ポール・マッカートニー2013年大阪公演会場決定 Out Thereツアーのおさらい

2013年7月16日にポール・マッカートニー アウト・ゼアー ジャパン・ツアーが公式発表されて以来、長らく大阪公演は詳細未定で後から11月12日という日付が発表されただけでした。その間、東京や福岡の公演は続々とチケット販売が実施され大阪公演に行きたい人をやきもきさせてきましたが、本番丁度2ヶ月前となる2013年9月12日16時、日本公演公式サイトにて大阪公演の会場が京セラドームであることが発表されました。大阪では号外も配られたようです。この大きな節目にこれまでの状況をまとめます。

大阪公演詳細

2013年11月11日 17:00開場 19:00開演←追加公演 10月14日発表
2013年11月12日 17:00開場 19:00開演
京セラドーム大阪
ポール・マッカートニー公式サイトより(クリックで拡大します)
 この図を見ると座席数が多くなり過ぎないよう抑えているように見えます。

京セラドーム座席表 ←今回の公演に特化したものではなく、一般的な情報です。

チケット情報は別記事をご覧ください。

ポール・マッカートニー2013年11月来日公演決定 チケット入手方法まとめ

http://blog.kouchu.info/2013/07/Paul2013.html

大阪公演のみ、他の会場と異なり「バルコニー席」が一般発売から登場しています。人気を受けて急遽席を捻出したというところでしょうか。
バルコニー席は企業向け特別観覧席「ビスタルーム」に付随するもののようです。スタンドから隔離されており、セキュリティが厳しく設備も豪華ですが、本来のサービスを全て使えるわけでは無いでしょうしコンサート鑑賞には必ずしも向いていないようです。
http://www.kyoceradome-osaka.jp/vista/


大阪京セラドーム公演発表まで

ポール来日公演発表から1ヶ月以上経っても大阪公演の場所が発表されないため「大阪公演中止を匂わせることで、売れ残りが危惧される福岡公演のチケット購入に誘導している」「ポールが野外公演を希望しているが天候リスクがあるため日本側が難色を示している」などの憶測を呼びましたが、湯川れい子さんがTwitterで「野球の試合の結果と連動して、会場のスケジュールが出るのだそうです。」と発言したことを受け、「京セラドームにしたいがプロ野球オリックス・バファローズが日本シリーズに進出すると10月末からの社会人野球日本選手権の日程に影響を与え、それがポールの公演日程に重なる」という説が最有力になりました。
まだバファローズには日本シリーズ進出の可能性が残っている中での発表のせいか、前述の「最速先行」では「※会場が変更になる場合がございます。」という但し書きがあります。本番2ヶ月前となってペナントレースの結果を待てずしびれを切らして公表したということでしょうか。

2013年10月1日追記
本日オリックス・バファローズのクライマックスシリーズ進出可能性が完全に無くなりました。すなわち今年の日本シリーズが京セラドームで開催されることは無くなったのでポール大阪公演の会場変更の可能性も無くなったと思います。

 東京/福岡公演のチケット販売状況

7月16日の来日情報解禁当日から開始した「最速先行」抽選はチケット争奪戦としてメディアでも報道されましたが、当落発表の8月3日以降も チケットぴあ のウェブサイトで「いち早プレリザーブ」「プリセール」と断続的に様々な形態で販売は継続しました。

面白いのは事あるごとに並行して実施されていた電話受付で、チケットぴあのウェブサイトでは告知されておらず、ツアー公式サイトの「電話でのご予約」というリンク先が都度ひっそりと差し替わるだけでした。おそらく本音としてはインターネット経由で購入してほしいが、インターネットでの決済が不慣れな人向けの広告(テレビ・ラジオ・看板、等)から誘導するために電話番号が必要だったのだと思います(「詳しくはWebで」というわけにはいかない)。

これらのチケット販売情報は直前になって告知されることが多く、販売開始後も一度予定枚数終了していた席種の受付が不意に復活することもありました。午前10時に変化が生じることが多いようです。

