ビートルズはデビューした50年以上前から現在に至るまで世界中に多くのファンがいることから、コピーバンドがビートルズの曲をコピーする上での情報源が豊富です。
※当ブログにおける「コピーバンド」の定義は→こちら
ベースのタブ譜の入手方法をまとめます。簡単な曲や難しい曲いろいろありますが完コピ目線で「本物の音源の演奏を忠実再現できるか」にこだわってお伝えします。「ヘルプ」「ミッシェル」「サムシング」などビートルズのかっこいいベースをそのまま弾きたい方におすすめです。ギターのタブ譜を求めている方にも参考になるはずです。
譜面をなぞるだけでなくよりポール・マッカートニーっぽく演奏したいという方は別投稿も合わせてご覧ください↓
ビートルズのポール・マッカートニーっぽいベースの音を出す方法
市販のバンドスコア
まず真っ先に思い浮かぶのは市販のバンドスコアです。さすがはビートルズということで現役時代の全213曲のほぼ全曲のタブ譜付きバンドスコアがアルバムごとに入手できます。それ以外にベストアルバム(赤盤、青盤、ザ・ビートルズ1…)などを基準として楽曲をつまみ食いしたものもいくつか発売されています。なお、セカンドアルバム『With the Beatles』の現行版は著作権の都合上「Please Mister Postman」と「Devil in Her Heart」が収録されていません(なので、中古の旧版の方がよい場合がある)。また、アルバム『Yellow Submarine』単体としての発売はありません(収録曲のうちいくつかは「バンド・スコア ビートルズ・コレクション[ワイド版]」に収録)。曲数に応じて2000円台~4000円台で購入できます。
アルバム複数枚分の曲をコピーする予定があるようでしたら、ビートルズ現役時代の公式発売全曲(ドイツ語版の2曲を除く)をコンプリートし1冊に収録した海外版のバンドスコア「The Beatles Complete Scores」を購入してしまうのも良いかもしれません。日本のアマゾンで購入できます(2021年4月時点8,000円台、2023年1月時点13,000円台)。あるいは中古もそれなりに流通していると思います。コストパフォーマンスは最強ですが、日本版のアルバムごとのバンドスコアは各曲の冒頭に解説文があるのでそれを楽しみにしている方にとっては悩みどころかもしれません。
ビートルズだからこその皮肉として、すでに1980年代にはバンドスコアが確立しており、それらは当時の音源・技術(テクノロジー)・情報を元に作成されたため旧来のバンドスコアは品質が低い箇所が散見されます。せっかく作ったものを最新技術でより正確なものに置き換えるという流れにはなっていないようですが、『Live at the BBC』など後年採譜されたバンドスコアはよりコピー度が上がっています。
ポール・マッカートニーのベースに注目した書籍/雑誌
世界一有名なロックベーシストと言っても過言ではないポール・マッカートニーだけあって、彼のベースに注目した書籍が複数発売されています。それらに収録されているベースタブ譜は一般的なバンドスコアとは比べ物にならないほど高品質です。ここでは「ザ・ビートルズ・ベース ~マッカートニー・スタイル~ 」「ロック・ベース・スコア ビートルズ」の2冊をお勧めします。前者はまさしく研究本で、ベースタブ譜だけでなく解説が豊富です。
後者については過去の記事をご覧ください。
楽譜集「ロック・ベース・スコア ビートルズ」2016年1月12日発売
「ベース・マガジン」などポールやビートルズを特集する雑誌に掲載されるタブ譜もかなり正確ですが、1曲通して掲載されることはほとんど無いのが残念です。
ベース・マガジン 2013年12月号特集「ポール・マッカートニーから学ぶ、ベース・ラインの作り方
インターネットのタブ譜共有サイト
Ultimate Guitarなどの海外のウェブサイトで有志によって作成されたビートルズのタブ譜が無償公開されています。
beatles bass tab
といったキーワードでGoogle検索すればすぐ出てきます。例えば以下のリンクからUltimate Guitarにあるベースタブ譜の一覧にアクセスできます。
https://www.ultimate-guitar.com/artist/the_beatles_1916?filter=bass
プロアマ問わずタブ譜をアップロードしているので玉石混交ですが、仕事ではなく個人の趣味で作成しているので時々びっくりするぐらいこだわりぬいた高品質なものもあります。1曲について複数人がアップロードしているので最高の1つにたどり着けるかが最大の問題です。各タブ譜に表示されているRating(レーティング:第三者の評価)を参考にすると良いと思います。
上記から入手できるのはタブ譜ではあるものの文字を並べて表現しているので見にくいかもしれません。きれいに整形された楽譜の状態で見たい場合はGuitar Proというキーワードをつけて検索することをお勧めします。Guitar Proはギタリストやベーシスト向けのタブ譜作成ソフト(エフェクターで音を加工したりもできる)で、このGuitar Proに対応した形式のデータが多数ダウンロードできます。例えば以下のリンクからUltimate GuitarにあるGuitar Pro形式のデータの一覧にアクセスできます。
https://www.ultimate-guitar.com/artist/the_beatles_1916?filter=guitar_pro
上記からであれば、Guitar Proのアプリが無くても画面上でタブ譜を見ることができます。
Guitar Proのアプリは有料ですが、Guitar Pro形式のデータが読み込める無料アプリもあります。(例:TuxGuitar)これらを使えばより快適に閲覧・二次加工できると思います。
画面で見るだけでしたらSongsterrもおすすめです。例えば以下のリンクからビートルズのベースタブ譜の一覧にアクセスできます。
https://www.songsterr.com/?pattern=beatles&inst=bass
気になるのは著作権ですが、どのサイトを見ても「著作権は問題無い」と豪語しています。YouTubeのように著作権者と包括的な契約を結んでいるのかもしれません。そもそもコード譜やベースだけのタブ譜が元の楽曲を再現するための「楽譜」に相当するかは微妙な気がします。この論点を利用してのことでしょうか、前述の雑誌でタブ譜を掲載するときはどの曲のタブ譜であるかの明言を避けて「~風」「~をイメージ」などと記載することで著作権の問題を回避しようとしているようです。
個人が公開しているビートルズ ベース タブ譜
タブ譜共有サイトで問題となる「決定版への出会いにくさ」を解決するために、信頼できる個人が公開しているタブ譜を入手するという方法もあります。Patreon(ペイトリオン)やjellynoteなどのプラットフォームで有償公開している人がいます。InstagramやPinterestで集客してそれら販売サイトに誘導している人もいるようです。
この甲虫楽団ブログでもいくつかビートルズの曲「風」の自家製ベースタブ譜を無償公開しています。以下からアクセスできますのでご利用ください。
https://blog.kouchu.info/search/label/TAB
YouTubeのタブ譜付き動画
YouTubeで自身がベースを演奏する映像にタブ譜を重ねて表示している人が多くいます。その映像を見ながら練習すると非常に効果的です。このタブ譜に前述の共有サイトから入手したものをそのまま使っている人がいるようなので、そういったものは避けてタブ譜を自作していそうな人の映像を見ることをお勧めします。その映像から前述のタブ譜販売サイトに誘導している人もいます。
甲虫楽団YouTubeチャンネルでもいくつかタブ譜付き動画を公開しているのでご利用ください。
https://youtube.com/playlist?list=PLi7CZHJWXEy4TvqShQ4cHyttRbBemULLS
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