2013年4月2日火曜日

レポート:「WANNA BE祭 -なりきりビートルズ!ヤァ!ヤァ!ヤァ!」その2 感想編

昨日に続き「WANNA BE 祭」のレポートです。今日は感想や気付いたことを記します。ファブフォーのセットリストはこちらの投稿をご覧ください。

オープニングアクト/スペシャルゲスト

甲虫楽団は夜公演のオープニングアクトを務めさせていただきました。最高の会場、最高の機材、最高のスタッフ、最高のお客様に恵まれて充実した時間を過ごすことができました。ありがとうございました。
リハーサルの様子。右端に見えるのはThe Fab Fourのドラムセット
主催者を通じてThe Fab Four(ザ・ファブ・フォー)から以下のようなメッセージをいただきました。
皆さんの演奏、最高でした。
同じステージで演奏出来た事、とても嬉しく思っています。
またお会い出来る日を楽しみにしています。
オープニングアクトの次に出演したBOXはプロならではの迫力と安定感に圧倒されました。基本的にオープニングアクトと同じ機材を使っているわけですからなおさら違いが身にしみます。
終演後BOXの楽屋にお邪魔した際、甲虫楽団の演奏について「CDが流れているかと思った」「楽屋内に引かれた音声を聴いても上手いというのは凄い」というお言葉をいただきました。
The Fab FourもBOXも、みなさん優しい方ばかりです。ビートルズ好きに悪い人はいないということでしょう。

The Fab Fourのステージング

彼らは観客と一体になって楽しむことに積極的だと感じました。質問したり、拍手を要求したり、手拍子を先導したり、歌わせたり、叫ばせたり、ピックを投げたり(おそらく1公演で10枚以上投げている)、Tシャツを投げたり(こちらは1公演1枚)。
とはいえ、ビートルズっぽいMCもショーの一部という都合上、果敢に英語でしゃべっていたので観客と意思の疎通が取れていないところも多かったように思います。ビートルズ本家の早口で訛りが強いMCを真似をしているからなおさら聴き取りにくく、日本人の英語力にがっかりしていないかハラハラして見ていました。
言っていることを理解していないと気付いたときには手早く拍手を要求する身振りを見せるので会場が白けることなく上手に盛り上げていました。昼公演より夜公演の方が「スバラシイ」「イチバン」「ナマ」などの日本語を使う頻度が多かったような気がします。昼公演の様子を踏まえて軌道修正したのでしょうか。

基本的にポール役のアーディ・サーラフが客をあおる役でした。そのためにはベースを弾くべきところで弾かずに手を振ったり観客を指さしたりすることも多かったです。I Saw Her Standing Thereは曲全体をコミュニケーションの道具に使っており、イントロを引き伸ばしてその上で語ったり、途中の裏声のwooのところは演奏を止めて客席に歌わせたりしていました。こういった演出をやり過ぎだと感じる人はいるかもしれません。

昼夜公演共通の定番MC

  • 1曲目終了後、矢継ぎ早に次の曲に行こうとするポールをジョンが遮りエド・サリヴァンを紹介することを要求。このときのジョンのしゃべりはとくにジョンに似せていた。これでつかみはOK。
  • ポール「この会場にビートルズファンはいるか?」(当然大勢挙手)、ジョン「次の曲はたまたまビートルズの曲だったから良かった」
  • エド・サリヴァン「世界中の国を回っているが日本ほど親切にもてなしてくれた国はいなかった。アリガトウニッポン。」
  • エド「ステージ上での演奏はすべて4人による生演奏。カーテンの裏に他の演奏者はいない。これってすごくない?」
  • エド、背中に違和感を感じるとハンガーが入りっぱなしだった!それを捨てても背中の丸まりは変わらない・・・。
  • The Fab Four Tシャツを誰にあげるか意見を聞かれたリンゴ「I got blisters on my fingers!」
  • ジョン「ビートルズに会っていなければ自分はただの猿に過ぎなかった。ビートルズ万歳。」※英語のヒヤリングに自信無し
  • 本編終了後にエド「もう一曲聴きたいか?よしわかった」とDrive My Carを歌い出す。「およびでない?」と改めてThe Fab Fourを呼ぶ
  • TwitterやFacebookを知らないエド・サリヴァン(本人存命中はもちろん存在しなかったから)