これまでの売れ行きを見ると、東京ドーム公演は11月21日→11月18日→11月19日の順、S席→B席→A席の順に人気が高いようです。

なお、福岡公演の先行販売は当初全てS席で、A席やB席が販売されたのは8月16日開始のローソンチケットの先行販売が初めてです。東京公演もA席やB席を販売開始したのは8月9日の「プリセール」からだったので、S席がある程度売れるまではより安価のA席やB席は販売しない方針なのだと思います。S席が売れ残ることを避けるためだと思いますが、売れ残ったS席をスーパーマーケットの見切り品のように値下げしてA席/B席として販売しているのではないか?と勘ぐる人もいました。S席に比べて極端に少ないのは事実だと思います。

チケットの値付けに疑問

チケット価格が3席種全て1万円以上と高価なこともあり、老若男女がチケットに殺到しているという状況では無いようです。東京公演の先行先着販売も受付終了までまる4日以上を要しました。福岡公演受付終了にはさらに時間がかかったので、このままですと前回2002年の来日公演で実施されたという公演直前での在庫一掃セール(e+の「得チケ」等)が実施される可能性も出てきます。
一方、アリーナの前方のチケット相場は高騰しており、オークションで東京ドーム公演が1枚60万円以上の値を付けるケースも出てきています。また、同じS席でありながら席の品質にばらつきがあるため憤りを感じている人の声を多く耳にします。抽選で入手したチケットの席に納得できずオークションで手放して新たに買いなおす人もいます。

このいびつな状況には疑問を感じざるを得ません。何故主催者側で席の価値に見合った幅広い値付けができないのでしょうか。
例えばアリーナ最前列12万円、アリーナ中央ブロック6万円、その他アリーナ平均3万円、1階席1万2,000円、2階席9,000円、死角席(ステージが一部見えない)5,000円、学生特別席3,000円、などです。
本当に行きたい人の思い入れを計る指標はやはり金額しかないと思いますし、本当に行きたいのに金額で示せない人にも門戸は開かれるべきです(それが死角席)。とくに今後もビートルズの文化を根付かせようとするなら(今後もビートルズで稼ごうとするなら)学生などの若年層を無視するのは得策ではありません。
チケット販売システムの機能・性能だけ見れば対応可能な状況にあると思うので後は旧来の価値観やしがらみから一歩抜け出すだけのはずです。

2013年9月13日追記
翌日の一般発売に先立ち2013年9月13日16時から開始されたポール・マッカートニー公式サイトでの先行販売では購入前にブロックを指定でき、送料以外の手数料が不要なことから日本国内のチケット販売体制に対する批判が高まることが予想されます。

2013年9月14日追記
ちょうど一般発売が開始されたころサウンドチェック参加券&VIPパッケージの発売が告知されました。これはライブ本編前のサウンドチェックを観賞でき、お土産もついているプランです。既にチケットを持っている人向けのものとチケットも含めたプランがあり、後者はアリーナ最前ブロックの席が確約されています。
告知文で「アーティスト・サイドからの強い要望により、海外での”OUT THERE”ツアーで販売されているスペシャルなパッケージを、日本公演でも取り扱うこととなりました。」と念入りに説明されているところを見ると主催者は販売に乗り気では無く、それまでのチケットの値付けや販売方法に対する批判をかわそうという意図が感じられます。
既にチケットを持っている人、とくに先行手数料を支払ったのにあてがわれた席が悪いと感じている方、あるいはオークションで高額で入手した方は納得がいかないことでしょう。後者の方はこのプランを知っていれば真っ先に申し込んだ可能性が高いからです。

