レポート:The Return 関内ホール公演2015年11月19日

※The Return 2017年日本公演については→こちら

今日本には二組のビートルズトリビュート・ショーが来日中です。「レット・イット・ビー」(2年連続、前身のRAINを含めれば3回目)、「ザ・リターン」(2006年以来2回目)です。

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示し合わせたわけでは無いでしょうが、来年はビートルズ来日50周年ということで先取りしようとした思惑が偶然一致したというところでしょうか。

しかしいずれのショーも宣伝には熱心では無く、チケットも大分売れ残っているようです。
LET IT BEは初日になってやっと尾藤イサオさんを引っ張り出してきた程度でした。

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事前の情報公開も乏しく、結局LET IT BEはキャストがわからずじまいだったので今回は行くのを見送ることにしました。LET IT BEは固定バンドではなく、公演ごとに複数のキャストでショーを回すので誰が出演するかが重要です。一方、The Returnはメンバー固定のバンドです。見たことが無かったので今回はThe Returnに絞ることにしました。

The Returnは一足先に11月13日の大阪・新歌舞伎座公演から日本ツアーを開始しています。関東での第一弾となる関内ホール(神奈川県横浜市)公演に行ってきました。以下、完全にネタバレです。

大ホール1階848席は7~8割埋まっているようでした。2階250席には観客を入れていなかったようです。客層は老若男女でしたが50代以上の方が多かったようです。開場中は50年代のロック/ポップス音楽が流れていました。
定刻通り18時半、ビートルズがエド・サリヴァン・ショーに出演したときのエド・サリヴァンの紹介音声に引き続いて演奏が始まりした。セットはシンプルで、背景にA Hard Day's Nightのアルバムジャケットをカラフルに彩った絵が掲げられている程度でした(日本ツアー公式サイトトップページの写真参照)。衣装は黒のスーツで統一されています。

第一印象は「音が小さい」。1本のマイクを複数人で分け合うときのマイクと口の距離が遠かったのでそれに全体を合わせたのかもしれません。演奏の音量が大きい場合、口をもっとマイクに近づけないと声が聴こえません。バスドラムやベースなどの低音はある程度音量が無いと堪能できないためその点は残念でした。その代り歌はよく聴こえました。そちらを重視したのだと思います。

歌や演奏の安定感や、バンドとしてのリラックスした一体感は流石に同じメンバーで世界を回っているだけのことはあります。ただ、その分ショーをこなすのに慣れ過ぎている感があり、観客との一期一会にかける気合が伝わってこない気がしましたが、音が小さいことが印象に影響しているかもしれません。

MCは多めで、日本語はジョン役が多用していました。日本語はジョンが担当という海外バンドが多い気がします。観客とのコミュニケーションには慣れているようで、質問したり、手拍子の練習をしたり、総立ちを促す等していました。バンドのFacebookページへのコメント募集もありました。

一通りビートルズ初期の曲を演奏したのち、20分間の休憩となりました。この間のBGMは1960年代のサイケデリックなロックの曲が多かったです。

再登場前にはビートルズ本人のTomorow Never Knowsのイントロ~A Day In The Lifeの最後が流れました。舞台の背景の絵が無くなりさらにシンプルになっています。衣装は後期のトリビュートバンド定番の、ジョン&ポールはアルバム「Abbey Road」ジャケット写真風、ジョージ&リンゴはビートルズ最後のフォトセッション風(ジャケットとネクタイ着用)というものでした。ステージ脇にはピアノが設置され、メンバーが交代で演奏しました。演奏しているピアノのフレーズ以外の音が聴こえる曲もあったので、カラオケか裏方の演奏を併用していたようです。

第一部は一通りビートルズ初期の楽器を揃えていましたが第二部の楽器はそこまで再現していませんでした。ポール役がピアノを弾く曲でそれまでポール役が弾いていた左利きベースを他のメンバーが右利きで構えて演奏しているのは驚きました(弦の高低関係が通常とは逆)。

<セットリスト(演奏曲目)>
18時半開演

All My Loving
I Want To Hold Your Hand
From Me To You
I Saw Her Standing There
Roll Over Beethoven
Eight Days A Week
A Hard Day's Night
Can't Buy Me Love
I Feel Fine
I Wanna Be Your Man
Ticket To Ride
Yesterday ※ジョンがアコースティックギター、ポールはベース リンゴは休み。キーはG
Help!
Day Tripper
Twist and Shout

(20分休憩)

Hello, Goodbye ※ジョンがピアノ
Get Back ※ジョージがピアノソロ
Don't Let Me Down ※最後のピアノソロ部分を省略
Here Comes The Sun
Come Together
Something
Yellow Submarine
Back in the U.S.S.R.
Birthday
Revolution ※キーはB
Hey Jude ※ポールがピアノ、ジョージがベース(左利きのベースを右で弾く)

(アンコール)

Let It Be ※ポールがピアノ、ジョンがベース(左利きのベースを右で弾く)
The End ※ドラムソロ以降

20時半終演

The Returnの公演はもう一度、11月25日たましんRISURUホール公演にも行くので、その様子も後日レポートします(追記:レポートは→こちら)。その際はメンバー評、使用楽器、他の来日ビートルズトリビュートバンドとの比較などを書くつもりです。

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4 コメント

  1. 大阪公演ではヘフナーが2本置いてあり、1本はポール役の人専用、別の1本をジョージ役の人が弾いていたので、右利き用に弦が張られていたと思います。

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    1. コメントありがとうございます。

      関内ホール公演もヘフナーベースが2本設置されており、両方ともポールが使用していました。曲中に交換していたのでスペアだったのかもしれません。そのベースをポールからそのまま受け取ってジョージが右に構えて弾いていたように記憶しています。
      双眼鏡で運指を見たところ弦の張り方が左利きのままに見えました。

      今回が特別だったのかもしれないので
      この点は来週の公演で再確認します。

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  2.  私も関内ホールの公演に行きましたので感想を投稿させて頂きます。
    The Returnの来日は当ブログで知りましたので感謝しております。
     私自身横浜の人間で、約40年前に関内ホール前身の横浜市民ホール時代にビートルズシネクラブのフィルムコンサートに何回か行きまして、同じ場所でトリビュートバンドとは言え、リアルビートルズのコンサートが見られるなんて何か感慨深いものを感じます。
     実際のコンサートの感想としては、第一部が終わり20分の幕間が明け緞帳が今上がろとしているいま「さあ、次はサージェントペパーだぞ」とワクワクして待っていたら、な、なんといきなりゲットバックの後期じゃありませんか?  
    一番期待のサージェントペパーやマジカルをすっ飛ばすなんて。
     第二部は何かモヤモヤした気持ちで見ていました。
     低料金は嬉しかったのですが、安かろう悪かろではがっかりです。
    多少高くても納得(楽しめる)出来るコンサートにして欲しかったです。
     次はBOOTLEGBEATLESの来日を強く期待したいですね。
    追伸、左利き用ベースを右利きのジョン役の人が使っている映像を Fab Four(若しくはWings band)のYouTubeで見た事があります。

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    1. コメントありがとうございます。

      The Returnはサージェントペパーズ期の衣装や楽器も持っているようなので今回使用しなかったのは残念でした。正味の演奏時間も100分程度でしたので、今回の日本ツアーは省エネバージョンなのかなと思います。

      スケジュール確保が難しいのかもしれませんが、今度はThe Bootleg BeatlesやThe Fab Fourで日本ツアーをやってもらいたいものです。

      ご指摘の通り、The Fab Fourのジョン役は日本公演でも左利きのベースを右に構えて弾いていたと思います。

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