レポート:ザ・リターン 立川公演 2015年11月25日

※The Return 2017年日本公演については→こちら

ビートルズトリビュートバンド「The Return」日本ツアー前半戦の最後、今ツアー初の東京開催となる たましんRISURUホール(立川市市民会館)公演に行ってきました。前週の関内ホール公演(レポートは→こちら)に続いて2度目の参加です。
 
大ホール 1階席771席は8~9割の入りでした。2階席416席には前方3分の1程度まで客を入れていたようです。
セットリストは前回(関内ホール公演)と同じでした。MCの挿入箇所、担当者、話すネタも同じで、歌や演奏の出来も同じでした。変わっていたのは使用楽器の一部と、MCの日本語のバリエーションが増えていたことくらいです。常に安定したパフォーマンスという意味ではさすがはプロです。 今回幸運にも前から5列目の中央で鑑賞できましたが、音量が小さいという印象は前回と変わりませんでした。
観客は関内ホール公演より盛り上がっていたようです。立ち上がることを要求されたときの反応も早く、長い時間立っていました。

以下、曲ごとの使用楽器です。

曲目 ジョン ポール ジョージ リンゴ
All My Loving Rickenbacker 325 ワシントンDC仕様 Hofner 500/1 2本目仕様 Gretsch
Country Gentleman
LUDWIG
ブラックオイスター
1タム
白地にThe Returnのロゴ
I Want To Hold Your Hand
From Me To You ハーモニカ&Rickenbacker 325 ワシントンDC仕様
I Saw Her Standing There Rickenbacker 325 ワシントンDC仕様
Roll Over Beethoven
Eight Days A Week Gibson J-160E Rickenbacker
360/12
A Hard Day's Night
Can't Buy Me Love Rickenbacker
360/12→Gretsch
Country Gentleman
I Feel Fine Rickenbacker 325 1964年仕様 Gretsch
Country Gentleman
I Wanna Be Your Man
Ticket To Ride
Yesterday Gibson J-160E
Help!
Day Tripper Rickenbacker 325 1964年仕様
Twist and Shout
Hello, Goodbye ピアノ Fender Telecaster
オールローズ
Get Back Epiphone Casino ナチュラル ピアノ&Fender Telecaster
オールローズ
Don't Let Me Down Fender Telecaster
オールローズ
Here Comes The Sun Gibson J-160E
Come Together Fender Telecaster
オールローズ
Something
Yellow Submarine Gibson J-160E
Back in the U.S.S.R. Epiphone Casino ナチュラル Epiphone Casino サンバースト
Birthday
Revolution
Hey Jude Gibson J-160E ピアノ Hofner 500/1 2本目仕様
Let It Be Hofner 500/1 2本目仕様 Fender Telecaster
オールローズ
The End Epiphone Casino ナチュラル Hofner 500/1 2本目仕様→ピアノ
※ジョンやジョージがベースを弾くときはポールのベースを右に構えて演奏(弦の配置が逆にも関わらず)
※ステージ上にアンプ類は無かった
※ステージ上にはHofner 500/1 1本目仕様のベースも設置されていたが使用せず(関内ホール公演ではトラブル発生時のバックアップとして使用)

メンバーについて感想を述べます。

リチャード・ステリング(ジョン・レノン役)

風貌や楽器の弾き方はジョンによく似ていました。声の線が細いですが、後期の曲になればあまり気になりません。歌はあまりモノマネに走っていない点に好感を持ちました。ギター演奏については突き詰めていないふしがあり、Get Backのソロはコピー度が甘かったです。MCでは日本語を多用し常に盛り上げようとしていました。

シェイン・ランダーズ(ポール・マッカートニー役)

高い声も難なく出して、本来の利き腕とは異なる左で弾くベース演奏もミスなく、おいしいフレーズは着実にすくい取っており、欠点は見当たりません。しかしながら、ポール役を担当できる才能があったからやっているだけでポールやビートルズに対するリスペクトに欠けているように感じました。楽器や演奏のコピーにはもう少しこだわって欲しかったです。一番いけないのは体型です。ヘフナーベースのストラップは長さが固定なので、体の厚みが増すと構える位置が高くなって見栄えが悪いです。

マイケル・フーロップ(ジョージ・ハリスン役)

長身で細身、彫りの深い顔と、バンドのビジュアル担当といえるでしょう。終始笑顔で演奏していました。演奏技術は文句ないですが(Get Backではピアノソロも披露)、あまりに流麗なのでジョージのように一音一音丹精を込めて(たどたどしいとも言う?)弾いて欲しいなと思うところがいくつかありました。

アダム・サーストン(リンゴ・スター役)

 叩くときの体の動かし方やフレーズも良く研究されており、メンバーの中で最も本人に近いと言えるでしょう。テクニックもリンゴ相当といったところで、I Feel Fineの原曲のパターンの再現には苦慮していました。歌うときにマイクを股の間に立てていたのは好印象です。演奏は誠実さを感じるものでしたが、後期の曲にはもう少しふてぶてしさがあった方が良いと思いました。

バンド全体としてはよく訓練されている様子がにじみ出ており、全員手元を見ずに常に観客に向かって演奏していました。ここ数年来日しているLET IT BEやThe Fab Fourなどのビートルズ・トリビュート・ショーに比べて低コストで興行が行なわれていると考えられ、演出・楽器・衣装・上演時間が省略されている印象があります。The Returnの実力の全貌をまだ見られていないのかもしれません。とはいえ、このこじんまり感が全国ツアーを可能としているのは確かで、過度な装飾が無いむき出しの演奏が好きな方もいると思いますので(LET IT BEのように曲の構成を端折って曲数をかせぐようなことはしていません)、ご興味のある方は行って損は無いと思います。

We hope you're all having a wonderful thanksgiving! We are thankful for all of you! Without you, we wouldn't be able to...
Posted by The Return on 2015年11月26日

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2 コメント

  1. こんにちは。
    いつも色々な情報をありがとうございます。
    Let it beの感想を投稿させて頂いた者です。
    12月2日の葛飾での公演を見てきました。
    全体的な感想はノベさんと同じです。
    ただ、音量はそれなりに有り、小さいとは感じませんでした。
    メンバーのノリも良く、Let it beよりライブ感が有り、前半はとても楽しめました。
    曲の短縮が無いのも、安心出来る要素でした。
    後半は、流石に4人では音数や音色が足りず(キーボードの奏者がいたのだかもしれませんが)、曲の再現度に物足りなさを感じる場面も有りました。
    価格を抑えた分、曲数もそれに比例した形になったのだと思えば、妥当なステージでは有ったと思います。

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    1. コメントありがとうございます。

      確かに後期の曲は物足りなさがあったので、曲を変えるか、
      もう少しおおっぴらにカラオケ(それとも影武者?)を使えば良いのにと思いました。
      Hello Goodbye、Here Comes the Sun、Somethingなどでステージ上の4人以外の音が流れていましたが、音量が控えめでした。

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