2017年10月11日水曜日

『ひよっこ』完結 ビートルズ関連まとめ

NHK連続テレビ小説 平成29年度前期『ひよっこ』が2017年9月30日放送分で完結しました。ビートルズ来日をビートルズ本人や来日時の日本の映像を引用しつつ2週に渡って描いたことが話題になり、視聴率もこの週を境に上昇傾向になったようです。『ひよっこ』でのビートルズの取り上げ方をまとめます。
(2017年10月15日/22日にBSプレミアムで総集編放送)
1964年東京オリンピック開催の年からお話が始まります。ビートルズ来日2年前です。
劇中でのビートルズについては主に主人公みね子の叔父、宗男を通して語られました。彼にとってビートルズは第二次世界大戦を引きずっていた旧来の価値観を打破する存在なのです。

第4週 第20話(4月25日)←ポール・マッカートニー日本武道館公演当日。狙った?
実家がある茨城から東京に出ようとするみね子に対してラジオを操作してビートルズを聴かせようとする宗男。でも結局鳴らない。ビートルズの音楽は自由だと伝えたかったらしい。ビートルズが掲載された雑誌を送って欲しいと頼む宗男。

第8週 第46話(5月25日)
みね子の幼馴染三男が東京から帰省した際に東京でのビートルズ旋風について問う宗男。だが三男は流行に疎く、テレビのニュースで名前を見た程度らしい。
 
第9週 第49話(5月29日)
宗男への手紙にビートルズが掲載された雑誌を同封するみね子。

そしてついに第13週その名も「ビートルズがやって来る」を迎えます。
この週は6月26日~7月1日の放送でした。実際にビートルズが来日したのが1966年6月29日ですからこの日にぶつけてきたのでしょう。
ビートルズ来日を新聞で知った宗男「ビートルズがヤッテクル」と電報を みね子に打つ。
職場や近所の人とビートルズについて語り合うみね子。「いつの時代でもね、若い女の子が夢中になるものは、本物なんだよ。女の子はね、いいものを嗅ぎ分ける力を持ってるんだ。理屈じゃなくてね。」と言うみね子の職場の母親代わりの牧野鈴子。
みね子が住むアパートでも住人同士でビートルズ談義。「Yesterday」だけは歌詞が良いと評価するクラシック派の島谷。歌詞の内容を聞いて自分の境遇(父親が失踪)と重ね合わせるみね子。
宗男をビートルズ公演に参加させるために、歯磨き粉を大量購入して同僚に押し売りするみね子。歯磨き粉を買うとビートルズ公演のチケットが当たるというのは史実と同じ(商品名が史実ではライオン社「ダイヤ」のところ劇中ではチーター社「ダイアナ」)。
「なんでもいい。ワァ~と大声で叫ぶ。うるさいと思われようが、それはできるだけ遠くまで届けるためなのだ。だから聞いていると一緒に声を出している気分になって心が晴れる。一緒に歌いたくなる。それがレコードになれば、イギリスから茨城まで届く」という宗男。結局宗男もみね子もチケットは当たらなかったが、宗男はビートルズと同じ時間を過ごそうと東京まで来てしまった。

翌第14週「俺は笑って生きてっとう!」までビートルズ来日の話題は続きます。

島谷からチケットを託された宗男はそれをチケットが無くて途方に暮れ道端にうずくまるビートルズ ファンに譲ってしまう。茨城から駆け付けた妻の滋子と共に日本武道館の近くまで行き歓声を送る宗男「ありがとう! ビートルズ! 俺は笑って生きてっとう! 俺は笑って生きてっとう! おめえも生きろ!」。ローリング・ストーンズがきっと日本に来るに違いないとみね子に言い残して茨城に帰って行った。
第15週 第87話(7月12日)
みね子と一緒にいるところにビートルズのチケットを譲ったファンから声をかけられお礼のビートルズグッズをもらう島谷。事情を知らないみね子との間に気まずい空気が流れるがこれをきっかけに二人は付き合うことになる。

第21週 第123話(8月23日)
ツィギーの話題からミニスカートもビートルズも自由の象徴だと語る宗男。

第21週 第124話(8月24日)
ツィギーが来日してビートルズと同じホテルに泊まるという噂を知るみね子。

第23週 第138話(9月9日)
花の栽培方法を教えてもらう引き換えに宗男のレコード、ビートルズの「ラブ・ミー・ドゥ」を譲ってしまう滋子。思わず叫ぶ宗男「ビートルズ! ありがとうな!」。