「Out There」ツアーの様子

2013年5月4日にブラジルから始まった今回の「Out There」ツアーは2013年8月14日のカナダ公演で一区切りを迎え、11月12日の大阪公演まではツアーの予定がありません(単体のイベント出演はあります)。8月までの3か月間でセットリストは2~3曲差し替わる程度でしたが、ツアー休止期間中の10月14日にポールのニューアルバム「NEW」がリリースされますので、ニューアルバム発売後初ツアーとなる日本公演では新曲の披露も予想されます。表題曲「NEW」は演奏されるでしょう。同曲のレコーディングに現ツアーメンバーが参加しているのでなおさらです。
差し替え候補の最有力は2012年作の「My Valentine」ですが、この曲は現在の妻ナンシーに向けた曲で、日本公演期間中の11月20日はナンシーの誕生日なので演奏する、という見方もあります。とはいえ楽曲「NEW」もナンシーのことを歌ったものなので「NEW」に差し替わるかもしれません。

今期のステージではゲストを迎えて特別な演奏をすることがありました。
シアトル公演で元ニルヴァーナのメンバーを迎えて演奏したのは既報の通りです。
ツアーの合間を縫って参加したイベント「Outside Lands 2013」では弦楽四重奏のクロノス・クァルテットを迎えてYesterdayを披露しています。

ポールにとっても印象深い出来事だったのか、この日を振り返る映像がポールの公式YouTubeチャンネルで公開されています。

以下はカナダ公演のドキュメンタリーです。ポールへのインタビューを中心にバンドメンバー全員のコメント、サウンドチェックの様子、楽器の紹介、ステージの名場面集(特別に演奏された「Mull of Kintyre」含む)などで構成されています。
インディアナポリス公演のレポートが朝日新聞に掲載されました。
圧巻「ひとりビートルズ」 ポール・マッカートニー世界ツアー
http://www.asahi.com/culture/articles/TKY201309020378.html

「Out There」ツアーの基礎知識

過去の日本公演のような開演前の演出(映像やダンスパフォーマンス)は無いようです。これまでのところビートルズの「The End」(のカバー)が開演の合図になっています。
公演時間は正味2時間半前後で、アンコール待ちを含んでも3時間未満というのが定番のようです。

ツアーメンバーは2002年の時と同じです。

Brian Ray(ギター&ベース) http://en.wikipedia.org/wiki/Brian_Ray
Rusty Anderson(ギター) http://en.wikipedia.org/wiki/Rusty_Anderson
Paul Wickens(キーボード等) http://en.wikipedia.org/wiki/Paul_Wickens
Abe Laboriel Jr.(ドラム) http://en.wikipedia.org/wiki/Abe_Laboriel_Jr

これまでのセットリスト(演奏曲目・曲順)は以下から参照できます。
http://www.setlist.fm/setlists/paul-mccartney-13d6bd15.html

予習として事前に演奏曲を聴きこんでおきたいという人もいらっしゃるでしょう。確かにドーム会場は音が不明瞭になりがちなので、記憶で補完できるようあらかじめ演奏曲に親しんでおくのは良いことだと思います。
日本公演のセットリストが8月までの公演とあまり変わらなかった場合、以下の3作品で60%以上網羅できます。いずれもベスト盤です。

ビートルズ:「1962年~1966年」(通称「赤盤」)、「1967年~1970年」(通称「青盤」)
ポール・マッカートニー:「WINGSPAN」(邦題「夢の翼~ヒッツ&ヒストリー~」)
※輸入版で赤盤と青盤をセットにした「THE BEATLES 1962 - 1970」という1作品も存在します。

加えて

ビートルズ:「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」、「The Beatles」(通称ホワイト・アルバム)、「Abbey Road」
ポール・マッカートニー&ウイングス:「Band on the Run」
ポール・マッカートニー:「NEW」

を聴けばセットリストの80%以上を網羅できます。

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3 コメント

  1. 大変参考になりました。

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  2. 11日の公演に夫婦で行きます。
    予習するのに、大変参考になりました。貴重な情報をてんこもりでお教えいただき、ありがとうございます。

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    1. コメントありがとうございます。

      随時情報は更新していますのでまたお越しください。

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