昼公演でのキーボードのトラブル

昼公演ではジョン側のキーボードの音が出ないことがありました。ブチッと音がしていたので単なる接触不良かと思ったら夜公演の前にスタッフ総出でキーボードとは別の機械の基板を引っ張り出していたようなので、音源に不具合が起きていたのかもしれません。もしかしたらそのまま復旧せずに夜公演ではシンプルな音色の曲に変更したのかもしれないとも想像しました。

トラブルはStrawberry Fields Foreverの途中でも発生し、まったく音が出なくなってしまいました。ジョージ側のキーボードの音は出ていたのでまだ良かったですが、時々アカペラになることがありました。
 この曲の後半はベースが暇なのでキーボードがコントラバスのフレーズを弾くときにポールがバイオリンベースを弓で弾くあてぶりをする演出があるのですが、肝心の音が出ていないので気まずい雰囲気になりそうでした。ポールはアレ?っという感じでバイオリンベースを二度見するジェスチャーでその場を切り抜け、すぐさまドラムのところに行ってフロアタムを叩き出しました。ポールがフロアタムを叩く演出はここ1年以内に追加したもののようです。以前はやっていませんでした。

以下は今年の2月の同曲の映像です。音が出ていれば全体としてはこのような感じになるはずでした。


その後も不調は続き、最後のHey Judeでポールはピアノを弾くことをあきらめました。「技術的な些細な問題があったがなんとかなるさ」とジョージにギターで伴奏するよう要求し、Hey Judeを歌い出しました。途中からタンバリンを手に取りました。トラブルの結果ではありますが、貴重な光景だったのかもしれません。

断続的に発生するキーボードの不調に集中力を失いそうになったこともあったでしょうが、そんなことはおくびにも出さず笑顔で演奏し続けた彼らのプロ意識に感動しました。


印象的なシーン

ジョンの定番ジェスチャー。A Hard Day's Nightでポールにボーカル担当を振る、ポールが「Crap your hands..」と言う後ろで大げさに真似る。

Can't Buy Me Loveでジョンとジョージがマイクに入るか入らないかの音量でバックコーラスを歌う(「Anthology 1」に収録されているバージョンのように) 。

昼公演でYesterdayを弾き語った後にエド・サリヴァンが花束を渡すもポールが手に取ったのは茎の部分だけ、というシーンがありましたがこれはイギリスのテレビ番組「Blackpool Night Out」にビートルズが出演した回のパロディだったようです。そのとき花束を渡したのはジョンでした。

The Fab Fourの場合、演奏中にポール役のバストショットを白黒でスクリーンに映していましたが、その映像表現もこの番組をイメージしてのものだと思います。

ビートルズ武道館公演再現中のPaperback Writerで1番の歌詞を忘れて歌い出せなかったポール(結果的にイントロが長くなった)は「2週間前にできたばかりの新曲だったから歌詞を忘れた」と言い訳してました。確かに同曲はビートルズ来日当時の最新シングル曲でした。

Penny Lane演奏後にジョンが再び「自分たちは生演奏でやってる」と主張するとそれを証明するように他の三人がCreamのSunshine of Your Loveのイントロを弾き出し、それをジョンが「バンドが違う」と制していました。

A Day in the Life演奏後暗転し、照明がつくとSgt. Pepper's Lonely Hearts Club Bandのロゴをあしらったバスドラムの後ろに金管楽器を持って立つメンバー。同アルバムジャケットの再現です。再び暗転すればいいのにそのままそそくさと元の配置に戻っていきました。

ジョージ・ハリスンの後期の代表曲(昼公演:Here Comes the Sun、夜公演:Something)演奏後に人差し指を軽く突き上げて上を見るジョージ。天国にいる本家ジョージに捧ぐということでしょう。

アンコールのHeyJudeでかつらを頭に載せて、トッポ・ジージョのぬいぐるみを持って登場するエド・サリヴァン。知らなかったのですが、トッポ・ジージョはエド・サリヴァン・ショーに出演していたようです。これもアメリカ人にしかわからない演出ではないでしょうか・・・。かつらについては謎のままです。


まだまだ気付けていないネタがあると思います。ご存知の方は教えて欲しいです。


The Fab Fourのメンバーに対する感想

Ron McNeil(ジョン・レノン)

