ムック『大人のロック! 編 ザ・ビートルズ神話』2016年12月16日発売

ビートルズ研究の大家マーク・ルイソン渾身の大著の日本語版が『ザ・ビートルズ史 誕生』として今年発売されビートルズ研究界隈に旋風を巻き起こしています。この書籍にインスパイアされたムック『大人のロック! 編 ザ・ビートルズ神話』が2016年12月16日に発売されました。

『ザ・ビートルズ史 誕生』は上下巻合わせて1万円以上&1600ページ以上、 Extended Special Edition(通常版よりページ数が多い)の日本語訳では無いことから僕自身はまだ踏み込めていません。同じような方は多いと思います。『大人のロック! 編 ザ・ビートルズ神話』はそんな方にとってインスピレーションを与えてくれそうな書籍です。
本書の前半はマーク・ルイソンのインタビューから始まり、 『ザ・ビートルズ史 誕生』のガイドブックのような内容になっています。その多くは『ザ・ビートルズ史 誕生』をまとめ上げた偉業に賞賛と畏怖をたたえた記事ですが、マーク・ルイソンの名著『ザ・ビートルズ レコーディング・セッションズ』の事実認識に異議を唱える記事があったのが面白かったです。確かにマーク・ルイソンはレコーディングに関する知識や経験は限定的でしょう。
『ザ・ビートルズ史 誕生』が今年発売されたからこその本書ですが、今年と言えば映画『Eight Days A Week』 そしてアルバム『ライブ・アット・ザ・ハリウッド・ボウル』を抜きにして語れません。本書では使用されている音源の分析や関係者による裏話など興味深い記事が目白押しです。映画について多くの人が「当時の構想から変わってしまった」と語っていたのが印象的でした。確かに、この映画がビートルズのライブのレア映像満載と想像していた人がほとんどだと思います。実際はライブ期に注目した伝記物になっていました。
また、今年2016年はビートルズ来日50周年でもあります。「ビートルズと日本」というテーマから編み出した特集は日本人によるビートルズの曲のカバーをまとめたものでした。1960年代から現代に至るまで300組以上のアーティストが紹介されています。

同種のムックに比べてボリュームが少なめ、今年に注目しているにも関わらず10月~11月のリンゴ・スター来日公演の特集が無いなど惜しい点もありますが、2016年を総括するために今年中に出したかったということでしょう。実際ビートルズ来日50周年の年の瀬に今年を振り返り、今後の50年に思いを馳せるきっかけとなりそうです。

追記:
本書にご興味がある方は下記記事もあわせてご覧ください。
ビートルズの新事実続々 史実研究書や新ライブ映画で(NIKKEI STYLE)

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