映画『LET IT BE』作り直し版制作発表 オリジナル版も再公開予定

追記:『THE BEATLES: GET BACK』という題名で2020年9月4日北米公開と発表されましたが、2021年8月27日公開に延期→2021年11月25日~配信に変更されました

The Beatles: Get Back』についての甲虫楽団ブログの記事まとめはこちら↓
https://blog.kouchu.info/search/label/GETBACK
 
ビートルズ最後のライブパフォーマンスとなった「ルーフトップ・コンサート」50周年記念当日の2019年1月30日に、ビートルズの新作映画が制作中であることが発表されました。監督は『ロード・オブ・ザ・リング』のピーター・ジャクソンです。

NEW FILM PROJECT: Announcing an exciting new collaboration between The Beatles and the acclaimed Academy Award winning director Sir Peter Jackson(The Beatles公式サイト)
ビートルズ 『Let It Be』時代の未公開映像を基にした新ドキュメンタリー映画制作、監督はピーター・ジャクソン(amass)
「ルーフトップ・コンサート」はTV番組用に撮影されたものですが、結局翌年ビートルズ解散後に公開された映画『LET IT BE』のクライマックスシーンに使用されました。題名未定の今回の映画はその『LET IT BE』を素材から再構築するものになるようで、言わば映像版『Let It Be... Naked』といったところでしょうか。
この流れは予想されていました。映画『LET IT BE』はビートルズ解散を言い聞かせるような暗く寂しい作りでしたが、当時の関係者は口をそろえて実際の現場の雰囲気は悪くなかったと言っています。 そういった認識のギャップのせいか、映画『LET IT BE』は長らく絶版になっており現在公式には見ることができません。ポール・マッカートニーやリンゴ・スター、そしてとくにオノ・ヨーコさんが納得するような内容に作り変える必要があったのでしょう。ビートルズ解散の戦犯として度々名前が挙がってきたオノ・ヨーコさんの汚名をそそぐ愛くるしい映画になることを期待しています。
この映画のおかげで既存の映画『LET IT BE』のリストア版が公開されることも発表されました。


追記:
リンゴ・スターが2019年日本公演会場でのインタビューで本作について語りました。
多彩なヒット曲が楽しめるリンゴのライブの魅力「僕には多くの音楽仲間がいる」(Rolling Stone Japan)
「『ゲット・バック・セッション』で撮影した映像で、まだ世に出てない素材が56時間もあるんだ! それをピーターと一緒に、iPadを使ってすべて観たよ。マイケル・リンゼイ=ホッグが編集した、当時の映画『Let It Be』は、いささか酷い内容(miserable)だったと思うんだよね。ジョンとポールがやり合っているところをあえて抜き出したりしていてさ」
「あの時、僕らはたくさんの喜びを感じていたし、めちゃくちゃ笑い合ったし、何よりいい音楽がたくさんあったからね。ピーター・ジャクソンによる新作は、そこにちゃんとフォーカスを当ててくれるだろう。観ている人がもっと高揚する作品になると思うよ」

追記(2020年3月1日):
『Let It Be』の映画とアルバムが公開されたのは50年前の5月ですが、今回の新作映画公開は2020年秋と予想されています。10月に「Get Back」という書籍が発売予定になったことが根拠となっています。その他漏れ伝わってくるニュースからもその説を否定できないようです。50周年記念盤(音源集)も同じタイミングかもしれません。アルバム『Let It Be』は2003年に『Let It Be... Naked』として公式に作り直されているので今回リミックスする意義が少ないのは事実です。50年前『Let It Be』をてがけたフィル・スペクターは現在刑務所にいるという複雑な状況ですし、当時のアルバムや映画の公開の経緯にとくにポール・マッカートニーは釈然としていなかったと思われます。50年前の『Let It Be』は黒歴史として無かったものとして、当初の「Get Back」というコンセプトを復権させようとしているのかもしれません。新作映画を軸に、そのサウンドトラックとしての50周年記念盤を制作することが想像されます。

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8 コメント

  1. いつもタイムリーな情報をありがとうございます。
    これはビッグニュースですね。
    Eight Days A Weekが期待程では無かった(?)ので、今回は是非とも素晴らしい作品になる様に願っています。
    特に、映画Let It Beでの演奏シーンには、音と映像がシンクロしていない部分も散見されたので、今回はきっちりと合わせて欲しいと思います。
    せっかくの生演奏映像に、既存の公式発表されている音源をあてがうのは、止めて欲しいと個人的には思います。

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    1. 矢沢さん
      コメントありがとうございます。

      「音と映像がシンクロしていない」、そうでしたね。
      今度はその辺きっちりやってくれると思います。

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    2. この記事と直接関係が無い話題で恐縮ですが、Yesterdayという映画が今年公開予定なのですね。
      監督はメジャーな人(ダニー・ボイル)なのでB級映画では無い様です。
      ビートルズが存在しない世界に、一人だけビートルズを良く知る男がいたら、という荒唐無稽な設定ですが、ビートルズ絡みの映画としては期待出来るかも知れません。

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    3. 矢沢さん

      コメントありがとうございます。

      日本で公開するといいですね。見てみたいです。

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  2. 早耳情報ありがとうございます。
    旧作への思いは語り尽くせないほどですが、中でもアクロスザユニバースが印象的です。
    ・ちょいと長めのジョンの素敵なイントロギター
    ・ポールのうわの空の表情
    ・同じくポール、大声のあくびだなーと思ったら、それはコーラスをつけていた
    事などです。
    リニューアル楽しみですね。

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    1. marrさん
      コメントありがとうございます。

      ジョンの名演はきっちり取り上げてくれると期待しています。

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  3. ま、既存の映画『LET IT BE』だけだと、
    「ポールやなヤツ」の印象が残ってしまうので
    仲の良いシーンを集めて作る必要があったんでしょうね。

    ついつい、ルーフトップの完全版を期待しちゃうけど(テープチェンジによる欠落も気にしない)
    あまり期待しないでおこう。
    前回のEight Days A Weekでは、期待を見事に裏切られたので…

    今回は、映画が完成してくれればヨシとするかな。

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    1. コメントありがとうございます。

      旧版も改めて公開されるようなので今回の映画はとことん
      明るいものになっていたらいいなと思います。

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