ウィル・リー(左)とジミー・ビビーノ(右) |
この記事を以下に要約します。
- ジミー・ビビーノは既にトランペットやピアンで遊んでいた9歳の時にエド・サリヴァンショーでビートルズを見た。その時両親はすぐに見るのを止めてしまった。
- このエド・サリヴァンショーがきっかけとなって楽器を手に取ったミュージシャンは多い。ウィル・リーもその一人だった。
- 既にプロミュージシャンとして活躍していたウィルはビートルズの曲をレコード通りに演奏できるトリビュートバンドが存在しないことに業を煮やし、The Fab Faux結成を決意した。
- 1990年代末ジミーとウィルは同じ建物に住んでおり、タクシーに同乗して帰ってくることがあった。その度毎にウィルは「ビートルズ・バンドをやろう」とジミーに言っていた。ジミーは「ああ、いいかもね」と生返事をしていたが、ウィルは本気だった。
- 初リハーサルのために2階上のウィルの部屋に行ったジミーは既に他のメンバーが集まっていることに気づいた。ウィルはビートルズの楽譜集をジミーに投げ渡し、こう言った。「君がキーボードを弾けることは知っている。『Abbey Road』(ビートルズのアルバム)の”Because”のハプシコードを弾いてくれ。オレたちは歌を練習する。もしこれができたらどんな曲だってできる。」
- 一時間ほど”Because”に取り組んで、ジミーはメンバー皆歌が上手いこと思い知った。これはとても大切なことだ。"Because"を物にできたことに気を良くし、ビートルズのレコードをステージ上で再現するというアイデアを実行することにした。(1998年 The Fab Faux誕生)
- フィラデルフィアでの年一回のショーは恒例となっているが、毎回違うことをやる。
- The Fab Fauxの特徴はビートルズのレコードを忠実に再現するために「Hogshead Horns」(管楽器隊)、「Crème Tangerine Strings」(弦楽器隊)を従えて演奏することだ。
- モーツァルトのコンサートで作曲当時のコスプレ(かつらやフリルのついたシャツ)をするやつはいないのと同じで、オレたちはビートルズになりたいわけじゃない。レコードをステージで再現したい。
- だから、他のバンドがやっているようなリバプールっぽいありきたりな賑やかしはやらない。ドラマーにゴムのつけっ鼻なんかしない。形態模写も声真似もしない。自分達自身の声でミュージシャン精神と曲の素晴らしさをステージ上で展開したい。
- オレたちがやっていることは音楽だということは強調しておきたい。ものまねショーが見たいなら他にいくらでもあるからそっちに行けばいい。だがもし世界を変えた音楽を追体験したいなら自信を持ってオレたちにとってのクラシック音楽を披露し続けよう。
なかなか過激な発言です。これまでの活動でものまねショーを期待する観客とのギャップを感じたことが多いのでしょう。本業のミュージシャン活動が忙しいはずなのにそれでも続けるのはよほどの根性と愛情です。本人達はクラシック音楽を演奏している感覚なのだと思います。
「ドラマーにつけっ鼻」はまさにThe Fab Fourがそうで、他にやっているバンドはあまり記憶にありません。The Fab Fourを暗にディスっているんでしょうか?確かに名前も似ているしまったく知らないというのも不自然です。面白くなってきました。
なお、The Fab Fourのドラマー、エリック・フィデルは実際はかなりの二枚目なので、目立たなくするために特殊メイクしているという事情もあると思います。
素顔のエリック・フィデル |
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