回もバッテリーが切れるなどして収録できない素材がありました。機材が多くなってくると安定稼働が課題です。アクションカメラのGoPro HERO3はWi-Fiを有効にするとバッテリーを多く消費するようなので、次回はモバイルバッテリーから給電しながら撮影しようと思います。外部から給電しながら撮影できないアクションカメラも多いのでここはGoProの利点です。また、舞台上手でギターを撮影しているカメラは映せる範囲が狭いのが気になります。観客の邪魔になる場所でもあるのでここに小型&広角レンズであるGoProを設置すべきかもしれません。

となるとカメラが足りなくなるのでさらなる機材の導入を検討したくなります。ちょうどここ1年ほどで演奏の撮影にこだわった小型カメラが立て続けに発売されました。

キヤノン iVIS Mini

厳密には演奏に特化したものではなく、本体をそのまま置いて自分を撮影することを目的としたカメラです。連続撮影時間が1時間に満たないのはライブを撮影する上では心もとないですが、三脚不要でそのまま置ける、レンズと同じ向きにプレビュー画面を据えられる(壁に沿って本体を設置しても撮影範囲が確認できる)というのは狭いステージの上に置くのにはちょうど良さそうです。

ソニー HDR-MV1
自分のことを「ミュージックビデオレコーダー」と称しています。リニアPCMレコーダーにアクションカメラの機能を追加したような機材で、音を重視している様子です。2時間以上連続撮影できる少電力設計はさすがSONYと言うところです。モニターは画面脇に付いています。問題は映像を撮りたい位置と録音にとって最適な位置が一致しない可能性がある点です。ライブハウスで全景を収める場合には良いでしょう。

ズーム Q4

以前から演奏の撮影にこだわった機材を発売していたZOOMがこの流れにのってより撮影部分を強化してきました。液晶部分が回転する構造になっており、家電メーカー旧来のデザインに近くなっているのが面白いです。こちらも連続撮影時間は2時間を超えますが、映像と音声のベストポジションが異なるという問題は同じです。

今回、偶然iVIS miniの中古を入手できたので(この商品は直販しかしていないので流通量が少ない)、次回ライブはベースアンプの上に置いて使用してみます。音質はこの3機種の中で最も劣るようですが、このカメラの音を使う想定は無いので取り回しのしやすさを重視しました。


ちょうど今アメリカで開催されているCESで発表されたソニーのHDR-AS100Vはアクションカメラ(ウェアラブルカメラ)に分類される製品ですが、タイムコードを外部リモコンからリセットできるというこの分野のカメラでは珍しい機能があります。複数の同機種を同時にリセットして同じ出来事を撮影すれば、編集時に複数の映像素材を同期させること(マルチカメラ編集)が簡単になるようです(タイムコードのタイミングが同じため)。
タイムコードによる同期に対応したビデオソフト編集ソフトウェアはまだまだ高価ですが、このHDR-AS100Vをきっかけにマルチカメラでライブを収録することがもっと身近になるかもしれません。今後も注目したいと思います。

2014年1月4日土曜日

「LET IT BE」日本ツアー初日まであと2か月 出演者未だ不明

※その後来日メンバーが発表されました。こちらをご覧ください。

ビートルズトリビュートショー「LET IT BE」2014年3月4日の日本公演初日まであと2か月となりました。これまでの情報を整理します。

2013年12月にチケットが一般発売されましたが今のところ目立った情報公開は無いようです。2013年8月の第一報以来公式Webサイトも目立った更新がされていません。

メディアへの登場は以下が確認されています。

2013年11月19日 フジテレビ「エンタメサーチバラエティ プレミアの巣窟」チケット先行販売
2013年11月28日 サンケイスポーツ「福田彩乃、ビートルズ“そっくり”ライブを全力PR!」掲載
2013年12月20日 ファッションプレス「世界中を魅了するビートルズのトリビュートライブ、ついに日本上陸!」掲載

福田彩乃さんがオフィシャルサポーターに就任したようなので、今後「プレミアの巣窟」に出演してロンドン公演の様子をレポートすることが予想されます。

今回のショー「レット・イット・ビー」はメンバー固定のバンドでは無いので誰が来日するかが関心事ですが、現時点では不明です。ブロードウェイ公演にポール・マッカートニー役として出演していたグラハム・アレキサンダーはソロアーティストとしても活動しており、昨年はポールの後継者として話題になりました。

グラハム・アレキサンダー、ポール・マッカートニー後継者(?)現る
http://www.barks.jp/news/?id=1000094632

PLAYBILL.COM'S CUE & A: Graham Alexander of Broadway's Let It Be
http://playbill.com/news/article/181463-PLAYBILLCOMS-CUE-A-Graham-Alexander-of-Broadways-Let-It-Be/

もし彼がポール役として来日すれば面白そうです。

Graham Alexanderがビートルズを演奏している映像を以下に共有します。 ベースは左利きで弾き、ギターは右利きで弾くスタイルのようです。本来は右利きなのでしょう。映像2本目までが「Let It Be」公演での様子、3本目以降はイベント「Abbey Road on the River 2013」出演時のものです。後者はThe Fab Fourのジョージ役Gavin Pringと共演しています。