2015年12月31日木曜日

2015年ビートルズ十大ニュース

2015年も今日で終わりです。当ブログの独自視点による2015年のビートルズ関連十大ニュースをカウントダウン形式で振り返りたいと思います。過去に各ニュースに関連する記事を投稿しているのでそちらもご覧ください。

第10位 リンゴ・スター出演CM日本で放送

スニーカーを中心とするアメリカのカジュアルフットウェア・ブランド「Skechers(スケッチャーズ)」のCMにリンゴ・スターが出演し、日本でも放映されました。日本の地上波テレビでリンゴ・スターをたびたび目にするのは新鮮でした。

第9位 相次ぐビートルズ関連者の死去

ビートルズ現役時代から半世紀が経過し、今年もビートルズ関係者の訃報が相次ぎました。キャヴァン・クラブの元オーナー レイ・マックフォールから始まり(1月)、ジョン・レノンの最初の妻シンシア・レノン(4月)、ビートルズが見出したシラ・ブラック(8月)、ビートルズのレコーディングに参加したアンディ・ホワイト(11月)などです。

第8位 「Revolver Records & Video」ビートルズ秘蔵映像次々と公開

ニューヨークのコレクターズCDショップ「Revolver Records & Video」が今年に入って次々とビートルズの秘蔵映像をインターネットで公開しました。これまで海賊盤市場でも流通していなかったものであり世界を驚かせました。チャンネルは→こちら

第7位 2つのビートルズ・トリビュート・ショー同時期に来日

11月に「The Return」と「Let It Be」という二つの異なるビートルズ・トリビュート・ショーが来日公演を開催しました。どちらも充分な動員だったようで、日本人の旺盛な需要を実感しました。

第6位 リンゴ・スター ロックの殿堂入り

リンゴ・スターがロックの殿堂入りしました。4月の記念式典にはポール・マッカートニーもプレゼンターとして参加し、リンゴと一緒にビートルズナンバーを演奏しました。ポールはその足で来日したのでこの式典がより身近に感じられました。

第5位 リンゴ・スター 私物オークション開催

リンゴ・スター夫妻が私物1300点以上をオークションに出品し、ビートルズ時代の楽器を中心に高値で落札されました。リンゴは自分の人生の総決算に入っているのでしょうか。

第4位 ジョン・レノンが紛失したギター3億円で落札

ジョン・レノンがビートルズ初期に愛用し、その後行方が分からなくなっていたギター、ギブソンJ-160Eが50年後に発見され、オークションで3億円で落札されました。ジョンが生きていたらどうしただろうと考えさせられる出来事でした。

第3位 ビートルズ定額制音楽ストリーミング配信解禁

クリスマスイブにビートルズの楽曲が定額制音楽ストリーミング配信サービスで聴けるようになりました。今後のビートルズ業界に大きな影響を与える転換点になるかもしれません。

第2位 「ザ・ビートルズ 1」新装版発売

ベスト盤「ザ・ビートルズ 1」の再発売というと一見シンプルですが、その実は映像集とリミックス音源が目玉でした。まだまだネタはあるはずなので今後も新たな商品の登場を期待したいです。そのためにはこれがヒットしてもらわなければなりません。

第1位 ポール・マッカートニー49年振り日本武道館公演

ポール・マッカートニーが昨年の全公演中止の雪辱を果たし、今年4月に日本武道館公演を実現しました。
2015年はポールにとっても印象的だったようで、今年を振り返る映像を公開しています。日本公演の映像から始まります。

来年はいよいよビートルズ来日50周年です。忘れられない一年になると良いなと思います。

2015年12月24日木曜日

定額制音楽ストリーミング配信サービスにビートルズ登場

世界各地の2015年12月24日午前0時1分にビートルズの楽曲が定額制音楽配信サービスのラインナップに追加されました。ビートルズからのクリスマスプレゼントといったところでしょうか。

THE BEATLES. NOW STREAMING.(The Beatles公式サイト)
ザ・ビートルズの定額制音楽配信サービスがスタート!(ユニバーサル ミュージック)

 対象サービス加入者は追加の費用なく、インターネットを介してビートルズの楽曲をフルコーラスで聴き放題です。ダウンロードしたものを聴くのでは無く都度ストリーミング再生するので、音楽を所有するというよりは聞き流す色合いが濃くなります。
日本での対象サービスは今のところApple Music、Google Play、Amazon Prime Musicです。日本には他に国産サービスも存在しますが、今回の対象は全世界で展開しているサービスに限られるようです。
追記:2016年2月29日より日本国内のサービス レコチョク/AWA/うたパス でも配信が開始されました。

ダウンロード販売解禁(2010年11月)もそうでしたが、勿体つけてのストリーミングサービスへの登場となりました。解散してしまったアーティストですから、もう増えることが無い虎の子の楽曲を大切にしていかなくてはなりません。慎重に検討していたのだと思います。
これまで以上に気軽に楽曲をつまみ食いできるようになるのでビートルズがアルバムに込めた思いや背景がますます希薄になってしまうと憂う人も多いでしょう。
とはいえ1987年にビートルズのアルバムがCDが発売された時にもA面/B面という概念が無くなったのを受け入れて来たのですから、ストリーミング解禁は新たなファン層拡大につながると前向きに捉えたいです。ダウンロード販売解禁の時はまずはiTunes Store限定でしたが今回は9サービスで一斉に開始されました。より多くの人に聴いて欲しいとの意向なのかもしれません。

今後ビートルズ関連のパッケージ製品はよりマニア向けになっていくと予想されます。ストリーミングサービスで認知度を得てライブ動員につなげるという王道パターンが使えないので、パッケージ製品で稼ぐしかありません。今回の配信対象にビートルズアンソロジーなどマニア向け作品が含まれていないことからも、マニア層には所有欲を満たす豪華で高価なパッケージ製品を供給していくということでしょう。

