2015年5月27日水曜日

詳報 2015年ポール・マッカートニー日本武道館公演 (4)

※2017年4月25日日本武道館公演については→こちら
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ポール・マッカートニー日本武道館公演詳細レポート第4弾、本編終了までです。薄れゆく記憶との戦いになっています・・・。

49年ぶりの再会

「ちょっと聞きたいことがあるんだ。今夜ここにいる人の中でビートルズの最初の武道館公演に来た人、いる?」 (とりあえず「イェー」という観客多数)「そんなに沢山!?」(気を取り直して)手を挙げて見せて」客席でちらほらと手を挙げる人たち。今度は本当だろう。自分のすぐ前にも一人いた。
ステージに降り注ぐ照明が目に入り込まないよう手をかざしながらその様子を感慨深げに見るポール。笑顔がこぼれる。「やあみんな、また会えたね。久しぶり」手を振るポール。手を挙げてない人も拍手して49年ぶりの再会を祝福している。
このやり取りを見て思ったこと。
  • カンペを読まないと「武道館」のイントネーションが「ドカン」になる
  • 質問の意図が伝わるよう、ポールは英語の文法や発音を簡単にしようと心掛けていた
  • MCで「ビートルズ」と発言するのは珍しい気がする(「ウイングス」はあるが)
  • ポール自身、再会に感激しているようだった
「オーケー、では・・・この曲は・・・」
「ツギハ セカイハツコウカイ」客席からの拍手に満足そうなポール。
 今回の日本ツアー初日「Hope for the Future」演奏前と同じフレーズだ。同曲を演奏すると考え、「おいおいそれを言うなら武道館初だろ」と心の中でつっこんだ観客もいただろう。
 「うまくいくといいんだけど」

Another girl ※世界初披露

曲を認識→歓声を上げる→「アナザーガール」と一緒になって歌う を3秒間のうちにこなす今日の観客の反射神経には感服した。ビートルズ曲イントロクイズで勝負したくなった。
日本武道館とはゆかりが無いように思えるこの曲を今日初披露しようと思った理由はわからないが、強いて言えば今年が発表50周年ということか。サビの1回目の高音部はキツそうだったが2回目は無難にこなしていた。他の部分は低い音が多いので今のポールに合っていると思う。それもこの曲を選んだ理由だろうか。
曲の終わりを告げるラスティ・アンダーソンのリードギターはしっかり弾けており、ポールも満足そうにラスティを指さして親指を立てていた。このリードギターは原曲ではポールが弾いているのでラスティは余計にプレッシャーを感じたと思う。
「アリガトー ブドーカン」あえてそれ以上は口にせずすぐ次の曲の演奏を始めた。

Got To Get You Into My Life ※久しぶり

立て続けにサプライズ選曲。これまでOut Thereツアー(2013年~)では演奏されていなかった。幻の1980年ウイングス日本公演の1曲目であったであろうこの曲。ポールがそれを意識して選曲したとすればビートルズ日本公演よりウイングス日本公演の再現を重視したことになる。一説にはこの曲はマリファナのことを歌った(You=マリファナ)らしい。そいつのせいで日本でつらい思いをしたわけなので、今日この曲を高らかに歌うのは意趣返しとなったかもしれない。
ポールはイントロで手拍子を要求し、観客もそれに応える。サビのところは今日一番大きな声で歌っていたように思う。ポールのシャウトも軽快で、2010年代版ポールによく合っている。歌詞間違えなど物ともせず歌いきった。
「サンキュー」

Being For The Benefit Of Mr. Kite!


「オーケー、サンキュー、次の曲はサージェント・ペパーのアルバムから『フォー・ザ・ベネフィット・オブ・ミスター・カイト』」
サプライズな2曲と引き換えにAll Together Now、Lovely Rita、Eleanor Rigbyがごっそりカットされているが、元々この辺りは中だるみしていた感があるのでステージの流れにスピード感が出てかえって良かったと思う。それらをカットするならこの曲もカットしてくれ、という方もいそうだが、ビートルズのベーシストとして最盛期を迎えた頃のフレーズを堪能できるこの曲は個人的には見逃せない。今日演奏した中では最も複雑なベースを弾いていた。
レーザー光線の演出は狭い空間に凝縮されてより迫力があった。
「サンキュー、サンキューベリーマッチ、オーケー、では・・・」


Ob-La-Di, Ob-La-Da

観客が主役になる曲。「イッショニ ウタオウヨ」とポールに言われれば精一杯歌うしかない。
「この曲は僕たちと一緒に歌ってね」(観客「イエー」)「みんなきっと上手だろうな」
ポールの「ウィ ラブユー」を合図に途中演奏が静かにになるところでは観客自身が会場全体の歌う声を体感できてより一体感が増した。そんな熱唱にポールも「イージャン、オー、イージャン」と高評価。
「ゼッコーチョー」


Back In The U.S.S.R.

通常ならここで演奏するはずの「Band on the Run」が飛ばされた。ビートルズだけのファンよりウイングスのファンを優遇するなら欠かせない曲のはずだ。結局ポールは自分が今やりたい曲をやっているだけなのだろう。喉の負担を回避したのかもしれないが。いずれにせよ「Ob-La-Di, Ob-La-Da」から直接「Back In The U.S.S.R.」へ展開するのはクールダウンする暇を与えず盛り上がれるので好意的に受け入れたい。
2階席からはめまぐるしく変わる床の映像の上で歌い踊るポールを堪能できた。 後半「Back In The U.S.」と3回繰り返す箇所でポールは北東、南、北西と順番に指差していた。アウトロのアドリブで「Back in the BUDOKAN」と言っていたし、ここが武道館であることを噛み締めているようだった。
 「オーライ、サンキュー」「とても素晴らしい観衆だ」(イェー)「後ろの人楽しんでる?」(イェー)「左の方はどう?」(イェー)「反対側は?」(イェー)「前はどうよ?」(イェー)

Let It Be

ポールの歌や演奏はいつもよりラフだったように感じたがその分情熱的だった。ラスティのギターソロも熱かった。なお、このギターソロが毎回アドリブなのは 原曲に対するジョージ・ハリスンのアプローチがそうだったからではないか。I Saw Her Standing Thereのギターソロにも同様のことが言えると思う。
曲の冒頭で自分の手元がひとりでに暖かく光りだした。辺りを見渡すと他の観客も同じだった。その時になって思い出したがほぼ全ての座席には日本側主催者により開場前にリストバンド型LEDライト(FreFlow:フリフラ)が置かれており、着席時にそれを身につけるよう指示されていたのだった。
一括制御により一斉に光り出したフリフラ。多くの観客がその光に後押しされるように手を上げ曲に合わせてゆっくりと振っていた。ポールも気づいたようで途中「light that shines on me(私に降り注ぐ光)」という歌詞のところではピアンの左手を弾かず自分に光が降り注いでいる様子を左手のジェスチャーで示していた。
演奏後、文字通り頭を抱えるポール。「ワォ」「みんなとってもクールだ、」(裏声で奇声をあげる)「光を見た時は歌えなくなりそうなくらいびっくりしたよ」(「Let It Be」とサビの所を一瞬弾き語って驚く様子を再現) 「サンキュー、きれいだ」

2013年日本ツアー最終日、「Yesterday」で会場全体が赤いサイリウム(これも日本側主催者が用意)を掲げたサプライズのバージョンアップ版となる今回の演出。「Yesterday」の時はポールの目立った反応は無かったが今回は時間を使って驚いたことを表現してくれた。全自動で一斉に光りだしたことに驚いたのはもちろんだろうが、充分に驚いてそれを表現するだけの心と時間の余裕が今日のポールにはあったのだと思う。

