ライブハウスにおける映像&音声収録術 その3

ライブハウスで自前撮影/録音する例を紹介した以前の投稿(1)(2)に続く第三弾です。2013年11月30日に行った甲虫楽団ワンマンライブの様子は以下で全曲視聴できます。
今回、以下のような機材配置で録音・撮影しました。詳しくは(第一弾の投稿をご参照ください。
全景を撮影しているのは前回のライブから導入したキヤノンのiVIS HF G20です。前回は三脚が貧弱で映像が振動してしまったので、今回はSLIKの三脚F740を導入しました(3,000円程度)。どうやら三脚の頑丈さは足の太さが基準になるようで、今回のものは25.4mmでした。中くらいというところでしょうか。軽量だけが売りの三脚とは違い細かいところにも配慮されていて使いやすかったです。安定した映像を撮影できました。
やはり今回もバッテリーが切れるなどして収録できない素材がありました。機材が多くなってくると安定稼働が課題です。アクションカメラのGoPro HERO3はWi-Fiを有効にするとバッテリーを多く消費するようなので、次回はモバイルバッテリーから給電しながら撮影しようと思います。外部から給電しながら撮影できないアクションカメラも多いのでここはGoProの利点です。また、舞台上手でギターを撮影しているカメラは映せる範囲が狭いのが気になります。観客の邪魔になる場所でもあるのでここに小型&広角レンズであるGoProを設置すべきかもしれません。

となるとカメラが足りなくなるのでさらなる機材の導入を検討したくなります。ちょうどここ1年ほどで演奏の撮影にこだわった小型カメラが立て続けに発売されました。

キヤノン iVIS Mini

厳密には演奏に特化したものではなく、本体をそのまま置いて自分を撮影することを目的としたカメラです。連続撮影時間が1時間に満たないのはライブを撮影する上では心もとないですが、三脚不要でそのまま置ける、レンズと同じ向きにプレビュー画面を据えられる(壁に沿って本体を設置しても撮影範囲が確認できる)というのは狭いステージの上に置くのにはちょうど良さそうです。

ソニー HDR-MV1
自分のことを「ミュージックビデオレコーダー」と称しています。リニアPCMレコーダーにアクションカメラの機能を追加したような機材で、音を重視している様子です。2時間以上連続撮影できる少電力設計はさすがSONYと言うところです。モニターは画面脇に付いています。問題は映像を撮りたい位置と録音にとって最適な位置が一致しない可能性がある点です。ライブハウスで全景を収める場合には良いでしょう。

ズーム Q4

以前から演奏の撮影にこだわった機材を発売していたZOOMがこの流れにのってより撮影部分を強化してきました。液晶部分が回転する構造になっており、家電メーカー旧来のデザインに近くなっているのが面白いです。こちらも連続撮影時間は2時間を超えますが、映像と音声のベストポジションが異なるという問題は同じです。

今回、偶然iVIS miniの中古を入手できたので(この商品は直販しかしていないので流通量が少ない)、次回ライブはベースアンプの上に置いて使用してみます。音質はこの3機種の中で最も劣るようですが、このカメラの音を使う想定は無いので取り回しのしやすさを重視しました。


ちょうど今アメリカで開催されているCESで発表されたソニーのHDR-AS100Vはアクションカメラ(ウェアラブルカメラ)に分類される製品ですが、タイムコードを外部リモコンからリセットできるというこの分野のカメラでは珍しい機能があります。複数の同機種を同時にリセットして同じ出来事を撮影すれば、編集時に複数の映像素材を同期させること(マルチカメラ編集)が簡単になるようです(タイムコードのタイミングが同じため)。
タイムコードによる同期に対応したビデオソフト編集ソフトウェアはまだまだ高価ですが、このHDR-AS100Vをきっかけにマルチカメラでライブを収録することがもっと身近になるかもしれません。今後も注目したいと思います。

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