ジェフ・エメリック死去 ビートルズのレコーディング・エンジニア 

ビートルズ中後期のサウンドに大きな影響を与えたレコーディング・エンジニアのジェフ・エメリックが2018年10月2日に亡くなりました。72歳でした。
奥がジェフ・エメリック
ジョージ・マーティン、リンゴ・スターと
1984年。ポール・マッカートニーと

ビートルズ最初期のレコーディングから15歳で参加、ビートルズより年下でありながら1966年の『Revolver』からノーマン・スミスの後を継いでチーフ・エンジニアとして活躍しました。前作の『Rubber Soul』からガラッと音が変わっているのは彼の功績と言われています。ジョン・レノンの無茶ぶりにもめげず、楽器のすぐそばにマイクを置くなどの当時革新的・現代ではあたりまえな録音手法を次々と編み出し、ビートルズのサイケデリック期のサウンドイメージを強烈に演出しました。

当時の体験を思い入れたっぷりに著書『ザ・ビートルズ・サウンド 最後の真実』(原題:Here, There and Everywhere: My Life Recording the Music of the Beatles )として出版し後世のビートルズサウンド研究に大きく貢献しています。近年はテレビ番組に出演したりイベントを開催したりして当時の様子を語る機会が増えていました。



来月も『The Beatles』(ホワイトアルバム)発売50周年記念イベントで登壇する予定でした。もっとも、同アルバムの制作中にジェフ・エメリックは一旦離脱しています。死の3日前にウィル・リー率いるビートルズトリビュートバンド「The Fab Faux」のホワイトアルバム全曲演奏ライブに来たジェフ・エメリックは「今回初めて全曲通して聴いた」と言ったそうです。



Will Leeさん(@unclewilllee)がシェアした投稿 -

(ちなみに我々甲虫楽団も11月3日に東京・江古田でホワイトアルバム全曲演奏ライブを開催します。くわしくは→こちら

SNSでも積極的に活動しており、今年5月には日本に来たい旨日本語でツイートしていました。

2016年の日本公演が中止になった「ザ・セッションズ」が予定通り開催されていれば来日したと思います・・・。最後の来日はアルバム『Love』(2006年)関連のようです。

今回の訃報もSNSによりスタッフから明らかにされました。最初はフェイクという声も多かったのですが、ジェフ・エメリックのマネージャーウィリアム・サバレタと思われる人物が当時の様子を話す動画が投稿され次第に現実として情報が拡散されていきました。
 

ウィリアム・サバレタとの電話中にジェフ・エメリックが倒れたそうです。心臓を患っていたとのことです。すぐさま救急に通報しましたが間に合いませんでした。

ビートルズの裏方の最後の大物ともいえるジェフ・エメリックの死に関係者が次々と追悼コメントを発表しています。


ビートルズのレコーディング・エンジニアを務めたジェフ・エメリックが逝去、その軌跡をたどる(Rolling Stone Japan)
ポール・マッカートニーとジャック・ホワイト、亡くなったジェフ・エメリックに追悼の意を表明(NME JAPAN)
その後、ポールはステージで“Being For the Benefit of Mr. Kite!”演奏前に「ジェフ・エメリックに捧げる」と述べました。


 

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4 コメント

  1. ポール氏も、身内のようにお付き合いしていた方々に次々と先立たれ、さぞやお寂しいでしょう。
    MRカイトを捧げましたか。マーティンの指示で、床に散らばったテープの断片をつなぎ合わせているところを想像しました。

    お疲れ様でした。

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    1. marrさんコメントありがとうございます。

      個人的にはMr.Kiteは食傷気味でしたが、これで一気に必然性が出て来ました。
      日本公演でも演奏することになりそうです・・・。

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  2. 生き証人がどんどん逝く。

    ビートルズが残した膨大なテープを
    全て公式リリースしてくれ。
    聞く価値があるかは聞く側が決める。

    残されたテープは世界遺産だろ。

    合掌。

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    1. コメントありがとうございます。

      リミックスが一通り終わったら
      次はマルチトラック音源を出してほしいです。

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