Live And Let Die

曲の冒頭の幻想的な薄暗い照明の中ポールはピアノの右上に置かれていた耳栓を手にとって耳に装着した。2013年には無かったこのくだりを追加したのは耳栓を装着する時間を稼ぐためかもしれない(=以前は耳栓していなかった??)。耳栓を外すのは曲が終わった後、「キコエナイ」のジェスチャーをする前なので耳栓を付けたまま1曲演奏したことになる。
観客皆固唾を飲んで身構えていた爆発はドーム公演と同様に炸裂し、火薬の臭いは2階席まで達した。その後の炎の演出もドーム公演と同等だったようだ。なお、ドーム公演では左右と後ろのスクリーンに炎を映し出して水増ししている。
日本武道館は火気の扱いに厳しそうなので(天井の日の丸に飛び火したら一大事)爆発や炎の演出は無いか縮小すると思っていたので爆音よりそっちの方に驚いた。ポールならではの特例なのかそれとも武道館側に黙ってやってしまったのか。終盤の爆発がいつもより一つ少なかったが目撃者の証言によれば、スタッフが爆発に備えて耳を塞いでいたが不発で首をかしげていたそうなので何らかのトラブルがあったのだろう。爆発しない時も火柱は上がっていたので火薬は大きな音を出すためだけのものかもしれない。
 演奏後、ポールは北東スタンドに念入りに手を振ってからステージ中央のマジックピアノに移動した。
「サンキュー、サンキュー」「オッケー、ブドーカン」 

Hey Jude

ここまで喉を温存できていたせいか、ポールの歌い出しは今回の日本ツアーの中で最も安定していた。最後のリフレインを待つまでも無く、一緒に歌う人/歌わない人、手を振る人/振らない人、その誰もが一体となってポールを支えこの曲を神々しい領域にまで押し上げていたように思う。現地だからこそ味わえる不思議な感覚だった。
フリフラは今度は青系統に光り出した。 一つのリストバンドで複数の色が出せるようだ。途中からアリーナ席には日本の国旗、南スタンドにはイギリスの国旗が光で描き出された。席ごとに光る色があらかじめ設定されているらしい。フリフラを入場時に配布せず座席に置いていたのはこのためだ。
ちなみに、ポールへのサプライズを重視しサウンドチェック後にポールがステージを去ってからフリフラを配置したことにより開場が遅れたという説も流布されたがツアー公式ブログにはサウンドチェック時に既に配置されていたと読める記述がある。
フリフラにはこのようなことが技術的に可能&ポールがアンコール時に現地の国旗とイギリス国旗を振る、という二点から思いついた演出だろうが、労力に見合ったかは疑問だ。該当者が皆一様にリストバンドを掲げてくれないと図形にならないのに、事前に知らされていないので観客本人はその自覚が無い。ポールにこれらの光が国旗だと伝わったのか心配だ。さらに文句をつけるとすれば、いくらポールの国旗パフォーマンスからヒントを得たとはいえ、知らないうちに国旗を構成する一部にされた観客本人が国旗に対してネガティブなイメージを持っていた場合のことを考えると無邪気に楽しんでもいられない。

アリーナに日の丸、南スタンドにユニオンジャック
「ウタッテ、ダンシ」「ウタッテ、ジョシ」「ミンナデ」
曲の終盤で観客に歌わせる際のポールの指示が2013年公演では「ダンセイ/ジョセイ」だったが2015年公演は「ダンシ/ジョシ」に変わっていた。これはもしかしたらLGBTに配慮した結果かもしれない。 「ダンセイ/ジョセイ」より「ダンシ/ジョシ」の方が本人の気持ち次第というニュアンスが強いからだ。
演奏を終えるとバンドメンバーがステージ中央に整列。観客に対して一例し去って行った。
去り際にポールは「アリガトウ」
ポールの姿が消えると早速アンコールをねだる拍手が鳴りだした。

2015年5月20日水曜日

ベース・マガジン 2015年6月号特集「ヘフナーの現在に大接近!」

2015年5月19日に発売されたリットーミュージックの月刊誌Bass magazine(ベース・マガジン) に「由緒正しき“あの”ルックス&サウンド ヘフナーの現在に大接近!」が掲載されています。
http://www.rittor-music.co.jp/magazine/bm/

カラー12ページの特集です。500/1モデルの変遷を中心としたヘフナー社の歴史、現行モデルの解説、ドイツ工場生産マネージャーインタビュー、根岸孝旨さんによる現行モデル試奏、と丁寧に構成されています。
左利き以外の現行モデル全てを正面側と裏側の写真と共に仕様のポイントを説明しています。500/1モデルのナット幅がビンテージ40mm、現行品42mmであることに言及しているのには感心しました。2連ペグについて取り上げているのにビンテージのつまみは現行品よりも小さいことに触れていないのは残念でしたが。
生産マネージャーのインタビューで印象的だった500/1モデルについての発言を以下にまとめます。
  • コントロール部分のパーツは現在入手できるものを使用しているが、基本的な回路構造やサウンドは変わっていない。
  • ダイアモンド・ロゴとステイプル・トップ、2つのピックアップの内部構造は似通っているが、ダイヤモンド・ロゴは出力を抑えている、ステイプル・トップは弦ごとに出力バランスを変更できる、という点が異なる。
  • 2つのピックアップ(フロントとリア)が当初接近していたのは、ウッドベースのようなサウンドを出すため。その後リア側をブリッジ寄りに移動したのはよりトレブリーにモダン・サウンドを作り出すため
  • WHP(World History Premium) 3rdの2つのピックアップがさらに離れているのは日本からの特別な指示。さらにWHP 3rdはピックアップの出力を抑えてある。
ヘフナー社自身はポール・マッカートニー使用器に似せることにあまりこだわっておらずWHPは日本に言われるがままに作っているような印象を持ちました。どうせならさらに日本側から指示して4thエディションを期待したいです。ナット幅、ベグのつまみの大きさに加えて、ネックのR(アール)、ヘッドの形状、ロゴの大きさと位置など、まだまだこだわる箇所はあります。
なかなかこのような特集が組まれることはありませんし、掲載されている写真もきれいなのでヘフナーベースに興味がある方は同誌を入手しておくことをお勧めします。

2015年5月19日火曜日

ジョージ・ハリスン使用ギター3年連続高値で落札

ジョージ・ハリスンが1963年夏の一時期ライブで使用していたギターが2015年5月15日ジュリアンズ・オークションズ主催「Music Icons Auction」で485,000米ドル(約5800万円)で落札されました。落札者は明かされていません。

当時のメインギターだったカントリー・ジェントルマン修理時の代替器として借りていたMATON MS-500で、ジョージがライブで使用している写真が残っています。
ジョージはその後律儀に返却し 他の人が同ギターを買いましたが、所有者の死後2002年になってオークションに出されました。2006年にも再び売りにだされ、その時は16万米ドル程度の落札価格でしたので、約10年で価格が3倍に跳ね上がったことになります。

この「Music Icons Auction」は毎年恒例となっており、2013年にはジョン・レノンとジョージ・ハリスンが弾いたギターが約4,200万円で落札されました。詳しくは別記事をご覧ください↓。

ジョン・レノンとジョージ・ハリスンが弾いたギター 4200万円で落札される

2014年にはジョージ・ハリスンがアメリカで自ら購入したRickenbacker 425が出品され、657,000米ドル(約6,700万円)で落札されました。

近年の3本の出品物の中では最も高値となりました。これは、テレビ出演時に使用したことや「I Want To Hold Your Hand」「This Boy」のレコーディングに使用した説があることが影響していると思われます。
 
