アルバム「Please Please Me」発売50周年「I Saw Her Standing There」ベースTAB譜

今日はビートルズのデビューアルバム「Please Please Me」が発売されてから50周年です。アルバム1曲目の「I Saw Her Standing There」風ベースのタブ譜を共有します。
ISHST.pdf

以下は1962年の秋にリバプールのキャヴァン・クラブで行われた同曲のリハーサル音源とされるものです。歌としては完成しているのですが、随分とのんびりした印象です。


以下はその年の暮れ、ドイツのハンブルクでのライブ音源とされるものです。エンディングも完成しており全体的にかなり迫力が増しましたが、ノリが完成版と少し違って軽いと言うかハネている感じがします。

その後、チャック・ベリーの「I'm Talking About You」から拝借したベースのリフを前面に押し出すことで疾走感が出るようになりました。以下が原典です。


「I Saw Her Standing There」のイメージを支えている肝心のリフは以下のようなものですが、
 実際は先頭を4分音符にした以下のパターンも多用しています。
複数テイクの同じようなところで使用しているので、曲のセクションの先頭で使用する意図があるようです。ということでイントロからしてこのパターンでして、よくマニアポイントとして語られるイントロ半拍前から楽器が演奏するというのはジョン・レノンのギターだけのようです。ベースはイントロの拍の頭からどっしりと参加しています。しかもこの曲のカウントからイントロ半拍前のギターの音までが別テイクというからややこしいです(イントロより前=テイク9、イントロ以降=テイク1)。
同曲レコーディング中にカウントを叫んだのはこの一回だけのようで偶然の産物を活かしたということになります。

ポール・マッカートニーのベースは「曲の冒頭はシンプルでだんだん崩していく」のが定番ですがこの曲から既にその片鱗が見えます。同曲のレコーディング時の音源を聴きましたが、間奏はほぼアドリブのようです。驚くべきは危なっかしく聴こえるジョージ・ハリスンのギターソロもアドリブだということです。大した度胸です。その後ライブで披露するようになってからはレコーディングとも違うソロを考えて使用し続けましたが。

あるいはテイク1で決定版ができた実感があって、その後はいろいろ試しただけなのかもしれません。テイク1以降はポールの歌や演奏も集中力を欠いているように聴こえます。

ライブでの同曲の名演を共有します。1963年10月にスウェーデンのテレビ番組「Drop In」に出演した際の映像です。

コードがAのときにレコーディングのときより1オクターブ高く弾いていることがわかります。さすがに中間部(Well, my heart went boom...)はレコーディングと同じ低さですが、開放弦を使用しているように見えます。フレットを見ずに弾くためにそうしたのかもしれませんが、4弦の5フレット(ここがA)が鳴らなかったのかもしれません。4弦の鳴りが悪いというのはヘフナーのベースではよくあることだと思います。

また、この曲のテンポは速いほうだと思うのですが、 ベースは全てダウンピッキング(下方向のみ)で弾いています。ビートルズ初期は同曲に限らずダウンピッキング一辺倒のような気がします。ビートルズ解散後は同曲もオルタネイトピッキング(上下往復/アップダウン)を織り交ぜて弾いています。以下が証拠映像です。


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