追記:
解禁後48時間までにSpotify(日本では利用不可)で再生された曲のランキングは下記です。
  1. Come Together 184万回
  2. Let It Be 155万回
  3. Hey Jude 132万回
  4. Love Me Do 131万回
  5. Yesterday 123万回
  6. Here Comes The Sun 123万回
  7. Help! 122万回
  8. All You Need Is Love 117万回
  9. I Want To Hold Your Hand 110万回
  10. Twist And Shout 94万回
再生した加入者のうち65%は34歳以下だそうで、ファン層の拡大が期待されます。

2015年12月20日日曜日

イギリスITV「The Nation's Favourite Beatles Number One. 」放送 ポールとリンゴも出演

1か月以上前のことになってしまいますが、イギリス民放テレビ局ITVで「ザ・ビートルズ 1」発売記念の2時間特番「The Nation's Favourite Beatles Number One. 」が現地時間2015年11月11日20時より放送されました。

一般視聴者による「ザ・ビートルズ 1」収録曲人気投票を軸に、ビートルズ関係者やファンによるコメントが随所に挿入される構成です。映像は「ザ・ビートルズ 1」収録されているもののみならず、珍しい映像も随所に登場しています。
1965年テレビドラマ「Doctor Who」ビートルズ登場回
1967年世界初国際衛星生中継番組「Our World」
ビートルズの録音音源をパートごとに聴かせてみせるジャイルズ・マーティン

「The Nation's Favourite」は2010年から特番として放送されている視聴者参加型音楽ランキング番組で今回のビートルズ編が第14弾となります。日本におけるビートルズ曲ランキングというとラジオ番組「ザ・ビートルズ 10」(アール・エフ・ラジオ日本 ほか)が想起されます。本国と日本の好みの差が表れて面白いかもしれません。

この番組で発表されたランキングは以下です。
  1. Hey Jude
  2. Yesterday
  3. Let It Be
  4. Eleanor Rigby
  5. All You Need Is Love
  6. Penny Lane
  7. I Want To Hold Your Hand
  8. The Long and Winding Road
  9. A Hard Day's Night
  10. She Loves You
  11. Come Together
  12. Something
  13. Can't Buy Me Love
  14. Love Me Do
  15. Help!
  16. Ticket To Ride
  17. We Can Work It Out
  18. Eight Days A Week
  19. Yellow Submarine
  20. Hello, Goodbye
  21. Lady Madonna
  22. Get Back
  23. Paperback Writer
  24. From Me To You
  25. I Feel Fine
  26. Day Tripper
  27. The Ballad Of John And Yoko
日本人の嗜好を想像して照らし合わせるとHelp!とDay Tripperの順位が低く、Eleanor Rigby、All You Need Is Love、Penny Laneの順位が高く感じました。この3曲が高いのがとくにイギリスならではという気がします。また、Let It Beは日本で特別に人気が高いのかと思っていたらイギリスでも3位に食い込んでいたのは意外でした。ポール・マッカートニーの曲が上位に多いのはジョン・レノンよりキャリアが30年以上長くいまだ現役なせいもあると思います。

「ザ ビートルズ 1」新装版にちなんだ番組は日本でも「僕らの音楽」が放送され、多くの日本の著名人が出演しました(くわしくは→こちら)。今回の番組も多くの著名人がコメントを寄せていますがさすがに本国だけあって豪華な顔ぶれです。


最後にはビートルズ本人まで出演しています。以下本人のコメントと意訳です。

リンゴ・スター

On behalf of the band, I'd like to thank everyone in the UK for their continuing love and appreciation for our music.
Our early success was all down to your wonderful support and we have never forgotten that.
Thank you.
Paul, you're up next.

(意訳)
当バンドを代表して、イギリスのみなさんの私たちの音楽に対する継続的な愛と理解に感謝いたします。
私たちの初期の成功はみなさんの素晴らしい支援のおかげです。私たちはそれを忘れたことはありません。ありがとう。
ポール、君の番だよ。

ポール・マッカートニー


Hello, there. This has been a great programme and I'm very happy to be part of it.
I can't believe that after all these years, people are still listening to The Beatles, still playing the music and I send my best.

(意訳)
やあ、こんにちは。こんなすてきな番組に参加できてうれしく思います。こんなにも長い間人々がビートルズを聴き続け、その音楽を演奏し続けてくれていることが信じられません。
ごきげんよう。


日本でもこの番組が放送されると良いなと思います。いや、むしろビートルズ来日50周年記念番組でポールとリンゴからコメントを取れるよう期待したいです。

2015年12月18日金曜日

レビュー:大人のロック! 特別編集 ザ・ビートルズ 奇跡のサウンド 全活動・全作品パーフェクトガイド

「大人のロック! 特別編集 ザ・ビートルズ 奇跡のサウンド 全活動・全作品パーフェクトガイド」(日経BPムック)が2015年12月16日に発売されました。
安心の「大人のロック」ブランド。いつものようにすっきりとしたレイアウトのフルカラー、ずっしり210ページの大作です。もちろんこの時期の発売ですから「ザ・ビートルズ 1」とは無関係ではありませんが、「ザ・ビートルズ 1」の話題は冒頭の一部分のみです。まだ発売間もないせいもあるでしょう。

「全活動・全作品パーフェクトガイド」と銘打ち、ビートルズのミュージックビデオ、レコーディング、コンサート、ラジオ・テレビ、映画、を可能な限り列挙しています。表を多用して論理的に整理してあり、この網羅性・資料性には目を見張ります。
先月発売された「ザ・ビートルズ 1+」のデラックスエディションの映像は同じ曲を複数収録するなど網羅性を意識したものだったので、それにインスピレーションを得たのでしょうか。『「ザ・ビートルズ 1+」で50本も映像を収録していて、じゃあ残りはどれくらいあるの?』という疑問に対する回答がこの書籍にはあります。

「The Beatles Anthology」などビートルズ解散後に発売/公開された作品(「The Bootleg Recordings 1963」まで!)も平等に取り上げているのが新鮮です。そういった作品が書籍で取り上げられるのは発売された直後のみであるのが常でした。
レコーディング以外のパートについては「ザ・ビートルズ 全パフォーマンス徹底解剖」(くわしくは→こちら)に後れを取っている部分もあるかもしれませんが、フルカラーで「全活動・全作品」を収録しているのは特筆に値します。「全パフォーマンス徹底解剖」や「ザ・ビートルズ全曲バイブル」に並ぶ、ワールドクラスの書籍だと思います。

