2017年日本武道館公演アリーナブロック |
Paul McCartney | One On One Tour Tickets ←現在は日本ツアー公式サイトに転送される
販売システムは東京ドーム公演の際と同じく、ブロックを指定すると具体的な座席番号が提示されその後に購入可否を決定できるものです。これは予想を覆すものでした。2014年/2015年の「公式」での日本武道館公演のチケット販売で指定できるのは席種(=価格)だけで購入確定後ですら座席番号がわからなかったからです。
「公式」での発売が発表されたのは4月3日の19時頃です。購入確定前に座席番号がわかるともとれる案内文でしたが、後に購入ページに掲載された日本語マニュアル(東京ドーム公演の際にはありませんでした)でそれが事実であることが判明しました。
「公式」発表と時を同じくして日本武道館公演公式サイトで「座席番号入り特別チケット引換券」についての詳細情報が発表されました。 当初の発表内容から以下が変更されています。
4月24日(月)、25日(火) 日本武道館にて「座席番号入り特別チケット」に引き換え
↓
4月25日(火) 日本武道館入場後に「特別チケット」に引き換え
※開演前は座席にて。開演後は所定の場所で
17:30開場
↓
16:30開場
この変更内容がもう一つのチケット販売元ザ・ビートルズ・クラブの案内ページに反映されたのは翌4月4日の14時ごろでした。現場の混乱の様子がうかがえます。
これはおそらく購入者が事前に手にできる「座席番号入り特別チケット引換券」に座席番号が記載されない予定だったものが記載されるよう方針変更されたことを意味します。「座席番号入り特別チケット引換券」だけで自分の席までたどり着けるのでわざわざ前日を使って引き換える意味が無いわけです。主催者側もその人員を当日の引き換えに回すことができます。
また、当日引き換えられるチケットの名称が「座席番号入り特別チケット」から「特別チケット」に変わっているのは、「特別チケット」に座席番号が印刷されていない可能性を示唆しています。座席で引き換えるとのことですので、席種(SS/S/A/B/C)だけが印刷されたチケットが配布されるのではないでしょうか。座席周辺の狭いスペースで座席番号が印刷されたチケットを1万人に滞り無く渡せるとはとても思えません。引き換えについては以下の選択肢を想像しました。
- 引換券に引換済のスタンプを押して座席番号の記載無い特別チケットと共に手渡し
- 引換券を回収し特別チケットに座席番号を手書きで転記して手渡し
※座席番号手書きのチケットは2015年日本武道館公演の当日券で実績あり - 「特別チケット」は皆が想像するビートルズ日本公演チケットを模した紙では無く別のグッズ
※例:2015年日本武道館公演で使用したコンピューター制御の光るブレスレット「フリフラ」だとすれば事前に座席に配置する手間が省ける - がんばって引換券と座席番号の印刷された特別チケットを照合して手渡し(そして開演が遅れる)
いずれも無理がある気がしますが、事前の発表内容(「座席番号入り特別チケット引換券」から引換え)を反故にしないようひねり出している感があります。一方、「公式」で購入確定前に座席番号を確認できるという新事実は、全席抽選を想定してすでにチケットを購入していた人(複数買って引換え後に選ぼうという人もいたでしょう)の怒りを買う結果となりました。なぜこうまでして座席番号を事前に公にする方針に転換したのでしょうか。
一つはポール側からの指示という可能性があります。海外のファンにとって購入確定前に座席番号が表示されないというシステムには違和感があるはずですので、それに配慮したのかもしれません。
ただ、ここはやはり日本側の意向と考えるのが自然です。二次流通マーケットの拡大が目的ではないでしょうか。つまりは転売の容認です。既にチケットを購入した人の買い直し需要に対して一次販売元が卸業者の役割を果たすことで売り上げを確保する狙いということです。市場の適正価格との差額(多くの場合損失)は二次流通マーケットの参加者が負担することになります。もし本当にそういう意図だとしたら、販売済みのチケットをご破算にする様子にデノミのような残酷さを感じます。
そう思わせるほど、「公式」 の販売案内が頻繁で親切過ぎます(日本語マニュアルを用意するなど)。何よりこれまでのところ日本武道館公演はチケットが売れていませんのでそう考えても不自然ではありません。
本来チケットぴあでの先着先行販売は最後の抽選販売の結果が出た翌日(4/5)から開始する予定でしたが、前倒しされて4/3からチケットぴあ以外のプレイガイドも動員して開始しています。猫の手も借りたい心境だったのでしょう。そして現時点でも各先行販売は売り切れる様子がありません。
ごく単純に価格が高すぎるのだと思います。一度既成事実化した価格を下げることは難しいのでしょうが、主催者側は2015年公演の成功体験にあぐらをかいていたと思わざるを得ません。消費者との感覚のズレをどの程度認識しているかわかりませんが今からでも価格に見合う付加価値の提示を期待したいと思います。イベントを企画した以上、主催者には満員にする義務があります。
1 コメント
なるほど、そもそも2次流通を禁止する理由が、価格高騰によりコンサートを諦める人が出るのを防ぐことだったのに、こんな価格設定だとその建て前もなくなってしまいますから、とにかく売りさばく方向に走るのもわからなくもないですね。もう、こうなると、一体誰のためのコンサートなのか、わからなくなってきますね。
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