 近年、この楽器をジョンも弾いていたことが知られるようになったのでそれも高値に影響しているかもしれません。

2015年5月18日月曜日

B.B.キング死去 ビートルズとの関係

「ブルースの王様」B.B.キングが2015年5月14日に亡くなりました。89歳でした。1971年のアルバム「B.B. King in London」にドラムで参加したリンゴ・スターは追悼ツイートしています。
B.B.キングとリンゴ・スター
中央にB.B.キング、左奥にリンゴ・スター、間でベースを弾くのはクラウス・フォアマンか
リンゴが参加した楽曲のうちの一つ。ベースはクラウス・フォアマン↓
B.B.キングはリンゴのリズムキープの正確さに感心していたそうです。
B.B.キングは2014年に発売されたポール・マッカートニーのトリビュートアルバム「The Art Of McCartney」に「On The Way」で参加しています。ポール・マッカートニーとは死亡替え玉説が流れたという共通点があります。

ジョン・レノンはB. B. Kingにあこがれと共に劣等感を抱いていたようで「彼のようにギターが弾けたらよかったのに」などの発言が残っています。ビートルズの「Dig It」にはそのものずばり「B.B. King」という言葉が登場しています。ここでB.B. キングの名前が出たのは彼の死亡替え玉説が念頭にあったからという説もあります(「Dig It」=墓を掘りおこして真実をあばけ??)。
 
B.B.キングの音楽がビートルズに与えた直接的な影響は無いようですが、それはビートルズが真似したくても真似できない本物の領域だったからだと思います。

2015年5月15日金曜日

詳報 2015年ポール・マッカートニー日本武道館公演 (3)

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ポール・マッカートニー日本武道館公演詳細レポート第3弾、中盤のしっとりパートにさしかかりました。カタカナで日本語を表記したMCはポールが発言したそのままです。英語のMCは聴き取れる範囲で意訳しました。


I've Just Seen A Face

すっかりおなじみとなった鉄板フレーズ「チョーサイコー」をここで繰り出した。前半の山場を越えここからが中盤戦。この辺から声の調子が上がってくるのが今回の日本ツアーの特徴だ。
観客も上級者が多いようでこの曲はテンポが速いながらも裏拍の手拍子が表にひっくり返らずついていっている。ドームに比べ音の反射が少ないので惑わされにくいせいもあるだろう。
演奏を終えたポールは手と足を大きく振ってコミカルに踊った。これはこの曲によく見られる行動で、四股というわけではないだろう。
「オーケー、乗ってるかい?」「ノッテルカイ?」「同じ意味かな」個々の歓声に応えて「イェッ!」「アーッ」「アーッ」とシャウトし、再びビートルズ武道館公演の観客の拍手の形態模写を2回。今日はドーム公演より進行がのんびりしている。

Another Day

今ツアーは一貫してこの曲の歌の出来が良い。中盤のハイライトと言えるかもしれない。
ライブ演奏のための編曲には時間がかかっただろう。本来キーボード担当のポール・ウィッケンスがアコースティックギターで活躍しており、特定のフレーズでは必ずスクリーンに大写しになる。今日も小型スクリーンに映されたかは未確認。
これまでの公演ではラスティ・アンダーソンがこの曲のトリッキーなエレキギターのフレーズを持て余している様子があったが今日はのびのびと演奏していた。
「アリガトー」
演奏後小ぶりな楽器を抱えてステージ中央に戻ってきた。ここでウクレレか?
「オーケー、今夜はパーティーだからパーティーソングをやるよ」

Dance Tonight ※日本初披露

抱えていたのはウクレレではなくマンドリンだった。
イントロが始まった瞬間大きな歓声とバスドラムに合わせた手拍子に会場が包まれる。多くの人がこの曲を知っているようだった。実際、New以前の直近の曲としては日本で最も有名だろう。当時iTunesのCMが印象的だった。
何故ここでこの曲だったのか想像するに、ジョージ・ハリスントリビュートとしてのSomethingを今日は演奏しないことは決めていたものの、セットリストの流れ上ウクレレか何かの飛び道具で雰囲気を変えたい気持ちは残り、この曲が思い浮かんだのだと思う。
2000年代に作られた曲だけあって今のポールの声によく合う。ポールはビートルズ時代から現代に至るまで声が変わり続けているがその時々の自分の声が最も映える曲作りをしているように思う。Out There ツアーでは最新アルバム「New」収録曲の歌が最も安定していると感じる人も多いだろう。
 この曲の歌詞に内容はほとんど無く、お気に入りの「You can do anything you want to do」フレーズを使いまわしているがなんとも多幸感に溢れている。ポールの生口笛を聴けることに感激した観客も多そうだ。
曲終了後に「オーケー、良かった?(This is good?)」と珍しくリサーチしていた。演奏前にわざわざ必然性を説明していたのも「たまにはこんな曲なんてどう?」と客を試しているようだった。
結果はポールの予想を上回る好反応だったに違いない。「ヤー、ヤー、トーキョウ、ブドーカン、ヤー」と満足そうにうなづきながら話した。「観客は常に有名ビートルズナンバーを求めている」という先入観をポールが持っているとしたらこれを機に認識を改めて欲しいものだ。
アコースティックギターをアドリブで爪弾くポール。今回の日本ツアーではこの行為(演奏前後に楽器を爪弾く)が多いように思う。

We Can Work It Out

ポールの歌は伸びやかだった。この曲の観客にとっての醍醐味といえば、サビでジョン・レノンのパートを歌って、というかジョンになりきって、ポールとハモることだろう。
どの国でもそうだろうから、一度バンドメンバーはハモるのやめて観客に任せても良いと思う。
三拍子になるところの手拍子も観客の腕の見せ所。
「ボクノ ニホンゴ ダイジョウブ?」 これに観客はイェーと応えたので大丈夫なのだろう。

And I Love Her

今ツアーではなんとなく通り過ぎてしまうが、なんとなく印象に残る一曲。間奏で後ろを向いてのポールのダンスは前回の来日時よりしなやかになっている気がする。
「サンキュー、アンド・アイ・ラブ・ハー」
演奏後バンドメンバーがステージを去って一人になるポール。
「ちょっと待って。周りを見てみたい。」
ゆっくりと八角形の会場全体を見渡すポール。ポールの視線の動きに合わせて観客の歓声が上がる位置も動く。この瞬間は会場の多くの人がポールと一対一で心を通わせたと感じたと思う。
ポールは感慨深そうに微笑んで「絶景」とつぶやくと演奏を始めた。

Blackbird

今回のここまでのドーム公演では間違いなのかアレンジなのか判断つきにくい演奏が多かったが今日はどっしりとした演奏。ステージがせり上がるギミックは無いので、リラックスして内省的に演奏していた印象だ。スキャットも多めで気持ちよさそうだった。原曲の鳥のさえずりを真似た口笛が客席のそこかしこから聞こえた。
演奏後マジック・ピアノに移動したポール。この様子だとジョン・レノンへのトリビュートとなるHere Todayは演奏しないのだろう。ジョージのトリビュート曲も演奏しないだろうからあまりしんみりとした雰囲気にしたくないのだろうと思った。今夜はパーティーなのだ。
椅子に座ったポールはBlackbirdの歌詞をそのまま引用して観客を煽った。「この瞬間をずっと待ってたんだろう?」「自由になるときを!」「立ち上がるときを!」「レッツゴー!」  最後の「レッツゴー」は収集つかなくなって取ってつけた感があった・・・。
「オーケー、最新アルバムからの曲"NEW"です。」