見た目や歌声は実はジョンにそれほど似ていないと思うのですが、歌そのものが素晴らしかったです。シャウトからバラードまでうわべだけの物まねに走ること無く、安心のクオリティでこなしていました。演奏の貢献度が高く、キーボードでは1曲の中で複数の音色を使い分けながらStrawberry Fields Foreverなどの難曲をものにしていました。曲芸的な演奏も多く、Get Backではギターソロとキーボードソロを両方弾き、Hey Judeでは左用のヘフナーベースを右に構えて弾いていました。ハーモニカも生演奏とは思えないくらい安定していました。
MCはジョンの特徴をよく捉えており、身振り手振りの引き出しも豊富でした。おそらくメンバーの中でもっともビートルズマニアなのではないでしょうか。
楽屋裏で会った彼は少しシャイで優しそうに見えました。

Ardy Sarraf(ポール・マッカートニー)

顔、動作、歌声、話し声、全てにおいてビートルズ時代のポール・マッカートニーを現時点で世界一体現していると思います。ベースのフレーズのコピー度はそれほど高くないのですが、ビートルズっぽさは最低限担保するバランスは維持していると思います。確かに、弾くべき音が抜けたりフレーズを忘れることは多かったですが下手というわけではなく、歌やパフォーマンスを優先してのことだと捉えています。Yesterdayのギターを一部弾き忘れていたのはさすがに問題だと思いますが。
世界中でちやほやされても尊大になることが無く、サービス精神が旺盛で常に場を盛り上げようとしている姿勢はすばらしいと思います。

Gavin Pring(ジョージ・ハリスン)

ビートルズと同じリバプール出身だからでしょうか。見た目があまりにも似ています。動きもよく研究していますが(1964年ごろの両足を交互に振るステップなど)ジョージより洗練されすぎている部分があるかもしれません。A Hard Day's Nightの2倍速ギターソロも難なく弾きこなすなどテクニック的には申し分ありませんが、ギターソロを弾き間違えるところが多かったように思います(とくに夜公演)。メンバーの中でもっとも日本びいきに見えました。

Erik Fidel(リンゴ・スター)

つけ鼻が大きすぎる気がしますが、ドラムを叩いている動きはリンゴ・スターそのものです。 テクニックやアイデアが多彩で、I Feel Fineもしっかりリムショットを使っていましたし、スティックとタンバリンを片手に持って振ったと思ったらハイハットをタンバリン置き場にしたりタンバリン自体でハイハットを叩いたり、マレットとマラカスを片手に持って振ったりマレットの柄の方で叩いたりと大忙しでした。ただ、フレーズ自体はあまりコピーしておらず、Hello, Goodbyeのフィルインは独自解釈が多過ぎると思いました。


今回はここまで。次回は番外編として昨年来日した「RAIN」と比較しつつ、今後のThe Fab Fourの来日公演について考えてみたいと思います。

2 件のコメント:

  1. 前回の投稿の「二人目のリンゴとジョージを見た」者です。
    再びカキコさせて頂きます。
    いや〜、詳細なるリポート驚愕いたします。
    当方ビートルズを只好きなだけで、音楽的には何も知識が無いもので。
    Fab Fourの再来日を期待しつつRainの時と比較して考えて見ました。
    今回の公演はとにかく宣伝がなっていなかったと思います。
    私はある日の夕刊のチケット販売の小さな記事を目にしたので知った次第です。
    あれを見逃していたら知らず終いで終わっていたのかと考えると空恐ろしいかったです。
    Rainの時は確かフジテレビが付いていた様な⁉で、テレビで盛んにコマーシャルしていました。
    私もRainの公演に行きましたが、Rainの方が客入りが良く感じました。
    やはり大きなスポンサーが付かないと駄目なんだなとつくづく感じました。
    近い将来、いや将来なんて待ち切れ無いです、来年にでも再来日を実現して欲しいと思います。
    甲虫楽団様頑張ってくだい。

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    1. コメントありがとうございます。

      ビートルズファンは裾野が広く、全員がビートルズ情報を熱心に収集しているわけでは無いので、いかにイベントの存在を知ってもらうかが大事だと思いました。

      今回のイベントを知らずに後悔している人も出てきているようで、こういった悲劇(観客にとってもThe Fab Fourにとっても)は今後繰り返したくないものだと思います。

      「来年再来日」はThe Fab Fourも主催者も前向きのようなので是非実現してほしいです。

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