ポール・マッカートニーの『The Boys Of Dungeon Lane(ダンジョン・レインの少年たち)』に、新曲3曲と「Home To Us」の別バージョンを加えたスペシャル・エディションが、2026年10月7日にデジタル配信されました。CDと2LPは12月9日発売予定です。
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| ダンジョン・レインの少年たち (スペシャル・エディション)(SHM-CD) |
追加されたのは「City Fox」「One Night Stand」「Chelsea Boots」、そしてリンゴ・スターと歌う「Home To Us(Flip Mix)」です。これは、ポールとリンゴの歌唱パートを互いに入れ替えたものです。
新曲3曲の特徴と海外の初期反応を整理しながら、歌割りの交換によって何を楽しめるようになったのかを見ていきます。
スペシャル・エディションに追加された4曲
本編14曲に続く15~18曲目が追加音源です。新曲3曲はアルバム制作時のセッションから生まれたものです。
| 曲名 | 曲順 | 時間 | 内容 |
|---|---|---|---|
| City Fox | 15 | 2:38 | 新曲。バラード |
| One Night Stand | 16 | 3:15 | 新曲。ポップス |
| Chelsea Boots | 17 | 2:57 | 新曲。ロック |
| Home To Us(Flip Mix) | 18 | 3:13 | 既発表曲の別バージョン。ポールとリンゴの歌唱パートを交換。 |
曲順・内容はポール公式発表、時間はApple Musicの配信表示に基づきます。新曲3曲の分類はStereogumの10月7日付記事によるものです。
「Home To Us」Flip Mixで変わったのは歌割り
「Flip Mix」という名前だけでは左右の音を反転したようにも思えますが、変わったのは「誰がどの部分を歌うか」です。原版でポールが担当したパートをリンゴが、リンゴが担当したパートをポールが歌います。
原版とFlip Mixは、今回の18曲入りアルバムの中に両方収録されています。
原版「Home To Us」
「Home To Us(Flip Mix)」
ポールの思い出にも、リンゴの思い出にもなる
ポールはApple Musicのインタビューで、自分が育ったスピークとリンゴが育ったディングルの暮らしを重ねて、この曲を説明しています。豊かではなくても、友人や親戚がいて、そこが自分たちの家だったという記憶です。二人がまったく同じ家や通りで育ったという意味ではありません。
その背景を踏まえると、今回の歌割り交換は曲の受け取り方にも関わってきます。ポールの声で聞いていた一節をリンゴの声で聞けるようになり、二人それぞれの暮らしへ思いを向けるきっかけになります。これは制作側が説明した狙いではなく、今回の企画から考えられる楽しみ方です。
発表時のRedditのスレッドには、二つの版を組み合わせた「ポールだけ」「リンゴだけ」の歌唱版を期待する声もありました。
「City Fox」――本編に入れてほしかったという声
新曲3曲の中で、本編への収録を望む意見が見られたのが「City Fox」です。曲単独のRedditスレッドには、3曲でいちばん好きだという感想や、「Down South」と入れ替えるとアルバムの流れが良くなるという個人的な提案が投稿されています。
Stereogumはこの曲をバラードと紹介しています。一方、資料サイトThe Paul McCartney Projectが掲載するクレジットを見ると、ポールの担当楽器にはハープシコード、スピネット、ポンプ・オルガン、Moogベースなどが並びます。バラードという分類に加え、鍵盤楽器の組み合わせや低音の作り方にも注目したくなる曲です。
「One Night Stand」――ポップ曲を支える多重録音
Stereogumがポップ曲と整理した「One Night Stand」は、3分15秒。The Paul McCartney Projectのクレジットでは、ポールがギター、ベース、ドラム、ピアノに加え、ハンドクラップとマラカスも担当しています。
「Chelsea Boots」――ロック曲のクレジットに並ぶ声と鍵盤
3曲目の「Chelsea Boots」は、Stereogumがロック曲と紹介しています。The Paul McCartney Projectの記載では、ポールのギター、ベース、ドラムのほか、シンセサイザーやウーリッツァーのエレクトリック・ピアノ、テープ処理もクレジットされています。
また、バック・ボーカルにはポールに加えて、アンドリュー・ワット、スティーヴ・オーチャード、キース・スミスの名前があります。
なぜ3曲は本編に入らなかったのか
「City Fox」を本編に入れてほしかったという反応はありますが、今回確認した公式発表には、3曲を外した理由の説明はありません。
本編は、リヴァプールでの少年時代や家族、ジョンとジョージとの初期の記憶を大きな柱にしています。ただし、すべてが過去の回想というわけではなく、現在の愛を扱う曲も含まれています。そのため「新曲3曲はアルバムのテーマに合わなかった」という説明も、今のところは仮説にとどまります。
配信で聴くか、12月のCD・LPを待つか
配信日のRedditのスレッドでは、新曲を喜ぶ声とともに、同じアルバムを短期間で買い直す販売方法への不満も出ています。一方、配信で聴けるのだからという反応もあります。
CDやLPで所有したい場合は12月9日の発売を待つことになります。日本公式の商品案内では、国内盤CDはUICY-16552、税込3,410円、SHM-CD仕様で解説・歌詞・対訳付きです。
ジャケットも新しくなり、ケイト・ギブによるシルクスクリーン・コラージュをもとに、ポールの個人コレクションから100点を超える写真や画像が使われています。ジャケットや冊子を含めて楽しみたい方には、フィジカル版を選ぶ理由になりそうです。
関連情報・参考資料
- PaulMcCartney.com:スペシャル・エディション発表(10月1日付、配信開始後の更新あり)
- Universal Music Japan:発売日・国内盤仕様・収録曲(10月2日)
- Universal Music Japan:配信開始の案内(10月8日)
- Apple Music:配信情報とポール本人による本編楽曲解説
- Stereogum:追加4曲の紹介(10月7日)
- Pitchfork:新曲3曲の配信ニュース(10月7日)
- The Paul McCartney Project:City Fox/One Night Stand/Chelsea Boots(非公式資料サイト。各曲のクレジット参照)
- 当ブログ:「Home To Us」の成立経緯とポール/リンゴの録音共演履歴


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