2015年12月10日木曜日

ジョン・レノン35回目の命日 ポールとリンゴのコメント

2015年12月8日はジョン・レノン35回目の命日でした。きりが良かったせいか例年より取り上げられることが多かった気がします。先月発生したパリ同時多発テロと「愛と平和の使者ジョン・レノン」のイメージを結び付けて思いを馳せる人も多いようです。
日本のラジオ番組でもジョンが多く特集されました。
ジョン・レノン反戦への願い(J-WAVE NEWS)
ニューヨーク セントラルパーク内のStrawberry Fields

12月4日はジョンの出身地、リバプールの港でビートルズの銅像の除幕式が行われました。正確にはジョンの命日にちなんだものでは無く、ビートルズのリバプールでの最後のライブ(1965年12月5日)から50周年を記念するために建立されたものですが、ジョン・レノンの異父妹ジュリア・ベアードが除幕を担当したり、ジョン像の右手には終の棲家となったニューヨーク ダコタ・ハウス周辺から採取されたドングリからかたどったドングリ像が2つ(ジョンとヨーコを表している?)握られているなどジョンの生と死を強く連想させます。
ジョンを見上げるジュリア・ベアード

ジョンの手にはダコタハウスのドングリが2つ
日本の報道ではこのドングリについて触れられていないようです。
ビートルズのブロンズ像、英リバプール埠頭に登場(AFP)
ザ・ビートルズの銅像がリヴァプール埠頭に設置される(RO69)
ビートルズ、リバプールでの最後のライヴから50周年を記念して銅像が公開に(NME)

12月5日に日本では休止中の「Dream Power ジョン・レノン スーパー・ライヴ」のアメリカ版とも言えるバースデーコンサート「Imagine: John Lennon 75th Birthday Concert」がニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデン・シアターで開催されました。
 
ジョン・レノン スーパーライブでもオノ・ヨーコは「命日よりは誕生日にジョンを思い出して欲しい」という主旨のことを言っていましたが、それを踏襲したイベント名となっています。日本版同様、オノ・ヨーコが登場しますが、ポール・マッカートニーとリンゴ・スターのビデオメッセージが流れるのは流石にアメリカです。

<イベントレポート>ジョン・レノン生誕75周年記念に豪華アーティスト結集、NYでコンサート開催!(ユニバーサル・ミュージック)

そして命日の12月8日には例年通りニューヨーク セントラルパーク内のStrawberry Fieldsのモニュメントの周りに人が集まってジョンの歌を歌いました。




日本でも命日には六本木アビーロードをはじめ全国各地のビートルズ系ライブハウスで追悼イベントが開催されました。
六本木EXシアターではジョン・レノンの人生をギター&ヴォーカルとピアノで弾き語る『LENNONーレノンー』が同日初日を迎えました。
12月8日(火)ジョン・レノンの人生をギター&ヴォーカルとピアノで弾き語る『LENNONーレノンー』が開幕。(キョードー東京)

2015年12月8日火曜日

リンゴ・スター夫妻 私物オークション落札総額11億円超える

「終活」とも「断捨離」とも評されているリンゴ・スター夫妻の私物オークション「Property From The Collection of Ringo Starr and Barbara Bach」が2015年12月3日~5日にアメリカ ビバリーヒルズで開催されました。1300点以上が出品され、手数料込の落札総額は920万米ドルを超えました。
ジョン・レノンから贈られたギターを弾くリンゴ

主催したのはもうすっかりおなじみのJulien's Auctionsです。
Property From The Collection of Ringo Starr and Barbara Bach
夫妻のサイン入りカタログ1000ドルで販売

開催前の出品物紹介

直前お披露目イベントの様子

今回最も高値を付けたのはリンゴが1963年5月~1964年2月に使用していたラディック社の「オイスター・ブラック・パール」ドラムキットで、211万米ドル(約2億6千万円)でした。ポール・マッカートニーもこのキットの一部を借りてソロアルバム「McCartney」で使用したそうで、価値を高める要因になっています。
 
落札したのはインディアナポリス・コルツのオーナー、ジム・アーセイでした。彼は先月もThe Beatlesロゴ入りドラムヘッドを205万米ドルで落札しています(くわしくは→こちら)。ヘッドだけなのに今回のキットとほとんど値段が変わらないのは、そのヘッドがビートルズのエド・サリヴァン・ショー初出演時に使用されていたからです。それほどアメリカ人にとって、エド・サリヴァン・ショーの意味するところは大きいのでしょう。また、今回の出品物に装着されているロゴ入りヘッドはレプリカ(本物はポール・マッカートニーが所有。借りパク?)なので、本物のヘッドと組み合わせてホンモノ度を高めたいという意図もあると思います。
ポールの背後にドラムヘッドが見える
彼は既にビートルズ本人が使用したギターを複数所有しており、「これで45年ぶりにビートルズが揃った」という主旨の発言をしています。ポール・マッカートニーは物持ちが非常に良く使用した楽器が市場に出回ることが無いので、どのギターをポール役と見なしているか興味あります。
彼はこれらの楽器を使用してビートルズトリビュートライブを開催する構想があるそうです。是非実現して欲しいです。

落札金額第2位は91万米ドル(約1億1千万円)をつけたRickenbacker 1996(325モデルのイギリス輸出版)です。ジョン・レノンが有名な黒地に白いピックガードのRickenbacker 325ギターの代替品として1964年のクリスマスシーズンに使用しました(くわしくは→こちら) 。
リンゴが1968年のアルバム「The Beatles」レコーディング中に非公式に脱退した後、復帰した際にジョンから贈られたものだそうです。ジョンはこの小ぶりなギターがリンゴに合うと考えたのだろう、とリンゴ本人が語っています。このギターでリンゴももっと作曲するように、という計らいだったとも聞きます。
このギターを落札したのは、またもやジム・アーセイです。ジョンが使用したRickenbacker 325タイプのギターのうち、お金で手に入るのは現状これしか無いので(残りはオノ・ヨーコ所有)、この金額もうなずけます。彼は他に、リンゴのトレードマークであるリング(指輪)も落札しています。筋金入りです。