New

2013年以降頻繁に耳にして正直食傷気味だがやはり佳曲。安心して聞いていたが終盤でポールがミスをしたことに気づいた。最後の繰り返しに入る前だけ「Then we were new.」を歌うタイミングをずらすべきところを通常通り歌ってしまったのだ。曲の構成上同じ箇所も登場するごとにアレンジを加えるのはポールの常套手段だが、自分がしかけたトラップに自らハマったかっこうだ。
そのまま演奏は終わったが、終わるや否やたたみかけるようにポールが話しだした。
「サンキュー、ちょっといい?最後の一節だけやり直させて。失敗しちゃったんだ。(バンドメンバーに向かって)用意はいいかい?」(用意がいい観客:「イェー!」) 「"Don't look at me"からやるよ。ア、1,2,3,4」
先ほど間違えた箇所を噛みしめるように確実に歌い、2回めの演奏終了。ポールは恥ずかしそうに「オーケー」といい、マジック・ピアノに肘をついてしばしポーズ。その後は観客に対して拍手をしてそそくさと定位置に戻った。「うまくいったね」「オーケー、みんなありがとう」照れくさくて早く次へ進みたがっているように見えた。
今日の様子は後日放送されることをポールも事前に把握していて、何事も無かったかのように1曲に編集されることを期待してのやりなおしだろう。 ここは放送時の注目ポイントとなる。
「オーケー、これは1960年代の曲です。たぶん君たちも覚えていると思う。」
ということは「New」とセットで演奏されていた2013年の曲「Queenie Eye」がカットされた。コンサートでの演奏が定着してきたところだったので少々残念な気がする。今日の観客であれば「OUT!」の掛け声は勢いがあっただ ろう。この時点で最新曲「Hope for the Future」も今日は演奏されなかったことに気づいた。プロモーションや新奇性より今やりたい曲を優先したと言ったところだろうか。「Hope for the Future」は壮大過ぎるのもカットされた原因かもしれない。

Lady Madonna


もはやビートルズというよりポールの曲となっている。ウイングス時代も演奏していたのでビートルズ色の薄い、自分の代名詞のような曲だと感じているのではないか。ビートルズ時代から歌詞やメロディも少し変化している。
得意な曲を無事に演奏し終わって満足しているように見えた。
「サンキュー、アリガトー」

2015年5月14日木曜日

日韓公演を終えたポール・マッカートニー アメリカで活動再開

Out There in ASIAを終えたポール・マッカートニーは2015年5月3日早朝に韓国を飛び立ちました。一週間も空けずにフロリダから活動を再開しています。
5月9日の夜、ウィンター・パークの200名も入れば満員のクラブに現れたポール・マッカートニー、ここでは妻ナンシーの息子がロリンズ・カレッジを卒業することを記念するパーティーが行われていました。
そこで演奏していたのはナンシーが1年前に直々にオファーした地元のバンドPhase5。普段は結婚式のパーティーなどで演奏しているそうです。Phase5のボーカルJosh Walther(33歳)はナンシーとの事前打ち合わせの際に、ナンシーが音楽機材について詳しいのを不思議に思って理由を尋ねると、自分がポールの妻であると明かしたそうです。ナンシーは「ポール・マッカートニーを知っている?」と質問し、もちろんだと答えると「リアーナ、カニエ・ウェストとの曲のせい?」と聞いたそうです。これはジョークなのでしょうか・・・。

パーティー当日、Phase5の演奏にノリノリで踊っていたポールは彼らの演奏が一段落したとき、一緒に演奏しないかと声をかけてきたそうです。I Saw Her Standing Thereをやりたがったポールでしたが、あいにくPhase5のレパートリーではありませんでした。それに対してがっかりしたように見えたポールでしたが、気を取り直してブルース進行でのアドリブセッションを提案してきました。この話はまとまり、Phase5の演奏をバックにハンドマイクを持ったポールは卒業をテーマにした曲を歌いました。

結局、I Saw Her Standing Thereもネットから楽譜を入手してなんとか演奏したようです。この様子は一斉に報道されました。

Watch: Paul McCartney Performs At College Graduation Party ※別アングルの映像あり
Tampa wedding band Phase5 jams with Sir Paul McCartney (w/video) ※最も詳しい


翌日のロリンズ・カレッジ卒業式に出席した後、ニューヨークへ移動したポールは5月12日に開催されたRobin Hood Foundation's annual benefitに出演しました。これは富裕層による貧困層のための財団、ロビンフッド財団主催のチャリティーイベントです。

ジミー・ファロンと握手を交わした後、財団の名前にちなんでイギリスのテレビ番組"The Adventures Of Robin Hood"のテーマソングを歌うポール↓

日本ツアーでは演奏しなかったI'll Follow the Sunを歌うポール。ギターソロを弾き間違えたラスティ・アンダーソンを思わず見ている。↓

Another Girlを「アメリカ初公開」ともったいつけるポール。ジョン・ハメルとの「もっとやれ」寸劇は珍しくベース→ピアノ交換の際にやるので今一つ伝わらない↓

PAUL MCCARTNEY PLAYS PRIVATE CONCERT FOR EXECS, STARS (AP)
The Robin Hood Gala Raised a Record $101 Million in a Single Evening (Bloomberg)

 いつものバンドメンバーで2時間たっぷり演奏しました。セットリストは日本武道館公演を彷彿とさせます。日本武道館公演での感触が選曲に影響したと考えられます。
以下、当日のセットリストを日本武道館公演と比較してまとめます。

青字:日本武道館公演で演奏しなかった曲
赤字:日本ツアーでは日本武道館でだけ演奏した曲

Jet
Got to Get You into My Life 
Save Us
All My Loving
Let Me Roll It
Paperback Writer
My Valentine
Nineteen Hundred and Eighty-Five
The Long and Winding Road
Maybe I'm Amazed
I've Just Seen a Face
I'll Follow the Sun ※2015年日本ツアーでは演奏しなかった
We Can Work It Out
Another Day
And I Love Her
Blackbird
Here Today
New
Lady Madonna
Can't Buy Me Love
Eleanor Rigby 
Something
Ob-La-Di, Ob-La-Da
Band on the Run
Let It Be
Hey Jude

Another Girl 
Birthday 
Golden Slumbers / Carry That Weight / The End

※日本武道館公演で演奏してこの日演奏しなかった曲 One After 909Dance Tonight、Being For The Benefit Of Mr. Kite!、Live And Let Die、Yesterday

2015年5月11日月曜日

詳報 2015年ポール・マッカートニー日本武道館公演 (2)

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ポール・マッカートニー日本武道館公演詳細レポート第2弾、いよいよ開演までたどり着きました。ここからは全曲感想と全MC網羅で行きます。カタカナで日本語を表記したMCはポールが発言したそのままです。英語のMCは聴き取れる範囲で意訳しました。
当初全3回の予定でしたがもう少し長くなりそうです・・・。
ポール・マッカートニー登場

ポール登場

暗闇の中から普通にポールが歩いてステージにやって来た。ドーム公演であれば、まずはアリーナ前方の観客がポールの登場に気づき歓声を上げる→少し間を置いて両脇のスクリーンにポールが映し出され会場全体が盛り上がる、という演出だが、今回はスクリーンは無くそもそもポールが登場した瞬間にほぼ全ての観客がそれを視認するので会場全体の興奮が一気に頂点に達した。この感覚は鳥肌ものだった。
衣装のデザインはドーム公演と同じだがジャケットの色は初となる深緑だった。ビートルズ日本公演のダブルのジャケットへのオマージュと見るのは考え過ぎだろうか。今回のツアーで特徴的なこぶしを突き上げるポーズで報道カメラの需要に応えたあと、ポールは斜め後ろとなる北東や北西にも念入りに手を振る。ドラムのエイブがハイハットを刻み出し、一旦エイブの方に向いたポールは踵を返して歌いだした。

