デッカ・オーディションのテープ EMIの妨害を免れ日本人が450万円超で落札

ビートルズが不合格となったデッカ・レコードのオーディションでの演奏を収録したテープが2012年11月27日に開催されたロンドンのオークションに出品されたことは日本でも話題になっていました。結局日本人が35,000英ポンドで落札したようです。
Rejected Beatles audition tape fetches £35,000 at auction after last-minute legal wrangle

直前になってEMIが販売差し止め請求をしたようですが、結局取り下げて無事販売されたそうです。

日本円にして450万円超で落札されたこのテープ、オークション主催者は「safety master」と主張していますが、正確にはアメリカのBackstage Recordsが1980年代前半に発売したレコードのマスターテープなのではないかと思っています。
Silver Beatles - Like Dreamers Do

デッカ・オーディションの音源は15曲残っているというのが通説ですが、今回のテープには10曲のみが収録されています。このレコードも同じく10曲収録で曲順まで同じです。また、今回出品物に含まれるネガフィルムはこのレコードのレーベルと同じです。写真を加工してロゴのようにデザインしてあるので、オーディション用に作ったとは考えにくい(=後年このレコード用に作られた)と思います。
さらに、今回のテープのパッケージ内面には「BSR-1111」と記載がありますが、これはまさしく上記レコードの型番です。
以上のことから、このテープより前の世代の音源が他に存在する可能性が高いです。となれば今回のテープの希少価値は限定的です。

真相は不明ですが、落札者はこの辺の事情を織り込み済みなのでしょうか…。
落札者は日本人とのことなので日本在住ならそろそろこのテープが日本に到着したころでしょうか。詳しくお話を聞きたいところです。

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