落札金額第3位はアルバム「The Beatles」(通称ホワイトアルバム)モノラル イギリス初版シリアルナンバーNo.0000001で79万ドル(約9千700万円)でした。今度の落札者はジム・アーセイでは無く、あきらかになっていません。

追記:史上最も高値でオークションで落札されたレコードであるとギネスに認定されました。(参考
落札される瞬間の様子(65万ドルで落札後、手数料が加算されて79万ドルになった)↓
1番&リンゴが所有していたというプレミアム以外に、レコードとしての音の鮮度に興味があります。

その他ビートルズ関連では、ジョージ・ハリスン追悼コンサート出演のお礼として遺族から形見分けされたグレッチ テネシアン 17万9千米ドルが続きます。この値段からして、1964年~1965頃にビートルズのレコーディングやステージでジョージが使用していたものとは別なのだと思います。
 
その他、「Hello, Goodbye」のプロモーションビデオで使用したドラムキットが11万5千米ドル、ラディック2代目で使用したスネアドラム(ポールが「McCartney」で使用)が7万5千米ドル、というのが目立ったところです。

人からもらった大事なものや思い出の品を何故ここまで徹底的に放出するのか、といぶかしがる声もありますが、こうやって次世代に話題と夢を提供してくれるのはありがたいことです。リンゴ・スターは2013年~2014年に開催した『Peace & Love』展(くわしくは→こちら)の出展物を整理した際、自分のコレクションが膨大過ぎて身に余ると感じたことが、今回のオークションのきっかけとなったそうです。収益金は夫妻が設立したロータス基金に寄付されます。

この数日間は世界を巻き込んだお祭りの様相を呈していました。 期間中リンゴが終始上機嫌だったのが嬉しくもあり少し切なくもありました。一連のオークションでさらに知見を深めたビートルズ楽器研究界の大家Andy Babiuk,は改訂版「 Beatles Gear」の発売記念サイン会を開催しました。ビートルズ公式ファンクラブを仕切っていたフリーダ・ケリーは同オークションが主催した映画「愛しのフリーダ」上映イベントのため渡米し、リンゴとも7年ぶりに再会しました。
リンゴ、バーバラ、フリーダ


2015年12月5日土曜日

アルバム「Rubber Soul」発売50周年「Nowhere Man」ベースTAB譜

2015年12月3日はビートルズの6枚目のアルバム「Rubber Soul」が発売されてから50周年です。同アルバム収録「Nowhere Man」風ベースのタブ譜を共有します。
http://www.kouchu.info/Bass27.pdf 
4ヵ月前にアルバム「Help!」をリリースしたのと同じバンドとは思えないほど一転して思慮深い内容になっています。なんとかクリスマスシーズンに間に合わせるためにひねり出した今作ですが、結果的にビートルズの一つの転換点になりました。
1965年12月3日はこのアルバムとともにシングル「We Can Work It Out / Day Tripper」が発売されるという豪華な一日になりました(シングルの50周年記念記事は→こちら)。シングルの方はまだ前作「Help!」からの連続性が感じられますが同じ日に発売されたアルバムとの世界観の差に戸惑ったファンも多そうです。

ポール・マッカートニーは本作からヘフナーに替わってリッケンバッカーのベースを使用するようになったというのが定説です。


 とはいえ、まだヘフナーを使っている曲もあると思います、次作「Revolver」に比べて、リッケンバッカーだと確信できる音色の曲が少ないです。また、この時期ベースのネック上を縦横無尽に動くフレーズが多いですが、ヘフナーよりネックが大きいリッケンバッカーのベースにインスパイアされた結果とは考えにくいです。つまりそれらはヘフナーベースだからこそ編み出されたフレーズかもしれないということです。ヘフナーでフレーズを作って、リッケンバッカーでレコーディングしたという可能性はありますが・・・。

今回取り上げる「Nowhere Man」もそんな曲の一つです。 基本パターンを踏襲しながらもサビは明確に毎回フレーズを変えるというのは同時期の「Day Tripper」や「You Won't See Me」と同じ傾向です。この曲のフレーズはシンコペーションを多用しているのが特徴ですが、後半に行くにつれそれが減っていくのがポイントだと思います。おそらくこれはポールが意図した演出です。


2015年12月3日木曜日

「We Can Work It Out / Day Tripper」発売50周年記念ベースTAB譜

今日12月3日はビートルズのシングル「We Can Work It Out / Day Tripper」イギリス発売50周年です。同曲風のベースタブ譜を共有します。
http://www.kouchu.info/Bass25.pdf
http://www.kouchu.info/Bass26.pdf

ビートルズ初の両A面シングルです。現代ではDay Tripperの方が有名な気がしますが、両A面とは言え表記上の序列はWe Can Work It Outの方が上のようです。

We Can Work It Out

1965年の作品とは思えないモダンな作りで同じような曲は前後に見当たらず、突然変異と言えるでしょう。ポール・マッカートニーがメインで作成し、中間部はジョン・レノン、3拍子部分はジョージ・ハリスンのアイデアとのことで、ビートルズが才能を結集して制作したせいかもしれません。
そんな曲を料理するのには苦労したようで、この1曲のレコーディングに10時間以上を費やしました。ベースのフレーズもどこか所在なさげですが、同じ箇所でも毎回フレーズを変える意地を見せています。

Day Tripper

印象的なリフを誰が作ったのか気になるところですが、ギターの開放弦を効果的に使っています。ポール・マッカートニーはベースでギターと同じフレーズを弾きながらも開放弦に依存せずネックの中央部分でやりくりしています。そのせいかリフの最高音ではギターと異なりスライドが使用されています(下図の赤い部分)。
ポールのベース演奏において「できるだけ音を長く出したいが 次のフレットへの移動が間に合わない」という状況のときに、目的地に着く前からスライドさせて帳尻合わせることが多いのですが、この箇所もそういった事情かもしれません。というのも、スライドする量が一定していないのです。