1曲目予想

ポール武道館公演が決まった時からオープニングに演奏される曲は注目の的だった。ビートルズ日本公演1曲目のRock and Roll Musicと予想(願望?)する人も多かったが、さすがにジョン・レノンボーカルのカバー曲を1曲目に演奏するとは考えにくいし、ポールもそこまで大衆に迎合しないだろう。2015年ドーム公演の基本形と同じMagical Mystery Tourということは無いだろうが、空気を読まない(読む気が無い?)ポールのこと、Eight Days a Weekということは充分ありうる。
2014年来日時にバンドメンバーのブライアン・レイがダブルネックのギターを持ち込んでいたらしく、武道館公演ではVenus and Mars - Rock Showのメドレーを演奏する予定だったのではないかという憶測が流れた。この曲名を冠した記録映画「Rock Show」は日本でも人気があり(今回の来日中もリバイバル上映)、ウイングス全盛期の1975年に来日公演が夢と消えた日本にとっては特別な曲である。是非演奏して欲しかったが、今日ステージ上のブライアンは普通のギターを持っておりこの可能性は消えた。
 ビートルズ日本公演を意識した選曲であれば、当時も今も演奏しているDay TripperやPaperback Writerは充分あり得る。Paperback Writerならポールはエピフォン・カジノのギターを持っているはずだが今ステージ上にいるポールはヘフナーベースを抱えている。この布陣でPaperback Writerを演奏したらすごいことだが、それは無いだろう。
あるいは1980年幻のウイングス日本公演の1曲目だったであろうGot To Get You Into My Lifeか。これは今日のサウンドチェックでも演奏していたので一気に確率が高まった。
会場が注目する中、1 2 3 4 1 2 3と口でカウントしたポールが歌い出したのは・・・

Can't Buy Me Love

今回の日本ツアーを特徴づけるこの曲だった。昨年までのOut Thereツアーでは演奏されなかったが、今回の日本ツアーでは登場箇所は異なるものの結局5公演全てで演奏したことになる。武道館公演の1曲目となったことで、今回の日本ツアーはCan't Buy Me Loveと共に語り継がれることになるだろう。歌から始まるこの曲は1曲目として効果的で会場は瞬時に盛り上がった。この曲を選んだのはポールが今日のショーを仰々しくしたくないという思いの表れのように感じた。

ポールの第一声は「コンバンハ、トーキョー」「ブドーカンヘヨウコソ」「今夜は楽しもうぜ」
「ブドーカンヘヨウコソ」 という言葉を聞いて、多くの人は以下のいずれかを感じたと思う。
  • 「ブドーカン」のイントネーションが改善している
  • ポールが自宅に招いてくれたような温かい気持ちになる
  • 「ようこそ」と言うべきは自分たちの方だ。よくぞ来てくれた
  • 「ライブハウス武道館へようこそ」という言葉を思い出した
 最後はまさにそうで、過度な演出や装飾が無くむき出しの演奏に会場全体が接し、その反応をポールも直に感じとっているだろう様子がライブハウスのようだと思った。
今日はどんな奇想天外なセットリストになるだとうとワクワクしているところに始まった2曲目は・・・。

Save Us

Out Thereツアーの2曲目と言えばこの曲。この時点で少しがっかりした人も多いだろう。やはり今日もツアーの一環なのだと。
 2曲目にはふさわしい小品だと思うが、いかんせんイントロのギターのフレーズがダサい。アルバム「NEW」に収録されている元曲では無機質な感じがしてしっくりくるのだが、ライブでのラスティ・アンダーソンのギターは熱すぎて気恥ずかしくなってしまう。歌い出しのメロディは動きが激しく難しそうで、今日も少し失敗していた。このように問題も多いと感じられる曲だが、テレビ報道では必ずと言っていいほど取り上げられる(ライブの冒頭2曲が報道用に公開される決まりらしい)ので慣れてしまった。
歌い終わって会場を一周見渡すポール。
「サンキュー、アリガト、サンキュー」「ヒサシブ(ル)、ヒサシブリ、ブドーカン」「ここには僕にとっても良い思い出がたくさんあるよ」「今夜ここで楽しいひと時を過ごす準備はいいかい?」(観客「イェー!」)「準備はいいかい?」(観客さらに大きく「イェー!」)「(笑って)いい感じ!」
通常ではこの後Can't Buy Me Loveだが今日はもう演奏してしまった。果たして・・・。

All My Loving

2013年日本公演の3曲目で、今回も東京ドーム2日目で演奏したこの曲。妥当だろう。ステージ床の映像が自分の席からよく見えた。
日本武道館はドームに比べて音の輪郭がはっきり聴こえており、ボーカルのニュアンスやベースの動きがよくわかる。歌はまだエンジンがかかっていないようだが、間奏前には「オーライ」と言うなど気分は乗っているようだ。Get Backが演奏されなくなったことにより、ブライアン・レイがギターソロを弾く数少ない曲の一つとなっている。
 「サンキュー、オーケー、オーケー」「さて、今日は古い曲、新しい曲、中くらいの曲も演奏するよ。次は古い曲、ジョンと一緒に曲作りを始めた頃の曲だ」

One After 909

ビートルズのアルバム「Let It Be」収録バージョンを参考にしているが、テンポは遅く重みが増したアレンジ。ドーム公演では演奏しておらず今日1つめのサプライズ選曲となった。
今日のライブは今年のバレンタインデーにニューヨークで突如行われた小規模ライブ(24曲演奏)が参考になると思っていたのでその時にも演奏していたこの曲が今日演奏されることにさほど驚きは無かった。4月25日東京ドームでのサウンドチェックでも演奏されていたのでなおさらだ。
この箇所は通常ではJetを演奏していた。 それをこの曲に差し替えたのはライブの雰囲気をコンパクトにしたかったのと喉の負担を減らしたかったせいだと想像した。JET!の観客の叫びは盛り上がっただろうからそこは少し残念だったが、これはこれで良いと感じる。
いつも通り4曲目の演奏後にジャケットを脱ぐポール。昼間の夏日のせいだけではないだろう、会場の熱気がすさまじく、ここで自分も上着を脱いだ。レスポールを持つポール。やはり次はあの曲か・・・。
「今夜は素晴らしい観客だ」「準備はいいかい?」(観客「イエー!」)「知ってた」

Let Me Roll It

多くの人の想像通りこの曲を演奏した。決して人気が高い曲では無いのだが1993年にツアーで披露して以降頑なに演奏し続けている。観客も慣れたもので、ここで一息ついて写真を撮り始める人が多かったように思う。
 「ナツカシー」「(歓声に対して応えて)イェー!聞こえてるよ」「オーケー」「ここに戻ってこれて嬉しいよ」「ずいぶん変わったものだ。今の観客は『クレイジ~!』って感じだけど、当時の観客はお行儀よく拍手するだけだった(拍手の形態模写×3)それも素敵だったけどね」
唐突な 「ナツカシー」には観客も一瞬反応が遅れたように思う。ポールがそんなことを言うとは想像していなかった。リップサービスでは無く、ビートルズ武道館公演の事は実際に覚えているのだろう。
今日は大型スクリーンが無い、すなわち日本語翻訳字幕も無いので、ポールも開き直って自由に英語を話しているように見える。これまでのところ英語のMCについてこれていると思ったのかもしれない。進行に足かせが無いのは歓迎すべきことだ。
ここでエピフォン・カジノのギターに持ち替えて・・・

