ビートルズのリンゴボーカル曲 当時と2013年~版の違い

RINGO STARR & HIS ALL STARR BAND日本ツアーは2013年2月27日の名古屋公演を終え、折り返し地点を過ぎたところです。
2013年2月25日のリンゴ
今回のツアーではビートルズ時代にリンゴ・スターがボーカルを担当した11曲のうち8曲が披露されています(残りは「What Goes On」「Good Night」「Octopus's Garden」)。どれもビートルズの完全コピーというわけではなく、現在のリンゴに合わせた形にアレンジされているようです。
そこで、ビートルズ時代と2013年版の違いをまとめてみました。2013年版はオーストラリアでの様子を参考にしています。おそらく日本でも変わらないと思います。
キー、テンポ(BPM)、構成、ソロ楽器という観点で比較していますが、どれも僕個人の調査結果ですので表現が正確では無いところがあるかもしれません。

2013年版の全体的な傾向

 年を取って高い声が出にくくなっているのか単に楽したいだけなのかわかりませんが、ほとんどの曲はキーを2音下げています。カラオケで言うところの「4つ下げ」状態です。そんな中、「With a Little Help From My Friends」だけは原曲のキーでやっているところに意地を感じます。
テンポも遅くしているかと思いきや、逆に少し速いようです。 ライブでは盛り上げる手段として、あるいは盛り上がった結果としてテンポが速くなるのは定番だと思います。とはいえリンゴがドラムを叩く「Boys」や「I Wanna Be Your Man」は手数を減らして楽をしているようです。
構成を端折っている箇所が無いのは好感が持てます。楽器のソロ部分を増やして見せ場を作っているようです。2回以上ソロがある場合はギターとキーボードで分け合っています。エンディングは様々工夫しています。とくにビートルズ時代にフェードアウトしていた曲の終わり方は現代のビートルズコピーバンドの参考になるかもしれません。

Matchbox

公開年 1964 2013
キー A G
テンポ 159 161
構成 前奏-A-A-A-ソロ-A-A-後奏 前奏'-A-A-A-ソロ-A-ソロ-A-後奏
ソロ楽器 ギター ギター→ピアノ
2013年版の前奏はリンゴ登場の時間稼ぎをするため引き伸ばされている。

Don't Pass Me By

公開年 1968 2013
キー C A♭
テンポ 84 88
構成 前奏-間奏-A-A-サビ-間奏-A-サビ-ブレイク-サビ'-ソロ A-間奏-A-サビ"-A-サビ"-ソロ-サビ"-後奏
ソロ楽器 フィドル(バイオリン) ハーモニカ
2013年版は冒頭リンゴがピアノ弾き語りをする。サビ最後のDon't make me cryの次にDon't make me blueという一節が追加されている。

Boys

公開年 1963 2013
キー E C
テンポ 145 148
構成 前奏-A-A-サビ--ソロ-A-サビ-サビ(フェードアウト) 前奏-A-A-サビ--ソロ-A-サビ-ソロ-サビ-後奏
ソロ楽器 ギター オルガン→ギター
2013年版はフィルインが三連符を用いたものになっている。間奏に「I'm Down」の間奏のようなバンド全体でリズムを合わせるフレーズがある。

Yellow Submarine

公開年 1966 2013
キー G♭ E
テンポ 111 115
構成 A-A-サビ-A´-サビ-間奏-A-サビ-サビ(フェードアウト) A-A-サビ-A´-サビ-間奏-A-サビ-サビ-後奏(間奏と同じ進行)
ソロ楽器

2013年版は今回のビートルズナンバーの中で最もコピー度が高い。本物の音源も使用しているようである。間奏に訪問都市の名前を盛り込む「TOKYO,TOKYO」。

Honey Don't

公開年 1964 2013
キー E C
テンポ 161 167
構成 前奏-A-サビ-A-サビ-間奏-A-サビ-間奏-サビ'-後奏 前奏-A-サビ-A-サビ-ソロ-A-サビ-ソロ-サビ-後奏
ソロ楽器 ギター ギター→ピアノ
2013年版は間奏がソロに差し替わり、コード進行も異なる。

I Wanna Be Your Man

公開年 1963 2013
キー E C
テンポ 100 92
構成 前奏-A-サビ-A-サビ-ソロ-A-サビ-C(フェードアウト) 前奏-A-サビ-A-サビ-ソロ-A-サビ-ソロ-C-後奏
ソロ楽器 ギター オルガン→ギター
2013年版は後奏がサビのギターのフレーズを模したスキャットになっている。この曲のみ原曲よりテンポが遅い。

Act Naturally

公開年 1965 2013
キー G C
テンポ 93 94
構成 前奏-A-サビ-A-間奏-A-サビ-A-後奏 前奏-A-サビ-A-ソロ-A-サビ-A-B
ソロ楽器
ギター
2013年版はギターのフレーズやエンディングが典型的なカントリー風になっている。

With a Little Help from My Friend

公開年 1967 2013
キー E E
テンポ 112 115
構成 前奏-A-B-ブレイク-A-B-サビ-A-B-サビ-B-C 前奏-A-B-ブレイク-A-B-サビ-A-B-サビ-ソロ-サビ-B-C-リフレイン
ソロ楽器
ギター

2013年版はエンディングが1970年代ブギ風になっている。

追記:2019年版What Goes On、2022年版Octopus's Gardenは構成・キー・テンポが原曲と同じ


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