ヘフナーのバイオリンベースの誕生から現在までを追った洋書「Hofner: The Complete Violin Bass Story 」が発売されました。
この書籍には多くの人の協力で成り立っており、バイオリンベースの生みの親、ウォルター・ヘフナーの娘からヘフナー社自身、世界各国のコレクターまで写真や情報を提供しています。日本からも二人が参画しているようです。
以下が目次です。
A Brief History of Hofner
Walter Hofner - Father Of The Hofner Violin Bass
The Early Days - 1956 to 1960
Calm Before the Storm - 1960 to 1963
"How many basses did you say?"
The Golden Years - 1963 to 1967
Blades and the "Standard" Model - 1967 to 1997
Variation on the Theme - 1968 to 1997
Basses Made in Spain - Mid 1960s to mid 1970s
The Japanese Get Their Way - 1983 to 1993
The Re-issue Story - 1994 to 2012
Basses From China - 2006 Onwards
Adertisments and Cataloges
Conclusions
Appendix One - Dates of Main Detail Changes to the Violin Bass
Appendix 2. Violin Bass Serial Numbers.
Appendix Three. Pot Codes and Body Dates
Appendix 4 - Pickus Fitted to the Violin Bass
ヘフナー社が手掛けるバイオリンベースについて創成期のモデルから今年流通した「Jubilee Violin Bass」まで余すことなく取り上げています。中国製のContemporaryシリーズやインドネシア製のIgnitionシリーズはもちろん、一時スペインで製作していたモデルや、グレコブランドでヘフナー社が製作したもの(コピーモデルなのに本家が作っている・・・)まで網羅している徹底ぶりです。各モデルはA4の紙面いっぱいを使った大きな写真で掲載され、元の写真が白黒でない限りはすべてカラーです。写真は本体のみならず広告や各所内部資料なども豊富です。
目を引くのは日本が主導して開発したモデルについて一つの章を割いて説明しているところです。当時の関係者の写真やチラシも豊富に掲載されています。その後のリイシューモデルの隆盛に日本が果たした役割が大きいことがわかります。
この書籍はもちろんポール・マッカートニーのバイオリンベースがきっかけとなっているのでしょうが、ポール本人のバイオリンベースについてはほとんど触れておらず、写真もソロ時代のポールがベースを抱える写真が一枚掲載されているだけです。ポール使用器と同時期のモデルの写真は豊富です。
ポールの楽器そのものに興味がある人にとっては物足りない内容かもしれません。そういった方々にはむしろ付録(Appendix)の方が価値がありそうです。とはいえ、全316ページほぼカラーの気合いの入った書籍ですので様々な興味にも対応できる懐の深さがあると思います。
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