サビや間奏を除いては淡々とリフをなぞっていますが、リフ演奏の中でも以下がポイントです。
  • イントロとアウトロではリフ2回分をスタッカートさせて弾く
  • 2番のサビの前に引き損なう
  • アウトロの出だしの音はスライド
  • アウトロはフレーズが徐々にギターとかけ離れていく

2015年12月1日火曜日

レポート:『ザ・ビートルズ1』リリース記念 5大都市同時爆音試写会 東京編

『ザ・ビートルズ 1』新装版発売を記念して2015年11月30日19時からライブハウス「Zepp」全国5か所にて「爆音試写会」が開催されました。Zepp DiverCity(東京・お台場)の回に参加してきました。
ステージにはトークショー用の椅子が設置
ダイバーシティ東京といえば等身大ガンダム
『ザ・ビートルズ1』リリース記念、5都市同時爆音試写会が開催に&東京会場にはゲストも登場(NME)
『ザ・ビートルズ1』爆音試写会に行ってきた(ローチケHMV)
「ザ・ビートルズ1」爆音試写会開催、東京会場に星加ルミ子と東大ビートルズ研究会が登場(Musicman-NET)
星加ルミ子 VS 東大ビートルズ研究会 行司サエキけんぞう、ザ・ビートルズ1 爆音試写会トークショーレポート(POPSCENE)
【イベントレポート】ザ・ビートルズ爆音試写会で飛び出した数々のエピソード(BARKS)
星加ルミ子さん、爆音試写会でビートルズの思い出を語る(サンケイスポーツ)

ダイバーシティ東京 プラザに来るのはThe Fab Four来日時のゲリラライブ(くわしくは→こちら)以来です。Zepp DiverCity1階席はパイプ椅子が敷き詰められ、600人程度は集まったようでした。無料(抽選に応募、タワーレコードで対象商品購入にて招待、等)ということもあって、10代~20代の若者や親子連れの姿も多く見かけました。
この会場のみ上映に先立って30分間のトークショーが開催されました。司会はサエキけんぞうさん、ゲストは星加ルミ子さんで、若者世代代表として東京大学ビートルズ研究会「アビーロード」から3名が参加しました。僕自身同研究会の出身で、登壇者も面識がある人だったので驚きました。
トークショーは各参加者とのビートルズとの出会いに続いて、「ザ・ビートルズ1」に対する感想、若者から星加ルミ子「先生」(と呼んでいました)への質問と展開していきました。
星加ルミ子さんの印象的なコメントとしては下記のようなものがありました(かなり意訳です)。
  • 子供にビートルズを聴かせれば東大に入れることができる(東大アビーロードの面々は親の影響でビートルズを知ったと聞いて)
  • ビートルズの音楽は立体的だから最新技術でベールをはいでも色あせない
  • ビートルズに会うためとはいえ、最初にイギリスに行くことになったときは嫌だった
  • ビートルズは当初自分の事を年下だと考えて(実際はジョン・レノンと同い年)優しく接してくれた。後年同年代だとわかってより打ち解けた
  • レコーディングを取材した限りではメンバーの仲が悪い様子は感じられなかった。マネージャーのブラアン・エプスタインに押し付けられたツアーに嫌気が差していたんだろう
  • ビートルズ最後のツアーのシェイ・スタジアム公演(星加さんは「シェア」と発音)を現地取材したところ、3階席から人が次々と降ってくるのを見て驚いた(ネットが張ってあって無事)。ビートルズもその光景に驚いて演奏がおぼつかなくなったので、ブライアン・エプスタインの命によりこの時の映像や音声は流通していない
『ザ・ ビートルズ 1』発売記念として11月にシンコーミュージックで開催された星加ルミ子さんのトークイベントは好評につき12月に追加開催されますがそれも早々に完売したそうで、2016年1月にさらに追加開催が予定されているそうです(くわしくは→こちら)。

トークショーの後は『ザ・ビートルズ 1』のBlu-rayディスク一枚目を最初から最後まで上映するというシンプルな進行でした。SONYの4KプロジェクターSRX-T615用にアップコンバート(単なる引き伸ばしでは無くより高精細に見えるよう演算)して、600~650インチの巨大スクリーンに投影していました。この度Zepp各会場に同プロジェクターが新規導入され、そのお披露目のイベントがこの「爆音試写会」とのことです。『ザ・ビートルズ 1』発売3週間経過後に購入済みの人がほとんど(サエキけんぞうさん主導のアンケートによれば8割)の観客に向け「試写」するのは不思議でしたが、ライブハウス側の思惑も影響していたのかもしれません(新プロジェクターの試し写し?)。
再生時の音はその名に恥じない「爆音」でしたが、必ずしも高音質では無いように感じました。各曲の出だしだけ大音量ですぐに音量が抑えられる傾向があったようで、自動的になんらかのリミッターがかかって音が潰されていたのかもしれません。中後期の曲の重低音はしっかり堪能できました。「Yellow Submarine」のバスドラムの響きに圧倒されました。
僕は発売日当日に『ザ・ビートルズ 1』を購入済みでしたが、まだ映像は見ていなかったので新鮮でした。 感想を列挙します。
  • 映像とCDの音源は一致していないものが多い(ライブ映像はその場の演奏音源を活用している、「Eight Days a Week」のイントロが映像版ではフェードインしない、等)
  • ライブ映像についてはその場で演奏した音に今回の編集で新たにスタジオ録音の音をかぶせているようである(「A Hard Day's Night」など)
  • リンゴ・スターがオチに使われている(さすが千両役者) 
  • 顔のアップが多いのでもう少し手元が見たい
  • ポール・マッカートニーは初期からしてカメラ目線
  • 映画「LET IT BE」の映像のお化粧が足りないのは意図的か(完全版への布石?)
  • 批判噴出の「Come Together」は面白かったがポケモン・ショックが心配(おそらく地上波では放送できない)
  • 楽器の扱いが雑でヒヤヒヤする(とくにポール)
イベント内容以上に、多くの人と場を共有できたことが有意義でした。上映後は場内アナウンスでハッシュタグ「#ビートルズ1感想」を付けてのSNS拡散を呼びかけていました。Twitterの場合、ビートルズ日本公式アカウントがリツイートしてくれるようです。ここでもう一盛り上がりすると良いなと思います。

