Live at the BBC vol.1 1994年版と2013年版の違い

ポール・マッカートニー来日のせいで埋もれてしまった感がありますが、2013年11月11日にビートルズのニューアルバム「On Air - Live At The BBC Volume 2」が発売されてから2週間が経ちました。初週の売り上げランキングで3位になるなど好調のようです。
同日Volume 1に相当する「ザ・ビートルズ・ライヴ!! アット・ザ・BBC」も再発されました。これは単なるリマスターではなく、音源自体に手を加えられていることがわかっています。1994年版(旧版)と2013年版(新版)の音の違いについて各曲の冒頭と最後10秒くらいずつ聴き比べて検証しました。
1994年版(日本盤を購入)のレーベル

2013年版(輸入盤を購入)のレーベル

新版の方が各曲の収録時間が長い

旧版は曲同士をクロスフェードさせてラジオ番組のようなテンポを出したかったようですが、今回はしっかり余韻を聞かせており、クロスフェードしていません。
余韻が長くなったのは2009年のオリジナルアルバムのリマスターでもあった傾向でした。技術の向上と、ノイズを恐れずありのままの音源を収録する方針のせいかもしれません。
新版のShe's A Womanは特に旧版よりフェードアウト部分が長く収録されています。

新版の方がヒスノイズが多い

アナログテープに特徴的なサーというノイズを旧版では極力排除しようとしており、そのために音の輪郭があいまいになってしまう点が批判の的になっていました。新版は無理に除去しようとしていません。その結果、Beatle Greetings (Speech)、Riding On A Bus (Speech)、A Little Rhyme (Speech)などのトーク部分にとくにノイズが目立つようになっています。

新版ではベースの音が調整されている

これも2009年のオリジナルアルバムのリマスターと似た傾向ですが、ベースの音量や歪みが念入りに調整されているように感じました。
Too Much Monkey Businessはベースの歪みが消えています。Some Other Guyもだいぶ聞きやすくなりました。

新版では新音源に差し替わっている

最も期待されたのがこの点です。1994年以降に新発見されたより良い音源が使用されているという意味です。しかしながら、それが実感できたのはSha La La La La! (Speech)のトーク部分だけでした。I Saw Her Standing ThereやI Got To Find My Babyには大幅な音質の向上が感じられますが、それぞれ既出のノイズ除去方針転換やベース音調整の結果そう聴こえるだけなのかもしれません。

新版ではテープスピードが調整されている

テープ(レコードかも?)の回転速度が最適になるよう全体的/部分的に調整しているようです。Young BloodやI Forgot To Remember To Forgetでは明らかにテープスピードが上がっており、テンポは速く、音程は高く変化しています。逆にCrinsk Dee Night (Speech)は新版の方がテープスピードが下がっています。その他曲中のテープスピードの変化も敏感に調整しているようです。

ナレーションのあるなし

新版冒頭のFrom Us To Youには「It's the Beatles」というナレーションがかぶせられていますが、旧版にはありません。逆に旧版のThings We Said Todayのイントロにかぶせられたナレーションは新版では無くなっていました。

新旧で収録内容が違う

旧版では分かれていたA Hard Day's NightとHave a Banana! (Speech)が一つに繋げられ、その後にRingo? Yep! (Speech)が新たに追加されています。
新版には2枚目の最後に From Us To Youが追加されています。

新版では音を修正している

旧版で目立ったI Feel Fineのイントロのフィードバック部分のノイズが新版では綺麗に消えています。他にもあるかもしれません。

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