ポール・マッカートニー2015年韓国公演 終了

ポール・マッカートニーのビートルズ時代を含めて初となる韓国公演が2015年5月2日 ソウル蚕室(チャムシル)総合 運動場主競技場にて実施されました。
前日に韓国入りしたポールは金浦国際空港で400人以上のファンの歓迎を受けました。
バンドメンバーと共に姿を現したポール



公演は途中雨に見舞われましたが、4万人以上の観客を集め盛況だったようです。

ポール・マッカートニー、韓国ファンの心を焦らしてきた彼がついに来た!4万5千人の観客が熱狂(oh!my star)

今回のセットリストは日本の2015年ドーム公演基本セットリストから1曲目がEight Days a Weekに替わったものでした。Out There TourのオープニングはあくまでもEight Days a Weekが基本で、陳腐化を避けたい場合にMagical Mystery Tourを選択するということなのでしょう。2014年の公演でもその傾向がありました。
この映像を見てもわかるように、観客の熱狂がすさまじいです。 若者も多かったようです。韓国のビートルズ事情をよく知らないのですが、おそらく韓国は若年層ファンが多いというよりは、1960年代~1970年代には若者のファンがいなかったため、現代の若者がビートルズやポールを自分たちの音楽として捉えているのだと想像しています。先輩ファンが後進ファンの発展を阻害しているのではないかという点は日本も注意しなければならないと思います。
韓国には「ビートルズコード」という音楽界の若手アーティストを対象としたトーク番組があるようです。
また、韓国のお菓子メーカー、オリオンからはその名も「ビートルズ」というキャンディが発売されています。
いずれの例も「ビートルズ」を一般名詞として扱っている印象があります。韓国のビートルズ事情に詳しい方、教えていただけると助かります。

私設ファンクラブも熱心に活動しており、ハートマークと「NA」を印刷した紙を観客に配って前者はLong and Winding Road、後者をHey Judeでポールに向かって掲げたようです。

Let It Beではスマートフォンのライトをつけるよう事前に依頼がありました。さすがはスマートフォン大国です。


日本では叶わなかった野外公演を実現した今回はLive and Let Dieの花火も盛大です
アンコールで韓国の国旗を振りかざすパフォーマンスをポールが行っている最中も観客による「Hey Jude」のリフレインが鳴りやまず、ヘフナーベースを持ったポールがそのままリフレインに参加して場を収めるという一幕もありました。これは極めて異例なことです。Hey Judeでポールがベースを弾く光景をこれまで見たことがありません。こうでもしないと次に進めないと考えたのでしょう。
ポールが現地語を交えてMCを行うのはいつもの通りでしたが、今回は日本同様、韓国語への同時通訳をスクリーンに表示しました。とはいえ観客は英語をよく理解しておりあまり意味が無かったようです。日本でのこの通訳は遅すぎて打ち間違いも多々あったのでもう止めれば良いと思います。止めても大丈夫だとポールが考えてくれるくらいになれば良いなと思います。だいたいお決まりの内容ですので・・・。

最後は花火と紙吹雪で飛び出しました。紙吹雪はいつも通り国旗の色を使用しており、今回は赤、青、白でした。雨が降っていたため紙吹雪の色が衣服に移って大変だったようです。
今回の韓国公演ではポールも手ごたえを感じたと思います。今後も韓国公演と日本公演をセットと捉えることで今後の公演の実現性や頻度に好影響を与えることを期待しています。


空港登場時もステージ上でも帽子をかぶり続けたエイブ(ドラム)

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14 コメント

  1. 確かに年齢層は若めでしたが、会場全体の客層が10代、20代というわけではありません。アリーナは30代以降もそこそこいました。勿論、それでも日本の方が高齢ではありますが。若年層が特に多かったのは、スタンドです。これは単に料金が安いからだと思います。

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    1. ご指摘ありがとうございます。記述を見直しました。

      他に誤りや現地に居なければわからないようなことがあれば教えていただければ幸いです。

      日本より座席の価格の幅が広いので若者が行きやすかったのかもしれませんね。だとしたらやはり日本の価格設定は見直してほしいところです。

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  2. すごい映像を見せてもらい、ありがとうございます。
    Live And Let Die の打ち上げ、迫力ありますね。
    国立競技場で見たかったです。
    日本から行った人たちが、これを韓国で見れて羨ましく思いました。
    なぜ韓国まで行くのか、その理由がわかったような気がしました。
    今度は、ぜひ日本でやってほしいです。

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    1. コメントありがとうございます。

      日本の国立競技場で果たしてここまでできたのだろうかというほどの凄い花火ですね。

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  3. 日本語への翻訳画像は続けるべきだと思います。世界のどこにいても英語が通じてあたりまえと思っている英語圏の人々、ミュージシャンがほとんどで、ステージでもバンドメンバーと平気で英語でやりとりして笑っている無礼さが多々見られる中で、ポールの姿勢は一流の人間のものだと思います。ビートルズ時代から、その土地の言葉で観客に声をかけてきたポールの素晴らしさを、日本人自らが日本語を放棄してしまい、台無しにしてしまうのは愚かなことだと思いませんか。ポールはジャパンじゃなくて、ニッポンと正式名で読んでくれているんですよ。日本人が評価しなくてどうするんですか。

