ギター・マガジン 2015年3月号
リッケンバッカーを世界的ブランドに押し上げたのはやはりビートルズなのでビートルズに関する記述が多いです。このタイミングで特集が組まれたのもポール・マッカートニー来日と無縁では無いでしょう。ギター雑誌ですからポールの4001Sベースについての記事はありませんが、写真や記述はところどころに登場します。
全体は三部構成になっています。
◎PART 1:ARTIST SIDE〜時代を鳴らしたギタリストたち
リッケンバッカーにゆかりのある国内外のアーティストの所有器またはそれを弾いている写真が豊富です。登場順:ピート・タウンゼント、ポール・ウェラー、ロジャー・マッギン、ジョニー・マー、トム・ヨーク、トム・ペティ、古市コータロー、マイク・キャンベル、フィル・マンザネラ、エド・オブライエン、奥田民生、尾崎世界観、岸田繁、TAKURO、山内総一郎、山口一郎、和田唱、大木伸夫、五味拓人、ノエル・ギャラガー、セルジオ・ピッツォーノ
◎PART 2:INSTRUMENTS SIDE〜サンタ・アナ工場より愛を込めて
ギター製作工場内の写真や製作工程の紹介、リッケンバッカーの歴史、CEOインタビューなどです。
インタビューで印象的だった発言をまとめます。
- 年間製造本数は約13,000本
- Cシリーズは生産本数を減らしており、Vintageシリーズと同等に扱っている。製造工程は他の現行品と同じ(特別手作業が多いというわけでは無い)
- 1964年 ポール・マッカートニーにベースを渡そうとしたが左利きだと知らずに渡せなかった
- 1965年 ポールに4001Sベースを渡した場所に居合わせた。ジョン・レノンとジョージ・ハリスンもギターで参加してすぐ試奏が行われた
- 塗装作業はファイヤーグロー(赤いサンバースト)よりはジェットグロー(黒一色)の方が難しい
- 塗装がサウンドに与える影響は少ない
- 最も人気があるモデルはジェットグローの4003ベース。ギターではファイヤーグローの330
◎PART 3:INVENTION SIDE〜リッケンバッカー秘宝館
エレキギター界に革命を起こしてきた数々の名珍品をROLLYさんと野村義男さんが試奏します。
ビートルズ関連ではビートルズが弾いたすべてのリッケンバッカーギターについて入手の経緯、仕様の変遷や現況、使用楽曲についてできるだけ本人の写真を交えて解説しています。それらのギターがどのビートルズ公式発表曲で使用されているかを一覧表示しているのが面白いです。断言はしていませんが、You Won't See Meに325ギターが使用されているというのは初耳でした。それら楽曲の中でリッケンバッカーが活躍しているフレーズをいくつか取り出して譜面で解説しています。なお、1963年に録音した楽曲を1964年のRickenbacker 325を使用していると記載している誤りがあるので要注意です。
その他、Rickenbacker 325C58、325C64、1996などジョン・レノンが弾いたリッケンバッカーの復刻モデルを日本人ミュージシャンが試奏する企画もあります。
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