レポート:『ザ・ビートルズ Get Back:ルーフトップ・コンサート』グランドシネマサンシャイン池袋

 2022年2月9日~13日期間限定上映『ザ・ビートルズ Get Back:ルーフトップ・コンサート』初日の鑑賞レポートです。

追記:2022年2月25日(金)~3月3日(木)アンコール上映が決定しました (その後さらに~3月10日までに延長)

どうせなら「IMAXレーザー/GTテクノロジー」というIMAX最上位の会場でということでグランドシネマサンシャイン池袋に行って来ました。他に日本で「IMAXレーザー/GTテクノロジー」を採用している会場は「109シネマズ大阪エキスポシティ」だけです。

赤く光っているところがIMAXシアターの階

グランドクラスを予約

予約は2日前の午前0時から解禁、と思って00:00:00きっかりにトップページをスキップして直接購入ページにアクセスしたのですがなぜかけっこう埋まっている!裏口があるのか?と思ったらどうやら「シネマサンシャインリワード」(有料会員)は21時から予約開始できるようです。

午前0時3分ごろの予約状況

中央の席はほぼ埋まっていたのでしかたなく(?)最上位の「グランドクラス」を予約しました。本来は+3000円の5600円ですが、2月9日は毎週水曜日開催の 「シネマサンシャインデイ」で700円引きの4900円で購入できました。この料金には施設内で利用できるミールクーポン(飲食代金に充当可能)1200円分が含まれます。

ミールクーポンに800円足して注文

会場に入ってまずはスクリーンの大きさに驚きました。6階建てビルくらいの高さがあるそうです。グランドクラスは最後列なのですが、座席配置は傾斜が高くちょうどスクリーンの上下中央に頭が来るので遠い感じはしません(でももう数列前のプレミアムクラス+1500円の方が迫力あるかも)。前後左右もゆったりで前の人の姿はまったく視界に入りません。

座席は電動リクライニング(足置きが伸びる/背もたれが下がる)になっています。ひじ掛けも左右利用可能です。鑑賞後の整理退場も真っ先に呼ばれるなど至れり尽くせりです。

本編の構成/配信版と違うところ

本編はいつもの(配信版やプレミア上映100分版と同じ)約10分間のビートルズヒストリーから始まります。今回見て気づいたのですが、クオリーメン加入時のポールとジョージの年齢の間違い(1歳史実より若い)が修正されていました。いつのまに配信版も修正されています(こうやって簡単に修正できるのが配信のメリットか…)。

この後プレミア上映100分版はピーター・ジャクソン監督が登場して解説したり1969年1月27日の映像が流れますが、今回それはありません。 

(プレミア上映100分版については→こちら

突然1969年1月30日から始まります。カレンダーの表示や「DAY○○」の表記もありません。この部分の編集は配信版といくつか異なっており、アップル・コアのビルの周りの様子は別の日の映像も使っています。ビートルズが直前まで演奏をためらっていたという説明はカットされていました。

配信版では初登場の人物について人名と続柄が字幕で表示されますがこの65分版には一切ありませんでした。

 ビートルズがルーフトップに登場してから退場するまでは配信版と変わらないようでした。街頭インタビューや警官とのやりとりもそのままです。ただし、日本語字幕がいくつか配信版と異なっていました。翻訳者も監修者も配信版と同じはずなのですが。あえて変えた意図がわかりませんでした(間違いを修正?)。

ルーフトップ・コンサートの後に音源を聴くシーンまでは同じでしたが、その後は実際は翌日(最終日)に行われた撮影にそのまま移行したかのような編集になっていました。

最終日の様子がスタッフロールに使われているのは配信版やプレミア上映100分版と同じです。映像や音声も同じようでした。

編集に不満。誰向け?

約10分間も使っておなじみのビートルズヒストリーを流した後はいきなりルーフトップ・コンサート当日になってしまうので説明の力点を置くべき箇所が違うと感じました。前述の通り配信版と異なり人名が表示されないので、誰が誰だかわかりません。グリン・ジョンズもビリー・プレストンもジョージ・マーティンも言及されないので、全体像を深く味わうことができません。ビートルズ基礎知識が無い大衆をターゲットにしてあえてモブキャラ扱いにしているのかもしれませんが、お構いなしに人名が会話に登場するのでそれらの人物を知らなかった観客は居心地悪く感じることがありそうです。

ビートルズヒストリーはほどほどにして、これまでのセッションのダイジェストで上手に人物紹介するべきだったと思います。ルーフトップ・コンサートをどのような目的と意図で遂行したか説明が無いので「コンサート」と思って映画館に来た人は観衆無視の進行に面喰いそうです。

説明不足は ルーフトップ・コンサートに専念してもらうためかもしれませんが、だったら演奏シーンに会話をかぶせたり、遠くから聞こえるような音に加工したりせず、先日配信開始されたビートルズの演奏そのままを流せばよかったと思います。映像は今のままで良いので。何故そうしなかったのでしょう…。

エンディングで実際は日をまたいで行われた撮影を同じ日に起きたことのように誤認させる編集も気になりました。カレンダーは出さなくてもいいのですが、ポールの「昼食を食べ やっていないアコースティックの曲を録ろう」のセリフはカットした方が良かったと思います。

映像は良い!音は・・・

IMAXのスクリーンは現代のテレビより縦方向が長いので、撮影素材が正方形に近い本作と相性が良いと感じました。単一素材(2分割や3分割していない)の映像の場合はIMAXのスクリーンいっぱいを使うのでテレビでは感じられない迫力がありました。

 音響は、音楽を観賞するのには向いていないと感じました。SF映画で効果的そうな重低音はしっかり出ますがその上の中低音が薄く、ポールが弾くベースラインが感じ取れません。プレミア上映100分版(ドルビーアトモス)の方が好印象でした。ただし、これは今回視聴した席が会場最後尾だったからもしれません。

お祭りとしては満足

辛口レビューになってしまいましたが、2022年にビートルズを数百人規模の方々と一緒に体験できたのは純粋に楽しかったです。上映後は自然と拍手が巻き起こりました。すでに配信を見た方にもお勧めできますが、演奏中の会話の字幕は目で追わず演奏に集中すると良いと思います。

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