レポート:「くり万太郎のサンデー早起き有楽町」Presents! 「イマジンスタジオで聴こうビートルズ!」

以前の投稿で紹介したイベントに運よく参加できました。2012年に発売されたビートルズのアナログ盤を聴きながら当時のエピソードを語るイベントです。東京のラジオ放送局「ニッポン放送」の番組「くり万太郎のサンデー早起き有楽町」の公開録音を兼ねています。開場10分後には150席の客席はほぼ満席でした。会場はジョン・レノンの楽曲にちなんで名づけられたニッポン放送ビル地下のイマジンスタジオです。

正面のスクリーン
 同番組のパーソナリティであるくり万太郎さん(ニッポン放送アナウンサー)と及川 伸一さん(フジパシフィック音楽出版取締役)がイベントを進行します。及川さんがレコードをかける担当です。再生機材はイギリスの高級オーディオメーカーLINNの製品でした。途中から高嶋弘之さん(当時東芝音楽工業でビートルズ担当のディレクター)も参加しました。結果的に高嶋さんのトークショーとなりました。

再生された曲は以下です。

(開演までは「ザ・ビートルズ・スーパー・ライヴ!」を再生)
All My Loving
And I love Her
Baby It's You
Yesterday
Please Mr. Postman
While My Guitar Gently Weeps
-高嶋弘之さん入場-
I Want To Hold Your Hand
Rock And Roll Music
Norwegian Wood (This Bird Has Flown) ※高嶋弘之さんが再生
Fool On The Hill
Hello Goodbye
-高嶋弘之さん退場-
Mr. Moonlight ※観客からのリクエスト

高嶋さんのお話の内容は以下のような内容でした。
  • Love Me Doを最初に聴いた時は良さがわからなかったが、Please Please Meを聴いてこれはイケるかもしれないと思った。TBSの女性ディレクターに聴かせたところ好きだと言ったので女性をターゲットにして売り出そうと思った。
  • ビートルズは世界的に有名になるほど良いものであったが放っておいても売れるわけではなく、日本で流行ったのは自分の作戦によるもの。サクラやコネ、情報操作を駆使してビートルズブームを作り上げた。
  • ジョン・レノンは誤解されがちだが空気の読める優しい人だった。彼の歌には母に捨てられた悲しさが常にある。
  • ビートルズ来日の時にビートルズに会った。その際のブライアン・エプスタインのやりとりから、洋楽を扱う限りは先方にかしずかなければならないと悟り洋楽担当を辞することを決めた。
  • ビートルズの邦題は全て自分がつけた。自分が担当を外れた1967年以降は邦題がついた曲が無い  ※編注:「ジョンとヨーコのバラード」があるが・・・。
  • ビートルズ来日45周年の2011年に発売された復刻盤シングル「ロック・アンド・ロール・ミュージック」 のシリアルナンバー1~5番はアップルとビートルズのメンバー用に海外に渡ったが、6番は自分が持っている(7番は星加ルミ子さんが保有)。盤の色は赤いが当時の色とはまったく違う。
15時から始まったこのイベントは予定時間を30分以上オーバーして、17時過ぎに終わりました、高嶋さんのエネルギッシュなトークに会場が爆笑に包まれた2時間でした。

本来の目的はアナログ盤の試聴ですが、僕は真ん中の最後方の席だったせいかベースの輪郭ははっきりせず歌ばかりが目立ちました。ところどころ歪んで聴こえたのは機材の設定ミスだったかもしれません。それでも大音量のおかげか2009年リマスターの一つの特徴であるリバーブの残響の繊細さは味わえました。今回のイベントで学んだのはアナログ盤を途中の曲から再生することが難しいということです。かなり苦労していました。見かねた(?)高嶋弘之さんが1曲再生しましたが巧みでした。

ニッポン放送ビル入口の石碑。ジョンの筆跡を流用。

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