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    1. コメントありがとうございます。

      ポールはステージ上で充分日本語をしゃべってくれていますし、英語を話す場合も英語圏でのステージより簡単な言葉でゆっくり話しているように見えます。つまり英語での話もあまり深い内容にはならないのですが、にもかかわらず日本語字幕が出るのが遅く間違いも多いので進行のリズムを損なうデメリットの方が大きいと感じています(ポールも観客も翻訳を待った甲斐が無い)。
      今後、ポールには頑張って全編日本語のMCで通してもらうか、翻訳のスピードを上げるべきだと思います。字幕ではスピードが上がらないなら人が口頭で同時通訳するのも手です。結局その方が安上がりな気がします。

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    2. ステージで日本語で語りかけ、翻訳までしてくれる。
      これ以上望むことはありません。
      翻訳のスピードが遅くても、翻訳が出れば
      あとからでも意味が理解できるので、ありがたいです。

      英語ばかりになって、観客がキョトンとしているより
      はるかにいいです。
      英語と日本語は、語順が逆なので、翻訳が多少遅れるのは
      仕方がないのではないでしょうか。

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    3. コメントありがとうございます。

      韓国公演に行かれた方で、「韓国の字幕は日本より速かった」という証言を目にしました。韓国と日本では語順が同じはずなので日本語字幕の速度は改善の余地があるということだと思います。

      日本の場合、曲が始まるまでに翻訳が間に合わない場合があったのは良くないと思いました。

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    4. 日本語の字幕が遅いのは、漢字の変換に時間がかかるからでしょう。ハングルは表音文字なので、変換の必要もなく、キーを打つだけで済みます。
      韓国は、英語必修化後のカリキュラムで育ったファンもかなり多いことでしょうし、確かに韓国に限って言えば、あの程度なら翻訳は不要でしょうね。

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  4. 丁寧な記事と情報収集ありがとうございます。
    ブログ楽しみに見ています。K5と申します。

    コンサートは毎回行っており、今回も4公演見に行きました。
    たしか2002年公演から同時通訳が導入されていますね。
    ありがたいと思うのですが、同時通訳アプリがある現在では、
    実際遅いし、一部ではまだ言ってないのに早い(笑)、
    あれ、合ってる?(失礼)というのもある。
    また、あの程度なら分かる、というのが正直なところ。
    本編は字幕なしの英語ですから、あのMCは分かる人の方が多数派でしょう。
    でもこの25年のように恵まれた環境で英語を学んだ人ばかりではないので、
    全然わからないので助かるという人もいるでしょう。

    これは、他にもいろいろある「お約束」の1つとして楽しんでいます。
    水分や休憩をあまり取らないポールには間をあけて休んでほしい。
    私は、ポールにいろいろ日本語を教えている方がコンサート中にする
    お仕事じゃないかと勝手に想像しています。

    効果うんぬんよりも、先のコメントの方のおっしゃるように
    現地の言葉でコミュニケーションを取ろうしたり、同時通訳を付けよう
    とするポールの想いが伝わってきて、いつも嬉しく思っています。
    音楽の素晴らしさのほか、バンド演奏後のおじぎやファンへのサービス精神、
    すべてがポールの魅力ですよね。

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    1. コメントありがとうございます。

      そうですね。あの字幕はスピードの遅さやピントのズレも合わせてもはやお約束で、無くなると寂しいかもしれません。

      翻訳は遠隔地で行っているらしいです。2013年公演を説明したどこかの記事で目にしました。

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  5. 私は、通訳の遅れより、手拍子の遅れの方が気になりました。
    25日のドームで、何の曲かは忘れましたが
    スタンド席の方だったようですが、ボーカルに手拍子が合わず
    どんどん遅れてしまい、それも、かなり長く続きました。
    そうとう数の人が、ずれたまま手拍子していたようでした。

    ポールがつられてテンポがずれないか、と思ったくらいです。
    そこはプロ、淡々と歌い続けていました。
    でも、内心、気になったのではないかと思いました。

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    1. コメントありがとうございます。

      手拍子が遅れて聞こえるのは、スピーカーからスタンドの客席まで音が届くのが遅れ、それに合わせて手拍子した音がステージに戻ってくるまでさらに遅れるからだと思います。

      このズレはSomethingが最も耳につくと思いますが、ポールはよく惑わされないなと感心します。

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    2. Something などの静かな曲で手拍子したため、
      よけいに気になったのですね。
      東京ドームは残響もかなりあって、ポールの声が
      エコーするので、聴きにくかったです。
      野球場だし、残響を吸収する装置とか、付いていないのでしょう。
      京セラドームでは、気になりませんでしたが。

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