ビートルズの革命 赤の時代 『のっぽのサリー』が起こした奇跡
初回放送: 2023年6月12日22:00 再放送:2023年6月21日23:50
ジョン・レノンとポール・マッカートニーの運命の出会いは1957年7月6日。二人とも黒人ロックンローラー、リトル・リチャードの『のっぽのサリー』に夢中だった。すべてはここから始まった。オリジナリティあふれる音楽、奔放な言動は、世界の若者の心に火をつける。階級社会、人種差別、戦争、その全てにNOを突きつけ、世界を変えた4人の冒険。今なお世界で愛され続けるビートルズを世界史の中で改めて味わい直す。
初回放送: 2023年6月19日22:00 再放送:2023年6月28日?
人気が過熱し、1966年8月をもってライブ活動を休止したビートルズ。4人は数か月、姿を消す。再び人前に現れた時、その音楽はすさまじい進化を遂げていた。その衝撃は、東西冷戦の壁も越える。西側のロックが禁止されていたソ連で、若者たちは身の危険を冒しながら、ビートルズを聴いた。そして解散後もビートルズが残した熱は、若者たちの自由を求める心に火をつけ、もはや国家が止められないほどのパワーとなっていった。
感想
NHKらしく社会性が高い視点の中にもビートルズ史の主要イベントは押さえており、前後編でメンバーの誕生から2000年代の出来事まで網羅していました。NHKが世界各国から収集した映像は珍しいものが多いですが、逆に言えばビートルズ側がしっかり保持している公式映像(最も高画質)は使っていないので特に後編は編集に苦労していたように見えます。そのせいかはたまた時節柄か、後編はソ連の話題が大半を占めており、無理矢理ビートルズと結び付けている感がありました。あるいは「ビートルズはもはや時代の主役では無い」ということを表現したかったのかもしれません。その点は一貫していたように思います。ただ、それにしては題名が凡庸です。
一方、前編はドラマチックに描かれており、題名にも演出の自信があふれています。ビートルズが旧来の価値観を壊していった象徴としての「のっぽのサリー」をビートルズのライブ活動の最初(ジョンとポールの出会い)と最後に対比させるという伏線回収は見事でした。ジョンとポールの出会いの曲は「Twenty Flight Rock」じゃないの??というファンも多いですが。
ディレクターは前後編で違うようですが、それにしてもあまりに前後編で落差を感じるので、前編は映画『ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK The Touring Years』をお手本にしたのかもしれないと思いました。網羅する年代や切り口が似ています。
同映画についてのまとめ→こちら
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