レビュー:「ビートルズ:ドキュメンタリー(マジカル・ミステリー・ツアー・メモリーズ)」

2013年2月2日、2月4日、2月10日、2月24日にCS放送「大人の音楽専門TV◇ミュージック・エア」にて「ビートルズ:ドキュメンタリー(マジカル・ミステリー・ツアー・メモリーズ)」が放送されます。2013年2月2日~2月11日は「スカパー!冬の10日間無料放送」実施中なので無料視聴も可能です。

http://www.musicair.co.jp/timet/index.php?rm=detail&id=153467

内容は2008年発売のDVD「Magical Mystery Tour Memories」の日本語字幕版のようです。DVDは日本でも購入できますが日本語字幕はありません。
DVD「Magical Mystery Tour Memories」のジャケット
ビートルズのドキュメンタリー作品というと愚にもつかないものが多いのですが、これは出演者や語っている内容、映像・写真どれを取っても良質です。
まず、映画「Magical Mystery Tour」のみならず複数のビートルズ映画に出演した故ビクター・スピネッティがナビゲーターを務めています。彼は2012年に亡くなっているので2008年発売の今作品は最晩年の出演ということになります。その他語っているのは当時ビートルズに実際に関わった人ばかりで、ビートルズおかかえスタッフのトニー・ブラムウェルやトニー・バーロウ、ポール・マッカートニーの弟マイク・マッカートニー、ボンゾ・ドッグ・ドー・ダー・バンドの一員として映画にも出演した二ール・イネス、ビートルズ来訪を聞きつけて当時駆けつけたスペンサー・デイヴィスなど豪華です。

映画本編については2012年に新装版が発売された際に多くの情報が解禁になりましたが、それでもなおこのドキュメンタリーは価値を持っています。逆にこのドキュメンタリーで言葉や静止画像で紹介されていた内容が新装版の特典映像で実際に視聴できるので感慨深いです。以下のようなものが相当します。
  • ポールによる円形のアイデアスケッチ
  • ホテルでの大規模かつ豪華なランチ
  • プールサイドでの撮影
  • フィッシュ・アンド・チップスの店での様子
新装版付属のドキュメンタリーではあまり語られていませんでしたが、バスが行く先々で地元住民との交流があったことがわかります。旅程がすっかりバレていたようです。当事者が各地での熱狂やビートルズと交わした言葉や物について語っています。

ビートルズ本人の登場は多いですが、音声が聴けるのはポールへの突撃インタビューの映像(新装版でも使用されている)や、ジョージ・ハリスンやリンゴ・スターへのインタビュー音声のみです。インタビュー音声を聴くとジョージが予想外に能動的に本プロジェクトに関わっていること、リンゴが予想通り他人事ととらえていたことがわかります。

権利関連のしがらみか映画本編で使用された映像や音楽は登場せず、第三者がコピーして演奏したMagical Mystery Tour関連の音源が使用されています。コピー度を吟味するのも面白いかもしれません。忠実に再現しようとしているのでしょうが間違っているところもありました。

そんな中でもビクター・スピネッティによる軍曹(意味不明の言葉をわめき散らす)の再演や、二ール・イネスによる「DEATH-CAB FOR CUTIE(かわいこちゃんに死の車を)」のピアノ弾き語りは見ごたえありました。

2012年の新装版「Magical Mystery Tour」を購入して全特典映像を楽しんだ方にはこのドキュメンタリーをお薦めします。

コメントを投稿

0 コメント