ポール・マッカートニーの最新ツアー「Got Back Tour」北米公演が、いよいよ2025年9月29日から開幕します。その直前、9月26日にカリフォルニア州サンタバーバラ・ボウル(ツアー初日会場から車で3時間半)で行われた一夜限りの特別公演は、ファンにとって忘れがたい歴史的瞬間を刻むものとなりました。以下、本公演に向けたネタバレになる可能性があります。
プレビュー公演という位置づけ
今回のサンタバーバラ公演は、公式に「One Night Only」と銘打たれたウォームアップ的なプレビュー公演でした。会場は4,500人規模と、普段のスタジアム級コンサートに比べれば“裏庭”のように親密な空間。さらに観客はスマートフォンを封印する phone-free(Yondrバッグ使用)形式。つまり、観客はスマホの画面越しではなく、純粋に目と耳でステージを体験するしかない、極めて特別な条件下でのライブとなりました。
告知とチケット入手の難関
このプレビュー公演は9月15日に突如告知され、公式サイト経由で事前登録したファンから抽選的にチケットが販売されました。サンタバーバラ・ボウルのボックスオフィスでは販売されず、転売対策も徹底され、1人2枚までと制限。価格は通常のアリーナ公演と同水準(報道によれば約200ドル前後)で、瞬時にソールドアウトしました。StubHubなどのリセールサイトに高額チケットが出回るも「正規でないものは無効」と会場側が警告するなど、注目の高さがうかがえます。
会場入りするポール
“Help!” がオープニングを飾る
そして、最大のサプライズはオープニング曲が「Help!」だったことです。
1965年のビートルズ以来ほとんどフル演奏されることがなかったこの曲が、まさかツアー開始前の小規模公演で甦るとは誰も予想していませんでした。1990年にジョンへのトリビュートとして断片的に歌ったことはありましたが、今回は一曲として通し、ビートルズ時代を思わせるストレートなアレンジで披露されたようです。LA Timesはこの演奏を“zesty take(キレ味鋭い演奏)”と評しており、観客の驚きと熱狂が伝わってきます。
1990年のHelp!↓
2025年9月25日サウンドチェック↓
この選曲は、おそらく今回のツアーの開幕曲として「Help!」が定着することを予感させます。半世紀以上の時を経て、再び冒頭に響き渡る「Help!」――それは、ファンにとってかけがえのない歴史的瞬間でした。
セットリスト
2024年ツアー最終日より曲数が少ないので実際のツアーのセットリストとは異なるかもしれませんが、流れは本番を想定しているようです。この種の小規模公演にしては曲数は多い印象です。目新しい曲に色をつけました↓
Help!
Coming Up
Got to Get You Into My Life
Let Me Roll It
Getting Better
Let 'Em In
My Valentine
Nineteen Hundred and Eighty-Five
I've Just Seen a Face
Love Me Do
Dance Tonight
Blackbird
Now and Then
Lady Madonna
Jet
Ob-La-Di, Ob-La-Da
Get Back
Let It Be
Live and Let Die
Hey Jude
I've Got a Feeling
Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band (Reprise)
Helter Skelter
Golden Slumbers / Carry That Weight / The End
- ツアー定番の追悼ソングと言えるMaybe I'm Amazed、Here Today、Somethingが演奏されなかった。ウォームアップなので感傷的になりたくなかった?
- Coming Upはサウンドチェックっぽい選曲だが本編でもやる?
- In Spite of All the Dangerが無くなっている。アンソロジー再発で盛り上がる中で必要だと思うが
- ついにBeing for the Benefit of Mr. Kite!が選曲から外れた?同じくジョン作のHelp!と入れ替えるイメージか
- Band on the Runが無いが、重厚でポールの負担が重いせいかこの種の小規模公演で外れることはよくある
- アンコールの流れは本編そのままと思われる
メディア報道の反響
- LA Times は「小規模ながら熱気に包まれた公演」「久々に“Help!”をフル演奏」と報じ、演出がスタジアム公演よりシンプルに絞られていた点も紹介しました。
- Rolling Stone や Consequence は「1965年以来」「1990年以来」と表現が揺れるものの、いずれもこの夜の「Help!」を歴史的復活として大きく取り上げています。
- 現地メディア KEYT などは、会場が完全ソールドアウトとなったこと、チケット転売が無効とされた点を強調しました。
- SNS参加者の声 は「オープナーがHelp!」「スマホ禁止だから記録はないけど心に焼き付いた」といった驚きと感動の報告であふれています。
まとめ
9月29日から始まる「Got Back Tour」北米公演を前に、9月26日のサンタバーバラ・ボウル公演は単なる試運転にとどまらず、歴史的な一夜となりました。小規模、スマホ禁止という制約の中で鳴り響いた「Help!」は、ビートルズ時代の空気を現代に呼び戻す奇跡の瞬間だったでしょう。気絶したファンもいるかもしれません。
甲虫楽団からお知らせ
タイトル:やっちゃえ甲虫〜リリース60周年記念『Help!』『Rubber Soul』全曲通しライブ
日時:2025年10月18日(土)11:15開場 12:00開演 15:00終演予定
場所:Live in Buddy(東京・練馬区)西武池袋線 江古田駅 徒歩1分
チャージ:3000円(1ドリンク込)
全席自由
ご予約は以下フォームより送信お願いいたします。
「やっちゃえ甲虫〜リリース60周年記念『Help!』『Rubber Soul』全曲通しライブ」ご予約フォーム
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