2015年11月26日木曜日

レポート:ザ・リターン 立川公演 2015年11月25日

※The Return 2017年日本公演については→こちら

ビートルズトリビュートバンド「The Return」日本ツアー前半戦の最後、今ツアー初の東京開催となる たましんRISURUホール(立川市市民会館)公演に行ってきました。前週の関内ホール公演(レポートは→こちら)に続いて2度目の参加です。
 
大ホール 1階席771席は8~9割の入りでした。2階席416席には前方3分の1程度まで客を入れていたようです。
セットリストは前回(関内ホール公演)と同じでした。MCの挿入箇所、担当者、話すネタも同じで、歌や演奏の出来も同じでした。変わっていたのは使用楽器の一部と、MCの日本語のバリエーションが増えていたことくらいです。常に安定したパフォーマンスという意味ではさすがはプロです。 今回幸運にも前から5列目の中央で鑑賞できましたが、音量が小さいという印象は前回と変わりませんでした。
観客は関内ホール公演より盛り上がっていたようです。立ち上がることを要求されたときの反応も早く、長い時間立っていました。

以下、曲ごとの使用楽器です。

曲目 ジョン ポール ジョージ リンゴ
All My Loving Rickenbacker 325 ワシントンDC仕様 Hofner 500/1 2本目仕様 Gretsch
Country Gentleman
LUDWIG
ブラックオイスター
1タム
白地にThe Returnのロゴ
I Want To Hold Your Hand
From Me To You ハーモニカ&Rickenbacker 325 ワシントンDC仕様
I Saw Her Standing There Rickenbacker 325 ワシントンDC仕様
Roll Over Beethoven
Eight Days A Week Gibson J-160E Rickenbacker
360/12
A Hard Day's Night
Can't Buy Me Love Rickenbacker
360/12→Gretsch
Country Gentleman
I Feel Fine Rickenbacker 325 1964年仕様 Gretsch
Country Gentleman
I Wanna Be Your Man
Ticket To Ride
Yesterday Gibson J-160E
Help!
Day Tripper Rickenbacker 325 1964年仕様
Twist and Shout
Hello, Goodbye ピアノ Fender Telecaster
オールローズ
Get Back Epiphone Casino ナチュラル ピアノ&Fender Telecaster
オールローズ
Don't Let Me Down Fender Telecaster
オールローズ
Here Comes The Sun Gibson J-160E
Come Together Fender Telecaster
オールローズ
Something
Yellow Submarine Gibson J-160E
Back in the U.S.S.R. Epiphone Casino ナチュラル Epiphone Casino サンバースト
Birthday
Revolution
Hey Jude Gibson J-160E ピアノ Hofner 500/1 2本目仕様
Let It Be Hofner 500/1 2本目仕様 Fender Telecaster
オールローズ
The End Epiphone Casino ナチュラル Hofner 500/1 2本目仕様→ピアノ
※ジョンやジョージがベースを弾くときはポールのベースを右に構えて演奏(弦の配置が逆にも関わらず)
※ステージ上にアンプ類は無かった
※ステージ上にはHofner 500/1 1本目仕様のベースも設置されていたが使用せず(関内ホール公演ではトラブル発生時のバックアップとして使用)

メンバーについて感想を述べます。

リチャード・ステリング(ジョン・レノン役)

風貌や楽器の弾き方はジョンによく似ていました。声の線が細いですが、後期の曲になればあまり気になりません。歌はあまりモノマネに走っていない点に好感を持ちました。ギター演奏については突き詰めていないふしがあり、Get Backのソロはコピー度が甘かったです。MCでは日本語を多用し常に盛り上げようとしていました。

シェイン・ランダーズ(ポール・マッカートニー役)

高い声も難なく出して、本来の利き腕とは異なる左で弾くベース演奏もミスなく、おいしいフレーズは着実にすくい取っており、欠点は見当たりません。しかしながら、ポール役を担当できる才能があったからやっているだけでポールやビートルズに対するリスペクトに欠けているように感じました。楽器や演奏のコピーにはもう少しこだわって欲しかったです。一番いけないのは体型です。ヘフナーベースのストラップは長さが固定なので、体の厚みが増すと構える位置が高くなって見栄えが悪いです。

マイケル・フーロップ(ジョージ・ハリスン役)

長身で細身、彫りの深い顔と、バンドのビジュアル担当といえるでしょう。終始笑顔で演奏していました。演奏技術は文句ないですが(Get Backではピアノソロも披露)、あまりに流麗なのでジョージのように一音一音丹精を込めて(たどたどしいとも言う?)弾いて欲しいなと思うところがいくつかありました。

アダム・サーストン(リンゴ・スター役)

 叩くときの体の動かし方やフレーズも良く研究されており、メンバーの中で最も本人に近いと言えるでしょう。テクニックもリンゴ相当といったところで、I Feel Fineの原曲のパターンの再現には苦慮していました。歌うときにマイクを股の間に立てていたのは好印象です。演奏は誠実さを感じるものでしたが、後期の曲にはもう少しふてぶてしさがあった方が良いと思いました。

バンド全体としてはよく訓練されている様子がにじみ出ており、全員手元を見ずに常に観客に向かって演奏していました。ここ数年来日しているLET IT BEやThe Fab Fourなどのビートルズ・トリビュート・ショーに比べて低コストで興行が行なわれていると考えられ、演出・楽器・衣装・上演時間が省略されている印象があります。The Returnの実力の全貌をまだ見られていないのかもしれません。とはいえ、このこじんまり感が全国ツアーを可能としているのは確かで、過度な装飾が無いむき出しの演奏が好きな方もいると思いますので(LET IT BEのように曲の構成を端折って曲数をかせぐようなことはしていません)、ご興味のある方は行って損は無いと思います。

We hope you're all having a wonderful thanksgiving! We are thankful for all of you! Without you, we wouldn't be able to...
Posted by The Return on 2015年11月26日

2015年11月20日金曜日

レポート:The Return 関内ホール公演2015年11月19日

※The Return 2017年日本公演については→こちら

今日本には二組のビートルズトリビュート・ショーが来日中です。「レット・イット・ビー」(2年連続、前身のRAINを含めれば3回目)、「ザ・リターン」(2006年以来2回目)です。

