新発見：1963年4月4日ビートルズが男子校で演奏した音源が60周年記念で公知に

1963年4月4日にバッキンガムシャーの名門校ストウ・スクールでビートルズが異例のコンサートを開催したことは以前から知られていましたが、ちょうど60年後に当時の学生が録音した音源の存在がBBCラジオ番組で明らかになり、一部がオンエアされました。

Front Row : The Beatles at Stowe School, Hugh Laurie on Agatha Christie (BBC)実際の放送の音源

The Beatles: How a schoolboy made the band's earliest known UK concert recording　(BBC)解説記事

It was 60 years ago today… schoolboy’s tape of the Beatles transports us to an era of optimism (The Guardian)番組裏話

Please Please Us: Lost tape of Beatles school gig could be saved for the nation (The Guardian)後日談・セットリスト

追記：全編の音源がYouTubeに流出しました↓

早速CD化されています。

当時は男子校だったそうで、噂を聞きつけて忍び込んだごく一部の女性以外は男子生徒で埋め尽くされた講堂でのコンサートでした。名門校ゆえの規律が身についていたのか混乱は無くリクエストの声も届いて「Please Please Me」を実際に演奏したそうです。ライブバンドとしての最盛期だったと思われるビートルズが適度な歓声につつまれて演奏に集中できた奇跡のようなライブです。参加した学生がうらやましいです。

22曲1時間のテープが残っているらしくコンサート2本分の大ボリュームです。以下が収録されているといいます。

 I Saw Her Standing There

Too Much Monkey Business

Love Me Do

Some Other Guy

Misery

I Just Don’t Understand

A Shot of Rhythm and Blues

Boys!

Matchbox

From Me To You

Thank You Girl

Memphis Tennessee

A Taste of Honey

Twist and Shout

Anna

Please Please Me

Hippy Hippy Shake

I’m Talking About You

Ask Me Why

Till There Was You

Money

I Saw Her Standing There (reprise)

実際はもう2曲（Sweet Little Sixteen と Long Tall Sally ）、計24曲演奏したとのこと。

今回の番組では「I Saw Her Standing There」「Too Much Monkey Business」「Memphis, Tennessee」「Please Please Me」4曲の一部だけが公開されました。番組中の音源の部分の抜粋↓

「A Taste Of Honey」をリクエストする声も聴こえます。同曲が収録されたデビューアルバムは2週間前に発売されたばかりでした。

この音源の公開に立ち会ったマーク・ルイソンはいつものように興奮気味にこの音源の重要性を語っています。

追記：音源のデジタルコピーが大英図書館に所蔵され、来場者は聴くことができるようです。

British Library acquires recording of early Beatles concert in 1963

この日ビートルズはハードスケジュールで、午前中はBBCラジオ番組「Side By Side」の収録を行っていました。この時録音した「I'll Be On My Way」はアルバム『Live at the BBC』（1994年）で正式リリースされています。

同番組では「Too Much Monkey Business」も演奏しています。この数時間後に再び演奏したことになるので、当時のストウ・スクールの演奏がどのようなものだったか想像できます。

この日はBBCスタジオの前で撮影を行い、写真が『Live at the BBC』のジャケットに使用されています。映像も残っています。

撮影した写真家デゾ・ホフマンもそのままストウ・スクールに同行したので当時の写真が多く残っています。

コンサート後ビートルズのメンバーは学内で食事をとり、寮を見学したそうです。

この異例づくしのストウ・スクール訪問はリヴァプール出身の生徒がブライアン・エプスタインに直接コンタクトして実現しました。ブライアンが地元の名家とのつながりを重視して決めた可能性がありますが、メンバー自身がそれまで縁の無かった上流階級の若者の生活に興味があったことによるかもしれません。

60年経っての新音源発見となりました。ストウ・スクール訪問翌日の音源が去年新発見されたところです。まだまだ眠っている音源があるかもしれません。

新発見：1963年4月5日ビートルズが「Please Please Me」ヒット記念式典で演奏した音源が公知に