『MUSIC LIFE ザ・ビートルズ ライブの時代』2016年9月28日発売

ビートルズのライブ活動の歴史に注目した書籍『MUSIC LIFE ザ・ビートルズ ライブの時代』 (SHINKO MUSIC MOOK)が2016年9月28日に発売されました。

MUSIC LIFE ザ・ビートルズ ライブの時代<シンコー・ミュージック・ムック>
「ライブの時代」という題名からもわかるように2016年9月に劇場公開された映画『ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK – THE TOURING YEARS』にインスパイアされた書籍です。

2012年に発売された書籍『ザ・ビートルズ 全パフォーマンス徹底解剖』(当ブログの記事は→こちら)のようなガチガチの資料集を想像していましたが異なりました。2016年9月発売/公開のライブアルバムや映画を研究する記載もほとんどありません。
書籍前半のカラー50ページを費やしてビートルズのライブ活動の歴史をつづった「THE BEATLES LIVE ERA 1956-1966」が圧巻です。ジョン・レノンとポール・マッカートニーが出会った日からビートルズとしてのライブ活動を止める日までを「ライブ」という切り口で描いています。ビートルズ研究の大家マーク・ルイソンによる最新研究本「The Beatles - All These Years」(日本語版『ザ・ビートルズ史 誕生』が2016年11月発売予定)の内容を踏まえた斬新で克明な記述が真に迫ります。ライブ活動に絞っているため、ビートルズ成功の軌跡が連続性と臨場感を持って感じられます。この点においては映画『ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK – THE TOURING YEARS』を超えていると感じました。カラーページなので、ビートルズ最初期でもカラー写真が優先的に掲載されています。

書籍の後半は白黒ページで様々な研究成果が発表されています。記者会見での発言、セットリスト、ステージ衣装、ライブ共演者、楽器・機材、とライブ関連で思いつく限りの着眼点を多く網羅しています。とくにセットリストはビートルズになる前のものから可能な限り列挙しており、当時のライブを想像できて楽しめます。 一方、ビジュアルが大事な衣装や楽器・機材の記事に写真の掲載が無いのが残念です。前半の特集にエネルギーを集約させたというところでしょうか。
今回はさらに「ザ・ビートルズ U.S.ツアー1966」(オール・カラー 36p)という小冊子が折り込まれています。1966年8月のビートルズ最後のツアーに同行したカメラマン長谷部宏氏の撮影による写真集です。付録という扱いですが、こちらの方がメインなのではないかというくらい充実しています。

本書のカラーページを一気に読んで下地を作ってから映画を見に行き、帰って来てから白黒ページを少しずつ読み進めるという味わい方をお勧めします。よりビートルズのライブを現場で見たような気分になれると思います。

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