ビートルズそっくりさん日本で“初対決” 同じ国同じ時期にトリビュートライブ(中日スポーツ)
ビートルズ祭り 本物そっくり!ライブ続々上演 専門カラオケ店も(zakzak)

示し合わせたわけでは無いでしょうが、来年はビートルズ来日50周年ということで先取りしようとした思惑が偶然一致したというところでしょうか。

しかしいずれのショーも宣伝には熱心では無く、チケットも大分売れ残っているようです。
LET IT BEは初日になってやっと尾藤イサオさんを引っ張り出してきた程度でした。

49年前にビートルズの前座、尾藤イサオがお宝写真&秘話公開(サンケイスポーツ)
尾藤イサオ そっくりさんのビートルズ激励(中日スポーツ)
尾藤イサオ「ビートルズは永遠」1966年公演の秘蔵写真公開(スポーツ報知)
尾藤イサオ、ビートルズのお宝写真披露(デイリースポーツ)

事前の情報公開も乏しく、結局LET IT BEはキャストがわからずじまいだったので今回は行くのを見送ることにしました。LET IT BEは固定バンドではなく、公演ごとに複数のキャストでショーを回すので誰が出演するかが重要です。一方、The Returnはメンバー固定のバンドです。見たことが無かったので今回はThe Returnに絞ることにしました。

The Returnは一足先に11月13日の大阪・新歌舞伎座公演から日本ツアーを開始しています。関東での第一弾となる関内ホール(神奈川県横浜市)公演に行ってきました。以下、完全にネタバレです。

大ホール1階848席は7~8割埋まっているようでした。2階250席には観客を入れていなかったようです。客層は老若男女でしたが50代以上の方が多かったようです。開場中は50年代のロック/ポップス音楽が流れていました。
定刻通り18時半、ビートルズがエド・サリヴァン・ショーに出演したときのエド・サリヴァンの紹介音声に引き続いて演奏が始まりした。セットはシンプルで、背景にA Hard Day's Nightのアルバムジャケットをカラフルに彩った絵が掲げられている程度でした(日本ツアー公式サイトトップページの写真参照)。衣装は黒のスーツで統一されています。

第一印象は「音が小さい」。1本のマイクを複数人で分け合うときのマイクと口の距離が遠かったのでそれに全体を合わせたのかもしれません。演奏の音量が大きい場合、口をもっとマイクに近づけないと声が聴こえません。バスドラムやベースなどの低音はある程度音量が無いと堪能できないためその点は残念でした。その代り歌はよく聴こえました。そちらを重視したのだと思います。

歌や演奏の安定感や、バンドとしてのリラックスした一体感は流石に同じメンバーで世界を回っているだけのことはあります。ただ、その分ショーをこなすのに慣れ過ぎている感があり、観客との一期一会にかける気合が伝わってこない気がしましたが、音が小さいことが印象に影響しているかもしれません。

MCは多めで、日本語はジョン役が多用していました。日本語はジョンが担当という海外バンドが多い気がします。観客とのコミュニケーションには慣れているようで、質問したり、手拍子の練習をしたり、総立ちを促す等していました。バンドのFacebookページへのコメント募集もありました。

一通りビートルズ初期の曲を演奏したのち、20分間の休憩となりました。この間のBGMは1960年代のサイケデリックなロックの曲が多かったです。

再登場前にはビートルズ本人のTomorow Never Knowsのイントロ~A Day In The Lifeの最後が流れました。舞台の背景の絵が無くなりさらにシンプルになっています。衣装は後期のトリビュートバンド定番の、ジョン&ポールはアルバム「Abbey Road」ジャケット写真風、ジョージ&リンゴはビートルズ最後のフォトセッション風(ジャケットとネクタイ着用)というものでした。ステージ脇にはピアノが設置され、メンバーが交代で演奏しました。演奏しているピアノのフレーズ以外の音が聴こえる曲もあったので、カラオケか裏方の演奏を併用していたようです。

第一部は一通りビートルズ初期の楽器を揃えていましたが第二部の楽器はそこまで再現していませんでした。ポール役がピアノを弾く曲でそれまでポール役が弾いていた左利きベースを他のメンバーが右利きで構えて演奏しているのは驚きました(弦の高低関係が通常とは逆)。

<セットリスト(演奏曲目)>
18時半開演

All My Loving
I Want To Hold Your Hand
From Me To You
I Saw Her Standing There
Roll Over Beethoven
Eight Days A Week
A Hard Day's Night
Can't Buy Me Love
I Feel Fine
I Wanna Be Your Man
Ticket To Ride
Yesterday ※ジョンがアコースティックギター、ポールはベース リンゴは休み。キーはG
Help!
Day Tripper
Twist and Shout

(20分休憩)

Hello, Goodbye ※ジョンがピアノ
Get Back ※ジョージがピアノソロ
Don't Let Me Down ※最後のピアノソロ部分を省略
Here Comes The Sun
Come Together
Something
Yellow Submarine
Back in the U.S.S.R.
Birthday
Revolution ※キーはB
Hey Jude ※ポールがピアノ、ジョージがベース(左利きのベースを右で弾く)

(アンコール)

Let It Be ※ポールがピアノ、ジョンがベース(左利きのベースを右で弾く)
The End ※ドラムソロ以降

20時半終演

The Returnの公演はもう一度、11月25日たましんRISURUホール公演にも行くので、その様子も後日レポートします(追記:レポートは→こちら)。その際はメンバー評、使用楽器、他の来日ビートルズトリビュートバンドとの比較などを書くつもりです。

2015年11月13日金曜日

ポール・マッカートニー「ザ・ビートルズ 1」発売記念インタビュー

ポール・マッカートニーが雑誌「Billboard」2015年11月21日号で「ザ・ビートルズ 1」収録曲について語りました。

Billboard Cover: Paul McCartney Reveals the Stories Behind The Beatles' No. 1 Hits

