2016年4月30日土曜日

レビュー:月刊ザ・ビートルズ臨時増刊号『まるごと1冊ビートルズ日本公演』2016年4月28日発売

月刊ザ・ビートルズ臨時増刊号『まるごと1冊ビートルズ日本公演』がザ・ビートルズ・クラブ(BCC)から発売されました。発売日は2016年4月28日となっていますが、22日から発送開始したようです。

月刊ザ・ビートルズ臨時増刊号『まるごと1冊ビートルズ日本公演』

一般の書店には並ばないようで、「Beatles official shop Let It Be」 から通販で入手するのが確実です。A5版136ページの書籍です。税抜き1800円にしてはボリュームが物足りない気もしますが、そこはビートルズ来日直後に結成され50年の歴史を持つザ・ビートルズ・クラブ。そこかしこに資料や人脈の蓄積を感じさせるすっきりとした内容です。
当時の新聞記事の切り抜き、写真、関係者の証言が豊富です。ビートルズ滞在中の様子は時系列でまとめられていますが、映像が現存している2公演以外の公演の様子については謎のままのようです。他にもあまり新事実は見受けられず、2016年に入ってから行われた当事者インタビュー(土屋潔さん、尾藤イサオさん、内田裕也さん、武道館公演に参加したBCC会員)の証言の中に新発見があるかもといったところです(加山雄三さんのインタビューも掲載されているが2012年のもの) 。今年の1月にRevolverTVで公開された内田裕也さんによる前座の映像についてご本人が語っているのが面白いです。

その他来日記者会見を「完全版」と銘打って文字起こしした記事が目を引きました。当時の通訳のグダグダっぷりに目を背けたくなりますが、これも「完全版」ならではでしょう。

ボリュームは少なめですが、その分あまり時間をかけずにビートルズ日本公演の全容を把握したい方には適切だと思います。尾藤イサオさんと内田裕也さんの新しいインタビューが両方記載されている(取材は一人ずつ個別に実施)のは珍しいと思いますのでそういった面でも価値があります。

2016年4月24日日曜日

プリンス死去 ビートルズ関係者のコメント

ミュージシャンのプリンスが2016年4月21日に亡くなりました。57歳でした。
2004年ロックの殿堂入り記念式典で演奏するプリンス左はダーニ・ハリスン
ビートルズ関係者が追悼コメントを寄せています。

ビートルズとは世代も音楽性も異なるので直接的な交流は無かったようですが、とくにポール・マッカートニーはともにあらゆる楽器をこなすマルチプレイヤーとして親近感はあったと想像しています。共にジミ・ヘンドリックス好きという共通点もあります。
追記: ポールは2016年5月4日のミネアポリス公演でプリンスの「Let's Go Crazy」を演奏しました。

直近ではアメリカのテレビ番組「Saturday Night Live」の40周年記念打ち上げパーティー(2015年2月)の場にポール・マッカートニーとプリンスが居合わせた様子が伝わっています。
左奥はポールのお抱えドラマーのエイブラハム・ラボリエル・ジュニアか
テイラー・スウィフトと演奏するポール

プリンスとビートルズとの関わり合いという意味での最大の出来事は2004年のロックの殿堂入り記念式典でジョージ・ハリスン作のWhile My Guitar Gently Weepsでプリンスがギターソロを弾いたことでしょう。

ジョージとプリンスが同年に殿堂入りしたことから実現しました。しかしながら、プリンスは今回演奏することになるまでこの曲を知らず、トム・ペティと共演できることの方が重要だったそうです。
ジョージの妻オリヴィアは当初そういった縁遠いプリンスが夫の曲を演奏することに否定的だったそうですが、主催者の説得に応じて実現しました。
追記:プリンスの死後公開された新聞記事でこの演奏について当事者が語っています。トム・ペティは、プリンスがビートルズのファンでとくにジョージが好きだったという見解です。詳しくはこちら→http://www.nytimes.com/2016/04/28/arts/music/prince-guitar-rock-hall-of-fame.html
トム・ペティと並ぶプリンス

その他、2008年のライブでプリンスはビートルズのCome Togetherを演奏しています。確かにビートルズの中ではジョン・レノンのセンスに近そうです。プリンス1981年の作品「Annie Christian」には前年に射殺されたジョン・レノンの名前が歌詞に登場します。

2016年4月14日木曜日

ポール・マッカートニー新ツアー「One On One」初日 前ツアーとのセットリスト比較

※ポール・マッカートニー日本公演「ワン・オン・ワン ジャパン・ツアー2017」については→こちら(チケット販売情報等)

ポール・マッカートニーの新ツアー「One On One」が2016年4月13日アメリカはカルフォルニアのフレズノSaveMart Arenaで初日を迎えました。


以下がセットリストです。前ツアー「Out There」日本公演と比較します。
※色分けの説明:ソロとして初披露のビートルズ曲前ツアー日本公演(2013年/2015年)で演奏しなかった曲

A Hard Day's Night
Save Us
Can't Buy Me Love

Letting Go
Temporary Secretary
 Let Me Roll It
I've Got a Feeling 
My Valentine
Nineteen Hundred and Eighty-Five

Here, There and Everywhere ※ポールはピアノを演奏
Maybe I'm Amazed
We Can Work It Out

In Spite of All the Danger
You Won't See Me
 ※アコースティック風
Love Me Do ※演奏後にジョージ・マーティンへの追悼コメント ※PS Love Me Doの一部としては過去に演奏実績あり
And I Love Her
Blackbird 
 ※前ツアー同様昇降台で演奏
Here Today
Queenie Eye
New

