特番『One World: Together at Home』でポール・マッカートニーが「Lady Madonna」弾き語り COVID-19がビートルズに与える影響

COVID-19(新型コロナウイルス感染症)に立ち向かう医療従事者を支援する目的の無観客音楽イベント『One World: Together at Home』が2020年4月18日に全世界に配信/放送されました。ポール・マッカートニーも英サセックス州の自宅から出演し「Lady Madonna」を普段よりスローテンポにアレンジして弾き語りで演奏しました。

おそらくスマートフォンで撮影したであろう、アットホームな映像です。最後ちょっと演奏を間違っている気もしますが・・・(本人もそのようなリアクション)、想いを込めた一発撮りということなのでしょう。
ポールが公の場で演奏を披露するのは昨年7月のツアー最終日以降ですと、11月に親族関係のパーティーで飛び入りした↓以来だと思います。
ツアーが終了してから9ヶ月が経過し休養充分ということなのか、今回の映像を見る限り調子も悪くなく、休み過ぎて勘が鈍ったということも無いようです。
今回演奏した「Lady Madonna」はツアー中では女性賛歌という文脈で披露され、女性の顔写真が多くスクリーンに投影されます。 今回も同じ発想のようで演奏中は医療の現場で働いている人の写真(今回は男性も含まれます)がポールを取り囲んでいます。ポールにとってマドンナの象徴である母親が看護師であったことも選曲に影響しているでしょう。医療従事者に母性を感じているのかもしれません。
 なお、ポールはこの出演の3週間前にイギリスのNHS(国民保健サービス) のCOVID-19対応に感謝を述べる映像に登場しています。(下の動画の36秒の箇所、エルトン・ジョンの次、ダニエル・クレイグの前)


ポール自身もCOVID-19のパンデミックにより活動を制約されており、出演予定だった6月の野外フェス「クラストンベリー・フェスティバル」が開催中止になっています。それ以外に5月からの欧州ツアーを発表していますが、これも中止は必至でしょう。(追記:2020年5月7日に中止が正式に発表されました)

リンゴ・スターは5~6月の北米ツアーを3月の時点で中止しています。リンゴは「この30年間コンサートを中止にしたことなんてほとんど無いが、いまは自分もみんなと同じように家にいなければならない。そしてそれがみんなにとってピース&ラブな行動なんだ。」と悔しさをにじませています。
この閉塞感を打破しようと考えたのでしょう、4月26日午前1時(日本時間)に映画『Yellow Submarine』の無料配信を見ながらコスプレして一緒に歌おうとリンゴが呼びかけました。

ジョージ・ハリスンの遺族はビートルズ時代の彼の楽曲「The Inner Light」をテーマソングとしてCOVID-19対策支援のために50万ドル以上寄付することを表明しています。内省的なこの歌詞の世界観が家にこもっていることを求められる今の状況にふさわしいということでしょう。ジョージの息子ダーニが口ずさむ映像が公開されています。

ジョージ設立の『マテリアル・ワールド基金』が「ジ・インナー・ライト」チャレンジを開始&コロナウイルス救済のため500,000ドルを寄付したことを発表!(ザ・ビートルズ日本公式サイト)

ジョン・レノンはといえば、世界が危機に瀕するとき必ず脚光を浴びる彼の楽曲「Imagine」が、世界への応援歌としてSNSで盛んに歌唱されています。
著名な俳優や歌手 リレーで「イマジン」歌う動画 ネットで話題(NHK)

ビートルズ全体としては、5月に迎える『Let It Be』50周年は静かなものになりそうです。もともと新作映画の方に力を入れている傾向はありましたが、その新作映画についてポールは最新のインタビューで「公開がいつになるかわからない」と語っています。
ポール・マッカートニー、ザ・ビートルズの新映画でジョン・レノンとの関係に安堵(BARKS)

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