書籍「サージェント・ペパー50年」2017年6月26日発売

今年発売50周年を迎えるビートルズのアルバム『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』を多角的に分析する書籍「サージェント・ペパー50年」が河出書房新社から2017年6月26日に発売されました。
サージェント・ペパー50年(河出書房新社)

 6月1日に北米で発売された「Sgt. Pepper at Fifty」の日本語版で、できたてホヤホヤの50周年記念本です。
北米版の第1章扉
 同アルバムを「ムード」「ルック」「サウンド」「レガシー」という4つの切り口で分析しています。とくに「ムード」と「ルック」が本書の特徴で、同アルバムが生まれた時代の政治・経済・文化を事細かに解説しています。とくにアートの世界について詳しいです。紙面がフルカラーでデザインも凝っており、全体的にもかなりアート方面に振った作りになっています。写真・図版225点収録とのことですが、ビートルズ以外の写真が豊富です。ビートルズに関心が無くても1967年の英米の文化に興味がある人には楽しめる内容になっています。
「ルック」では当然アルバムジャケットが出来上がるまでを念入りに説明しています。個人的にはミリタリールックの衣装についてもう少し深く掘り下げてほしかったです。
 「サウンド」ではレコーディング時のエピソードを紹介しています。この部分はすでに他の書籍で語り尽くされているでしょう。
「レガシー」は同アルバム完成後から現代に至るまでのビートルズの活動をまとめ、「サージェント・ペパー」がどう受け止められてきたかを紹介しています。

ビートルズのレコーディングや演奏の分析に関して日本は世界の最先端を行っていると思いますが、当時の英米の雰囲気の理解についてはさすがに本場にはかないません。本書はそんな得意分野を引っ提げて日本にやってきた必然性があると感じました。

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