The Fool on the Hill
Lady Madonna
FourFiveSeconds
Eleanor Rigby
Being for the Benefit of Mr. Kite!
Something
Ob-La-Di, Ob-La-Da

Band on the Run
Back in the U.S.S.R.
Let It Be
Live and Let Die
Hey Jude

Yesterday
Hi, Hi, Hi
Birthday
Golden Slumbers
Carry That Weight
The End

1曲めには驚きましたが衣装や演出も含め他は結局前ツアーとあまり変わっていないようです。新ツアーと銘打つのでしたらSave UsやBeing for the Benefit of Mr. Kite!は変えた方が良かった気がします。年齢を重ねるごとに気がかりなポールのコンディションですが、ツアー初日ということで安定感はまだまだというところはあるものの、声の調子自体は悪くないように感じました(傷んでいない)。





開演前の様子


2016年4月6日水曜日

「ザ・セッションズ」ロイヤル・アルバート・ホールでワールドプレミア

※ザ・セッションズ日本公演中止については→こちら
※ザ・セッションズに関する当ブログの他の記事は→こちら
「ミュージカル・ドキュメンタリー」を標榜する「‘THE SESSIONS’ is a new, LIVE re-staging and re-imagining of the legendary Beatles studio sessions」のワールドプレミアが2016年4月1日ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで開催されました。




Backstage with The Beatles at show re-staging recordings(ロイター)

各国のメディアや芸能関係者が取材に訪れたようです。日本からは湯川れい子さんが参加しています。日本武道館公演を主催しているキョードー東京の命を受けたのでしょう。

ここまでにこの「ザ・セッションズ」についてわかったことを整理します。一部推測が含まれます。
  • 公演時間は2時間半。約60曲を演奏
  • セットはアビーロード第2スタジオ(当時はEMIスタジオ)を原寸大再現。2階のコントロールルームもある
  • 印象的な長い階段は伸縮式(観客の視界確保?演奏スペース確保?)
  • ステージは三方向から鑑賞可能(すり鉢状の日本武道館と相性が良い)
  • ステージ各面には可動式半透明スクリーンが吊り下げられ、各曲のレコーディング情報、演奏者の拡大表示、イメージ映像が表示される(スクリーンが降りきった状態で演奏することもある)
  • ジョージ・マーティン役のセリフでショーが進行(日本武道館公演ではスクリーンに日本語字幕を表示するかも?)
  • 先月亡くなったジョージ・マーティンに捧ぐ旨スクリーンに表示
  • ビートルズ役もセリフがある。各セリフはジェフ・エメリックの著書(邦題「ザ・ビートルズ・サウンド 最後の真実」)からの引用で構成
  • メインボーカリストはジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン各担当が2人ずつ、 リンゴ・スター担当が1人いる(ダブルキャストではなく全員1ステージに出演)
  • ボーカリストとは別の人がビートルズの演奏(ギター、ベース、ドラム等)を担当することがある
  • ビートルズトリビュートショーで活躍しているミュージシャンが多く参加(The Cavern Club Beatlesのジョン役とポール役、「LET IT BE」で来日したピーター・ジョン・ジャクソンなど)
  • オーケストラなどの外部ミュージシャンを加えた総出演者は45名程度
  • 基本的には時系列に演奏するが、演出上前後することがある。
  • 日本武道館公演に合わせてジェフ・エメリックが来日予定
  • 韓国公演も予定

「ザ・セッションズ」は 2時間半で約60曲演奏するようなので、おそらく各曲は短縮バージョンだと思います。セリフやスクリーンを駆使したテンポの良いショーになりそうです。
基本的には一斉に歌って演奏するようなので厳密にはレコーディングの再現ではありません。実際のレコーディングは時代が進むほど個別に演奏して重ねていくようになりました。ただし、今回ダブルトラックボーカル(一人が2回歌って重ねる)が再現されているようなので一部録音も併用するのかもしれません。もしかしたらそのためにボーカル担当が2人ずついるのかも?だとしたら感心します。見た目にもある程度こだわりつつ、あくあまで音の再現を優先する姿勢は甲虫楽団も参考にできそうです。
今回の目玉の一つはビートルズ以外が演奏した管弦楽器が生演奏で披露される点でしょう。これまで来日したビートルズトリビュートバンドも、ビートルズ本人(ソロ時代含む)も実現できなかったことです。

2016年4月1日金曜日

「ザ・セッションズ」リバプールで初演(ネタバレ)

※ザ・セッションズ日本公演中止については→こちら

ビートルズのレコーディング現場を追体験するコンセプトのライブショー「The Sessions - A Live re-staging of The Beatles at Abbey Road Studios」が2016年3月30日イギリスのリバプール・エコーアリーナで初めて披露されました。日本版「ザ・セッションズ」と同じものです。
今回はツアーに先立ってチャリテイ-で開催されました。試運転を兼ねているのでしょう。以下、ネタバレです。
客席から
2階にはジョージ・マーティン。ショーの進行役を務めるらしい。白衣のEMIスタッフの姿も
ジョージ・マーティンも演奏に参加
ステージを覆う半透明のスクリーン(可動式)
オノ・ヨーコもいます
ジョン、ポール、ジョージは2セットいる。これはおそらくBecause



初演3週間前に行われたジェフ・エメリックのインタビュー↓おそらくジョージ・マーティンが亡くなる直前
The Sessions – A live re-staging of The Beatles at Abbey Road Studios coming to the Echo Arena from The Guide Liverpool on Vimeo.