以下、ポールの発言内容を意訳します。曲名の後に記載あるのはアメリカで1位になった日付です。

"I Want To Hold Your hand" (1964年2月1日)
 アメリカのチャートで1位を取るまではアメリカに行かないとブライアン・エプスタインに言っていた。パリ滞在中に"I Want To Hold Your hand"が1位になったことを電報で知ってみんな飛び上がって遅くまで騒いだ。これでアメリカに行けると思った。

"Love Me Do" (1964年5月30日)
 ビートルズの初期の曲は後期に比べてシンプルだった。これもビートルズの良いところだ。初期の曲はmeとかyouとかいう言葉で臆面もなく直接的にファンに向けられていた。Love Me Doは当時が呼び起こされて好きだという人もいる。(曲がシンプル過ぎて面映ゆいが)1位を取ったんだから文句は無い。

ジョージ・マーティンはビートルズのような音楽的素養を持たない人々を相手したことが無かった。
だからリンゴ・スターをプロっぽくないと判断して、リンゴをタンバリンに押しやった。それが長くリンゴを傷つけることになった。ビートルズの他のメンバーはアンディ・ホワイトがリンゴより優れているとは思えなかったが、大人に従うしか無かった。

"Eight Days A Week" (1965年3月13日)
"Out There"ツアーのオープニングにこの曲を演奏するのを見て「ビートルズのクラシックで開演」と評する人がいるが、クラシックだとは思っていない。ビートルズが書いた最も賢い曲とは言わないが、生きる歓びを具現している曲だ。
何よりタイトルがいい。(タイトルはリンゴが考えたというのが定説だが実際は)自分がジョン・レノンの家に行く車の中で運転手が発した言葉で、それをタイトルにすることをひらめいてその後の1時間で書き上げた。
"Hold me, love me"という直接的なフレーズは当時は斬新だった。抑圧されていた親の世代と違って、自分達は血肉の通った若い男だった。頭の中は女の子のことで一杯だった。

"Help!" (1965年9月4日)
ジョンの家で二人で書き上げたこの曲はその場でジョンの当時の妻シンシアと友人のジャーナリストに聴かせた。満足行く出来だった。
ジョンはいつも助けを求めていた気がする。彼が3歳の時に父親がいなくなり、その後一緒に住んでいた叔父さんが死に、実母も死んだ。ジョンの人生は助けを求める叫びそのもだったと思う。

"We Can Work It Out" (1966年1月8日)
(当時の恋人ジェーン・アッシャーとの喧嘩について歌ったと言われているが)当時の境遇はよく覚えていない。横柄な歌詞に聞こえるかもしれないが、普遍的に男が女に対して言いたい台詞だ。
(12時間という当時としては異例に長いレコーディングとなったが)複雑な曲では無かったが自分の曲だったから神経質になったんだと思う。理想形がイメージできているのにその通りになっていなかったらやり続けるしかない。

"Paperback Writer" (1966年6月25日)
 それまではスモーキー・ロビンソン&ミラクルズやフィル・スペクターに影響を受けていたがこの時はビーチボーイズに影響を受けていた。"Paperback Writer"はビーチボーイズへの返礼のようなものだ。「Paperback」という言葉が好きだった。
(「Frere Jacques」というコーラスが入っている理由)良い質問だが何故かはわからない!面白そうなアイデアを試すことに躊躇が無かった。

"Penny Lane" (1967年3月18日)
 ペニーレインにはジョンと自分がお互いの家に行き来するためのバスターミナルがあった。
歌詞で歌われている内容は基本的に事実だ。看護婦が売っているのを子犬(puppies)と勘違いしている人が多いが、花のポピー(poppies)だ。
バッハのブランデンブルグ協奏曲で鳴っていたピッコロ・トランペットに興味を持って街一番の演奏者を招聘し、フレーズを書き与えた。とってもマジカルだった。

"Hey Jude" (1968年9月28日)
両親が離婚したジュリアン・レノンへ会いに行く途中に"Hey, Jules, don't make it bad"という言葉が思い浮かんだ。Hey Judeは希望の歌だ。ジュリアンについて歌ったのは最初の一文だけだ(編注:ジョン・レノンはこの曲のYouを自分のことだと思っていたらしい。実際ポールは誰を想定していたのかはこのインタビューでも明かされなかった)。
Carouselか何かのミュージカルの中で「Jude is dead」か何かのフレーズを見たのを元に「Hey Jude」と変えた。その時はJudeがドイツ語の「ユダヤ人」という言葉に音が似ていることに気付かず、混乱を招いた。そのことで怒りを買った。

2015年11月12日木曜日

ビートルズ3人目のドラマー アンディ・ホワイト死去

ビートルズデビュー直前1962年9月のレコーディングでリンゴ・スターの代わりにドラムを演奏したアンディ・ホワイトが2015年11月9日にアメリカ ニュージャージーで亡くなりました。85歳でした。ピート・ベスト、リンゴ・スターに続く、ビートルズの演奏に正式に参加した3人目のドラマーです。「5人目のビートルズ」を語る際には必ず名前が挙がります。
Andy White, early Beatles drummer, dies aged 85 (BBC)
Scottish session man played on Beatles breakthrough single Love Me Do and many other hits (Team Rock)
Andy White, drummer - obituary (The Telegraph)

ビートルズ加入直後のリンゴ・スターの演奏に不満だったジョージ・マーティンが彼を招聘し、1962年9月11日にLove Me Do、P.S. I Love You、Please Please Meをレコーディングしたと言われています。個人的にはHow Do You Do Itもアンディ・ホワイトが演奏していると思っています(以前の投稿を参照ください)。


ビートルズ以外ではトム・ジョーンズの「It's Not Unusual」

ルルの「Shout」

への参加が有名です(諸説あります)。
Love Me Doのイギリスでの初版こそリンゴが演奏したバージョンが使用されましたが、以降出回っていたLove Me Doはアンディ・ホワイトが演奏したものです。同バージョンではリンゴはタンバリンを演奏しています。

ピート・ベストとアンディ・ホワイトのツーショット↓
2011年にLove Me Do を演奏するアンディ・ホワイト↓

2012年のアンディ・ホワイト

Scots percussionist paid fiver for playing drums on Beatles' debut single Love Me Do (Daily Record)