2018年11月6日火曜日

レポート:2018年11月5日 ポール・マッカートニー両国国技館公演

2018年11月5日ポール・マッカートニー両国国技館公演が終了しました。良くも悪くも単なる小規模会場のライブでした。
これに日本武道館公演のような特別な意味を見出そうというのが元々無理な話で、日本側主催者とポール側の思惑のズレを感じました。チケットを売るために意図的に特異さを装った可能性もありますが、全席に配置したサイリウムはスベっていた感がありますので(ポールは「赤白青の光がきれい」と触れていましたが)本当にポール側との温度差があったのかもしれません。
期待の大きかったセットリストは結局東京ドーム公演初日セットリストから5曲削ってアンコールの"Yesterday"を"I Saw Her Standing There"に変えただけという結果でした。
10月5日12日のAustin City Limits 2018でのセットリストが参考になると予想していたので曲数が減ること自体に驚きはありませんでしたが今回の日本ツアーで両国国技館でのみ演奏する曲を期待していました。

<セットリスト>赤字:東京ドーム初日からの変更点
A Hard Day’s Night
Hi, Hi, Hi
All My Loving
Letting Go
Who Cares
Come On to Me ※イチバン付き
Let Me Roll It
I’ve Got a Feeling
Let ‘Em In
My Valentine
1985
Maybe I’m Amazed
I’ve Just Seen a Face
In Spite of All the Danger
From Me to You
Love Me Do
Blackbird
Here Today
Queenie Eye
Lady Madonna
Eleanor Rigby
Fuh You
Being for the Benefit of Mr. Kite!
Something
Ob-La-Di, Ob-La-Da
Band on the Run
Back in the U.S.S.R.
Let It Be
Live and Let Die
Hey Jude

Yesterday → I Saw Her Standing There
Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band (Reprise)
Helter Skelter
Golden Slumbers - Carry That Weight - The End

ただし、特異感を求めなければ小規模会場ならではメリットにあふれた良いライブでした。まず、日本武道館公演のB席(4万円)以下の値段で確実にそれ以上に近い距離で見ることができます。ドーム公演と比較すれば+2万円するだけでアリーナ相当の距離感が確約され、場合によってはVIP(8万円超)クラスの席の可能性もあります。
次に、ポールや会場との一体感をひしひしと感じることができます。ポールもしきりに「みんな見えているよ。みんな聞こえているよ」と言っていました。観客側もすべての人が"Blackbird"でのポールの足音が聞こえたと思います。そんな一体感のある会場でポールやバンドはとてもリラックスして演奏していました。カメラもスクリーンも同時通訳もなく、照明機材は限らていますのでむき出しの演奏だけがそこにあります。観客一人一人と心がつながって演奏を楽しんでいる様子がありました。ポールも観客との交流に熱心で「Love You」「ミンナダイスキ」「みんな最高」といったMCが多かったです。
楽しむことが主旨だったとすると削られたのは仰々しすぎる曲、しんみりしすぎる曲、クオリティ維持が難しい曲だったような気がします。言い換えればプレッシャーがかかる曲を回避したことになり、確かに自由にのびのび演奏しているように感じました。
音響はまさにライブハウスのそれで最初は爆音過ぎて音が飽和している感がありましたが、曲が進むにつれ安定していきました(2階正面中央中盤列の感想です)。とても迫力とまとまりがよい音響で、会場中を音が隅々まで過不足なく満たしていると感じました。ポールも休養十分だったのか声は好調を維持しており、ステージ中しり上がりに調子を上げていきました。さらに曲数を減らしたことにより喉の消耗が抑えられたのか"My Valentine"や"Band on the Run"はここ5年日本で聞いた中でもかなり良かったです。"Live and Let Die"は東京ドーム公演初日より安定していましたし、"Let It Be"、"Hey Jude"、"Golden Slumbers"といった歌いだしでつまずくと萎える曲もしっかり制御されていました。ポールは気分よく歌えていたせいか演奏がいつも以上に熱がこもっているように見えました。ギターソロに何度も聞き入ってしまいました。
ポールからの演奏面でのサプライズはほぼありませんでしたが、MCには両国国技館ならではの相撲にちなんだ要素がありました。「ドスコイ」「ゴッツアンデス」といったセリフ、四股や手刀のジェスチャーを披露してくれました。

個人的にセットリストの短縮には好意的ですが、今ツアー目玉のホーンセクション入り"Let ‘Em In"を外したのは解せません。また、前述の通り演出上の制約は少ないのでもっと気軽に選曲で遊んでほしかったところです。両国国技館公演に集まるような観客はその遊びがどんな結果になったとしても面白がれる人ばかりです。その点をポールに信じてもらえるよう、日本側主催者は粘り強く伝えてほしいものです。

2 件のコメント:

  1. ながさきです2018年11月6日 17:38

    まずはホワイトアルバム全曲通し、お疲れさまでした!そしてありがとうございました!
    大変楽しめましたし、特にレボリューション9のこだわりには本当に感動しました!
    終演後にご挨拶できずじまいですみませんでした。

    国技館公演はサプライズ曲に期待していましたが残念でした・・・
    贅沢は言えませんが、1曲でもいいから特別なものを演奏してほしかったですねー。

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    1. ながさきさん甲虫楽団ライブへのご来場ありがとうございました。
      開演前に少しお話できてよかったです。

      国技館はサプライズ無しで残念でしたが、日が経つとその気持ちは薄れてきて、良いライブだったなという思いをより強く感じています。

      僕も名古屋公演行きます。またついついサプライズを期待してしまいますが、とにかく楽しみたいと思います。

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