レビュー:ドキュメンタリー『ビートルズ ’64』

ドキュメンタリー映像作品 『ビートルズ ’64』がディズニープラスで11月29日配信開始されました。

2024 • 1時間 47分 • ドキュメンタリー、音楽

ビートルズのアメリカ上陸からイギリス帰国までを基本的に時系列で追いながら、間に当時を知る人たちのインタビュー映像を挟むというドキュメンタリー定番の構成でした。作品の冒頭でも明言されていますが、ビートルズ自身ではなく当時のビートルズ現象を体験した人々が主人公です。ビートルズが演奏するシーンは限定的なのでビートルズを見たい人にとっては不満が残る作品かもしれません。

映像や音声は丁寧に処理されていますが、AIの劇的なパワーを感じるほどではありません。珍しい映像が含まれているのかもしれませんが驚くようなものは見当たりませんでした。

現代のポール・マッカートニーやリンゴ・スターが登場します。それに加えて彼らの過去(といってもビートルズ以降)のインタビュー映像も使われているのは奇異に感じました(今聞けばいいのに)。故人のジョン・レノンやジョージ・ハリスンは過去インタビュー映像を使用するしかありませんが、特にジョンは時々の状況や心境によって言うことを変えますので、いつ誰に対して語ったのか画面に表示した方が良いと思いました。全体的に過去のインタビューの選定にはセンスを感じませんでした。マニア度(思い入れや映像に対する知識)が足りないというか。

ビートルズが世代/階級/性別/人種といった壁を易々と乗り越えていった、という描き方は『ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK -The Touring Years』(2016年)と同様ですが、今作はケネディ大統領暗殺との関係を全体を通して強調しているのが特徴的でした。

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