月刊ザ・ビートルズ臨時増刊号『ポール・マッカートニー OUT THERE! 2014 ~幻の日本公演~』
A5版136ページの書籍で、32ページのカラーページを含みます。カラー写真は珍しいものはあまりありませんがどれも高精細です。
一般の書店には並ばないようで、「Beatles official shop Let It Be」 から通販で入手するのが確実です。
まずはなんと言っても2014年5月のポール日本滞在についての記事に注目です。来日から離日まで時系列で記しています。現時点でもっとも正確かつ豊富な情報と言えるでしょう。事実はおおむね当時の日本のマスメディアの報道通りだったようですが、誤報は着実に指摘しています。文中にさらっと新事実が織り交ぜられており目が離せません。
日本から去ったあとのザ・ビートルズ・クラブによるポールへのインタビュー記事も必見ですが、内容は2014年7月にRolling Stone(ローリングストーン)の電話インタビューとして公開されたもの(詳しくは→こちら)とほとんど同じです。Rolling Stoneに掲載されたインタビューはそもそもザ・ビートルズ・クラブが行ったものなのでしょうか。あるいはザ・ビートルズ・クラブが実施したインタビューはごく短いもので、Rolling Stone版で水増ししたのかも?今回の書籍にはRolling Stone版に含まれない日本向けのやりとりがいくつか掲載されていますが、ポールは幻の日本公演について多くを語らなかったため日本公演のセットリストは謎のままです(直前に決めるつもりだった?)。
書籍の大部分は2014年の「Out There」ツアー全公演(8月分まで)のライブレポートが占めます。セットリスト(公演によってはサウンドチェックについても)と当日のポールや観客の様子が克明に記されています。ポールの体調は来日前から悪く、復帰後も完調には至っていないという評価のようです。
他にはポールのプロモーションビデオ直近の3作品についての詳しい解説、ポール来日時の様々な人からのレポート、日本公演中止後に寄せられたポールへのメッセージ(60件以上)が掲載されています。
2014年5月の狂騒の渦中にいたすべての人におすすめできる書籍です。
5 コメント
我が家にも今日届いたので、早速読んでみました。
返信削除概ね甲虫さんの評価と一緒なんですが、細かい点で疑問はやはり残りました。
あまり内容について詳しく書くのは控えたいと思いますが、専門家でないため何とも言えないながらも、そもそも記載の二つの病名は両立しうるのか、素人目にはやはり疑問です。
また復帰後も体調は完全ではないとの記述も、どの時点の見解で、どの状態になれば完全復帰とみなされるのかが書かれておらず、曖昧だったと思います。
詳しく見ていくと、声で判断しているのかなとも思いましたが、去年の東京公演はまあ出来過ぎとして、過去3〜5年くらいのyoutubeでの声とはあまり大差ないのかなとも思ってしまいます。
また、南米発症説をバッサリ切り捨てておいて、南米ツアーのレポートでは「今思えば云々」と書いているのは矛盾していると思いました。
時系列ごとの記述はわかりやすく、神奈川の某氏の対応などが一連の流れの鍵だったのだと思います。関係者、特にY川さんの当時の思わせぶりなツイートや講演記録などと見比べながら読むと、今回の騒動の実態がより鮮明になってきますし、そういう意味では、意義のある本だったと思います。
コメントありがとうございます。
削除年齢を重ねると様々な病気が同時多発的に発症することがあると聞きますので
ありうることなのかもしれません。
ポール自身の様子というよりは医療の現場が克明に記されているのが今回の書籍の特徴ですね。「ウイルス性炎症」という言葉の出所がわかって少しすっきりしました。
体調については書き手本人も日本公演中止のバイアスがかかっている可能性を否定していないのでなんとも言えませんが、復帰後のポールは痩せたなとは思いましまた。
>>ありうることなのかもしれません。
削除だとすると、もう一方を公式な形で発表しないのが腑に落ちないというか、このような「オフィシャル」ファンクラブが病名をばらしてしまって、問題はないのでしょうかね?
内容が虚偽だとか言いたいわけではなく、信憑性は高いと思うのですが、ポール側、主催、関係者含めて、もう少しいい情報の出し方はなかったのかなと、その部分の検証はまだまだなのかと思います。
少なくとも、日本語でしかこの記事は読めないはずなので、世界の認識は「ウイルス」だけ、になっていくのでしょうか。
ビートルズクラブの出版物は、昔からあまり好きになれないなぁ…
返信削除※会員にはなっていますが...
同感...人の病気をネタに金儲けするなんて、一体どんな神経なんだ...
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