ビートルズの描かれ方についていくつかツッコミどころがあります。

みね子の職場近くの和菓子屋の息子、ヤスハルがビートルズの「A Hard Day's Night」のイントロとおぼしきコードをギターで弾きますが、この押さえ方は正しいです。ところが当時それを知っていた日本人は皆無と思われます。ヤスハルはギターの天才だったのかもしれません。
みね子と同じアパートに住む早苗がビートルズのメンバーで好きなのはリンゴと語りますが、それは早苗を演じているのがドラマーとしても活躍するシシド・カフカさんだからでしょうか?しかしながら、後に早苗の恋人がドラマーであることがわかるのでそのせいかもしれません。この設定自体シシド・カフカさんがドラマーだからこその可能性がありますが・・・。

宗男はビートルズの「Love Me Do」のレコードを滋子に奪われてしまいますが、「Love Me Do」は当時日本でシングルレコードとして発売されていないはずです(「All My Loving」のB面での発売実績あり)。宗男が持っていたのはイギリスの初回盤(リンゴがドラムのバージョン)だったのかも??

そして何といってもビートルズの曲が1秒も流れない!権利問題と思われます。昔の日本のテレビCMなどでは権利問題をクリアするためにビートルズコピーバンドが代わりに演奏することがありましたが、それすらありません。現代でも放送の範疇ではなんとかしようがあったと思いますが、DVDで発売したときのことを考慮して問題を回避したのかもしれません。
それにしてもその回避方法が不自然です。ビートルズグッズで埋め尽くされた宗男の部屋で肝心のビートルズを聴くシーンが無いし、宗男がみね子にビートルズを聴かせようとしてもラジオが壊れていて動かないし、後にみね子が聴いていたラジオ番組でビートルズの「抱きしめたい」が曲紹介されたときもみね子はそこでラジオを消してしまいます。極めつけは宗男はビートルズ日本武道館公演チケットを受け取りながらも赤の他人に譲ってしまい、ビートルズの公演は音漏れ参戦で描かれています。譲る必然性が感じられないので、ビートルズの公演のチケットのレプリカは映したかったがビートルズの公演そのものは描きたくなかったからとしか思えません。
最後の悪あがきが前述のギターのコード一発だったのかもしれません。宗男がHelp!の歌詞らしき言葉を叫ぶシーンがありましたが、メロディにならないように配慮されていました。

ツッコミどころは多々あるものの、ビートルズ来日時の日本の様子をドラマでじっくり描きビートルズの本人映像が連続テレビ小説に登場しただけでも画期的だと思います。ビートルズと日本の関わり合いの中で長く語り継がれる作品でしょう。

<参考>
『ひよっこ』ロスなあなたに。脚本家・岡田惠和氏に、あの疑問、この疑問を聞いちゃいました!その2(otoCoto)

4 件のコメント:

  1. こんにちは(^^)/
    面白く拝読しました。
    つっこみどころを補記させていただくなら、私が感じたのは「音漏れ参戦」のシーンでした。
    まず、観客の歓声が、あそこまで聞こえてきたのか、ということ。
    当時は小一だった私が証言できるはずもないことですが、来日公演の映像(日テレが撮ったもの)を観る限り、歓声は全体におとなしげでした。
    あんな、現在のロックコンサートのような盛り上がりが見られたとは思えませんでした。(事実は解りませんけれど)
    そして何より、アンコールの「手拍子」があったことです。史実ではアンコールを求める暇もなくエリックさんが出てきて終演を告げたと記憶していますし、そもそも、60年代のあの当時、「アンコールを求めるために手拍子をする」という慣用そのものが存在しなかったはずです。
    オーディエンスがアレをやるようになったのって、早くても70年代以降じゃないでしょうか。
    と、まあ、リアルさに欠ける意味で残念だった箇所を突っ込んではみましたが、おっしゃるように、当時を再現してくれたこのドラマには感謝すらしている私です。
    いつか、版権問題とかが解けて、日テレの『ザ・ビートルズ日本公演』(1966年7月1日(金)21時から放送したオリジナルの一時間番組)がソフト化されたら嬉しいです。
    長々と失礼しましたm(_ _)m

    返信削除
    返信
    1. コメントありがとうございます。
      ご指摘ごもっともです。

      武道館を見て「武道館が揺れている!」と宗男が叫ぶシーンがありましたが、着席での鑑賞だったはずでそれは無いだろうと思いました。比喩的表現だったのかもしれませんが。

      削除
    2. 皆さん、既にお読みかもしれませんが、以下ご参考まで。
      (たまたま読んでいた記事です)
      https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171001-00010000-otocoto-ent

      削除
    3. 矢沢さん情報ありがとうございます。

      ブログ本文に追記しておきました。事情はおおむね想像通りでした。

      削除