Abbey Road Meets... Ken Townsend
http://www.abbeyroad.com/News/Article/282/Abbey-Road-Meets-Ken-Townsend
ケン・タウンゼント(2006年) |
その歴史的な日に現場に居合わせたケン・タウンゼントは、当日ポール・マッカートニーが使用していたベースアンプの雑音がひどかったためノーマン・スミス(彼もエンジニア)とともに施設内の機材をかき集めて急造ベースアンプにしつらえたエピソードを披露していました。
とはいえこの事実は既に公知となっていたものです。他にもADTの技術的解説や、2台のマルチトラックレコーダーを同期させて使用したこと、ジョン・レノンがスタジオのトイレに設置されたトイレットペーパーの品質に対してクレームをつけたなど、ファンにとってはおなじみの話題が改めて語られています。
その他に興味深かったのは以下のような内容です。
- 同スタジオのエンジニアは「The Amp Room」と呼ばれていた。※単なる仕事仲間か正式な部署かは不明
- ADTの方法論はポールのボーカルのオーバーダビング作業後に車で帰宅している最中に思いついた(ADTを使うと1度のボーカル録音でボーカルを2度録音したかのような効果が得られる)※ジョンからリクエストがあってひねり出したという通説とはニュアンスが異なる
- ポールの現在の妻ナンシーにビートルズの当時の忙しさを話した※最近もポールと交流があることがわかる
- 録音テープのヒスノイズが問題になるのはダビングした以降(=ダビングしなければ気にならない)。ドルビーが開発される前からEMIにもノイズリダクションのシステムがあったが使い物にならなかった。
- 口パクは嫌い
今回のケン・タウンゼントの発言もそういった傾向が感じられますが、その中にあって「ビートルズとの最初のセッションが終わった直後、家族や友人にその様子を話した。これは珍しいことだ。それまで既に世界的なアーティストを手掛けていたが自分から他人に話すようなことは無かった。」という発言に関心を持ちました。
過去を振り返る場合「発言内容」に比べて「行動の結果」は信憑性が高いと考えられるので、他者に対する自分の行動から当時の本当の気持ちをうかがい知ることができるからです。
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