Paperback Writer

ビートルズ日本公演でも演奏した曲。その点について言及は無かった。「今日はマイクスタンドの調子がいいね」とでも言えばサイコーに盛り上がったと思うがポールはそもそも当時のセットリストを認識しているだろうか。いつものお約束の「このギターはこの曲のレコーディングに使用した」というMCも無かった。今日はバンドメンバーのコーラスが良く聞こえる。最後はいつも通りわざとギターをアンプに向けてフィードバック音を発生させていた。
グランドピアノに移動したポール。
 「オーベイベー」「ブドーカン!」「ツギノウタハ オクサン ナンシー ノ タメデス」「今夜この歌を君に捧ぐよナンシー」

My Valentine

ドーム公演では定番のトイレタイムだが、今回はあまり席を立つ観客はいなかったように思う。この曲に理解を示している人が多かっただろうし、高いチケット代の元を取るべく一瞬たりとも見逃さないと考えた人もいるだろう。武道館のスタンドは急斜面で席も狭く、移動するのがはばかられただけかもしれないが。
イントロでは気持ちよさそうに「イェイェイェ」アウトロではしみじみと「マイ バレンタイン」とつぶやくポール。今日はこのようなアドリブが多い。気持ちが乗っている証拠だろう。
2011年作なので現在のポールに見合った曲として安心して聞けた。スクリーンが無いのでジョニー・デップとナタリー・ポートマンの豪華な映像が流れることも無く、会場全体が歌に集中していた。
「サンキュー オーケー」「次はウイングスファンのための曲です」

Nineteen Hundred and Eighty-Five

Out Thereツアーで再評価された1曲。少なくとも自分にとってはそうだ。作曲当時10年以上未来だった1985年の事を歌っていて、それが既に現在から30年前の過去というややこしい構図だが、古さを感じさせない曲でメンバー全員が演奏に興奮している様子が伝わってくる。とくに終盤のギターソロが圧巻で、ギターが火を吹くとはこのようなことを言うのだろう。
「サンキュー、サンキュー、サンキュー」 「次の曲はリンダのために書きました」
普段ならここでThe Long and Winding Roadのはずだがカットされようとしている。この時点で今日は今年のバレンタインデーのライブのように短縮セットリストになることを確信した。その時もThe Long and Winding Roadは演奏されなかった。

Maybe I'm Amazed

もはやポールにとっては行(ぎょう)、観客にとってはポールの声の調子をはかる試金石となっている曲だと思う。この曲を歌い続けることでポールは死別した妻リンダを忘れないことの証としているのか、リンダの供養になると考えているのであろうか。それほどの悲壮感と使命感を感じさせる。そんな曲を歌うことを許している現在の妻ナンシーの懐の深さに敬服するが、My Valentineとセットで演奏することが条件になっているのか?などとうがった見方をしてしまったりもする。ポールが自主的にそう考えていてもおかしくない。
稀代の名曲であることは間違いなく、メンバーはセットリストの中で最も演奏に情熱を注いでいるように感じるが、いかんせんポールが上手く歌いこなせなくなっている。とくに歌い出し。今のポールは男性にとって高いと感じ始めるあたりの音を叫ばずにいきなり出すのが難しくなっているようだ。それより上に行って張りあげる分には安定するし、メロディの流れで下からせりあがって行けば問題無いのだが。The Long and Winding Roadもそうで、それが今日のセットリストから外れた一つの理由かもしれないと思った。
今回の日本ツアーでは4月23日東京ドーム初日での歌い出し最初の2秒は素晴らしかった。今日は鬼気迫る歌でねじ伏せて全般的には良かったと思う。いつもにも増して感動的だった。2回目のギターソロ前のサビの高い裏声のフレーズが好きだ。その後のギターソロ前のタメ(イントロのようにピアノがゆっくりせり上がる)はウイングス時代くらいたっぷり時間をかける方が好きだが。
もしポールにとってこの曲が本当に前述のような行(ぎょう)と化しているのなら、是非自分を解放して楽になって欲しい。リンダがポールの夢枕に立って「もういいんだよ」と言ってくれたらいいのにと思ってしまう。

※第3弾へ続く→こちら




2015年5月8日金曜日

詳報 2015年ポール・マッカートニー日本武道館公演 (1)

※2017年4月25日日本武道館公演については→こちら
※レポート各回へのリンク→ 1 2 3 4 5
 
ポール・マッカートニー日本武道館公演から1週間あまり経ちました。当日の様子を個人的視点で複数回に分けて投稿します。
開演前のウェーブ

武道館に向けて出発

武道館公演記念グッズの発売が前日に発表され、朝からグッズ売り場に並んでいる人が多いことをSNSで知った。昨日に続く異例の夏日で行列に並ぶ方々の体力の消耗が心配。13時の販売開始早々に限定Tシャツは売り切れ、予約販売に切り替わったとのこと。買い占めに遭ったらしい。ここまでは想定内だが、それにしても用意された枚数が少なかったように思う。ファンの今日にかける思いを甘く見すぎているのでは無いか。

16時半過ぎにポールが会場入りしたことをこれまたSNSで確認したのち半蔵門付近から歩いて武道館に向かう。これにより九段下駅の反対側からアプローチすることになり混雑を避けることができる。ポールも似たようなルートで来るはずなので被らないよう時間をずらしてのんびりと歩きながら徐々に気分を高めることにしたのだった。天気は曇となり暑さは大分緩和された。
武道館へのルート

武道館周辺の様子

北の丸公園の中を進むにつれ徐々に喧騒が近づいてくる。まず聞こえてくるのは拡声器による案内だ。とはいえまだ声は遠いので内容はわからない。そうしているうちに木の隙間から光る玉ねぎが姿を表した。ポールの入り待ちの人だかりは既に解除されているようだが、まだ多くの人が武道館周辺に居た。このまま開場まで居る人も多いのだろう。まず目につくのは武道館の2階のベランダを占拠している列。グッズ売り場の列がさばききれず、武道館の建物を使用して迂回しているということだ。昨晩見に来た看板を再び写真に収める。看板の前では自撮りする人が多かった。メディアも多数取材に来ていて来場者にインタビューしていた。コスプレしている人も多く皆思い思いにお祭りムードを楽しんでいるようだった。
階段を上るとグッズ購入待ち行列

看板を撮影する人多数

サウンドチェック

武道館に到着した17時頃はポールがサウンドチェックを行なっているようだったので建物の南側に回りギリギリまで近づく。ここは座席の引換や当日券販売の列があり、自分のように音漏れを聞こうと集まっている人も居た。建物から少し離れていても明確に音が漏れ聞こえてきており、これなら本公演時に1000名規模の聴衆が建物周辺に集まったというのもうなづける。
サウンドチェックの進行はいつもと同じ。すなわちレスポールのエレキギターから始まり、ヘフナーベース、ピアノ、マーチンのアコースティックギター、12弦ギター、と順番に楽器を持ち替えて1~2曲ずつ演奏。ヘフナーベースの曲はいつもより多めに念入りに演奏しており、Penny Laneが繰り返し聞こえてきた。いつもならウクレレを弾くところでマンドリンでDance Tonightを演奏。これらの曲は本編で演奏すると確信した。久しぶりの曲や初めての曲を直前に確認しているのだろう。その後はエピフォンテキサン、マジックピアノといつも通りのメニューでサウンドチェックは終了。
当日券購入待ち行列は音漏れ最適スポットでもある
チケット引換所(くじ引き会場)

