フェードアウトの終わらせ方(9)「Magical Mystery Tour」編

本連載の第9弾はビートルズのアルバム「Magical Mystery Tour」を取り上げます。主旨については第一弾の投稿をご覧ください。

今回は11曲中8曲がフェードアウトしています。対象曲は以下です。

Magical Mystery Tour
The Fool On The Hill
Flying
I Am The Walrus
Hello Goodbye
Strawberry Fields Forever
Baby You're A Rich Man
All You Need Is Love

ドラッグでトリップしている様子を表現しているのでしょうか。果てしなく続きそうな余韻を残しつつフェードアウトする曲が多いです。

Magical Mystery Tour

ポール・マッカートニーがライブで数多く演奏しています。

2014年
http://youtu.be/YQCldBO_sfo?t=2m19s

最近はフェードアウトするピアノソロ部分を省略しています。かつてはその部分も演奏していました。

1993年(東京)
http://youtu.be/8Nb1k9gilRo?t=2m27s

The Fool On The Hill

ポールは断続的にコンサートで演奏してきました。

1990年代バージョン(東京)
http://youtu.be/fOeWfKY0CPM?t=4m46s

2000年代バージョン
http://youtu.be/QGW_RNXwGqE?t=2m7s

いずれも最後はビートルズ時代のアウトテイク(Anthology 2にも収録)と同じ、サビから戻ってくる際のコード進行を活かしています。

Flying

フェードアウトといっても演奏終了後に効果音が鳴っているだけなのでとくにアレンジしようがないと思います。

I Am The Walrus

コードが無限廻廊のように連なっていくので終わりどころがありません。
どのコピーバンドも苦労しているようです。

まず誰もが思いつくのがどこかで見切りをつけてジャーンと終わる方法です。

OASIS
http://youtu.be/TxbVdqm6iaE?t=6m35s 

Fab Faux
http://youtu.be/9lknCpGbsJc?t=3m45s

このようにイントロに戻って終わるのも定番です。

Yesterday
http://youtu.be/vNjuG2DAwwg?t=3m40s


Hello Goodbye

ポール本人が決定版と言えるエンディングを考えてくれました。

2002年(東京)
http://youtu.be/sXNS_YTHIkg?t=3m56s

Strawberry Fields Forever

ポールがコンサートで演奏したことがありますが、メドレーの一部なので明確には終わっていません。
http://youtu.be/HMo_XUHEjdE?t=3m55s

個人的にはビートルズ本家のTake1のエンディングを取り入れるのが良いと思います。
https://youtu.be/vqtSddcsXHk?t=140


コピーバンドでは曲中の民族楽器(ソードマンデル)の下降フレーズを引用して終わる場合が多いです。

American English
http://youtu.be/FUZQcmqiymw?t=3m54s
 
疑似フェードアウトさせる例もあります。

All You Need Is Love
http://youtu.be/yIiTEQ83tQg?t=4m56s

またはアバンギャルドに終わるしかないと思います。

The Fab Four
http://youtu.be/PGhHLMqevr8?t=3m46s

The Fab Faux
http://youtu.be/4Divcl1CsQU?t=4m57s

Baby You're A Rich Man

マイナーな曲なのでサンプルがあまりありません。1番から2番に切り替わるところのようになんとなく終わるのが妥当だと思います。以下のような例もあります。

The Fab Faux
http://youtu.be/R8Bjxn5vRcI?t=2m43s

All You Need Is Love

これまたポールが良いエンディングを提示しています。1967年当時は思い付きで入れたであろうShe Loves Youの一節を積極的に取り上げて終わらせています。

http://youtu.be/efcbR-hOwL0?t=4m6s
http://youtu.be/_OuYLGHkrBk?t=3m19s

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