ジョージ・マーティン ロングインタビュー「Strawberry Fields Foreverは人生史上最高の曲だと思った」

以前の投稿で紹介したジョージ・マーティンへのインタビュー記事の完全版がインタビュアーによってブログに掲載されました。今月発売されたドキュメンタリー映像作品「Produced by George Martin」のプロモーションの一環なのかもしれませんがこの記事を見れば充分なのではないかと思わせるほど質・量とも充実しています。

Interview: Sir George Martin
http://www.jazzwax.com/2012/09/interview-sir-george-martin-pt-1.html
http://www.jazzwax.com/2012/09/interview-sir-george-martin-pt-2.html
http://www.jazzwax.com/2012/09/interview-sir-george-martin-pt-3.html
http://www.jazzwax.com/2012/09/interview-sir-george-martin-pt-4.html

話は生い立ちから始まります。正式な音楽教育を受けたことが無いというのは驚きです。

ビートルズ関連の話題は定番のものばかりです。すなわち、「Can't Buy Me Love」(サビから始めるよう指示)、「Yesterday」(弦楽四重奏を提案)、「In My Life」(ピアノを半分の速度で録音)、「Eleanor Rigby」(映画「サイコ」のサウンドトラックを参考にした)、「A Day in the Life」(ポールのアイデアを具体化した)、「Strawberry Fields Forever」「Penny Lane」(両A面にしたせいで売り上げ計上が分散してしまった)、ホワイト・アルバム(1枚組で発売すべきだった)、「Let It Be」(ジョン・レノンの仕打ちに傷ついた)といった内容です。目新しくは無いのですが、各曲について個別に感想を述べているところは興味深いので詳細はインタビュー記事でご確認ください。

インタビュアーがアメリカ人なのでアメリカとイギリスでのビートルズのリリース形態の違いについてまとまった量を語っていました。
  • ビートルズはアメリカのキャピトル・レコードには中々受け入れられなかった
  • 1枚のアルバム収録曲数の慣例がイギリス=14曲VSアメリカ=11曲、ライセンス料の計算方法がイギリス=アルバム売上を収録曲で分配VSアメリカ=1曲ごと、であったためアメリカでは独自にアルバムが水増し発売された
  • マジカル・ミステリーツアーはイギリスではEP版で発売されたためアメリカ人がフルアルバムとして重視していることを知らなかった
  • ビーチ・ボーイズもキャピトル所属だがビーチ・ボーイズのアルバム「スマイル」を事前に聴く機会は無かった

その他の話題はEMI独立を決意したきっかけとなった報酬額の生々しい交渉、自身の聴力が失われた過程の説明が珍しかったです。本人は長時間大きい音を聴き続けたため聴力が失われたと考えているようです。

最後にプロデューサーという仕事についてジョージ・マーティンが語った言葉を引用します。
my job was to make sure recordings were artistically exceptional and commercially appealing, maximizing the qualities of artists and songs.
商業的成功を重視していたことがこの言葉のみならずインタビュー全体からも伝わってきました。

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