レポート:BACK IN THE BEATLES『イエロー・サブマリン発売50周年記念ライブ』

普段はオリジナル曲を作・編曲・演奏しているプロミュージシャンが一堂に会しビートルズを演奏するイベントは古くから行われていましたが、「Dream Power ジョン・レノン スーパー・ライヴ」が2013年を最後に休止している今、定期的なものは「Dear Beatles」(今年は3月10日昭和女子大学人見記念講堂で開催)くらいという状況でした。
そんな閉塞感に風穴を開ける新規プロジェクト「Back in the Beatles」が昨年発足しました。ビートルズのオリジナルアルバムのイギリス発売50周年当日に全曲演奏を行うというものです。初回は2018年11月22日『The Beatles』(ホワイトアルバム)発売50周年記念日にTSUTAYA O-WEST(渋谷)で開催されました。その本番当日に発表された第二弾『Yellow Submarine』特集に参加してきました。

2019年1月19日(土)場所は高円寺のライブハウス「ShowBoat」(ショーボート)。第一弾に比べキャパは抑え気味ですが、アルバム『Yellow Submarine』の人気度を考慮してのことでしょう。ShowBoatは「Back in the Beatles」第一弾の時点で「協力」として名を連ねていたのでその縁で会場になったのだと思います。
当日、足の踏み場もないくらい敷き詰められた60席の椅子は満席でした。『Yellow Submarine』は『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』の流れを汲むものであるという解釈の元、ステージは1967年のテレビ番組「Our World」(ビートルズが「All You Need Is Love」を披露)を意識したセットでした。

『Yellow Submarine』はもともとビートルズの演奏が収録されているのはレコード片面の6曲だけなので(だから不人気)、1stステージは「プチ・ホワイトアルバム」と題してホワイトアルバムから6曲抜粋して演奏しました。
演奏内容はビートルズに忠実でしたが、いわゆるコピーバンドのような衣装・楽器・役割(「ジョン役」等)の再現はしていませんでした。とはいえ、ボーカルはジョン・レノン=風祭東さん、ポール・マッカートニー=伊豆田洋之さん、ジョージ・ハリスン=根岸孝旨さん、リンゴ・スター=金子充伯さんと明確に分担されていました。

「ナビゲーター」という肩書でプロジェクトをけん引する風祭さんによる用意周到なMCで綿密に進行されたステージは飽きる間も無く終了し、そのまま藤本国彦さんを招いてのトークライブに移行しました。テーマはもちろん『Yellow Submarine』。
ビートルズ関連のトークショーでひっぱりだこの藤本さんですが、なかなかこの話題を取り上げることは無いと思います。聞いたこともないエピソードが次々と飛び出し、話している藤本さんも楽しそうでした。そのトークの中で、風祭さんは今日が『Yellow Submarine』発売50周年当日だと思っていたことが判明しました。実際は藤本さんも指摘していたとおり、2日前の1月17日のようです。てっきり、50周年当日は木曜日になってしまい集客に懸念があるので直近の土曜日に設定したのかと思っていました。でも、これで第三弾『Abbey Road』特集は2019年9月26日(木)の開催が濃厚になりました。

休憩を挟んでいよいよ『Yellow Submarine』A面制覇です。いわばボツ曲集なので来場者があまり聴いたことが無い曲もあったのではないでしょうか。とはいえノリの良い曲も多く、「Yellow Submarine」で始まって「All You Need Is Love」で終わるというのはライブで演奏するのに良い曲順だなと感じました。
そのままアンコールステージに突入し、アルバム『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』から4曲演奏して最後は「Love Spreads All Over The World 」(『BACK IN THE BEATLES』テーマソング)で大団円を迎えました。

ビートルズに深く影響を受けている方々が出演しているわけですが、普段から専門的にビートルズのコピーを行っているわけではないのでしょう、ビートルズの演奏をなぞることが窮屈そうに見えることもありました。そこから解放されるリフレイン部分や曲を終わらせる際には存分にプロの凄みを感じました。その意味で今回最も感動した曲はこの日演奏された唯一のオリジナル曲「Love Spreads All Over The World 」でした。この曲ではみなさん一気ににセンス・技術・経験を爆発させておりその迫力に圧倒されました。

ビートルズのアルバム発売50周年にアルバム全曲演奏というのはまさに我々甲虫楽団も取り組んでいることですので、「Back in the Beatles」にあやかって甲虫楽団の活動の知名度も上がったらよいなと思います。甲虫楽団が『Yellow Submarine』A面全曲を演奏する際は『Abbey Road』全曲とセットで開催する予定です。開催日は未定ですが当然9月26日は外します!

・・・その前に、甲虫楽団はホワイトアルバム全曲演奏ライブを昨年に続き開催することになりました。場所はなんと「Back in the Beatles」第二弾と同じShowBoatです!「Back in the Beatles」に参加された方も是非ご来場くださいませ。

 ホワイトアルバムリリース50周年記念、全曲通しアンコールライブ
日時:
2019年3月21日(木祝)12:00開場 12:30開演 15:00終演予定

内容:
1stステージ『The Beatles』(ホワイトアルバム)1枚目(AB面)
2ndステージ『The Beatles』(ホワイトアルバム)2枚目(CD面)

場所:
高円寺「ShowBoat(ショーボート)」
JR中央総武線高円寺北口から徒歩8分
http://www.showboat1993.com/

料金:
2,500円(1ドリンク込み)
学生/未成年 1,600円(1ドリンク込み。受付時に学生証を提示してください)
※ご予約・前売チケットのご購入はShowBoat様へお問い合わせください。
くわしくは→http://www.showboat1993.com/about-1-cigl

初演時の様子↓

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