開場待ち

ポールの会場入り時刻は前日までのドーム公演に比べて1時間程度遅い。今日は開場から開演までがドームより1時間短いとはいえ、ドームは30分遅れの開演が常だったので今日も最低30分は開演が遅れるだろう。実際、本来の開場時間の17時30分を過ぎても開場せず、入場待ちの列は長くなる一方だった。とくに2階席の行列は同じ公園内にある科学技術館の辺りで折り返すまでに達したらしい(前掲の地図参照)。
自分も2階席だったため、今から並んでも入場は18時半以降になると予想。北の丸公園まで戻ってベンチを確保し、仮眠を取ることにした。公園にはポール武道館公演とは無関係そうな人も多く過ごしており、日本中もこんな風に今日の特別さを知らずに過ごしているんだろうなと想像しながら目を閉じた。暮れなずむ公園の中でそよ風を感じながら寝るのは気持ちいい。
17時前はまだこの程度の列だった

限定Tシャツ予約

1時間ほど経ってアラームで起きたのち、SNSを確認したところ19時近くになって開場したようなので移動を開始した。入場待ちの列は依然として長かったのでまだ並ばず、先にグッズ売り場に行くことにした。この時間になるとグッズ売り場も空いており、並ばずにTシャツの予約券を入手できた。後日発送になるため送料が800円別途かかるとのこと。2種類の限定Tシャツのうち、ポールが飛び出してきそうな「白」は派手すぎて着る機会が無さそうなので、文字が描かれているだけの「赤」のみ買おうと思っていたが、1枚でも2枚でも送料は変わらないようであり、今日ここでしか販売しないとのことなので両方申し込む事にした。料金を支払って控えをもらったが、通し番号等は発行されておらず手書きの汚い住所で果たして届くのだろうか心配になった。
 この限定Tシャツは販売当日から早速オークションサイトで定価以上の転売が盛大に行われたが、後日ユニバーサルミュージックの通販サイトでなんと送料無料で販売されることが告知された。会場限定販売と聞いて送料800円を払った人からすぐさま批判が殺到し通販の商品リストから消える結果となった。実際、当日の販売を仕切っていたキョードー東京は会場限定販売のつもりだったのだろう。キョードー東京からユニバーサルミュージックに販売差し止めの申し入れがあったと想像している。転売業者を懲らしめるためには公式に通販するのが良い(定価以上で売れなくなるため)という意見も目にしたが、その日会場に確かにいた証としての価値を見出している人も多いのでこれで良かったと思う。
追記:その後ザ・ビートルズ・クラブでこのTシャツが通信販売されることになりました。

入場

そろそろやることも無くなったので列に並ぶことにした。最後尾は吉田茂像(前掲の地図参照)のあたりで、もはや折り返しておらずまっすぐ滞ることなく順調に進んでいた。武道館の敷地に入る頃に主催者側が拡声器で「半券は自分でもぎっで係員に渡せ」「あまり早くもがずに階段の辺りまで来てからもげ」、という難しい注文をしていた。入場の迅速化&係員が半券もぎりそこなって本体までダメージを与えることを回避(入場者の自己責任)、ということだろう。あまり早くもぎり過ぎて無くされても困るのもわかる。
この方式は係員と入場者の接触を減らすことになり(だから迅速化になるのだが)、結局半券を渡さずに入場した人もいると聞く。後日半券が付いたままのチケットがオークションで定価以上で取引されるケースが出てきているが出所はこんなところかもしれない。
これも迅速化のためか荷物チェックが無かったが、公演中の撮影については他のドーム公演と同様、高性能カメラ禁止、動画撮影禁止だったようだ。
18時50分ごろの入場待ち列。一旦武道館と逆方向に進んでから迂回する

会場内の様子

19時過ぎにようやく会場に入ると第一印象は「狭い!」だった。日本武道館には何度か来ていて狭いと感じたことは無かったのだが、ドーム公演でのポールに慣れるとこの会場は極端に小さく見える。
北側に設置されたステージ上の設備自体は同じようだが、ステージ後ろや両脇にいつもある大きなスクリーンが無いためすっきりしている。

19時15分ごろの会場内
ステージ斜め後ろの座席からはポールを正面から見られる機会が少ないため、小ぶりなスクリーンが北東と北西に一つずつ設置されている。逆にアリーナ正面からこのスクリーンは見えないと思われる。このスクリーンのためだけにカメラを回すとも思えないので撮影して記録に残すのだろう。
北東と北西に座席が設置されることが分かった当初はポールがほとんど見えないのではないかという懸念が渦巻いたが、実際は両脇の大きなスクリーンが無いせいで普段見ることのできない角度から、場合によってはアリーナの観客より近くで見られるので好評だったようだ。武道館公演に来るような人は通常のドーム公演に慣れ過ぎているだろうからなおさら楽しめたと思う。特に北東はグランドピアノに移動するポールが眼前にやってきて手を振ってくれるのは羨ましかった。北西の人もステージに出入りするポールやスタッフの様子が見えグランドピアノ演奏時はポールと正対することになるので負けていない。
斜め後ろから見ることで、ステージ上にポール直筆と思われる日本語カンペや、手書きのセットリスト、黒い画面に自動的に白い文字と矢印で次の歌詞を指し示すプロンプターが置いていあるのが見えたようだ。プロンプターはステージ上以外にグランドピアノの左側の足元、マジックピアノの鍵盤の右上に小さいものが設置されていた。
自分は今回、東の2階席から見たのでそれらには気づかなかったがそれでもドーム公演ではあり得ない角度から見ることとなり、ドラムのエイブの演奏やステージ床に映される映像を新鮮な気持ちで見ることができた。エイブの左後ろに常にスタッフがしゃがんで待機しているのがよく見えた。

開演へのカウントダウン

開演を待ちきれない客席ではスタンドは時計回りに、アリーナは後ろから前へ何度もウェーブが発生した。
19時25分からいつものようにベサメ・ムーチョがBGMとして流れ出し、いつもと同じであれば開演は今から30分後であることが予想された。となると開演は1時間半遅れになる・・・。ドームならこの時スクリーンにポール関連の写真や映像がコラージュで縦に流れるが、今回は小さいスクリーンにもそれは表示されなかった。
警備員を並べて配置しているのはビートルズ日本公演のパロディ?
 19時半過ぎには観客の入場がほとんど済んだように見えたがBGMは端折ることなくいつも通り進行していく。皆しびれを切らしているのだからここは早く切り上げるべきだと思った。
会場の熱狂はSilly Love Songsで最高潮に達し、手拍子の音も一段と大きくなった。とくにWhat's wrong with that?のBメロではパンパパンのリズムで一糸乱れぬ手拍子の塊となり日本の魂を感じた気がして笑ってしまうとともに、このリズムの元祖はSilly Love Songsなのではないかとすら思った。
そのままTemporary Secretaryに切り替わると歓声がそこかしこから聞こえてくる。そして、The Endに至り会場の照明が落ちた。19時55分だった。

2015年5月3日日曜日

ポール・マッカートニー 韓国公演 終了

ポール・マッカートニーのビートルズ時代を含めて初となる韓国公演が2015年5月2日 ソウル蚕室(チャムシル)総合 運動場主競技場にて実施されました。
前日に韓国入りしたポールは金浦国際空港で400人以上のファンの歓迎を受けました。
バンドメンバーと共に姿を現したポール



公演は途中雨に見舞われましたが、4万人以上の観客を集め盛況だったようです。

ポール・マッカートニー、韓国ファンの心を焦らしてきた彼がついに来た!4万5千人の観客が熱狂(oh!my star)

