Rickenbacker(リッケンバッカー)のベースの特徴的な形状に合うギグバッグが無くてお困りの方は多いと思います。今回ちょうど良い商品を見つけました!
ぴっちりはまります |
ギグバッグ不足のリッケンバッカーベース
エレキベースといってまず頭に浮かぶのはフェンダー社のジャズベースもしくはプレシジョンベースでしょう。「ジャズべ」「プレべ」と愛称で呼ばれるほど定番化しています。フェンダー以外のメーカーもこの2種類の形状を基準に設計している場合が多いです。となるとエレキベース用のギグバッグはジャズベやプレべっぽい形のベースがちょうどよく収まるように作られているものが大半ということになります。
ところがリッケンバッカーのベース(型番でいうと4001や4003。以降「リッケン」とします)の形状はそれら定番とは大きく異なります。以下はリッケンとジャズベの形状を比較したものです(縮尺がズレていたらすみません)。
茶がリッケンバッカー、緑がジャズベース |
ジャズべに比べボディの出っ張り部分が上部に寄っている、全長が短いといった特徴があります。このため、ボディからヘッドに向けて台形にすぼまっているようなソフトケース/ギグバッグではリッケンの肩の出っ張り(通称「ツノ」)が入らないこともしばしばです。
ボディが大きいベース(5弦/6弦ベースなど)は普通にあるので、それらに対応したギグバッグにはリッケンも入る可能性がありますが、対応を明記していないかぎり実際に販売店に出向いて入れてみる必要があります。また、入ったとしてもリッケンは全長が短いのでヘッド部分がスカスカになってしまいがちです。
リッケンバッカーベースのギグバッグを求めて
このような不遇な状況なので本来であればメーカーに公式ギグバッグを用意してほしい所です。実際ビートルズ界隈のベースの相棒、ヘフナーバイオリンベース(これも特殊な形状&全長短い)はメーカー自ら公式のソフトケース/ギグバッグをリニューアルし続けてくれています(現行品は→こちら)。
ところがRickenbacker社にはまったくそのそぶりがありません。「かっこいい純正ハードケースがあるからそれを使え」とでも言わんばかりです。
確かにビンテージタイプのシルバーのハードケースはかっこいいが |
とはいえ東京都在住の身としては公共の交通機関+徒歩でリッケンを運びたく軽量なギグバッグは必要です。
しかたなく、東京・お茶の水の楽器店にリッケンを持ち込んで実際に入れてみて「大き目ギグバッグただしヘッドはスカスカ」を買って10年以上使っていました。1万円くらいしたと思います。買ったギグバッグは緩衝材は豊富なものの、全体的には柔らかくてベースを抜き取るとフニャっと折れまがってしまいます。これが僕にとってはイマイチで、ベースが入っていない状態でもシュッと元の形を保っていてほしいのです。
10年も経つといよいよほころびも目立ってきます。いい加減買い換えたいと思ってネット検索したものの、10年経っても状況は変わっていませんでした。「こうなったらオーダーするか!?」と検索範囲を広げるものの、日本でオーダーのギグバッグというとNAZCAしか出て来ません(他にあったら教えてください)。数年前まではリッケンタイプのギグバッグも同社の選択肢にありましたが、今は消えていました。フルオーダーすることは可能でしょうが、おそらく5万円を超えると思われました。
NAZCA製リッケン用ギグバッグはこんな形状 |
なお、今もなおリッケン用NAZCA製ギグバッグのオーダーを受け付けているところがあります。
NAZCA Protect Case Rickenbacker 325/330/4001/4003用 (リッケンバッカー) 【ナスカ プロテクトケース】
39,380円+送料ということなので、もし今でも機能しているならお勧めです。
AIに活路を見出す。ついに購入
手詰まりとなった僕は、流行りのAIに相談してみました。代表格のChatGPTは無料ですと最新の情報に基づいた判断ができないので、Perplexityに相談してみました。
すると、海外で同じ悩みを克服した方がいることがわかりました。
答えはシカゴのベース工房Serek Basses(セレック)の純正ギグバッグです。同社は30.5インチや32インチといった通常より短いスケール(弦が振動する部分の長さ)のベースを得意としています。リッケンのスケールは33.25インチと、これまた通常より若干短いです。
そもそも、Serek Bassesのベースは見た目もリッケンの影響をかなり受けているようです。
創業者のジェイク・セレックがリッケンを紹介する動画もあるぐらいです。
Serek Basses Heavy-Duty Gig Bag
公式ショップ(↑)には在庫があって、日本にも配送してくれるようです。ここまで条件が揃ったら飛び込んでみるしかありません。
ShortとMedim/Longの2種類あり |
"Medium/Long Scale"(おそらく32インチ/34インチ用)の方を購入しました。本体価格175ドル+配送料125ドルの合計300ドルポッキリです。一時落ち着くかに見えた円安が再び加速し始めたころで、クレジットカード会社からの請求額は42,952円でした。
