CROSSBEAT SPECIAL EDITION ポール・マッカートニー 発売

2013年10月23日「CROSSBEAT SPECIAL EDITION ポール・マッカートニー ビートルズからソロまで全軌跡総括 ポール・マッカートニー50年の全て」 がシンコーミュージック・エンタテインメントから発売されました。
帯付きの書籍です

帯を取った状態がこちら
アルバム「NEW」関連のポールへのインタビューから始まります。これまでテレビや雑誌で公開されてきたインタビューを集約したものなので決定版と言えます。いくつか初めて見るやりとりもあり、亀田誠治さんによるインタビューは初出だと思います。これを見ると「徹子の部屋」で放送された湯川れい子さんのインタビュー収録の場に亀田誠治さんも居たことがわかります。
「徹子の部屋」では映像がトリミングされていたが亀田誠治さんも居た
「Part 1 JAPAN TOUR」はビートルズ含めこれまでのポールの来日プロジェクトについて振り返っています。ビートルズ日本公演は当時のミュージックライフ誌のレポートがそのまま掲載されています。
1975年と1980年の幻のウィングス日本公演については時系列に沿ってポールの動向や周囲(世界各国含む)の反応を淡々とつづっています。日本での獄中生活を振り返る1980年当時のポールのインタビューも掲載されています。
1990年、1993年、2002年はチケット争奪戦からライブ終了後の打ち上げまでを一観客の目線で克明に描き出しています。当時のライブ公式映像にも写っている様々な場面の裏話を当時関与していた本人が語るのは臨場感があります。

「Part 2 HISTORY」はポールの誕生から現在までの歴史をいくつかに区分しながら、それぞれ当時の本人へのインタビュー記事を交えて解説しています。もっとも古いものは1965年のビートルズに対するインタビューでした。これにはポール以外のメンバーの発言も含まれます。

「Part 3 DISCOGRAPHY」は1963年~2012年までにリリースされたアルバム(ビートルズ含む)を1ページ=1アルバムで解説し、それぞれの収録曲がビートルズ解散後~2013年8月「Out There」までのどのツアーで演奏されたかをまとめています。非常に資料的価値が高い編集ですが、何曲か漏れがあるような気もします。ツアー中ごく一部で演奏された曲は除外しているのかもしれませんが。
各アルバムを10点満点で採点しているのが面白いですが、アルバムごとにレビュアーが異なるので採点基準が統一されているのか不明です。

以降は名曲ランキング「Part 4 Paul's 50 Best Songs」、ポール関連人物名鑑「Part 5 WHO's WHO」と百科事典的な記事でまとめ上げられています。

過去の雑誌記事の再掲載が豊富で50年近くに及ぶ日本でのポール関連取材の集大成となっており非常に読みごたえがあります。 それら過去の記事には発表された以降明らかになった事実は当然反映されておらず、文体や語句の選択に今から見ると違和感があるのは否めませんが、それがかえってポールと日本の歴史の壮大さを感じさせます。
今回のポール・マッカートニー来日公演に行かれる方には文句なくおすすめできる一冊です。

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