2012年10月1日月曜日

レビュー:Blu-ray「Produced by George Martin」

NHK-BSプレミアムの番組「ザ・プロデューサー ~ビートルズ・サウンドを支えた男 ジョージ・マーティン~」(以前の投稿参照)や、2012年10月13日から劇場公開される映画「<劇場版>プロデューサー ジョージ・マーティン~ビートルズを完成させた男~」(以前の投稿参照)の元ネタとなったイギリスBBC制作のドキュメンタリー番組「Produced by George Martin」のブルーレイ版を観ました。
北米版なので日本の機器で再生できます(日本とリージョンコードが同じ)。字幕は英語、スペイン語、フランス語がついています。
今回観て、「ビートルズ・サウンドを支えた男」がとても巧みに編集された番組だということがわかりました。「ビートルズを完成させた男」と「Produced by George Martin」は同じ内容と思われるので、「ビートルズ・サウンドを支えた男」との差でこの作品を語りたいと思います。

「ビートルズ・サウンドを支えた男」は元々1時間半の番組に日本独自素材を追加して1時間の番組に編集したものなので「Produced by George Martin」(元素材)からはカットされた内容があります。とはいうもののビートルズ関連の箇所は全て網羅されているようです。ポール・マッカートニーとリンゴ・スターの出演シーンは全て「支えた男」でも使われています。カットされたのはジョージ・マーティンの生い立ち、日本人にはなじみの薄い俳優/アーティストのインタビュー、聴力を失った話、モンセラット島との係わり合い、などです。エンディングのシーンは両作品で同じでした。
カットされた内容の中で面白かったのは、以下のような点です。

  • ポールやリンゴの登場シーンで話題となる部分だけ残してジョージ・マーティンの生い立ち部分はほとんどカット→ポールやリンゴのシーンはカットしたくなかったからと思われる
  • シラ・ブラックが「Alfie」をレコーディングするシーンでオーケストラを指揮している人がこの曲の作曲者のバート・バカラックだった点→「支えた男」にもこのシーンが出てくるが彼であると説明していない
  • ビートルズ以降手掛けたアーティストのインタビューのうちアメリカ(という名前のバンド)についてまるごとカットされている→「支えた男」にはジェフ・ベックとジョン・マクラフリンのみ採用。知名度の差か・・・アメリカの「Tin Man」にジョージ・マーティンがキーボードソロで参加しているという話題なので重要なはずだが

元素材と比較して「ビートルズ・サウンドを支えた男」の良いところは以下のような点です。
  • 独自映像や独自ナレーションを追加して前提知識(登場人物や時代背景)を分かりやすく説明している→元素材にナレーションは無く、字で説明するのみ
  • 映像の順番を組み替えて話の流れが分かりやすくなっている→元素材は散漫な印象がある
  • ジョージ・マーティンや息子のジャイルズ・マーティンなど進行上重要な人物は日本語音声吹き替えがある※ポールやリンゴは吹き替え無いので、彼らと話すときはジョージマーティンも字幕になる
  • 日本公演について当時の映像やジュディ(ジョージ・マーティンの妻)の回想が追加されている
とくに最後が重要で、ジュディが日本について語るシーンは「Produced by George Martin」の本編にも特典映像にも含まれていませんでした。どこからこの映像を入手したのでしょうか。誰かがこの映像の存在を知って、それを日本版の番組に入れようと考えて実際そうしたということになります。


このBlu-rayには特典映像が52分含まれます。ビートルズ関連ではケン・スコットのインタビュー、ジャイルズがジョージ・マーティンにビートルズのオーディションの様子を聞くシーン、本編でも興味深い話を聞きだしてくれたハワード・グッドオールによるジョージ・マーティンへのインタビューの完全版、などが目を引きます。内容はこれまで書籍で目にしたことがあるものが多いですが、本人が語る様子を見られるのは感慨深いです。

ビートルズ関連を除いても「Produced by George Martin」は良い作品です。全編にジョージ・マーティンがプロデュースした音楽がBGMに使用され、当時の風俗をしのばせる映像や、現代のイギリスの美しい田園風景などに目を奪われます。

以下は「ビートルズ・サウンドを支えた男」ではカットされたジョージ・マーティンがドライマティーニの作り方を教えるシーンです。


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