配送は信頼あるUPS。昨年もHofner Shorty Violin Bassでお世話になりました。7/21にSerek Bassesから受注の連絡があり、週が明けた7/25からUPSで追跡可能になりました。その時点の到着予定は7/31。相変わらずの早さです。
のんびり待っていたところ、7/28の夕方にUPSジャパンから日本語で電話がありました。「ギターを輸入するようですが、木材の材質を教えてください」とのこと。買ったのはケースだけと伝えたのですが、商品価格が1750ドルと高額だとのこと。ゼロが一つ多いです。書類のミスでしょう。クレジットカード会社ではやはり175ドル相当しか計上されていないのでその旨伝えると、購入証明をメールで送ってくれとのことだったので対応しました。
このやり取りのせいか到着予定が一旦8/2に伸びましたが、結局7/31に戻りました。受け取り時にクロネコヤマトの配達員に関税1,100円+消費税1,400円を支払いました。総額45,452円で入手したことになります。間違ってベース本体が入っていないかな、と期待しましたが当然ケースだけでした。
ついに巡り合えた理想のギグバッグ
「入らなかったらどうしよう」と恐る恐るリッケンを入れてみたら…、入りました!かなりキツキツですがこれを求めていたのです。
ビニール袋でくるまれて段ボール箱に封入 |
ツノをクッションに押し付ける感じ |
Hofnerバイオリンベースのハードケースと比較。コンパクトさがわかる |
仕様は一般的なギグバッグと大差ないです。外装の斜めの線がmonoのギグバッグをほうふつとさせます。もしかしたらmonoのOEM(実際に生産しているのはmono)かも??あるいは本体がリッケンにインスパイアされていると同様、ケースはmonoにインスパイアされている??
なお、僕はmonoのM80 DUAL BASS CASE(1つのケースに2本のベースが入る)持っています。リッケンとヘフナーバイオリンベース両方持っていく場合はこれを使っています。このタイプは外装の線が斜めでは無く横ですが。このギグバッグについてはまた別の機会にご紹介します。
MONO M80 DUAL BASS CASEに2本のベース入ります。 |
最後にUPSのサイトに掲載されていた荷物のトラッキング情報を転載します。時刻は日本基準に統一してあります。
2023/07/31 19:54 | 配達完了 配達済み TOKYO, JP |
2023/07/31 9:53 | 配達に伺いました 荷受人は配達時にご不在でした。翌営業日に2回目の配達が行われます。 Chuo-Ku, Japan |
2023/07/30 20:00 | 配達中 施設を出発 Tokyo, Japan |
2023/07/30 18:20 | 荷物は政府関係機関からリリースされました。 |
2023/07/30 15:16 | 空港上屋スキャン(輸入) Tokyo, Japan |
2023/07/30 13:41 | ウエアハウススキャン(在庫スキャン) Tokyo, Japan |
2023/07/29 19:29 | お客様の荷物が政府関係機関により保留されています。保留が解除されると、お客様の荷物が配達されます。 Tokyo, Japan |
2023/07/29 18:45 | ウエアハウススキャン(在庫スキャン) Tokyo, Japan |
2023/07/29 12:12 | 空港上屋スキャン(輸入) Tokyo, Japan |
2023/07/29 9:00 | 施設を出発 Narita, Japan |
2023/07/29 7:06 | 施設に到着 Narita, Japan |
2023/07/28 18:22 | 施設を出発 Louisville, KY, United States |
2023/07/28 1:55 | 空港上屋スキャン(輸出) Louisville, KY, United States |
2023/07/27 21:32 | 施設に到着 Louisville, KY, United States |
2023/07/27 17:05 | 施設を出発 Chicago, IL, United States |
2023/07/27 8:22 | 発地国センタースキャン Chicago, IL, United States |
2023/07/25 3:16 | 作成されたラベル 荷送人がラベルを作成しましたが、UPSはまだ荷物を受領していません。 United States |
2 コメント
https://geekinbox.jp/rosie_release/
返信削除こういうのもあるようです、、、これから発売ですが。
ありがとうございます!
削除実際にRickenbacker 4003を入れている写真があるのは心強いです。でもやはりヘッド部分に余白が生じますね…。
「ショルダーストラップがバネのように上下することで、体感重量を40%軽減する」という新しい試みがあるのはいいですね!デザインも凝っています。