レビュー『ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK -The Touring Years Blu-ray スペシャル・エディション』

今年9月に劇場公開されたビートルズの新作映画『Eight Days A Week』のBlu-ray/DVD日本版が2016年12月21日に発売されました。前日に入手した人も多いようです。
Blu-ray スペシャル・エディション
裏面
仕様
内箱
数あるエディションのうち、2枚組のスペシャル・エディションをBlu-rayで購入しました。最上位のコレクターズ・エディションは、インターナショナル版の本編は海外版DVDで見た&Tシャツの扱いに困りそうだったので見送りました。
 本編の感想は→こちら 特典映像の感想は→こちら をご覧ください。

購入前に気になってたポイントは以下と判明しました。
  • 「浅井慎平によるビートルズ回想・長尺版」は海外版未収録。日本版本編に収録された部分とも別(「長尺版」と聞くと本編登場部分を含んでいるような印象だが含んでいない)。本編ではビートルズについて語っていたが、この特典映像では来日当時の写真撮影裏話が中心。
  • 字幕は日本語と英語を収録(海外版には他の言語も多数収録されていた)。
  • ブックレットは日本語版(英語版ブックレット+日本語訳小冊子では無い)。
  • 各ディスクを再生すると冒頭にKADOKAWAのロゴ表示あり
今回、日本語字幕が劇場公開版に比べ詳細化したことが売りになっていますが、どこが変わったかはわかりませんでした。一点、訳で気になったところは変わっていませんでした。メンバーが自分のパートを紹介する際に、ジョージ・ハリスンの"I play solo guitar"に続いてジョン・レノンが"I play better guitar"と言っておりこれを「イカすギター」と訳していますが、ジョージの発言と対比させる意図のはずなので「イカす方のギター」などとした方が良いと思いました。

じっくり映像に注目してみると現存する最良の素材を使っていない箇所が散見されます。アナログ素材からではなく、過去に低品質でデジタル化されたものを流用しているようです(特典映像に顕著)。デジタル圧縮の荒れが目につきます。素材のゴミや傷はそのままにする方針のようです。この映画のために新たに作られた映像にもゴミや傷を足してあるので(各アルバムのチャート紹介シーン等)、時代感を演出する意図なのでしょう。最良の素材を追及しなかったのはそのせいかもしれません。一方、本作の根幹をなす本編のライブ演奏シーンはじっくり時間とお金をかけてブラッシュアップしてあります。特典映像のライブ演奏シーンと見比べるとわかります。

「映画館で観る以上の体験はDVD/Blu-rayでは得られない」という論調をよく目にします。たしかに劇場公開限定だったシェイ・スタジアム公演映像はそうなのでしょうが、本編については映像も音声もそれほどダイナミックでは無いので全体を把握できる画面サイズでのんびり見るのも良いなと思いました。

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