今回のセットリストは日本の2015年ドーム公演基本セットリストから1曲目がEight Days a Weekに替わったものでした。Out There TourのオープニングはあくまでもEight Days a Weekが基本で、陳腐化を避けたい場合にMagical Mystery Tourを選択するということなのでしょう。2014年の公演でもその傾向がありました。
この映像を見てもわかるように、観客の熱狂がすさまじいです。 若者も多かったようです。韓国のビートルズ事情をよく知らないのですが、おそらく韓国は若年層ファンが多いというよりは、1960年代~1970年代には若者のファンがいなかったため、現代の若者がビートルズやポールを自分たちの音楽として捉えているのだと想像しています。先輩ファンが後進ファンの発展を阻害しているのではないかという点は日本も注意しなければならないと思います。
韓国には「ビートルズコード」という音楽界の若手アーティストを対象としたトーク番組があるようです。
また、韓国のお菓子メーカー、オリオンからはその名も「ビートルズ」というキャンディが発売されています。
いずれの例も「ビートルズ」を一般名詞として扱っている印象があります。韓国のビートルズ事情に詳しい方、教えていただけると助かります。

私設ファンクラブも熱心に活動しており、ハートマークと「NA」を印刷した紙を観客に配って前者はLong and Winding Road、後者をHey Judeでポールに向かって掲げたようです。

Let It Beではスマートフォンのライトをつけるよう事前に依頼がありました。さすがはスマートフォン大国です。


日本では叶わなかった野外公演を実現した今回はLive and Let Dieの花火も盛大です
アンコールで韓国の国旗を振りかざすパフォーマンスをポールが行っている最中も観客による「Hey Jude」のリフレインが鳴りやまず、ヘフナーベースを持ったポールがそのままリフレインに参加して場を収めるという一幕もありました。これは極めて異例なことです。Hey Judeでポールがベースを弾く光景をこれまで見たことがありません。こうでもしないと次に進めないと考えたのでしょう。
ポールが現地語を交えてMCを行うのはいつもの通りでしたが、今回は日本同様、韓国語への同時通訳をスクリーンに表示しました。とはいえ観客は英語をよく理解しておりあまり意味が無かったようです。日本でのこの通訳は遅すぎて打ち間違いも多々あったのでもう止めれば良いと思います。止めても大丈夫だとポールが考えてくれるくらいになれば良いなと思います。だいたいお決まりの内容ですので・・・。

最後は花火と紙吹雪で飛び出しました。紙吹雪はいつも通り国旗の色を使用しており、今回は赤、青、白でした。雨が降っていたため紙吹雪の色が衣服に移って大変だったようです。
今回の韓国公演ではポールも手ごたえを感じたと思います。今後も韓国公演と日本公演をセットと捉えることで今後の公演の実現性や頻度に好影響を与えることを期待しています。


空港登場時もステージ上でも帽子をかぶり続けたエイブ(ドラム)

2015年5月1日金曜日

2015年ポール・マッカートニー 日本武道館公演 海外の報道まとめ

※日本での報道については→こちら

ポール・マッカートニーは5月1日夕方に日本から旅立ちました。

今日以下のコメントが公式SNSに投稿されました。
"Leaving Japan. I want to thank the Japanese people for showing us a brilliant time in their beautiful country.
See you next time.
Love Paul"
「日本を旅立ちます。美しい国で素晴らしい時を与えてくれた日本のみなさんに心から感謝します。
また会いましょう。
LOVEポール 」

ポール見送りで転倒も…現場は一時騒然(日刊スポーツ)
ポール何度も投げキッス、見送り300人一時騒然(日刊スポーツ)
ポール離日 笑顔でファンにバイバイ(デイリースポーツ)

ポールの日本武道館公演は海外でも報道されています。ビートルズの日本公演はツアー活動の末期に行われ、放送用のカラー映像が2ステージ分まるまる残っており観衆が静粛で演奏の音声も鮮明ということで海外でも知名度が高いようです。

以下に海外での報道とその内容をまとめます。

多くの報道で、公演後にポールが出した異例の声明を引用しています。

“It was sensational and quite emotional remembering the first time and then experiencing this fantastic audience tonight. It was thrilling for us and we think it was probably the best show we did in Japan and it was great to be doing the Budokan 49 years later. It was crazy. We loved it.”
「初めてここ武道館に立った日のことを思い出しながら、今夜の素晴らしい観客の前で演奏することができ、とても心動かされ、感極まる体験でした。49年ぶりに武道館に戻ってくることができて、とても興奮したと同時に、これまでの日本のショウでも最高のものだったと思います。とてつもなくクレイジーで、最高な夜でした。」

これにより今回の武道館公演は海外の人の印象に残ったことでしょう。
日本で物議をかもした高額チケットについて触れている報道は見つかりませんでした。どれも約50年ぶりという点と、Another Girl世界初披露に注目しています。

まず、NMEは現状最も高画質で内容の濃い映像を公開しています。

Paul McCartney returns to Tokyo, surprises fans with Beatles hit (Reuters) イギリス/カナダ
ポール側提供の公式映像を共有
ビートルズ武道館公演は反対にあったが、その後様々な音楽イベントが行われるようになったことを紹介

Paul McCartney Performs 'Another Girl' For The First Time In Japan(Huffington Post) アメリカ
Paul McCartney plays Beatles song 'Another Girl' live for the first time ever - watch (NME) イギリス
Watch Paul McCartney Perform Beatles' 'Another Girl' for First Time(Rolling Stone) アメリカ
Paul McCartney Debuts Beatles Song in Japan (Gibson) アメリカ
当日のセットリストを紹介
発表50周年となる今年に世界初披露されたAnother Girlのオーディエンス撮影映像を紹介
Another Girlは「武道館での49年ぶりの演奏を祝って」演奏
Can't Buy Me Loveは2009年以来
Got to Get You Into My Lifeは2011年以来

McCartney reprises 1965 track(Belfast Telegraph) イギリス
ポールの武道館ステージへの登場映像を他より長めに紹介
 
Paul McCartney debuts Beatles song in Japan(Music-News) イギリス
ビートルズ日本公演セットリストを紹介

Paul McCartney performs Beatles track for first time live in Japan(New!) イギリス
2014年武道館公演が「謎のウィルス」で中止になった

Paul McCartney Returns to Japan's Budokan for Beatles-Heavy Concert (Billboard) アメリカ
「この日のコンサートはビートルズ色を強めた」
DJカマサミ・コング(東京在住)のコメントあり。彼はハワイで活躍していたこともありポールがSomethingでウクレレを弾くことに感慨深い様子
公演がキャンセルされたのは2014年11月と誤って報道(実際は2013年11月公演実施、2014年5月キャンセル)

Paul McCartney sings Beatles hit Another Girl for first time live (Sydney Morning Herald) オーストラリア
Let It Beの映像を共有


McCartney's 'Out There' tour hits Japan (SKY NEWS) オーストラリア
ポールは日本語MCとAnother Girlで観衆の心をつかんだ

Paul McCartney sings Beatles hit Another Girl for first time live (Stuff) ニュージーランド
Lady Madonnaを演奏するポールの手がよく見える映像を共有


Sir Paul McCartney performs Beatles song for first time (Sunday World) アイルランド
リストバンドでユニオンジャックが形作られたことを紹介
 
McCartney reprises 1965 track in Tokyo (Times of Malta) マルタ
日本のファンは世界で初めてAnother Girlを聞いた

Sir Paul McCartney performs Beatles song for the first time (East Mirror) インド
Another Girl演奏時のポールの言動を詳しく紹介

Paul McCartney rocks Japan(CCTV) 中国
武道館がロックの聖地であることを紹介
日本語MCの英語訳

その他